経験記述の解答例/工程管理/1級舗装施工管理 応用試験

このページは、1級舗装施工管理技術者資格試験、応用試験の経験記述問題、
テーマ工程管理の解答例のページです。
過去問を徹底分析して、使える解答例を多数紹介しています。

経験記述論文の文章構成は、問題提起をして、その問題に取り組んだ解決策を述べます。
「〇〇〇のため、◇◇◇に留意した。」
「〇〇〇の問題点・課題があったため、◇◇◇の対策処置を講じた。」

次のページは、土木施工管理技士試験のページですが、
経験記述の解答ネタとなる、「のため」「対策処置」の部品集を、たくさん掲載しています。

品質管理、工程管理、安全管理/経験記述の部品集/土木施工管理技士試験

工程管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 1

解答文例 工程管理 01

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、国道○○線の渋滞緩和のために拡幅を行う舗装工事であった。この道路の交通渋滞の原因は、道路の一部区間のが、途中から車線が狭くなりとなっているためであり、本工事は、片側2車線を3車線に拡幅する工事であった。
工程的には、年末の帰省ラッシュ時に渋滞になるこの区間を、年末の一定期間だけ、片側一車線の拡幅工事を終えて道路を開放しなければならなかった。そのため、片側1車線の拡幅工事を完了させて、道路を開放させるには、当初工程より○日間の工程短縮の必要があった。
このような年末の一定期間だけ道路を開放させる工程管理が、本工事の最も重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

車線拡幅工事の一部を終えて、年末の一定期間に車道を開放するには、○日間の工程の短縮が必要である。そのため、現場で下記の対策を実施した。
① 当初の計画では、1車線は歩道側に拡幅するので、最初に歩道移設工事を行い、完了後に切替えて車道の拡幅工事に取り掛かる手順であった。工期短縮のため、歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に施工できるように計画の見直し変更を行った。
② 歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に行うには、歩行者通路を確保する必要があるため、中央分離帯を撤去して車道の幅を広げて、車道側に歩行者通路を確保した。
③ 歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に行うことで、当初計画にあった切替え工事が不要なり、工程短縮が実現した。

(4)-③ 得られた結果

工事計画の見直しを行い、歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に施工したことで、切替え工事の削減もでき、○日間の工程の短縮が可能になった。
工程短縮によって、年末の道路開放に間に合い、交通渋滞を回避することができた。

解答文例 工程管理 02

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、交通量の多い県道〇〇線において、ひび割れ、わだち掘れ等が生じている舗装版を撤去し、上層路盤と表層を打換える、施工延長400mの補修工事であった。片側交互通行での施工であったが、G.Wの混雑を避けるために、発注者からは4月下旬までに付帯工事を除き、表層工までを完了するように要求されていた。
雨天時の工事中止等を考慮すると、工期が間に合わない可能性があり、施工効率の悪い舗装版撤去工、路盤撤去工における工程短縮が、本工事の課題となった。

(4)-② 現場で実施した対策

舗装版撤去工、路盤撤去工における工程短縮のため、次の対策を実施した。
① 舗装版撤去工・路盤撤去工の使用機械をバックホウから切削機に変更した。この変更により、切削された発生材をベルトコンベアーによりダンプトラックに直接積込むことができ、施工効率が向上した。過去の施工実績で施工延長が120m~150m/日となっており、本工事での実稼働日数は施工延長400mで4日であった。バックホウでの平均的な施工実績50m/日と比較して、4日以上の短縮が可能となったと考えられる。
② 縦断方向の5cmの段差のスリツケをアスファルト合材で行う手順であったが、予め反対車線に切削スリツケを施し、アスファルト合材によるスリツケの施工手順を省略した。

(4)-③ 得られた結果

以上の対策で、舗装版・路盤撤去工で4日、既設路盤整正・転圧と上層路盤工でも工程見直しにより2日、計6日間の工程短縮を図ることができた。付帯工事を含めてもG.W.前に施工を終了することができ、作業員もG.W.期間中に休暇を取得できた。

