鋼材の重量計算・強度計算・断面計算のフリーソフトです。
- 鋼材重量集計
- ボルトのサイズ重量表示
- 鋼材重量と塗装面積の集計表
- 重量計算と取り合い
- 形鋼やプレートの重量計算
- 形鋼の重量・断面性能の表示
- 形鋼・角形鋼管・軽量形鋼の断面特性を計算
- 締付軸力や疲労検討をして安全率を計算
- 鋼材の質量・重心を計算、断面積・周長を求める計算
- 歩留まり計算
- 鋼材たわみ計算
- 鋼管柱強度計算
- パイプ重量計算
- h鋼強度計算
- h鋼重量計算
- 鉄骨強度計算
- せん断計算
- 軸力計算

- 鋼材の重量計算のフリーソフト・エクセル
- 鋼材の強度計算・断面計算のフリーソフト・エクセル
- H鋼・鉄骨の計算のフリーソフト・エクセル
- 鋼材数量計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
- 鉄骨の曲げ応力の大きさ
- 金属を鋼鉄の表面に薄く接着する方法
- 錆びの発生を防止する方法
- 鋼材の疲労強度
- 鋼材の曲げ試験
- 鋼材の重量計算方法
- 一定の力がかかるとひずみが増大する「鋼材のクリープ」とは
- 高力ボルト接合に関する鋼材断面性能と鋼材強度計算のポイント
- 鋼材の計算に使用する構造用鋼材の形状と寸法
- 鉄筋の質量算出
- 鉄骨の設計計算
鋼材の重量計算のフリーソフト・エクセル
Excelで作る 鋼材重量表
CADで図面を描くことは一般的になっていますが、鋼材表はいまだに手書きで作成している人が多いのが現状です。デジタル化したいと考えて作られたのが、[Excelで作る鋼材重量表」です。鋼材重量集計がExcelで簡単に作成でき、編集もかんたんにできます。
Excelで作る ボルト選定表
サイズ・つかみ代・重量表示別を入力するだけで、ボルト長さ・重量がExcelで簡単に出力できます。ねじサイズの選定方法は、ねじ山部分の直径をノギスなどで測定します。小さいサイズの場合はデジカメラ等で定規等と一緒に撮影し、拡大して測定します。
重量計算・取合いソフト『よろずや 2019』
鉄骨業での一般鋼材・型鋼の重量計算と材料計画、取り合いが作成できます。重量計算と材料計画、取合いのみに特化し、長期間の日常業務の中で改善を重ねたソフトです。複合取合の機能が追加され、高効率の手動取合と自動取合の両方が可能です。鋼材たわみ計算・鋼管柱強度計算・パイプ重量計算・鋼材強度計算・鋼材重量計算・鋼材重量表作成・鋼材断面性能・鋼材塗装面積の算出・アンカーボルトにも対応した人気のソフトウェアです。
鋼材重量計算
鋼材の重量計算を行うソフトです。JISによる形鋼や、よく使用するプレートの重量を計算します。電卓で計算する必要がなく、鋼材のハンドブックとして確認が便利になります。アングル、チャンネル、I、H、フラットバー、丸、パイプ等に対応しています。h鋼強度計算・h鋼重量計算・鉄骨強度計算・鋼材強度計算・鋼材重量計算・鋼材重量表作成・鋼材断面性能・鋼材塗装面積の算出などに使えるおすすめのソフトウェアです。
鋼材の強度計算・断面計算のフリーソフト・エクセル
断面特性計算名人
基本図形、形鋼、角形鋼管、軽量形鋼を含む断面を特性計算します。単独断面でも、組合せても計算できます。断面特性については断面2次モーメント、断面係数、断面2次半径、断面積及び重心位置が計算できます。アンカーボルト・鋼材強度計算・鋼材重量計算・鋼材重量表作成・鋼材断面性能・鋼材塗装面積の算出なども対応しているので、機械設計者に最適なツールです。
JISボルト選定
目標安全率や外力を入力すると、締付軸力や疲労検討をして適切なボルトの選定を行い、安全率を計算するソフトです。静強度安全率、疲労強度安全率、接合面浮きに対する安全率、必要締付トルクを出力します。未登録版は、ボルトの選定対象に制限付です。せん断計算・軸力計算などに対応したソフトウェアです。
質量計算 for EXCEL
装置などの質量・重心を計算するおすすめソフトです。JIS形鋼やSGP、STPG配管、ボルトナット等をリストから選択して入力します。立方体・直方体、円筒物も寸法入力により質量を計算できます。個々の部品の重心を入力することで、全体の重心を算出します。
fai
丸鋼の断面積及び周長を求める計算プログラムです。構造計算書の計算チェックをする目的で開発したプログラムです。鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説の改訂に伴い巻末の付録一覧表の代わりとして使えます。簡単に構造計算が行えます。
最適切断 8号
鋼材、木材などの長尺材切断に最適な歩留まり計算をしてEXCELに表示する、おすすめのシステムです。鋼材、木材などの長尺材の発注を、歩留まり計算後にでき、ロスが無く経済的です。残り材も計算できます。現場への切断指示書と、購買への発注予定が出力できます。
H鋼・鉄骨の計算のフリーソフト・エクセル
SSPAN フリー版 鉄骨二次部材設計用ソフト
鉄骨二次部材設計用ソフトで、フリーで配布されています。自動設計モードあるため見積に便利です。鉄骨単純梁設計用ソフトでもあり、断面性能も入力不要です。荷重図・応力図が出力できます。パソコンに詳しくない人でもかんたんに操作ができます。
autocad用 H鋼一発描画くん
AutoCAD上で、H鋼その他283種を一発描画できるソフトです。対応する鋼材の種類は広幅H鋼32種、中幅H鋼29種、細幅H鋼24種、極厚H鋼130種、等辺山形鋼39種不等辺山形鋼13種、溝形鋼16種の計283種類です。Excel等のソフトを使う必要はありません。
FOSS_WIN電脳 建築構造設計
