バキューム車の使用に当たってはCADデータが必要不可欠です
バキューム車や吸引車と言われるいわゆる衛生車は、高い吸引能力で溜まっているし尿などを衛生的に吸い上げて回収し、処理現場まで運ぶことを役割として担っています。
バキューム車は、工事現場やイベント会場など簡易的に設置される「簡易水洗便所」に貯められた汚物の回収を目的としている車輌です。
バキューム車は、し尿運搬用車輌としてなくてはならないものです。
その仕組みやバキューム車を使用する場合には、バキューム車のサイズと使用する場所の広さ、ホース長さ、吸引能力など検討しなくてはいけないものがいくつかあります。
そのため、感覚的に利用するという訳にはいかず、バキューム車や吸引車のCADデータが必要になってきます。
使用するバキューム車のCADデータを図面に載せて問題点を解明する
バキューム車が使用したい位置に入れない、作業できない
バキューム車や吸引車を使用する場合、事前にバキューム車の寸法や吸引能力、ホース長さなどの情報を収集しなければなりません。
どのような経路で車輌を目的場所に移動し、どんな作業を行うのかの計画を立てる必要があります。
実際にバキューム車のCADデータを使用し、図面に計画を当て込む段階で、バキューム車が使用したい位置に入れない、作業することができない、吸引能力やホース長さが足りない、という問題に直面する場合があります。
目的の位置にバキューム車が入らなければ、いくら吸引能力が高くても、し尿などの吸い上げの作業を行うことすらできません。
このような自体になってしまわないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか。
使用するバキューム車が簡易水洗便所のエリアに進入できない
使用するバキューム車が簡易水洗便所のあるエリアに進入できないことが、図面上のCADデータを使用してわかった場合、どう解決すべきなのでしょうか。
バキューム車の種類を変えれば良いのでしょうか。
バキューム車は様々な機能が搭載され、進化を遂げている車輌です
バキューム車や吸引車と言われるタイプの車種の種類は、現時点で1種類のみとなっています。
そのため車輌の大きさも同じものになります。
バキューム車は、真空ポンプ式を吸引時の方式として取り入れています。
タンクの中の圧力を下げることで、大気圧の差を生み出し、し尿をタンクの中に吸引することができる仕組みとなっています。
また、真空ポンプを動かす動力としてPTO式というものを取り入れていることで、バキューム車など車輌のエンジンを切る必要はありません。
し尿を吸い取るという仕組みの車輌ということもあり、それ相応のニオイも発生してしまいます。
この部分については、バキューム車に燃焼式消臭器を搭載して解決しています。
タンク内に溜まったし尿の悪臭はもちろん、吸い上げ時に漏れるニオイも発生しにくくなっています。
このようにバキューム車は、日々進化を遂げている車輌のひとつとなっています。
バキューム車の進入の可否は、CADデータを使って設置場所の決定時に確認
バキューム車や吸引車の使用計画において、進入経路や作業場所の確保が必要不可欠ですが、簡易水洗便所の設置計画を立てる段階が重要です。
バキューム車の進入経路やホース長さ、吸引能力、作業場所を計画し決定した上で、簡易水洗便所の設置位置を決定するようにしましょう。
簡易水洗便所を設置して、し尿の吸い取り作業の時期が来るからと、バキューム車の出動のためにCAD図面を使用した計画を立てるという手順では遅すぎます。
バキューム車の経路や作業位置も、CADデータを使ってしっかり確保する
工事現場やイベント会場に簡易水洗便所を設置する計画がある場合、どうしても簡易水洗便所の設置場所から考えがちです。
なぜ、簡易水洗便所の設置場所から先に考えてしまうのか。その理由は簡単です。
使用する人がいかに便利にそしてスムーズに利用することができるのかという人の動線を考えて、設置計画を第一優先にしてしまう傾向が強いからです。
利用する人々の利便性を保ちつつ、し尿処理を行うバキューム車の進入経路などをCAD図面をもとに設計して、万全の計画として準備する必要があります。
バキューム車の寸法は、構造上思ったより大型車輌なので、大雑把な計画では失敗する可能性もあります。
バキューム車を使いたいのに使うことができないということにもなり兼ねません。
簡易水洗便所を設置する場合はCAD図面を活用し、バキューム車を使用する経路や作業位置をしっかり確保した上で設置するようにしましょう。
バキューム車は終戦直後の日本で生まれた