解答文例 工程管理 03

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

交通量の多い県道○○線は、道路の轍やひび割れ等で舗装の傷みがひどく、簡易な補修方法では効率が悪いため、アスファルト舗装打換え工事を施工することになった。本工事は、上層路盤工の修復と表層工の打換え工事であるが、片側1車線の狭い道路のために片側交互交通の道路規制を行っての工事であった。
舗装時期が台風シーズンと重なっているため、台風接近の影響で工程に遅延が生じることが懸念された。このような台風シーズンに、計画通り舗装工事を完了させる工程計画が、本工事の最も重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

台風接近の影響で工程に遅延が生じても、計画通り工事を完了させるため、現場で実施した対策は、下記の方法であった。
① 工程短縮のため工事計画の見直しを行い、表層工の剥がしに使用する機械をバックホウから、効率の良い小型のロードカッターとベルトコンベアーに変更した。
② バックホウでの作業では、撤去材の積み込みもバックホウで行うために、剥がし工事が一時中断するが、ロ―ドカッターとベルトコンベアーを採用したことで、積み込みの間も剥がし工事の作業を連続で行うことができた。
③ さらに、ロードカッターを使用することによって、表層工の剥がし工事と層路盤工の修復工事を同時に行うことができた。

(4)-③ 得られた結果

表層工の剥がし作業を、小型ロードカーターとベルトコンベアーで行ったことで、作業効率が向上し、剥がし工事と上層路盤工事の修復を同時に行うことができた。
このような対策を講じたことで、工程の短縮が可能になり、台風の接近による工程の遅延に対処することができた。

工程管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 2

解答文例 工程管理 04

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、平成〇〇年に発生した凍上災害における災害復旧工事であった。幅員6.5mの市道は亀甲状クラックや舗装のはく離が多く発生しており、路盤と表層の補修工事(施工延長=200m)が実施された。災害査定が9月に完了したため、工期が11月初旬から翌年1月にかけての寒冷期となった。凍上により路盤が不良化することのないよう、降雪量が多くなる前に舗装工事を終わらせる必要があり、工程の確保が本工事の重要な課題となった。

(4)-② 現場で実施した対策

補修工事における工程を確保するために、現場では次の対策を実施した。
① 工事の時間帯は近隣の小学校の登下校時間と重なるため、警察、小学校と協議の上、工事期間中の通学路を変更した。これにより午前8時から午後5時までの工事が可能となった。
② 道路の通行止めについては、近隣への予告看板の設置、地区への回覧板、小学校への説明会、住民説明会などにより、工事開始の数ヶ月前から周知を図った。
③ 中温化舗装を採用し、混合温度を低くすることで交通開放までの温度低下時間を短縮し、施工時間をより長く確保した。
④ 搬入・搬出待ちによる手待ちを小さくするため、発生材搬出、および路盤材搬入のダンプトラックを4tから10tに変更し、一日の搬出入回数を削減した。

(4)-③ 得られた結果

以上の対策を実施したことで、舗装版の剥ぎ取りから上層路盤の工事までを12月中に完了することが可能になった。その結果、表層工を含めた全舗装工事を、降雪量が多くなる前に完了することができた。

解答文例 工程管理 05

(4)-① 留意した施工管理項目の課題

本工事は、4車線の国道〇〇線における、施工量の多いアスファルト舗装工事であった。沿線での夏期行事の開催に合わせた道路整備工事であり、発注者からは行事が始まる時期に合わせ、5月末までに全ての工事を完了するよう求められていた。
これまでの関連工事の遅れもあり、施工量の多い本工事の工程短縮を図る対策が、最も重要な課題であった。