鉄骨構造の総合断面算定ツールと断面設計ツールです。建築学会鋼構造設計規準に準拠した断面算定を行います。与えられた断面力に対して指定された鋼種の中で安全で重量の小さい鋼材を選定し、その鋼材について応力度などの算定結果を表示できます。
Io
Io
H形鋼などの鉄骨の断面2次モーメント等を計算するプログラムです。高さ・巾・ウェブ・フランジの順に入力すると自動計算してくれます。計算は倍精度で、T字部のアール部分は無視されます。実務経験者が構造計算書のチェックをする目的で開発しました。
鉄骨梁の横補剛の強度・剛性に対する検討
S梁横補剛の強度・剛性検討を行うソフトです。鉄骨データは、鋼材の断面寸法を入力することで、断面面積や2次モーメントなどを自動計算します。補材は、部材条件や検討条件を入力することで、検討に必要な内容を自動で算出してくれます。
鉄骨一図 Pro
構造計算データから構造図、パース、重量表を自動生成してくれるため、画面上でスピーディに確認できます。鉄骨構造計算のデータを読込み、伏図、軸組図、架構詳細図、部材リスト、継手リストを作成します。取り込んだデータをパースで確認できます。
鉄骨造二次部材の設計
鉄骨造二次部材の構造計算を行うソフトです。鉄骨造建築物の二次部材は、折板、母屋、胴縁、間柱、耐風梁、デッキプレート、小梁、水平ブレース、階段などが計算可能です。計算の過程が容易にチェックでき、建築物の構造計算書として、使用できます。
H形鋼梁 継手シート
H形鋼の梁継手を設計するExcelのワークシートです。「SCSS-H97 鉄骨構造標準接合部H形鋼編」に準拠。ウェブの曲げモーメント分担率・ボルト列びは変更できます。実務経験者が開発しており、溶融亜鉛めっきHやBHの継手デザインに使うと便利です。
溶接継手計算ツール
溶接部の断面性能計算、強度計算を行う溶接継手計算ソフトです。エクセルVBAで動作します。完全溶け込み、部分溶け込み、すみ肉溶接の強度計算を行うことができます。平面図形、形鋼、合成断面の断面性能を計算します。フリー版は一部機能制限があります。
鋼材数量計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
SEST
鉄骨数量計算用ソフトです。このソフトウェアは部材別集計が可能でランキングにも入る人気です。表計算のソフトを扱う感覚で入力し、比較的簡単に扱うことができます。登録済部材は、重量を調べる必要が有りません。ブレース長さの計算等は、入力中に起動できる電卓で計算できます。計算式も自動生成し表に入力できます。
材料カット案内人
鉄板やベニヤ板、パイプ等から部品を無駄なく切り取る板取りソフトが無料でダウンロードできます。パネルカット案内人は、鉄板やベニヤ板、ガラス等の平面パネルを無駄なく切断するよう割り付けを考えるソフトです。棒材カット案内人は、パイプ等の棒材を経済的に切断するよう割り付けできます。
最適切断9号
鋼材、パイプ材などの重量長尺材からの、効率的な切断リストを作成するおすすめソフトです。切断機のストッパ移動を減らした組み合わせが欲しいという要望向けに作られており、極力、一度決めた寸法を続けるような結果を出すように設定されています。EXCELのみで動きます。
Excelで作る ボルト選定表
ボルト長さ・重量がExcelで簡単に出せるおすすめテンプレートソフトです。サイズ・つかみ代・重量表示別を入力するだけで、ボルト長さを計算できます。ボルト長さのミスを防ぐのに役立ちます。検討用・チェック用ソフトとして有効です。
鉄ひろ 2
手書き感覚で比較的扱いやすい鉄筋加工帳のソフトウェアです。このツールは形状、寸法が見やすく、最も無駄の無い定尺、本数を瞬時に計算し、同時に集計もします。形状は自己作成も可能です。拾い出しの際、面倒な継手、加工寸法、角度計算等を支援します。
鉄骨の曲げ応力の大きさ
基本的な建物の構造は鉄骨構造で、その形式は、三角形を基本形としたトラス構造と、柱と梁を鋼接合でつなぐラーメン構造です。
鉄骨には、鉄骨の重量と建物内の設置物の重量により、曲げモーメントが発生します。
そのため、鉄骨内部に曲げ応力が発生し、その応力度が許容応力度以上の大きさであれば、鉄骨は破損してしまいます。
曲げ応力の大きさは、鉄骨の断面積、すなわち断面係数により決定する値です。
鉄骨構造ではH鋼が多く使用されますが、その理由は、断面性能が大きく価格が安く抑えられるという特徴があるためです。
例えば、100cm×100cm長方形の断面を持つ鉄骨梁に対し、125cm×125cmのH鋼の梁では、同じモーメントに対する断面係数はほぼ同じです。
このとき、断面積の比率を比べると、H鋼は長方形断面の鋼の3割程度小さくなるため、重量も3割小さくなり、結果、コストが安く済むことになります。
金属を鋼鉄の表面に薄く接着する方法
金属に電気分解を作用させて、鋼鉄の表面に薄く接着する方法には、電気メッキ、プラスチックコーティングなどが用いられます。
鋼材の性質が粘り強くて、衝撃破壊が発生するかの問題です。
繰返し応力が静的強さより小さくても、繰返し荷重の作用回数が増大すると、鋼材が破壊するケースがあります。
靱性が大きければ、衝撃力による破壊に対して強く、脆弱になりません。鋼材の引張試験での試験片の最大耐力荷重から、試験片の平行部の断面積で割った値を、公称最大引張力といいます。
錆びの発生を防止する方法
錆びの発生を防止する方法として、鋼材に塗る防錆塗料、溶融メッキによる方法があげられます。ロックウールやケイ酸力ルシウム板などは価格が安く、一般的でよく使われています。
高熱に耐えられるようにするには、火災や熱に強い素材で鋼材を被覆して、熱が入ってこないようにする耐火被覆の対策が講じられます。発泡性の断熱塗料、耐熱性のある特殊な鋼材も近年では多く製造されています。
鋼材の疲労強度
一定の繰返し数に対して、それ以下では疲労破壊が起こらない応力の範囲を、鋼材の疲労強度といいます。
