経験記述の解答例/安全管理/1級舗装施工管理 応用試験

このページは、1級舗装施工管理技術者資格試験、応用試験の経験記述問題、
テーマ安全管理の解答例のページです。
過去問を徹底分析して、使える解答例を多数紹介しています。

経験記述論文の文章構成は、問題提起をして、その問題に取り組んだ解決策を述べます。
「〇〇〇のため、◇◇◇に留意した。」
「〇〇〇の問題点・課題があったため、◇◇◇の対策処置を講じた。」

次のページは、土木施工管理技士試験のページですが、
経験記述の解答ネタとなる、「のため」「対策処置」の部品集を、たくさん掲載しています。

品質管理、工程管理、安全管理/経験記述の部品集/土木施工管理技士試験

安全管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 1

解答文例 安全管理 01

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、国道〇〇号線の△△交差点から◇◇橋に繋がる車線のうち、片側2車線区間の舗装改修工事であった。片側通行での施工が必須であり、周辺道路からのアクセスも多く、交通量は非常に多かったため、作業時間は夜間に限定されていた。
舗装敷設時の大型車両が、片側施工のため転回出来ず、舗装車両移動時に作業員と接触する、重機災害が予測された。そのため、作業員の安全確保、重機オペレーターの視認確保について留意した。

(4)-② 現場で実施した対策

夜間作業であるため、舗設作業員と、コンバインドローラー、アスファルトフィニッシャー等の重機との重機災害を防止するため、安全確保した施策は以下の通りであった。
① 夜間作業において、良好な視認性を確保するため従来の反射ベストに加え、赤色点滅ライトを取り付けた。ライトの発熱を抑えるためのLEDを採用した。
② 作業員のヘルメットに重機障害センサーを取り付け、受信機をコンバインドローラー等の重機に設置した。重機と作業員が接近した場合、受信機がブザーと発光する方式でオペレーターが視認できるものとした。
③ 重機転回が出来ないため、後進時は監視員を設置し、人払いの徹底をさせた。また、誘導時は重機側面で行うように計画した。

(4)-③ 得られた結果

舗設作業員と舗装車両の分離、接触災害防止の施策をおこなった結果、舗設時の重機接触災害や、重機後退時の誘導作業での、巻き込まれ災害などが起こることなく、災害ゼロで竣工することができた。

解答文例 安全管理 02

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、〇〇デパートの駐車場拡張工事であり、既設の駐車場をさらに10000m2まで拡張するために、基盤工・コンクリート舗装工を行う工事であった。
既存の駐車場と増設予定の駐車場は隣り合わせとなるため、デパートへの来客する車両や人と工事車両・機械との接触事故を防ぐことが、安全上最も重要な課題であった。また、現場では他業種の輻輳工事が並行して行われ、舗装工作業者だけでなく他業種作業者の安全管理も重要な管理項目であった。

(4)-② 現場で実施した対策

舗装工事中の来客や作業員の安全を確保するため、次の安全対策を実施した。
① 工事現場の周囲を保護柵で囲み、工事車両や機械と一般通行車両や人との接触を防止した。
② 一般道路から工事現場の出入り口は、一般車両と工事車両の往来が激しいため、交通誘導員を3名配置し、来客の誘導と車両の規制・誘導を行った。
③ 工事現場周囲に設置した保護柵を超えて、人が不用意に立ち入らないように、昼間の休憩時や夜間の人がいないときの施錠管理を徹底した。
④ 工事現場では、舗装工だけでなく電気工や配管工など他の業種が輻輳作業を行っていたため、施工者がバックホウなどの工事機械に接触しないように監視員を配置した。また、重機の死角に入った作業員に対しては注意するよう喚起した。

(4)-③ 得られた結果

工事開始前にデパート側と安全管理について綿密に打ち合わせ、来客へのPRを行った結果、来客からのクレームが発生しなかった。車両及び作業員を含む人身事故もなく、無事に駐車場の拡張工事が終了した。