狭い路地や住宅の隙間などでも糞尿などの汚泥物を吸い上げることができる、長いホースを備えたバキューム車は、終戦直後の日本で生まれました。
現在の日本でも、下町などは木密地域となっており、住宅が所狭しと立ち並んでいる状況です。こういった状況に対応した、そしてその密集地域を生み出してしまったのが、バキューム車だとも言えるでしょう。
一方で、もしバキューム車が存在していなければ、現在の日本の衛生管理状況は生み出せずにいたかもしれません。それほどまでに我々の生活に密着している車両だと言えるのです。
バキューム車の誕生、もともとの名は真空車
バキューム車は誕生当初から「バキューム車」と名前を付けられていたわけではありません。もともとは「真空車」という名前が付けられていました。
誕生当初の真空車は、オート三輪でタンクを牽引しているものでした。しかし、オート三輪とタンクの揺れが共鳴してしまい、まっすぐに走る事が困難な状態でした。そこで、目を付けたのがトラックです。トラックの荷台にタンクを乗せることで走行が安定し、その後現在のような形へと改良されていきました。
幅広い用途で使われるバキューム車
バキューム車や吸引車と言われる車両は、トラックの荷台部分に真空ポンプと吸引ホース、そしてタンクを備えています。バキューム車・吸引車というと、糞尿や浄化槽などの吸引にだけ使われるだけと考えがちですが、その用途は幅広いと言えます。
用途を見ると、道路側溝などの清掃やビル屋上などにあるタンクの清掃、土木工事における杭下の汚泥回収、一般河川の浚渫などでも使用されます。
そのため、土木の現場などではバキューム車や吸引車をよく見かけることがあります。工事内容や工事工程を考えていく中で、バキューム車・吸引車が必要な場面が見えてくるのです。
バキューム車・吸引車の運転免許と資格
バキューム車・吸引車は、「特種用途自動車」に分類されています。特種用途自動車という名前から、特別な許可や免許が必要そうに感じますが、運転免許の観点から見れば、特種用途自動車を運転するために特殊な免許が必要なわけではありません。一般的な自動車と同様で、車両の重量や積載量に合わせて中型免許や大型免許を取得する必要があるだけです。
一方で、バキューム車・吸引車を取り扱う職種であれば、浄化槽管理士の資格は保有しておきたいところです。それは、バキューム車・吸引車を運転する仕事内容には、浄化槽整備や点検業務なども必要となるからです。浄化槽整備や点検には、国家資格である浄化槽管理士の資格が必要です。
浄化槽管理士の試験や講習の実施は、「日本環境整備教育センター」が国から受託されています。試験日などは指定がありますので、詳しい内容は日本環境整備教育センターに問い合わせをすると良いでしょう。
バキューム車の魅力はホースから吸い上げる吸引力
バキューム車・吸引車は、なんといってもその吸引力が最大の特徴です。大量の汚泥物などの液体を短時間で吸い上げるのには、その構造に特徴があるからです。
バキューム車・吸引車は、タンク内を真空(バキューム)に近い状態にすることで外部との気圧差を生みだし、その気圧差を利用して液体などをホースから吸い上げる仕組みとなっています。
構造的に見ると主に、「タンク」、「真空ポンプ」、「吸引ホース」、「接続バルブ」の4つから構成されています。なお、タンクと吸引ホースを接続している接続バルブを閉じている状態にしておくことで、タンクを密閉している作りとなっています。
バキューム車・吸引車で吸い上げ作業を行うときには、まずタンク上部などに設置されている真空ポンプからタンク内の空気を吐き出します。この空気の吐き出しにより、密閉されたタンク内は圧力が低下します。そして、外部との圧力差を生み出すことにより強い吸引力を作り出しているのです。
なお、最近のバキューム車・吸引車は消臭装置が備わっているため、外部へ不快な臭いを出すことも少なくなりました。
真空ポンプで液体や個体を遮断する
バキューム車・吸引車の構造上の要となる部分です。液体や個体を遮断する作りのため、ポンプを通して汚泥物が排出されることはありません。
タンクから汚泥物が外部へ漏れないようにする
吸い上げた液体などを溜め込む場所です。タンク内部を清掃するために、出入り可能な蓋が上部に備えられています。
蓋がタンクより高く設置されているのは、内部の汚泥物が外部へ漏れないようにしているためです。
吸引ホースは吸い上げ時に圧力が低下する
外部からタンク内へ液体などを吸い上げる装置です。ホースは吸い上げ時に圧力が低下するため、金属のコイルを埋め込むことで潰れないようにしています。