降伏点応力の代替値は、残留ひずみがO.2%となる耐力、O.2%耐力になります。
応力範囲は、溶接継手の種類、縦方向の溶接継手、横突合わせの溶接継手、十字溶接の継手、鋼材料によって違ってきます。
高張力鋼は、軟鋼と比較して、引張試験での降伏点応力は明確な数値ではありません。
低サイクルでは、疲労寿命が1万回以下で、亀裂が起こる箇所で繰返される塑性ひずみに影響されるため生じるものです。
鋼材の曲げ試験
製鋼所では、社内の品質保証基準に則って、出荷時に点検されます。
鋼材の外観検査は、圧延などの加工時に鋼材の表面についた傷などについて点検します。
鋼材の曲げ試験は、表面や内部に欠陥が生じるかを点検するもので、曲げ加工を実施する場合、曲げ応力が発生した時に行われます。
鋼材の品質証明は、鋼材検査証明書に記載されている鋼材の寸法、機械特性、化学構成物などが規定をクリアーしているかどうかをチェックします。
鋼材を長い間貯蔵する時は、原板プライマーなど、鋼板の防錆対策が必要になります。引張強さを上げると、伸び率が落ちるため、規定の速さで試験しなければなりません。
鋼材の重量計算方法
鋼材の重量計算は、断面積に長さをかけて、その鋼材の密度をかけて計算します。
JIS規格に定められているような標準的な鋼材は、メートル単位の単位重量表があるため、長さをかけるとすぐに算出できます。
また、仮に特殊な形状をしていたとしても、その鋼材を扱う会社には、サイズ表や重量表があり、即座に計算できるようになっています。
これは、鋼材のやりとりをする際に、重量単価で金額を決める習慣があるためです。
ちなみに、縞鋼板などの鋼板は、一定の断面のものもあれば、不均一な断面積のものもあるため、平米単位の重量表があります。
鋼材の強度計算には、応力計算や座屈計算などがあります。応力計算では、鋼材にかかる負荷と、鋼材のもっている引張強度を比較する際に計算します。
材料は、弾性限度範囲までの荷重であれば、荷重を取り除くと、元の形状に戻る性質があります。
しかし、弾性限度を超え、降伏点に達すると、材料に亀裂が入ります。その後、さらに荷重を上げていくと、やがて破断します。この材料にかけれる最大荷重を引張強度といいます。
この引張強度は、材料の断面形状に大きく影響します。同じ材料であっても、力がかかる断面の形状が異なれば、引張強度も異なります。材料選定する際は、この弾性限度内で使用できるように、鋼材の断面を決定します。
一定の力がかかるとひずみが増大する「鋼材のクリープ」とは
鋼材に一定の力がかかると、ひずみが増大していく現象を、鋼材のクリープといいます。
水分と空気中の酸素により鋼材の外面には錆びが発生するため、防錆対策が大切になります。
施工現場の気象状況や工程に配慮して、最適な工法を選択する必要があります。鋼材の利点は、材料の強度が大きく、粘り強くて、材料に信頼性があることです。
金属に触れると電気化学反応が発生し、腐食するケースがあります。弾性限度を超えてから、塑性変形により破壊してしまう事象を、鋼材の延性破断といいます。
鋼材の遅れ破壊とは
鋼材は、骨組みが強く、耐震性があり、変形しても没落しない鋼材であることが重要になります。
鋼材の遅れ破壊とは、静的な荷重がかかっている状態で、外観には異常ないが、突然脆性的に壊れてしまうことをいいます。
鋼材は他構造と比較して、比重の変化が強度に大きく影響します。
一般的には火災の熱度で、骨組みは軟化したり変形したりするため、耐火被覆が施されています。鋼材の欠点は、温度が高くなると強度が落ち込み、変形しやすくなり、温度が低くなると脆弱になることです。
PC鋼材に引張力をかけて両端を固定の長さにキープしたケースで、発生する強度の低下現象を鋼材のリラクセーションといいます。
異種金属が触れ合うことで腐食電池を組成
溶着金属と母材では質が違うため、異種金属が触れ合うことで、腐食電池を組成してしまいます。
アルカリ現象により、油性塗料は塗膜ができて、鋼管にアルカリふくれが発生します。
鋼管の溶接部が、母材一般部より錆びやすいのは、理由があります。イオン化傾向の大きい鋼管母材の方が、溶着金属より早く破損しやすくなります。
鋼管を溶接する時は、局部的に高温状態になり、温度が高くなった箇所には残留応力が発生して、応力腐食を生じやすくなるからです。
鋼材の品質管理について
鋼材の機械的性質、化学成分を鋼材検査証明書で確認すると共に、対物検査として板厚、そして鋼材表面粗さを必要に応じて行い、目視検査として鋼材表面の有害なきずが無いことを確認しなければなりません。
軽量形鋼や小型棒鋼、パイプ類等の長期保管は防錆対策等が困難であることから、市場性等を考慮して常時適正な在庫量とします。
高力ボルトセットの保管は、工場出荷時の品質が現場施工時まで保たれるように、その包装と現場保管に注意しなければなりません。包装はできるだけ施工直前に解くようにします。
鋼板の厚さは、JISG3193、熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状・寸法・質量及びその許容差を適用し、(-)側の許容差が公称板厚の5%以内にならなければなりません。
鋼構造物は応力発生に合せて、強度の異なる鋼種を適切に選定して、組合わせて用います。
複数の鋼材が使用される場合、部材製作段階で材質の混同が生じないように鋼板の小口等に塗色表示による識別、記号による識別が一般的に行われます。
高力ボルト接合に関する鋼材断面性能と鋼材強度計算のポイント
高力ボルト接合とは高力ボルト(ハイテンションボルト)を用いて行う剛接合の一つで、重量鉄骨構造の建築物のほとんどに採用されています。
高力ボルトは通常のボルトに比べて高い強度と引張力を持っているのが特徴です。