解答文例 安全管理 03

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、S地方のT県とY県の間を結ぶ県道の、地盤改良工6800m3、舗装区間30kmの既設舗装改修工事であった。工事期間は真夏に舗設する工程となっており、舗設時の合材温度は高く、炎天下・高温多湿の環境下での作業であった。
作業環境は日向での作業が95%近くを占め、日陰のある区間は非常に少なかった。このような作業環境の中で、作業員の熱中症予防・体調不良予防が重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

作業員の熱中症予防・体調不良予防に講じた対策は以下のとおり。
① 多発汗による塩分濃度低下を防ぐため、塩分含有の飴を配布した。
② 施工箇所にターフテントを張り、冷水器を設置した。水分補給は1時間ごとに取らせた。
③ 監理者と協議し、中温化アスファルト合材を採用し、舗設時のアスファルト温度を通常の合材よりも30℃程度下げることが出来た。
④ 作業員に送風機能付ジャケットを配布し、体温上昇を抑えた。

(4)-③ 得られた結果

上記施策をおこなった結果、熱中症及び日射による体調不良を訴えた作業員はゼロであった。このため施工人員の欠員や重大災害は発生せず、工期内に災害ゼロで竣工することができた。

安全管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 2

解答文例 安全管理 04

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

○○県道全体に凍上によるひび割れが発生し、舗装基盤と表層の打ち換えが必要になった。工事期間は帰省者の一般車両が増える年末近い期間のため、年末までに工事を終わらせるように発注者から強く求められた。
そのため、24時間体制で舗装工を施工することになり、工事現場は廃材運搬ダンプとアスファルト資材運搬ダンプが常時行き交う状況であった。このような工事現場内で、工事車両と一般通行人や工事作業者との接触事故を防止することが、安全管理上重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

舗装補修工事を実施するにあたり、次のような安全対策を実施した。
① 一般車両は迂回路を設け、案内板と交通誘導員により誘導した。
② 工事現場の周囲に保護柵を設け、また歩行者専用の通路を設置することで、接触事故が起きないようにした。
③ 補修工事は掘削工とアスファルト舗装工が同時に行うため輻輳し、アスファルトフィニッシャ、掘削機などの重機が頻繁に移動する工事状況であった。そのため、人と機械及び機械同士の接触が起きないように、監視員を3か所に配置、常時監視し危険時はホイッスルで注意喚起と退避指示を行った。
④ 現場は工事状況が毎日のように変化するため、工事着工前は必ずKY(危険予知)活動を行い、その日の作業場の危険を皆で話し合い、注意ポイントを定めた後に作業を開始した。

(4)-③ 得られた結果

工事現場の所轄警察との綿密な打ち合わせと調整の結果、通行人及び一般車両の事故をゼロとして工事が終了した。また、作業員と工事車両の事故もなく、年末年始前に道路の補修が終了し、一般車両に対し道路の開放ができた。

解答文例 安全管理 05

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

国道○○線のアスファルト舗装のひび割れ補修工事で、下層基盤から表層までを入れ替える工事を行った。本工事は道路の100mを1区間として、表層のアスファルト舗装終了後道路を開放するまで、2車線を1車線に幅員を減少させる交通規制を行った。
現場道路は交通量が多いことに加え、坂道のためスピードが出やすいため、一般車両が減速せず工事現場に突っ込むもらい事故を防止することが重要な安全管理項目であった。

(4)-② 現場で実施した対策

舗装工事を次の対策で安全管理を行った。
① 車線変更標識は通常であれば100m手前から設置するが、坂道では300m先から設置した。
② 夜間工事対策として、保安灯を設置するほか、車両に工事があることを遠方から知らせるための油圧昇降式掲示板を設置し、400m先から工事の実施が分かるようにした。
③ アスファルトの表層工が終了し舗装道路を一般車両に開放するまで車線規制を続け、路面が50℃以下となり一般車両に道路を開放できるまで、車線変更規制を行った。
④ 工事個所前面にクッションドラムを設置し、万一、一般車両が減速しきれず衝突しても、大きな事故にならないような対策を取った。
⑤ 交通誘導員と工事関係者は全員が夜光性のチョッキを身に着け、一般車両の視認性の向上を図った。