ちなみに、タンク内の気圧を変えることで、タンク内の液体などを吐き出すことも可能となり、その吐き出し時にはこの吸引ホースをたどって内容物が吐き出されます。
脱臭装置で臭いを完全にシャットアウトする
汚泥物などを組み上げたときに発生する臭いを脱臭する装置です。燃焼式なども存在していて、完全に臭いをシャットアウトすることができます。
バキューム車・吸引車の国内製造メーカー
バキューム車・吸引車の国内メーカーで最も有名なのが「モリタエコノス」です。日本国内シェアの約9割を製造しているメーカーです。また、「新明和工業」や「東邦車輛」、「兼松エンジニアリング」なども製造メーカーとしは有名です。
バキューム車・吸引車の利用が不可欠な訳
公益社団法人日本下水道協会の調査によると、令和元年度末における全国の下水道普及率は79.7%(下水道利用人口/総人口)です。そのため、2割近くの地域ではバキューム車・吸引車の利用が不可欠な状態です。
戸建て住宅など集合住宅地帯では、バキューム車・吸引車の引き込み場所の確保なども必要な場合があります。
密集地域でのバキューム車の使用はcad図面作成が必要
田舎などの周りに住宅が少ない場所では問題になりませんが、木密地域や密集地域などにおいては、バキューム車・吸引車への配慮は不可欠な状態です。
cad図面作成においても、当然バキューム車・吸引車の引き込みを配慮する必要があります。cad図面でcadデータを落とし込みをする際には、バキューム車・吸引車の搬入経路はもちろん、ホースの引き込み通路やホース長さも検討する必要があります。
バキューム車・吸引車のcadデータをcadで取り扱う際、メーカーサイトからフリーのcadデータをダウンロードして使用しましょう。また、無料でcadデータを公開しているサイトも数多く存在します。そうした無料サイトからcadデータをダウンロードして使うこともおすすめです。
バキューム車のホースの長さもCADデータで確認
バキューム車・吸引車のフリーでダウンロードできる無料cadデータは、主に車体についてのcad図面が多いのが現状です。そのため、ホースの長さや引き込みに対してはフリーダウンロード可能な無料cadデータは不足しています。
メーカーサイトやバキューム車・吸引車をレンタルしている企業のサイトなどでは、カタログを無料でダウンロードできたり、寸法や性能表を閲覧することができます。こうした、フリーでダウンロードできるカタログや車体性能表などのデータでホース長さや吸引能力を調べて活用し、cadでホースのcadデータを作ってみると良いでしょう。
フリーや無料のcadデータ使用時の注意点
フリーのcadデータをダウンロードして使用する時に、場合によってホース長さなどの寸法が違っている場合もあります。これは、フリーのcadデータがただ単純に間違っている場合もありますが、バキューム車・吸引車がリニューアル、バージョンアップされている可能性もあるからです。
無料のcadデータをそのままcad図面に落とし込むのではなく、そのcadデータが正しい寸法かどうかを必ずチェックすることも必要です。また、cad図面を作成した後に再度、そのcad図面が正しいかチェックをすることも大切です。より精度の高いcadを作り上げるためにも、おろそかにしてはならないポイントだと言えるでしょう。
無料ダウンロードして知るバキューム車と吸引車の特徴
みなさんは、バキュームカーといわれてどんなイメージを持っていますか?吸引器とタンクを装着したトラック式の作業者になり“吸引車”と呼ばれることもあります。バキュームカーは登場した当時、革命的な車としてその名を一気に広げていきました。バキュームカーの歴史やその機能について、詳しく解説していきたいと思います。
バキュームカー(吸引車)の仕組みをcadデータから知る
バキュームカー(吸引車)は、もともと日本で生まれた和製英語になります。日本固有の名称になるので海外では通じません。別名として吸引車はもちろん、衛生車や汲取車などと呼ばれることもあり、その業種によっても多少の呼び方に違いがあるようです。バキュームカーというよりも、吸引車といったほうが馴染みもある人もいるかもしれません。イメージでいえば吸引車が最も近いイメージになりますね。
バキュームカーは、主に屎尿運搬用の車両のことを指します。汲み取り式便所や、簡易水洗、電車のなかの糞尿の回収を行うこと、浄化槽にたまっている汚泥の回収などを行います。主に有名なメーカーといえば、モリタエコノスや新明和工業、兼松エンジニアリングなどがあげられ、バキュームカーの大半のシェアを獲得しています。