六角ボルトと六角ナット、平座金(2枚)を1セットとしたもの六角ボルトセットと言い、
標準的な高力ボルトセットのほかに容易に所定のボルト張力が得られるようにボルト、ナットあるいは締付機に工夫をした特殊高力ボルトがあります。
ボルトにかかる張力はボルトとナット間、ナットと座金間の摩擦抵抗が異なると一定の締め付けトルクであっても変動してしまいます。
このようの変動をできるだけ小さくするために寸法と材質のバランスが取れたセットものとして扱われます。
高力ボルトの図面やデータはメーカーのサイトだけでなく、フリーのダウンロードサイトからも得ることができます。製造元が違っても規格で統一されているので寸法や重量、材質は統一されています。
鋼材強度特性による高力ボルトの分類
高力ボルトセットは鋼材の強度特性による機械的性質(引っ張り強さ)に応じて1~3種に分類されます。
1種は他と比較すると効率が劣り、3種は応力腐食が及ぼす割れや遅れ破壊が発生する恐れがあるため、一般的には2種が用いられます。
溶融亜鉛メッキ(ドブ漬け)高力ボルトは、鋼材強度計算に基づくとともに、めっき工程における熱処理や化学処理に対する安全性を考慮して1種に限定して使用することができます。
JIS規格で定められたトルク係数値と締付トルク締め付け方法
JIS規格で定められている高力ボルトの締め付け方法にはナット回転法とトルクコントロール法の2種類あります。
ナット回転法は、ナットの回転とボルトの伸びが一定の関係にあることを利用してナットの回転量を推定して締め付ける方法です。
トルクコントロール法は締め付けに必要な標準ボルト張力を与えるための締め付けトルクを計算して締め付ける方法になります。
締付トルクは単純化した計算式で求められていますが、高力ボルトのねじ部の形状や材質、表面に施された加工の種類などトルクに影響するもろもろの要因があるので、平均値とばらつきの度合いで統計的に評価されます。
計算式に当てはめるトルク係数値が小さいと締め付けは容易になりますが、締め付けたあとにナット戻りが発生する可能性があり、反対にトルク係数値が大きければ締め付けが困難になるほか、ボルトの降伏や破断を早めてしまいます。
製品のトルク係数値はメーカーが発行する検査成績表で確認しましょう。
高力ボルトのトルク管理はとても重要で、間違えるとボルトの破損だけではなく構造物の倒壊や事故につながる恐れもあります。
鋼材の断面性能から検証する高力ボルトの接合方法
高力ボルトの接合方法はボルトにはたらく力の向きによって摩擦接合と引張接合があり、さらに2つが組み合わさった引張せん断型接合と呼ばれるものがあります。
高力ボルトの機械的特性を低下させないようにそれぞれの接合方法について原理や特性を正しく理解しておくことが必要です。
母体の摩擦力によって力を伝達させる摩擦接合
摩擦接合とはボルトセットで母体を締め付けて母体間に材間圧縮力を発生させて、母体同士の摩擦力によって力を伝達させるせん断型の機械的接合方法です。
せん断方向に働く荷重が小さい段階では荷重と摩擦力がつり合うので接合部の剛性は極めて高くなりますが、荷重が大きくなり限界に達すると母材がすべり、引っ張られることで変形して板厚が薄くなり、母体間の摩擦力が少しずつ低下してしまいます。
この状態が続くと最終的にはボルトのせん断や母材の破断に繋がる恐れがあります。
高力ボルトの軸に対して平行な力を伝達させる引張接合
引張接合はボルトを伸ばす方向に力がはたらく接合方法で、スプリッティー形式やエンドプレート形式の柱・はりの接合部に用いられます。
荷重はボルトを伸ばす方向(軸に対して平行に引っ張る力)に掛かりますが、ボルトの伸びと同時に母体のひずみや変形によって力が吸収されるので、ボルトへの直接的な張力の増加にはなりません。
引張荷重が大きくなると母材間の圧縮力が低下して少しずつ離間が始まり、さらに荷重が増加するとボルトのねじ部に破断が起こります。
せん断力と引張力が同時に作用する引張せん断型の接合
引張せん断型接合は引張力と摩擦力が同時に作用する引張せん断型の接合方法です。
引張方向に力が働くことで母材間の圧縮力が低下していき、すべり荷重が小さくなります。
間違えやすい設計ボルト張力と標準ボルト張力の違いについて
設計ボルト張力は、高力ボルト接合によるせん断耐力や引張耐力を計算する基準になる数値で設計時に仮定する初期張力のことを言い、標準ボルト張力は設計ボルト張力を実際に確保するために必要な施工をする上での目標値を指し、設計ボルト張力を1.1倍した値になります。
締めすぎによるボルトの破断を防止するために、降伏後に余力のあるF8Tボルトではねじ部有効断面での降伏力の約85%、それ以外のボルトでは75%としています。
高力ボルトの降伏点に関する資料や設計に関する資料はフリーサイトで公開されているので確認しておくことをおすすめします。
高力ボルトの機械的強度を維持するための許容応力度
摩擦接合に対する許容応力度は、短期応力時にすべり荷重を超えないことを原則としていて、長期応力時の安全率を1.5としています。
許容せん断応力度はボルト接合と同様の計算式で求められ、設計用すべり荷重に比例し公称軸断面積に反比例します。
引張接合に対する許容応力度は、短期応力時に母材が離間しないことを原則として、長期応力時の安全率を1.5としています。
許容引張応力度も同様にボルト接合と同じ計算式で求めることができ、設計ボルト張力に比例して公称軸断面積に反比例します。
引張せん断型接合の場合には、ボルトに作用する引張力によるすべり荷重の低下を考慮して、許容せん断応力を低減します。
せん断力と偏心を考慮した接合部での注意事項
せん断型の接合部で接合する鋼材の軸がずれてしまうと、偏心する量に応じた曲げの力がはたらいてボルトに引張力が加わります。