(4)-② 現場で実施した対策

アスファルト舗装工事における大幅な工程短縮を図るため、次の対策を実施した。
① 現場からアスファルトプラントまでの距離と運搬時間を実際に計測し、プラントの製造能力から1日に施工が可能な施工延長の検討を行った。本プラントでは3,000㎡/日の生産が可能であったため、1日の施工量を延長約200mとし、日工程を検討した。
② 日中は外気温が高くなることが予想されたため、ダンプトラックには内部デジタル温度計、路面にはレーザー表面温度計を用い、練り上がり温度(プラント出荷時)・初期締固め前温度(敷き均し)・二次転圧温度を測定した。温度管理を行うことにより、アスファルトの品質を保ちながら、手待ち時間を最短にすることができた。

(4)-③ 得られた結果

プラントの最大能力を活かしながら施工計画を再検討し、以上の対策を現場で実施した結果、7日間の工程短縮が可能になった。
アスファルト舗装工事は4月中に完了することができ、付帯工の工事も遅れなく、夏期行事開催前の5月末までに、全工事が無事完了した。

解答例 工程管理 06  舗装工、工期短縮

(1) 留意した技術的課題

本工事は団地内の道路改良工事で、工事延長440m、車道幅5m、片側に1.5m幅の歩道を設けるものであった。
当初計画では40m/日の施工速度を予定していたが、工事を開始した5月初旬から雨天が続き、梅雨期の順延も考慮すると工期が間に合わない可能性が出てきた。
舗装後の歩道の付帯設備工も含め、所定の工期を確保することが、工程管理上の最も重要な課題であった。

(2) 検討した理由と内容

本工事では、舗装版取壊し→路盤掘削撤去→路上再生路盤→基層までの4工程を1サイクルとして施工を行っていた。工期短縮を図る目的で、次の内容を検討した。
① 4工程(舗装版取壊し→路盤掘削撤去→路上再生路盤→基層)に着目し、施工法、施工順序を見直し、40m/日の施工量を増やす検討をした。
② 歩道の付帯設備工事の工程も合わせ、施工の段取り待ち、手戻り作業、手直し作業を防止する方法を検討し、並行作業実施の可否についても検討を行った。
③ 監督員と協議を行い、変更決定や変更設計を早期に実施できる日程調整を行った。
以上の検討から、次の処置を講じた。

(3) 実施した対応処置

① 舗装版取壊し・路盤掘削撤去の2工程について、使用機械をバックホウから切削機に変更した。
② 歩道側の3.5m幅を先行して完成させ、付帯設備工事と歩道逆側の舗装工を並行して実施した。
③ 監督員との電話協議を毎日行い、当日の工程の進捗状況に応じて、翌日の予定変更を協議した。
以上の対応処置から、日施工量を増やし、工期内に工事を完了することができた。

工程管理の解答例/1級舗装施工管理、応用試験の経験記述 3

解答例 工程管理 07  道路改良、輻輳作業

(1) 留意した技術的課題

本工事は、Y市発注の歩道設置、交差点改良を含む延長L=100m、幅員20.0mの市道改良工事であった。現場は積雪寒冷地であり、2月の積雪が多くなる時期までにアスファルト舗装を終える必要があった。そのため、構造物の施工を早める必要があり、現場内の電柱・上下水道・施設移設・切回し等の他工事と輻輳する問題もあった。
このような、工程管理に影響を与える関係機関との協議、他工事との工程調整等の事項が、本工事の重要な技術的課題であった。

(2) 検討した理由と内容

工程管理に影響を与える事項について、現場で検討した内容を次に示す。
① 工事着工を早めることができる方法を検討した。
② 変更決定や変更設計を早期に実施できる監督員との協議方法を検討した。
③ 他工事の工程表も考慮しながら、施工の段取り待ち、手戻り作業、手直し作業を防止する日程調整の方法を検討した。
④ 他工事も含めて、並行作業の実施の可否について検討した。
⑤ 手戻りが発生しても工程が遅延しないよう、図面チェックを行う項目や監督員の承認が必要な事項を確認した。
以上の検討より、次の対応処置を行った。