(4)-③ 得られた結果

△△県の所轄警察と工事期間の交通規制について調整し、道路工事標識を適切に設置した結果、一般車両・工事車両の事故もなく工事を終えることができた。また、工事施工者・交通誘導員の工事関係者の事故もゼロに抑えることができた。

解答例 安全管理 06  舗装工、夜間作業

(1) 留意した技術的課題

本工事は、幅員7.0mの市道AB線において、経年劣化および、交通量の増加による交通荷重増大に起因するものと思われる平坦性の低下を解消するため、下層路盤および上層路盤、表層アスファルトを、1800㎡にわたり打ち換える工事であった。
交通への影響の大きさを考慮し、設計特記事項として夜間作業での施工が指定された。そのため、夜間作業時に発生率が高まると思われる重機災害の防止、ならびに作業員の健康管理など、安全管理が本工事における一番の課題であった。

(2) 検討した理由と内容

安全を確保するため、次の内容について、現場での検討を行った。
① 夜間工事においては、暗さによる視認能力の低下が事故の原因となるため、各日の作業範囲全体に対し十分な明るさが確保できる工事用照明の数量を検討した。
② 植栽や看板などの既存構造物で光が遮られ、暗がりが生じてしまうことを避けるため、照明の配置についても既存構造物との位置関係を考慮に入れ検討した。
③ 重機災害を完全に防止するため、重機からの視認性だけでなく、他者からの重機視認性を確保するよう、重機を照らす照明の設置も検討した。
④ 夜間作業時の作業員健康管理を万全にするため、作業員の健康状態を適宜確認し、体調の不良を早い段階で発見できるよう、チェック体制を整えることを検討した。

(3) 実施した対応処置

① 現場周辺の既存構造物位置と、バルーンライトの配置予定位置とをプロットした仮設配置図を作成した。その結果、4ヶ所の暗部が生じることがわかったため、三脚式ハロゲンライト4台で逆側から照らすようにした。
② 重機にはキャビン部分にLEDパネル照明を取り付け、重機全体の視認性を高めた。③ 1日の作業開始時終了時だけでなく、2時間ごとの休憩時にも体調不良などがないか聞き取り確認をした。
これらの処置により、夜間作業に起因する事故、災害を生ずることなく、作業を完了することができた。

安全管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 3

解答例 安全管理 07  舗装工、事故防止

(1) 留意した技術的課題

○○県発注の県道○○△△線改良工事における改良舗装工事であった。供用部2車線を含む4車線化を既設道路と並行して施工するものである。
本工事では、盛土工17000m3の材料の搬入、敷均し、転圧等を大型重機により施工するため、国道の交通量も多く、作業ヤードも狭いことから、特に、ブルドーザーとの接触による事故が懸念された。
本現場では、事故を防止し、作業の円滑な進捗と安全性を確保することが安全管理上の重要な課題であった。

(2) 検討した理由と内容

現場におけるブルドーザー作業の安全確保のため、以下の内容について検討した。
① 狭小な作業現場に適したブルドーザーの種類と能力、作業区域、作業方法などを検討した。
② 現場状況を考慮した、盛土等、建設資材の搬入方法と搬入時期を検討した。
③ 作業現場の地質や地耐力を十分に考慮し、建設機械や施工方法について検討した。
④ ブルドーザーとの接触による事故防止のため、必要な幅員の確保、立入禁止区域の設定、誘導員の配置などの検討を行った。
以上の検討から、狭小な現場スペースで重機の接触・転倒による事故を防止するため、次の処置を講じた。

(3) 実施した対応処置

① ブルドーザーの作業区域を設定し、作業境界と作業柵を設置して、維持管理を徹底した。
② 資材や材料の搬入については、本線からの出入口手前500mに出入口を明示した看板を設置し、誘導員を配置して、ダンプ等の誘導を行った。
③ 作業スペースを確保するため、資材搬入は1日2回に分けて搬入を行った。
④ 高盛土や路肩の走行は避け、路体を均一に盛立てて施工することで、重機走行の安全性に配慮した。
その結果、ブルドーザー作業の安全性が確保でき、無事故で工事は完了した。