この応力は接合部の剛力を低下させてボルトの降伏や破断を早める原因になります。
山形鋼・みぞ形鋼などをガゼットプレートの片側だけに設ける場合には偏心の影響が大きいことと、偏心の軸が2方向になる可能性があることに注意してください。
引張型の接合部ではほとんどが偏心接合になるので、テコ反力の影響を考慮して接合しなければいけません。
高力ボルトはクリアランス(隙間)ですべりを抑える
高力ボルト接合では締め付けた母材のすべりを防ぐために、ボルトを取り付ける穴径が定められています。
ボルトの太さに関係なくクリアランス(隙間)は0.5mmが理想とされていますが、施工上の都合もあり通常の精度では1.0mm程度を必要としています。
高力ボルトはクリアランスが2倍になっても締め付けに影響が無く、締め付けた母材間にはたらく圧縮力は分散して伝わるのですべり荷重に差が出ることはありません。
ただし、クリアランスを0.5mmで施工した時と比べてすべり量が大きくなることや鋼材の余力の低下など、建方精度が低下する恐れがあることは理解しておきましょう。
組み立てを容易にしようとむやみに穴を大きくしたり、別の個所に穴をあけ直したりすることは設計条件をないがしろにする無謀な行為とされるので絶対にやらないでください。
鋼材の機械的性能の低下を防ぐために必要な縁端距離
へりあき寸法(ボルト穴中心から部材軸直交方向までの距離)や、はしあき寸法(ボルト穴中心から被接合材軸方向の端までの距離)が不足すると荷重がかかった時に部材が破断するなど鋼材の機械的性能を大幅に低下させるので、これを防止するために最小縁端距離が決められています。
接合部のスペースが小さいと縁端距離が確保できない場合があるので、各部材の寸法はあらかじめ余裕をみておくことが重要です。
ボルト接合におけるボルト間隔「ピッチ」と「ゲージ」について
ボルト接合において力方向のボルト間隔を「ピッチ」と呼び、ゲージライン間隔を「ゲージ」と呼びます。
たくさんのボルトを用いることでボルト1本ごとに加わる負担を均等化して、母材にかかる応力の集中を軽減する効果が見込めます。
ただし、ボルトを1列に多く並べて使用すると逆に不均等になり、外側のボルトほど負担が大きくなる傾向があります。
1ピッチに使用する本数が多くなる場合はボルトサイズを1サイズあげるか、ゲージライン(列)を増やすなどの余裕を持った設計が必要です。
フィラー・勾配付き板(テーパー付き座金)の使用に関する注意点
母材を突き合わせ形式で接合するときに双方の板厚に差がある場合は、フィラー(板厚差をなくすための板材)を挿入して接合します。
高力ボルト接合では板厚差が1mm以内であれば締め付けに影響はありませんが、ボルト接合でフィラーを設けるときは、すべりに伴うボルトの変形を考慮して、ボルトの本数を増やす必要があります。
また、ボルト座面に対して勾配を持つ母材の接合には勾配付き板(テーパー付き座金)を使ってボルトや母材の変形を防止しなければなりません。
鋼材の計算に使用する構造用鋼材の形状と寸法
鋼材の材質はJIS規格に準じなければならない
H鋼強度計算、H鋼重量計算、鋼管柱強度計算、パイプ重量計算で用いられる鋼材の材質はJIS規格に適合したもので、傷やひどいサビなど有害な欠陥のないものでなければなりません。
形状の寸法許容差についても、同様にJISに規定されています。
また、建築工事標準仕様書 JASS6 鉄骨工事には設計者や施工者が定めた基準として、鉄骨製品許容差が示されています。
JIS規格の寸法許容差はJASS6より大きいため、製作時には納まりに注意しましょう。また、ダイアフラム、スチフナーの加工時にはH形鋼の内法寸法の許容差が定められていないことに注意が必要です。
JIS規格のH形鋼のサイズ構成は、基本的に内法寸法を規準としています。
しかし、このサイズ構成では、設計・加工・組立に不便があるため、外法寸法を規準とした、フランジ厚が異なってもH形鋼のせいが同じ、外法一定H形鋼が使用されることがあります。
工期に余裕のある工事では鉄骨加工時期にあわせて鋼材を発注することができますが、建物規模が小さい工事や、地下工事の無い場合は、製作期間が確保できないため注意が必要です。
鋼板の調達は高炉メーカー指定のシアリング会社に発注すれば、所定のエ期内に可能です。形鋼の規格品の市中調達ができない場合、一般に高炉メーカーへロール発注を行います。ロール発注の場合、発注から調達までに3か月程度必要です。
鋼材の応力度とひずみ度の関係についてと材料の変形に関して
H鋼強度計算、H鋼重量計算、鋼管柱強度計算、パイプ重量計算で用いられる鋼材の応力度とひずみ度の関係は、引張荷重の小さい弾性範囲内では、応力度とひずみ度は比例関係です。
弾性限界を超えると、上降伏点に達し、その後若干荷重が下がり、下降伏点となります。JIS規格の降伏点は、上降伏点の値を示しています。
材料の変形は、荷重を除荷するともとに戻る変形を弾性変形、除荷してももとに戻らない変形を塑性変形といいます。
高張力鋼のように明確な降伏点を持たない材料のヤング係数は、通常0.2%ひずみ時の応力度を耐力とし、応力度ーひずみ度曲線の比例部分の傾きとします。
ヤング係数Eは応力度をσ、ひずみ度をεとすると、E=σ/εとなり、通常環境下では205000N/mm2となります。
許容応力度設計では部材に生じる応力度をある降伏点以下とします。一方、保有水平耐力計算などでは終局耐力まで考慮します。
金属材料の降伏条件には以下の3つの考え方があります。
- 最大主応力説・最大せん断応力説:応力度が材料の固有値に達したときに降伏する。
- 最大ひずみ説:ひずみ度が材料の固有値に達したときに降伏する。
- せん断ひずみエネルギー説:材料に蓄積された弾性ひずみエネルギーが、材料の固有値に達したとき降伏する。