(3) 実施した対応処置

① 関係機関との事前協議や地元説明を早期に行い、工事着工を極力早めるよう努めた。
② 事前測量段階で、設計変更箇所を把握し、監督員との協議を着工段階で実施し、変更決定及び変更設計を早めに依頼した。
③ 他工事の業者と綿密な打合せを実施し、お互い影響の出ないよう日程調整を行い、工事範囲や施工順位を決定して工事を進めた。
④ 手戻りがないように、図面や丁張り確認をその都度実施した。
上記の対応処置により、降雪前に主体工事を終わらせ、工事を完了することができた。

解答例 工程管理 08  道路改良 土日作業

(1) 留意した技術的課題

本工事は、C県D町にある県道999号線の山間部における道路改良工事で、工事延長 L=約440mにわたり施工するものであった。
工期初旬の梅雨期や中旬には台風の上陸の懸念があり、断続的な天候不良による作業効率の悪化から工期遅延の恐れがあった。さらに、地域住民との協定により土曜、日曜日の作業はできない制約があった。
このため、作業効率の向上による工期内の工事完成が、工程管理上の技術的な課題となった。

(2) 検討した理由と内容

作業効率向上のため、以下の3点について内容を検討した。
① 土工事において、雨や台風による天候不順における作業効率低下防止のためには、排水処理を確実に行うことが重要である。
そこで、作業区域全域における造成形状と、排水処理について検討した。
② 1日の作業量増大することが作業効率向上に繋がるため、作業員の増員・建設機械の増台による作業班編成が不可欠と考えた。そこで、作業日報から工種毎の1日当たりの作業量における歩掛りを導き出し、作業班編成を検討した。
③ 確実に工期内に工事を完成させるには、日常的な工事の進捗管理と計画工程を確認する必要がある。そこで、工程会議の開催、日常の工程確認の方法について検討した。

(3) 実施した対応処置

① 排水処理については、施工区域全域を片勾配で施工し、勾配下側に素掘り側溝を設けた。下流には釜場を設け2インチ水中ポンプで排水した。
② 作業班編成については、歩掛り検討を行い、作業員の増員(4名)と建設機械の増台(2台)を行い、2班体制で施工した。
③ 工程確認については、毎週木曜日に週間工程会議、毎月末は月間工程会議を開催し、各班の作業工程の決定、進捗状況の確認、労務、資機材等のフォローアップを実施した。
以上の処置を講じたことで、無事、契約工期内に工事を完了することができた。

解答例 工程管理 09  舗装工、時間的制約

(1) 留意した技術的課題

本工事は、K市発注の市道999線舗装改良工事において、舗装工660m2、道路土工220m3、舗装取壊し620m2を施工したものである。
近隣に小学校があり、学校関係者との事前協議の結果、朝夕の登下校時間の工事車両通行を制限することとなった。工程表で想定していた日作業時間(8~17時)のうち、2時間は工事車両が通行できない時間となり、搬出入時間も再検討が必要となった。
このような工程の見直しを行い工期遅延を防ぐことが、本工事における工程管理上の重要な課題とされた。

(2) 検討した理由と内容

昼間の限られた時間帯での作業が主となる中で、施工時間の短縮を図るため、以下の内容を検討した。
① 現場状況に合わせた工期短縮を図れる施工機械を検討した。
② 朝の登校時間(7時半~8時半)、帰りの下校時間(3時半~4時半)を考慮しながら、現場での材料待ちを防ぐアスファルトの搬入方法を検討した。
③ 1日の作業時間を確保できる作業工程を検討した。
以上の検討をもとにした次の対応処置を現場で行った。

(3) 実施した対応処置

① 工期短縮のためAs合材供給機を採用した。通常のバックホウによる施工量は約3m/minであるが、As合材供給機は約8m/minとなり、1施工日当たり約30分の時間短縮を図ることができた。
② 現場の作業開始時間を7時とし、登校時間となる7時半までに1回目のアスファルト搬入を終わらせ、現場作業開始時に材料待ちが起こらないようにした。
③ 土曜日を稼働日とし、8時~17時まで現場を稼働させた。その替わりに月曜日を休工日とした。
以上の対策により、短い作業時間で工期を遵守し、工事を無事完了することができた。


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