経験記述の解答例/品質管理/1級舗装施工管理 応用試験

このページは、1級舗装施工管理技術者資格試験、応用試験の経験記述問題、
テーマ品質管理の解答例のページです。
過去問を徹底分析して、使える解答例を多数紹介しています。

経験記述論文の文章構成は、問題提起をして、その問題に取り組んだ解決策を述べます。
「〇〇〇のため、◇◇◇に留意した。」
「〇〇〇の問題点・課題があったため、◇◇◇の対策処置を講じた。」

次のページは、土木施工管理技士試験のページですが、
経験記述の解答ネタとなる、「のため」「対策処置」の部品集を、たくさん掲載しています。

品質管理、工程管理、安全管理/経験記述の部品集/土木施工管理技士試験

品質管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 1

解答文例 品質管理 01

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、沿岸地域の海浜公園のアクセス道路の延長1400mの新設工事であった。
一部の区間の路床安定処理工事完了後に、セメント系固化材が凝固していない部分が発現された。未固化部の土壌を成分分析した結果、酸性土壌に含有される水素イオン値が高く固化反応を阻害する原因となっていた。PH値は他の区間では弱酸性の値を示した。
該当区間の土壌性質を改良し、固化材の凝固をさせることが、本工事における品質管理上の重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

該当土壌のPH値対策として、現場で講じた内容は以下の通りであった。
① 従来使用していたセメント系固化材よりも、固化含有成分量の多い材料を使用した。使用前に、該当土壌サンプルと配合試験をおこない、固化・支持力発現を確認した後、施工することとした。
② 該当区間の中でも、特に強酸性を示した範囲については、炭酸カルシウムを散布し、スタビライザを使用して攪拌することで、土壌改良を行い中性化させた。

(4)-③ 得られた結果

上記の対策を実施した結果、セメント固化材の凝固が見受けられ、所定の締め固め度を確保することができた。また、土壌攪拌した区間も同様に締め固め度確保をおこなうことができ、工期内に竣工することができた。

解答文例 品質管理 02

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、ひび割れ・わだち掘れ等の損傷が目立つ、国道○○線の現道を改良する舗装工事であった。国道○○線は、片側2車線で日中の時間帯に片側交互交通の規制では、交通渋滞を引き起こすため、本工事は夜間作業で行う必要があった。
アスファルト舗装の品質は、管理基準値である締固め度96%以上を確保することにある。このような夜間の舗装工事において、転圧機械の選定やアスファルト合材の温度管理が、本工事の品質管理上の重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

夜間工事において、管理基準値の締固め度96%以上を確保するために、使用転圧機械の選定やアスファルト合材の温度管理について、現場で下記の対策を実施した。
① 夜間作業のために外気温が5℃以下と低いので、敷き均し時の温度を110℃以上になるようアスファルト合材の出荷温度を決め、運搬中の温度低下を抑えるため、シート養生を行った。
② アスファルトフィニッシャで敷き均し後、ヘアクラック防止のため、初期転圧はタンデムローラで、2次転圧はタイヤローラを使用し、最後の仕上転圧はロードローラで行った。
③ 初期転圧の合材の温度は130℃前後で行い、2次転圧は120℃前後の温度で実施して、終了時には80℃前後になるように合材の温度を管理した。

(4)-③ 得られた結果

適切な転圧機械の選定と、アスファルト合材の適切な温度管理を実施したことで、へアクラックの発生を防止できた。さらに締固めを充分に行うことで、締固め度96%以上の品質を確保することができた。

解答文例 品質管理 03

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、凍上により破損した山間道路のアスファルト舗装版を、復旧する工事であった。施工量は、凍上抑制層600mmの置換(下層路盤300mm+上層路盤150mm)とアスファルト舗装(表層4cm+基層4cm)を新設する内容であった。
表層の施工時期は、厳寒期である1月下旬となり、外気温が5℃以下となること、アスファルトプラントからの運搬時間が80分という条件から、アスファルト混合物の温度管理が、本工事の品質管理上の最重要課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

アスファルト混合物の温度管理において、留意した点は以下の通りであった。
① 運搬時間が80分であったため、通常の荷姿ではアスファルト温度低下-20℃前後となるため荷台の養生シートを2枚重ねとし、その上に耐熱ビニルシートを掛けることにより、-15℃以内で管理することができた。
② タックコートには高濃度乳剤(アスファルト含有成分65%)を使用することとした。また、乳剤温度を60℃まで上げて散布する計画とした。
③ アスファルト敷均し時の温度は130℃以上を確保した。現場到着温度を150℃前後に設定するため、プラント出荷時の温度を通常時よりも高い165℃以上180℃未満に設定して出荷した。

(4)-③ 得られた結果

上記の対策により、基層・表層ともに敷均し温度140℃前後を確保でき、初期転圧時温度を120℃前後で施工することができた。施工面積を区画することで合材量を管理し、締め固め度96.5%以上の平均値を満足して工事は完了した。