建築構造設計では、一般的に③せん断ひずみエネルギー説が用いられます。
また、鋼材のせん断許容応力度は引張許容応力度の1/√3とします。
金属材料の破壊形式はいくつかあり、延性破壊は鋼材が十分塑性化した後に破壊する形式で、靭性の高い理想的な破壊形式です。
脆性破壊は塑性変形をほとんどしない破壊形式で、急激に破壊するため危険な破壊形式です。
高炭素鋼などの硬く伸び能力が低い材料は脆性破壊しやすいため注意が必要です。
クレーンガーターのボルトや溶接部など繰り返し荷重を受ける箇所は疲労破壊に注意が必要です。
鋼材強度計算、鉄骨強度計算、鋼材たわみ計算等に使用する鋼材の機械的性質
H鋼強度計算、H鋼重量計算、鋼管柱強度計算、パイプ重量計算で用いられるJIS規格の鋼材は引張強さ、降伏点または耐力、伸び、硬さ、衝撃強さ、などが機械的性質として規定されています。
許容応力度計算においては降伏点や耐力が重要となります。
一方、保有水平耐力計算では引張強さや伸び能力も重要となります。鉄骨構造の事故や破壊では、硬さ、衝撃強さ、疲労強度が問題となることが多いです。
構造設計の際には許容応力度を気にする場合が多いですが、繰り返し荷重を受ける場合など使用状況等に応じて他の機械的性質にも配慮する必要があります。
降伏値または耐力と引張強度の比を降伏比といいます。降伏比はSS400では0.6~0.7程度です。
降伏比が小さい材料は、鋼材が降伏してから破断するまでの余裕が大きいことを示し、靭性に優れた材料であることになります。
鋼材の機械的性質は温度によっても異なります。低温になるにつれて、鋼材は硬く、強度は高くなります。一方で衝撃強さや疲労強度は減少し、脆性破壊しやすくなります。
計算用鋼材の許容応力度と強度について
H鋼強度計算、H鋼重量計算、鋼管柱強度計算、パイプ重量計算等の構造設計方法は、大きく弾性設計と塑性設計に分けられます。
高さ60m以下の建築物の場合、中地震動に対しては許容応力度設計による弾性設計を行い、大地震動に対しては保有水平耐力計算により塑性設計を行います。
弾性設計法では、外力に対して、構造物の各部に生じる応力度を弾性範囲内に抑えます。
許容応力度設計ではせん断計算、軸力計算の際、鋼材の基準強度Fから許容応力度を求め、構造物の各部に生じる応力度が許容応力度以下となることを確認します。
基準強度Fは、JISの降伏点の下限値とするものが多いです。SM570などの降伏比の大きい、降伏点と引張強度が近いものは引張強度の70%をF値としています。
せん断計算の際の鋼材の許容せん断応力度fsはのF値の1/√3として求めます。
せん断計算、軸力計算の際、許容応力度はF値を基準に、材料の特性、応力の種類・状態などを考慮して求めます。
そのため、同じ鋼材でも、場合によって許容応力度が異なりますので注意が必要となります。
具体的には、軸力計算の許容圧縮応力度はF値だけでなく、座屈による影響を考慮する必要があり、細長比λを考慮して許容圧縮応力度を求めます。
局部荷重を受ける箇所の許容圧縮応力度も局部座屈を考慮して求める必要があります。また、許容曲げ応力度も細長比λを考慮して求める必要があります。
建築学会の鋼構造設計基準では1×104を超える繰返し荷重が作用する部材は、許容曲げ応力度を低減した疲労強度にて検討することとされています。
ボルト、ハイテンションボルト、アンカーボルトは基本的にF値が定められていません。
そのため、規格値として許容曲げ応力度そのものが定められています。
また、短期許容応力度は長期許容応力度の1.5倍とします。保有水平耐力計算の際の鋼材の曲げ耐力もF値より求めます。
なお、建築基準法では、JIS材の耐力はF値の1.1倍とすることが認められています。
各種計算に必要な鋼材の検査・識別についてと計算ソフトのすすめ
H鋼強度計算、H鋼重量計算、鋼管柱強度計算、パイプ重量計算で用いられる鋼材のミルシートとは、鋼材の化学成分分析試験結果と機械的性質試験結果が記載されたもので、JIS規格材には添付されます。
とりべ分析値という、ミルシートに記された化学分析値より、鋼材の溶接性を推定することが可能となります。
溶接性は、鋼材に含まれる元素のうち、炭素が最も影響を及ぼします。そのため、他の元素についても等価な炭素量に換算した炭素当量という値により評価します。
溶接性に優れた材料は、この炭素当量の上限値が定められています。
引張強度の試験法等もJISにより定められています。
鉄骨製作時の欠陥は、溶接部に発生する事が多く、開先面や柱梁接合部の梁の取り付く柱フランジ部に発生することが多いです。
これらの欠陥を見逃さないために、目視による確認だけでなく、超音波探傷試験、浸透探傷試験、磁粉探傷試験などを行います。
また、鋼材は材質等の種別が、見た目から区別することができません。
したがって、色や記号等により種別を見分けられるようにします。
鉄筋の質量算出
鉄筋の質量は、種別ごとに算出します。規格・仕様種別は、場所打杭用かご筋に分けられるケースでは、施工条件、構造物区分は算出しません。平均断面法の土量計算書、平均距離法による数量計算書、鉄板やベニヤ板・パイプの板取りソフト、鋼材の重量長尺材から切断リストを作成などの土量計算、鋼材の数量計算のソフトやエクセルテンプレートです。鉄筋工の数量計算について検討するケースです。
橋梁用床版は、PC床版を除き、鋼橋用床版の加工・組立作業の基準が該当します。トンネル内に区別するケースでは、構造物の区分は算出しません。鉄筋工の種別は、規格・仕様、材料規格、鉄筋径、施工条件、構造物種別、施工規模、太径鉄筋の割合で示します。