バキュームカーの仕組みもcadを使って、cadデータやcad図面を見ることでよりその構造の魅力がわかるはずです。バキュームカーの他社との違いをどのように表現したらいいのか迷っている人も、cadやcadデータ、cad図面を使って無料(フリー)ダウンロードなどもありますし、上手にcadデータを使いこなしてみてくださいね。Cadにしかできないこともありますし、cad図面なら見えない内部までしっかりと比較できますので無料(フリー)ダウンロードを使いこなしましょう。
バキュームカーは日本固有の名称、海外では通じない
和製英語からもわかるように、バキュームカーが生まれたのは日本です。1951年(昭和26年)に、神奈川県川崎市が全国に先駆けて開発したことで一躍話題になりました。その後、全国から注文を受けるようになり、バキュームカーの名前が知られるようになります。バキュームカーはそのときの時代背景や、製作者のさまざまな工夫によって誕生しました。
例えば誕生当時、バキュームカーのホースを「2インチ」と太めのものにしていました。当時は女性の生活様式が大きく変化していた時代です。女性の生理用品を布でまかなっていたこともあり、便槽のなかにそのまま捨てられていることもあり、詰まりを防止するために考えられたそうです。ホースをあまりにも太くしてしまうと、吸引力が弱くなってしまう問題もあり、ちょうどいいと判断したのが、2インチだったのです。
ホースはもともとゴム製のなかでも硬いものを使用していましたが、途中で停留すると局部的に大きな圧がかかる問題がありました。そのため、ホース自体が潰れてしまうなどの問題もあり、何度も試行錯誤を繰り返しています。この実験結果から、ホースのなかを渦巻き状にしたピアノ線を入れてみたものの、引っ掛かりの問題もあり、更に内側に耐久性の薄いゴムの布を張るなどの実験もしています。
さまざまなトラブルを乗り越えたうえで、昭和26年に川崎市役所の片隅で身内だけで真空自動車の発表会を開くまでになります。当時、し尿処理に関する重要性を認識している人が少なかったこともあり、当時は陰口を叩かれるまでになります。
おもちゃだといわれるなど、ただの目立ちたがりだと陰口を叩かれることも少なくありません。それならと大々的かつ、堂々と清掃業界に発表してしまおうと考え、研究会にかけあい時間をもらうことに成功します。国立公衆衛生院は現在も実在していますが、アメリカのロックフェラー財団からの寄付金で建てられた、環境衛生の人たちにとっては憧れの場所です。
建物の正面入口には遊園地の子ども用プールほどの大きさがありましたが、その水を汲み取るデモンストレーションを行いました。当時のバキュームカーは真空自動車とも呼ばれており、日本全国の清掃関係者や民間のゴミし尿処理業者などの機材メーカーにまたたく間に広まります。日本全国から見に来るようになり、東京都からも清掃局長が十回以上見学に来るなど、いかに注目されていたのかがわかります。
かつては日本のみで使われていた、バキュームカーでしたが、その活躍は海外にも広がりを見せています。2010年に下水道の普及率が低いアフリカでは汚物が溢れ出すことによって伝染病を拡散させるリスクになっています。そのため、海外の援助プログラムによって、バキュームカーを使った汚物の撤去作業の活動も積極的に行われています。
バキュームカーの歴史を知ったからこその面白さもありますね。Cadを使えばバキュームカーがどう変わってきたのか、cadデーやcad図面にしか見えない発見もあります。Cad図面を通して新しい発見があると嬉しいですね。Cadは無料(フリー)で利用できるものもあります。有料だと…と躊躇している人も、無料(フリー)を使ってダウンロードしてみましょう。無料(フリー)ダウンロードの際は、cadデータの保存型式に注意してくださいね。
バキュームカーの原理もCADデータが教えてくれた
バキュームカーは、どのようにしてし尿処理などを行っているのでしょうか。その名前からもわかるように、自動車掃除機のようにタンク内に一定の負圧をかけています。そのうえで、大気圧とタンクのなかの圧の差を使って吸い上げていきます。この仕組を使っていることから真空車と呼ばれており、横文字に直した名称としてバキュームカーの名前が使われるようになります。
真空ポンプの主電源になっているのはエンジンになり、PTO出力によって駆動されるようになっています。バキュームカーは使用するときに、なかの温江力が低くなる特徴があります。そのため、外圧に影響されない構造のもので作らなくてはいけません。そのための工夫として、金属のコイルが埋め込まれた構造のホースを使っています。
かつてのバキュームカーは、タンクの中にある空気を強制的に排出して吸引する構造にしています。そのため悪臭が漂ってしまう問題があり、どうにか解決できないかと工夫したのが「燃焼装置」になります。