品質管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 2

解答文例 品質管理 04

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、当社の設計施工で行なう、造船を主体とした製造工場内の新設の重車両道路の舗装工事であった。
コスト、工期(車両通過可能となる日数を最短にする)面について制約が設けられており、重車両の荷重に対応すること、かつ養生期間を2日間とすることが求められた。 制約条件により半たわみ性舗装を選択することとしたが、短期間施工での強度・硬度の確保が、品質管理上の問題となった。

(4)-② 現場で実施した対策

短期間での強度・硬度確保のために、現場で実施した品質管理手法は以下の通りであった。
① セメントミルク施工のためには、母体アスファルト舗装温度を50度以下で行う必要があったが、セメント凝結遅延材配合の資材を選定し、80度以下での施工を可能とした。
② 半たわみアスファルト舗装の空隙率を22%前後に設定し、セメントミルクの強度増加を図った。
③ セメントミルクの硬化開始は15分と制約があるため、使用数量を区画ごとに分け、使用時の瑕疵がないように配慮し迅速に施工した。
④ セメント含侵のため敷均しプレートは、通常の2倍の大きさで作成し使用した。
⑤ 施工完了後の早期強度発現のため、調速硬化タイプセメントミルクを採用した。

(4)-③ 得られた結果

上記の品質管理により、交通開放の目安である圧縮強度5.0MPaを満足させることができた。また、半たわみ性舗装を採用したことにより、耐摩耗性・耐油性に優れメンテナンス性の向上がみられ、所要の品質が確保できた。

解答文例 品質管理 05

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は県道〇〇号線のアスファルト舗装修繕工事であり、周辺には商店街が数多く立ち並ぶ場所で、縦断勾配とカーブが多く入り組んでいた。
本工事の目的は、損傷既設舗装の撤去・新設と、交通量の増加による車両走行時の路面騒音を低減させること、及び排水性を改善することであった。
修繕方法は施工提案選択方式であったため、騒音低減のため平坦性の確保と、排水性改善の確保が、品質管理上の最も重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

騒音低減と平坦性及び排水性改善の確保のため、現場でとった品質管理手法は以下の通りであった。
① おおまかな一次掘削後に測量を実施し、計画高の平坦性を確保する精度を上げることにより、仕上げ漉き取りの二次掘削で、所定の平坦性を確保することができた。
② 路盤の平坦性を確保するため、締め固めにはタイヤローラー、アスファルトフィニッシャーを使用し、締め固め度96%以上、計画平坦性±0.5%以内を確保した。
③ アスファルト舗装には騒音低減と排水性を確保するため、透水性舗装を採用した。また、排水の安定性を向上させるため暗渠管を設置することとした。
④ アスファルト合材の骨材剥離を防止するため、トップコートを散布することとした。

(4)-③ 得られた結果

上記の品質管理により、所定の平坦性を確保することで、騒音値を従来比で30%低減することができた。また、暗渠管埋設をおこない、排水性向上を実現することができ、所定の品質を確保することができた。

解答例 品質管理 06  路盤工、締め固め

(1) 留意した技術的課題

本工事は、凍害防止を目的とし、路床を1.0m切下げ、凍上抑制層(t=0.70m 火山灰)、下層路盤工(t=0.22m、切込砕石0-40)を施工するものであった。
施工時は、好天が続いていたが、路床掘削時に湧水が発生し、火山灰が軟化し所定の路床支持力が確保できなかった。
このような状況下での、トラフィカビリティおよび路盤工施工時の締固め度の確保、湧水処理と施工後の路床支持力の確認が、本工事の品質管理上の重要な課題であった。

(2) 検討した理由と内容

本工事区間の路盤・路床の品質確保のため、以下の点について検討を行った。
① 湧水の影響を最小限に抑えるために、凍上抑制層を火山灰から、透水性の高い山砂または砂利に置き換えることの検討を行った。
② 路床内の湧水処理を目的とした、暗渠排水の設置について検討した。
③ 路盤転圧時の締固め機械(タイヤローラ、マカダムローラー等)の選定、水締め採用の可否、仕上がり乾燥密度に関する検討を行った。
④ 路床施工後に所定の支持力を現場で確認する手法(CBR試験・ポータブルコーン貫入試験等)について検討した。

(3) 実施した対応処置

現場で、講じた処置は次の内容であった。
① 発注者と協議を行い、路床材を湧水の影響を受けないように透水性のある砂利に置き換えた。
② 路床の両サイドに暗渠排水を設置し、湧水を排除した。
③ 路盤転圧時には、水締めを行うこととし、マカダムローラで締め固めを行い、最大乾燥密度95%を確保した。
④ 路床支持力の確認は、監督員立合いのもと、コーン貫入試験を実施した。
以上により、所定のトラフィカビリティを確保するとともに、品質管理基準を満足し、無事完工した。

品質管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 3

解答例 品質管理 07  舗装、温度管理

(1) 留意した技術的課題

本工事は民間会社発注のEビル改築工事のうち、広場と幹線道路への取付道路の舗装工事であった。
表層舗装時期が1月下旬の冬期施工にあたり、最高気温も10℃を下回る日が多いことから、アスファルト合材温度のバラツキによる所定の締固め度不足が懸念された。
このような施工時期に舗装工事の品質を確保するため、合材温度や転圧方法の管理が品質管理上の重要な課題と考えられた。