鉄筋の数量計算は、河川、海岸、道路、水路、コンクリート橋梁、鋼橋床版の鉄筋構造物の加工・組立、差筋、場所打杭の鉄筋かごの加工・組立に当てはめます。鉄筋工の規格・仕様種別は、一般構造物は、構造物の鉄筋の加工・組立の基準を当てはめます。鉄骨積算、鉄筋拾い出し、ボルト長さ、代価表、単価表、鉄筋重量、鉄筋積算、鉄骨工事積算、エクセル計算式など、鋼材数量計算ツール・鋼材取り合い・鋼材重量集計のフリーソフトやテンプレートのリンク集です。まずは無料のソフトウェアやシステムからダウンロードを試してみてください。ツールを集めて独自の比較ランキングを作るのも楽しいですよ。
鉄骨の設計計算
鉄骨構造というものはその構造の種類により鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)や鉄骨造(S造)に分類されます。鉄骨造とコンクリート造は明確に区別されており、鉄骨は工場製作を充填とした鉄骨独自の区分が規定されています。
鉄骨で作成された柱はベースプレート下端から最上端までで、工場で柱として制作する部分を柱といいます。柱というものは明確に区別する必要があります。これ他の柱同士を接続するスプライスプレート、高力ボルト及び溶接などの接合に使用する材料は、接合する後の部分に含めることが規定されています。
また、上下階の梁と梁に接する部材といい、ガセットプレート等の梁との接合部剤は間柱に含める。
柱と違い柱が垂直に建造される構造物となりますが、梁はその柱に接続される水平条の構造物となります。特に鉄骨梁は柱または梁に接する横架材の部分をいい片持ち梁もこの区分に含まれます。その中でも大梁や小梁などに分類されます。柱と同様にスプライスプレートや高力ボルト及び溶接等の接合部剤は柱の接合と同様にあとの部分に含まれます。
その他にも鉄骨の各区分は柱と梁に接合され強度を補強するブレースや、上階や下階に移動する階段も含まれます。特に階段に接合される踊り場や小梁も階段の一分に含まれるので注意が必要です。その他の物も付属物として含まれます。
このように鉄骨構造の計算は設計図書を参考として鋼材重量計算や材料取り計算が必要です。これらをExcelでまとめて計算するのも良いですが、インターネット上では多くのソフトが公開されているので、無料のソフトを探してみるのがおすすめです。多くのソフトを自分で比較してみて自分にあったソフトを探しましょう。
鉄骨の計算は各部分ごとに規定されている
まず鉄骨と一言で説明しても実際は多くの材料に区分されています。一般的に使われているのはSS400、SN400A、SN490B、SM490Aなどが多く使われています。これらの数量に関する算出はJISに規定されているので、かならずJISに基づき行う必要があります。
ボルトや溶接、鉄板等の数量は単純ではない
鉄骨構造では鉄骨同士の接合に必ずボルトを使用しますが、その個数や質量を換算するのは簡単ではありません。基本的に図面や設計図書に記載のある規格や形状、及び寸法ごとに個数や質量に換算することが必要です。特にボルトの長さは基準寸法が決められていますので中途半端な寸法にならないように注意することが必要です。
溶接も同様で簡単に長さから求めることはできません。原則として溶接の種類ごとに断面形状の長さを求め、すみ肉溶接脚長6mmに換算した長さから数量を求めることが必要です。ただし、特殊な溶接については断面ごとの長さを求めても良いことになっています。
鉄板については原則として面積を計算することが必要となります。基本的には小数点以下第三位まで計算することが必要となります。注意しなければいけないのは、鉄板は必ずしも計算しやすい形状ではないということです。例えばガセットプレートなどは台形状の形状となっている事が非常に多く、単純に計算はできません。その場合は最小長方形面積を求めることで計算することができます。
ボルトの為の孔明け、開先、スカラップ等は計算しなくても可
鋼材には必ず何らかの加工が行われます。鉄骨構造ではボルトを通すための孔を開けたり、溶接する時に溶け込みなどを考慮して開先を設けたり、溶接のためにスカラップを設けたりします。基本的にはこれらは欠損部分となるので強度的に問題がありそうですが、これらの欠損はないものとして計算していきます。ただし、ダクトについては注意が必要です。面積0.1m2以下のものは同様に計算しませんが、ダクト穴補強の補強材についての計算は必要ですので注意しましょう。
鉄骨材料の数量は単純計算よる割増が必要
鉄骨材料というのは設計図書通りの計算数量で良いいこととはなりません。基本的に形状や使用上記に合わせて加工するので、若干割増して計算します。ただし、ものによってはロスが発生しないものがあるので0%の物もあります。
このように鉄骨構造に使用する多くの部品も材料取り計算や鉄板重量計算や部品ごとの計算が必要です。これらをいちいちExcelにまとめて自分なりのテンプレートを作成するのも良いですが非常に手間がかかるので、フリーソフトなどで代用できないかを検索してみるのがおすすめです。インターネット上では役に立つアプリやツール、ソフトウェアが無料で公開されているので自分で比較してみるのがおすすめです。
各部分の計算は細かく決められているので注意が必要
柱の長さは下端、上端の位置をはっきりと区別しよう
柱の長さは基準となる位置をしっかりと判別することが必要です。まず設計図書をしっかりと参考にして、各節の接合位置間を基本的な長さとしましょう。最上部の柱にあっては、ベースプレート下端または柱頭上端からの接合位置までを長さとすることが必要です。他の柱を構成する各部材は、それぞれ区分して設計図書から計算することが必要です。また、柱の計算としては高力ボルトやフィラープレートなどは後から計算することが必要です。
梁、ブレースは基本的には同じ計算方法