解答例 安全管理 08  道路改良 運行ルート

(1) 留意した技術的課題

本工事は、H県S市にある県道888号線の道路改良工事であり、工事延長L=440mにわたり施工するものであった。
資機材の大部分は、大型車両による搬出入を計画していた。工事場所は山間部であり、運搬ルートは大型車両の荷重に対する耐久性が不足している舗装構成であった。また、道路勾配は10%と急勾配であり、見通しが悪い状況であった。
このため、工事車両運行における災害を防止することが、本工事における安全管理上の重要な課題であった。

(2) 検討した理由と内容

工事車両運行における安全を確保するため、以下の検討を実施した。
①大型車両のうち最大の車両は、10tダンプトラックであり積載時重量は20t、道路幅4.0mに対して車両幅は2.5mであった。輪荷重が路肩に直接作用すると路肩が崩壊する恐れがあったため、敷鉄板敷設による接地圧分散について検討した。
②工事車両の運行ルートは、カーブが連続し見通しが悪い状況であった。また、道路幅は4.0mで離合できるスペースがないため、運行ルートの安全設備の整備について検討した。
③工事運行ルートにおいて事故が発生する可能性がある危険箇所が多数ある反面、運転手は頻繁に入れ替わる運行予定であった。そこで、事故発生を防止するための教育・訓練について検討した。

(3) 実施した対応処置

工事車両運行における災害を防止するため、以下の対応処置を実施した。
①ルート全域に敷鉄板を設置するとともに、雨天時のタイヤスリップを防止するため等辺山形鋼1m間隔でした。
②所轄警察と協議し、カーブミラーの設置、離合スペースの整備を行った。
③運行ルートにおける事故が発生する可能性がある箇所を明示したハザードマップを作成し、安全教育訓練で周知徹底した。また、土工事の大型ダンプトラックの運転手を固定とする配置計画とした。
以上の結果、工事車両運行の事故もなく、工事を無事完了することができた。

解答例 安全管理 09  舗装工 建設機械や運搬車両

(1) 留意した技術的課題

本工事は、新設AA外環状道路工事に伴う、面積8,550m2の下層路盤、上層路盤、基層・中間層・表層を施工する舗装工事であった。
工事車両の出入り口は、県道888号線と隣接しており、現場周辺には住宅街・オフィス街・商店街があったため、終日、歩行者及び一般車両の通行が多く、建設機械や資機材運搬車両と第三者との接触事故等の公衆災害が懸念された。
以上のことから、第三者の安全を確保する対策が、重要な技術的課題となった。

(2) 検討した理由と内容

第三者の安全を確保するため、以下の3点について検討を行った。
①工事施工中は歩道を確保し片側交互通行にする必要があった。また、作業幅が狭く、建設機械の作業時には現道へはみ出す恐れがあったため、建設機械作業時の安全対策について検討した。
②工事車両出入口は、既設歩道と接しており、工事車両が出入りする際は、歩道を横断する必要があった。また、歩道部における歩行者との接触や、県道888号線における通行車両との接触が懸念されたため、工事車両の出入口付近の安全対策について検討した。
③工事区域は現道と接しており、第三者が工事区域へ進入する恐れがあったため、工事区域の明確化と工事区域周辺の保安施設の設置について検討した。

(3) 実施した対応処置

①建設機械作業時は、合図者を配置するとともに、作業開始前にオペレーターと合図者で、作業手順と合図の方法を確認するよう指導した。
②工事車両の出入口に熟練の交通誘導員を配置し、第三者最優先で交通誘導を行った。
③工事区域をカラーフェンス(H=1.0m)で囲い、工事区域周辺には、安全看板を設置して、第三者に対して注意喚起を促した。
以上の対策を講じた結果、無事故、無災害で工期内に工事を完了することができた。


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