(2) 検討した理由と内容

合材温度や転圧方法について、次のような検討を行った。
① 混合物運搬中の品質を確保するため、プラントからの搬入経路や搬入時間帯について、プラント側と協議して決定した。
② 温度低下による敷均し時の材料分離を防止するため、舗設できる時間帯や回数について、発注者と協議・検討した。
③ 敷均し時の混合物の温度は一般的に110℃を下回らないようにする必要がある。できる限り高い温度で転圧できる方法、転圧の順序、ロードローラの転圧速度などについて検討を行った。
④ 舗装工事の出来形を確保するため、混合物の温度と締固め状況を確認し、表面の材料の分離やヘアクラックの有無などを観察する方法について検討した。
以上の検討から、次の処置を講じた。

(3) 実施した対応処置

① 混合物の保温を目的として、運搬車荷台の帆布を3枚重ねにして、荷卸しの待ち時間のないように連絡を密に行った。
② 気温5℃以上の時間帯(lO時~14時)に舗設できるように協議し、当初2回の舗設回数を4回に増やし、散布後の養生期間を短縮した。
③ フィニッシャのスクリードを加熱して、できる限り高い温度が保てるよう、敷均し後直ちにロードローラで転圧を行った。
以上の結果、所定の締固め度が確保でき、工事は無事完了した。

解答例 品質管理 08  舗装工 軟弱地盤

(1) 留意した技術的課題

○○県発注の県道△△線改良工事における舗装工事であった。
施工箇所は、路体の現場CBRが3以下の軟弱地盤である。この軟弱地盤上の傾斜地に、現場流用土と採取土により高さ4mの盛土を行うものであった。
盛土材、搬入条件、雨水処理などの問題点を解決して、盛土の品質を確保するための施工方法の検討が、技術的に重要な課題であった。

(2) 検討した理由と内容

盛土の品質を確保するために検討した内容は、次の通りであった。
①当初予定の盛土材では設計CBRを確保できないため、路床の支持力を改善する盛土材の選定について検討した。
②路床の計画高さ、残土処分地や良質土の有無について検討を行った。
③地山と盛土の接合部は完成後に段違いが生じ、舗装に亀裂などが発生しやすい。そのため、盛土接合部の段切り処理と、雨水を盛土内に浸透させない排水処理について検討した。
③搬入路として使用される路床の支持力低下を防止する方法について検討した。
以上の検討から、次の対応処置を講じた。

(3) 実施した対応処置

①当初予定していた盛土材の粘性土では設計CBR12を確保する事が困難なため、砕石混じりの粘性土を使用し盛土を行った。
②地山と接続部の表土を除去した後、段切りを高さ50cmで施工し、勾配1:4のすり付けを設けることで、盛土と地山との接合を良好にした。
③搬入路をレキ質土で形成し、路体のこね返しによる支持力低下を防止した。また、盛土施工内に雨水を進入させないため、釜場を作り、水中ポンプを設置し排水した。
以上の対応処置により、所要の盛土の品質が確保でき、工事は無事完工した。

解答例 品質管理 09  路盤工、土工

(1) 留意した技術的課題

本工事は、H県Y振興局管内の、国道00号線改修工事であった。概要は総延長16kmであり、片側交互通行での施工が求められた。地域の特色としては、凍結深度1500以上が予想され、路床部分は水はけの悪い地域であった。
冬季間には凍結・融解を繰り返す路盤の安定処理方法や、粒度の合わない製品の使用が、設計図書より求められていた。このような路盤安定処理方法と粒度調整及び施工時の排水処理が、本工事の留意すべき技術課題となった。

(2) 検討した理由と内容

路盤安定処理方法、粒度調整、施工時の排水処理について検討した内容は、以下の通りであった。
① 路盤安定処理方法には、セメント安定処理や粒度調整した砕石利用などが考えられるが、耐久性、凍結融解耐性を鑑み、瀝青安定処理材を利用することを検討した。
② 粒度調整を地産地消材料として、火山礫、また沿岸地域であるため、破砕した貝殻の使用を検討した。
③ 水はけの悪い地域は開削前に地下水位低下をさせ、掘削時の水処理の比重を減らすよう検討した。工法としては経済で高効率な、簡易ディープウェルを検討した。
④ 凍上抑制層に用いる材料は、凍結・融解に対して耐性のある材料を選定する計画とし、品質証明等の書類確認のほか、ふるい試験を採用することを検討した。

(3) 実施した対応処置

上記の内容から行った対応処置は、以下の通りであった。
① 瀝青安定処理材は、アスファルト舗装同様の管理が必要となる。荷卸時の温度170度以上を確保し、品質を管理した。
② 火山礫・破砕貝殻は凍結・融解作用の耐性試験を行い、使用できることを確認した。
③ 側道15mごとに簡易ディープウェルを入れ、地下水位を路床下まで下げたあとに開削することができた。
④ 凍上抑制層材料は、0.075mmフルイ通過量20%以下であることを確認した。
以上の対応処置により、品質の良い路盤工を構築することができた。


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