現在のものはこの燃焼装置がついていることもあり、吸引中であっても悪臭が漂うことはありません。中には香りを甘いものに変えるバキュームカーも登場するなど、においの問題は年々改善され変わりつつあります。バキュームカーならではのこだわりを感じられますね。
バキュームカーの原理は、cadやcadデータ、cad図面を無料(フリー)ダウンロードすることで、その違いが見えてきます。Cadデータは無料(フリー)ダウンロードでも十分に使いこなせるものがたくさんあります。
まとめ/無料ダウンロードして知るバキューム車と吸引車
バキュームカーは誕生当時、なかなか信用してもらえないところから今ではなくてはならない存在の作業車になりました。どうしたら問題なくし尿処理ができるのかを工夫し続けたからこそ生まれた技術といえるのではないでしょうか。
Cadを通して見てみると、その特徴がわかりますし、無料(フリー)ダウンロードもありますので、使わない理由はありません。バキュームのホースはもちろん、吸引部分の違い、それぞれのメーカーの違いも含め、cadを使って比較をすると、新しい発見も見えてくるのではないでしょうか。
バキュームカーは他の作業者とは何が違うのかなども含め、比較してみてくださいね。
産業廃棄物の搬送が建設図面にバキューム車のCADデータを必要にした
見かけなくなったバキューム車や吸引車
バキューム車や吸引車といった車両は、工事現場や河川の汚泥回収の現場など、建設産業にかかわる業種では日常的に見ることができます。しかしながら、都市部の下水道が普及を見せている現在の日本においては、生活の中でバキューム車や吸引車はあまり見かけることがなくなった車両の一つかもしれません。そういった状況が一部ではあるものの、都市部の下水道が整備されていない地域などではバキューム車や吸引車はまだまだ活躍を見せています。
地域や環境によってバキューム車や吸引車のcadを取り扱う場面が多い場合と少ない場合があるはずです。どういった場所でそしてどういった環境でバキューム車や吸引車が利用されているのか、そしてそれらを必要とする設備や状況はどういったものなのかというところを把握しておくと、いざという時に役に立つはずです。
下水道未整備地域などでバキューム車を目にすることも
都心から少し離れた場所や下水道が整備されていない場所などでは、バキューム車や吸引車が現役で働いている姿を見ることができます。一般家庭用の小型タイプのものや、浄化槽へ対応した中型タイプ、さらには大型車など汲取式トイレに対応したバキューム車や吸引車が、市町村の上下水道施設や清掃工場などで見ることができるはずです。
また、建機レンタル会社でも建設業者向けにバキューム車や吸引車を貸し出ししているため、取り扱い車両として見ることができるでしょう。こういった場所にあるバキューム車や吸引車は、ボディーの柄が統一されています。市町村のイメージカラーで装飾されていたり、キャラクターやキャッチコピーが入っている車両もあります。また、レンタル会社であれば、会社名や会社のシンボルカラーが入っているものあります。バキューム車や吸引車は汚泥物を運ぶというイメージが強いからこそ、カラーやデザインで明るい印象を与える必要があるのかもしれません。
バキューム車や吸引車は、車体の形が特徴的なため、ひと目見ただけでそれと分かるのが特徴だとも言えます。見かけることが少なくても、車両のパッケージデザインやそのフォルムから、印象に残りやすい車両の一つとなっているわけです。
こうしたバキューム車や吸引車は、メーカーやレンタル会社などでcadデータを手に入れることができます。cad図面をホームページでフリーダウンロードができたり、cadで使える車両の写真を無料で提供していたりします。特に、市町村へのプレゼンでバキューム車や吸引車のcad図面を使用する場合、フリーでダウンロードできるcadデータだけではなく、無料で提供している車両写真を使えば、より具体的な提案を可能とします。
集合住宅の設計にも貢献するバキューム車
現在でも、マンションやアパートなどの集合住宅では浄化槽を使用しているところが多く、こういった場所での吸引作業では中型のバキューム車や吸引車が使用されます。小規模なアパート等であれば1台だけで汲み取り作業はまかなえるかもしれませんが、大きなアパートやマンションになると事情が違います。戸数が多くなるにつれて必要となる汲み取り量は当然に多くなります。それに合わせて、バキューム車や吸引車の車両数も増やさなければいけません。2台や3台といった場合や、多い時にはそれ以上の車両が一つの建物に集合して、それぞれに吸引作業を行うのです。