梁やブレースは基本的に違うものですが、基本的に計算方法は同じです。梁の長さは鉄骨柱または鉄骨梁の内寸法の長さとして計算することが必要です。構成部材に関しては設計図書を参考に求めましょう。また、高力ボルト等の接合部剤は柱と同様にあとから計算することになります。ブレースに関しては基本的に梁と考えは同じですが、ブレースの場合はターンバックルと呼ばれる部材で接合されることがあります。ターンバックルに関しては欠損部として捉えることもできますが、基本的には欠損部とは考えずにターンバックルも含めた長さをブレースの長さと考えます。
このように各部材の長さの計算も設計図書から算出していくことが必要ですが、非常に複雑になりがちです。Excelなどで自分で計算式を作るのが面倒という人には、インターネット上に公開されているフリーソフトなどを使用することがおすすめです。
錆止め塗装や耐火被覆も計算が必要
鉄骨構造はそのままでは錆に非常に弱いので、必ず錆止め塗装が施されます。よく赤茶色に塗られているものが錆止め塗装です。塗装というと非常に計算は単純そうですが、それほど単純なものではありません。なぜなら素地ごしらえや塗料の種類ごとに計算する必要があるからです。ただし、ボルト穴や欠損部に関しては計算する必要はありません。また、計算自体も厳密に考えると非常に面倒な作業となりますが、統計値や係数を用いた概略計算でも可能なので、それほど複雑とはなりません。基本的には鉄骨の表面積のみから計算できますが、コンクリートに接する箇所に関しては計算不要となります。
耐火被覆に関しても非常に細かく規定されており、耐火被覆の材質や形状、寸法、耐火時間、工法などに区分して計測、計算する必要があります。数量を計算する際は耐火被覆の厚さの中心から面積を計算する必要があります。同種の材料や材質、工法であればまとめて計算することも可能です。欠損部に関しては錆止め塗装と同様で基本的に考慮する必要がありませんが、0.5m2以下の場合とのみになります。
これら鉄鋼関係の計算をすべて自分で行うのが大変です。業務効率を向上させる意味でもインターネット上に公開されているフリーウェアや、ソフトウェア、アプリを探して見るのがおすすめです。その際は次の点に注意しましょう。
・土量計算、土量計算書を行えるか、これらに対応しているか?
・メッシュ法、平均断面法、点高法に対応しているか?
・鋼材重量計算、鋼材切断計算、鋼材取り合いなどの計算が行えるか?
・材料取り計算、鉄板重量計算などの計算が行えるか?
・無料で使用できるソフトウェアやアプリであるか?
また自分なりに比較ランキングを作成して、使用しやすいソフトを探すのもおすすめです。
鋼材の数量計算におけるポイントとソフト使用のすすめ
鋼材の数量計算に当たっては、断面積に長さをかける重量計算のほか、定尺の板材からワーク分を取り出す鋼材の切断計算が重要な作業となります。
鋼材重量計算の手順
鋼材重量の計算手順としては、まず材質を入力します。鉄・ステンレス・アルミニウム・銅など材質によって、当然のことながら単位重量が異なります。次に鋼材の断面形状を入力します。任意形状の鋼板のほか、H形鋼・山形鋼・溝型鋼などの型鋼、角パイプ、棒鋼などは固有の断面積となっています。そして最後に寸法を入力することで重量の算出条件が取り揃います。
JIS規格に定められているような標準的な鋼材は、メートル単位の単位重量表があるため、長さをかけるとすぐに鋼材重量が算出されます。すなわち、「一本当たりの鋼材重量=鋼材の長さ×鋼材の単位重量」となります。
たとえ鋼材の重量表がなくても、重量は計算で求めることができます。すなわち、「一本当たりの鋼材重量=鋼材の断面積×鋼材の長さ×鋼材の比重」となります。この場合の鋼材の比重としては、鉄が7.85、ステンレスは7.93、アルミニウムは2.70です。
断面積については、丸鋼の断面積は、半径×半径×3.14 で計算し、板鋼の断面積は、厚み×幅 で計算します。
コイルなどは、ロールごとに重量が異なるため、トラックごとに重量計に乗り、実重量を計測しています。
鋼材重量計算に使用できる無料のフリーソフトはたくさんあります。また、フリーでダウンロードできるexcelのテンプレート、ひな形ソフトに対し、どれを使えばいいのか迷ってしまうところですが、そのような場合には比較ランキングサイトでおすすめのツールをダウンロードして参考にするとよいでしょう。いろいろ比較して自分に合ったソフトを選び、それらを有効に活用することで、鉄板重量計算をはじめ鋼材の数量計算における効率化を図ることをおすすめします。
効率のよい鋼材切断計算
鋼材の切断計算は、重量計算のデータを利用して鋼材を集約した後、定尺データにより鋼材の取り合いを考慮して材料取り計算を行います。
鋼板からワークを切り出す場合には、一般に定尺の板材から切り出しが行われ、この作業によっては材料ロスが生じるため、鋼材の切断計画を行うには、従来、熟練の経験と勘、そして相当な時間が必要となっています。
プレス加工による定尺材とは、市場で流通している標準板材のことで、サイズ・寸法には決まりがあります。サイズを指定して購入するスケッチ材や、ロール状態につながっているコイル材に比べると、一点ものや比較的サイズの小さな金属部品や製品に使われることが多くなります。
定尺材から工事で必要となる材料を一枚の鋼板に取りまとめる作業を「材料の板取り」と言います。 いかに無駄のない材料取り計算を行うか、すなわち、一枚の鋼板に対してロス(捨てる部分)が少なく最適に行うことで、材料の無駄が軽減されることになります。
鋼材の取り合いを考慮した鋼材切断に関しては、フリーでダウンロードできるexcelのテンプレート、ひな形ソフトを活用することで、材料取り計算を簡単に実行することができます。人気のソフトやフォーマットを探すには、比較ランキングサイトなどを有効利用することで、より効率の良い鋼材切断計算が可能となり、コストの削減が図れることは間違いないでしょう。