そのため、こういった集合住宅では設計段階でバキューム車や吸引車を停車できる駐車場などを確保しています。駐車場が確保できない場合は、作業できる道路などをある程度想定して、マンホールや浄化槽の位置を配置するようにします。丁寧に行う場合には、設計図にバキューム車や吸引車のcad図面を落とし込み、縮尺した世界の中でシミュレーションを行いながら、安全でかつリスクの少ないそして日常的に作業ができるように配慮します。cadデータは、メーカーサイトやレンタル業者、または無料でcadや図面を提供しているサイトから、フリーのcadをダウンロードして配置することがほとんどです。こうしてダウンロードして配置されたcadデータを元にして、駐車場にスペースを確保したり、引き込み道路の幅を考えたり、近くを走る道路などの環境やアプローチを考えたり、さらにはcadのバキューム車やホース長さ、吸引能力に合わせて浄化槽やマンホールを配置して、汲み取り作業をよりスムーズなものになるよう設計していきます。
浄化槽とバキューム車や吸引車
浄化槽の清掃は、浄化槽内を掃除すればよいというわけではありません。浄化槽内の汚泥物はバクテアリアなどの微生物により分解されています。そのため、定期的なバクテリア補充が必要となります。また、浄化槽内は常に循環している必要があるため、循環装置が必ず整備されています。装置は年に1度洗浄を行わなければならないため、浄化槽内の汚泥物を吸い上げる必要があるのです。
浄化槽は使用人数に合わせてその大きさが変わります。もちろん、使用人数が多いほど浄化槽の容量も多くなります。浄化槽は下水道が引かれていない個人住宅などでも使用されます。浄化槽で浄化された液体は、接続されている排水路に排出されます。
バキューム車や吸引車との汲み取り作業
し尿の汲み取り作業を行う際は、マンホールの蓋を外します。ちなみに、配置されているマンホールはいたずら防止などの観点からネジで止められていますので、ネジを回してから外します。タンク内は汚れなどがこびりついているため、棒などで浄化槽の側面などの汚れを擦り落とします。
その後、バキューム車に備え付けられているホースを伸ばしてし尿などを汲み取りします。最近のバキューム車のホースは、自動巻き取り式になっているため、ホースの巻取りにはあまり苦労をしないそうです。
し尿以外の吸引も行うバキューム車や吸引車
バキューム車や吸引車は、産業廃棄物の処理を行う場合もあります。これは、建設現場で発生する汚泥や工場などで発生する廃油などを回収するためです。これらの回収された産業廃棄物は、定められた処分場にバキューム車や吸引車により搬送されていくのです。建設現場などの図面で、バキューム車のcadデータが必要になるのは、こういった要因があるからです。
故障や修理の際にも必要なバキューム車のCADデータ
cadデータはcad図面で必要になるだけではありません。車両の故障や修理などでもcadが必要になります。もちろん、故障や修理といった対応は、販売メーカーやレンタル業者が行うのが一般的です。
しかし、自社で保有している車両であれば、簡単なメンテナンス作業であればメーカーを通さずともできる場合があります。そういった簡易的なメンテナンスを可能にするためにも、メーカーなどから無料のcad図面をフリーダウンロードしておくと便利です。
さらには、cad図面だけではなく資料作りなどにも使えるフリーの写真データなどもダウンロードしておくことがおすすめです。ただし、無料でダウンロードできるデータだとしても、著作権フリーではない場合もあります。社内資料やプレゼンで使うのは大丈夫だとしても、パンフレットの商用使用については無料で使用できませんので注意しましょう。こうしたトラブルに対応するためにも、フリーダウンロードしたcadや写真などは、いつでも正しく使えるように整理しておくことが大切です。
今でも開発改良を続けるバキューム車や吸引車
バキューム車は全国で先駆けて神奈川県川崎市で開発・導入されました。以前は清掃課という部署で取り扱っていたようですが、現在では生活環境事業所が取り扱っています。もちろん、現在でもバキューム車は現役で活躍しているようです。
下水道の整備が進むにつれて、バキューム車や吸引車は見かけることが少なくなりました。一方で、現在のバキューム車や吸引車は以前のように、し尿の臭いを漂わせたり、ホースを人力で巻き上げるといったことがなくなりました。これもひとえにバキューム車や吸引車を日々開発し改良している人たちや、それを扱う作業員たちのの努力の賜物なのです。