このページは、2級舗装施工管理技術者資格試験、応用試験の経験記述問題、
テーマ工程管理の解答例のページです。
過去問を徹底分析して、使える解答例を多数紹介しています。
経験記述論文の文章構成は、問題提起をして、その問題に取り組んだ解決策を述べます。
「〇〇〇のため、◇◇◇に留意した。」
「〇〇〇の問題点・課題があったため、◇◇◇の対策処置を講じた。」
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経験記述の解答ネタとなる、「のため」「対策処置」の部品集を、たくさん掲載しています。
品質管理、工程管理、安全管理/経験記述の部品集/土木施工管理技士試験
工程管理の解答例/2級舗装施工管理、応用試験の経験記述 1
解答文例 工程管理 01
(4)-① 留意した施工管理上の課題
本工事は、交通量の多い県道〇〇線の舗装版を撤去し、上層路盤と表層を打換える、施工延長400mの補修工事であった。
G.Wの混雑を避け、4月下旬までに表層工を完了させるため、舗装版撤去工、路盤撤去工における工程短縮が、本工事の課題となった。
(4)-② 現場で実施した対策
舗装版撤去工、路盤撤去工の工程短縮のため、次の対策を実施した。
① 撤去に使用する機械をバックホウから切削機に変更し、切削後の発生材をベルトコンベアーでダンプトラックに直接積込み、施工効率を向上させた。実稼働日数は施工延長400mで4日であり、バックホウでの平均的な施工実績50m/日と比較して、4日以上の短縮が可能となった。
② 縦断方向の5cmの段差のスリツケをアスファルト合材から反対車線の切削スリツケに変更し、アスファルト合材によるスリツケの施工手順を省略した。
解答文例 工程管理 02
(4)-① 留意した施工管理上の課題
本工事は、国道の一部区間の交通渋滞の緩和をするため、道路を拡幅する舗装工事であった。年末の渋滞緩和のために、工事期間中の車道を一時的に開放する工程短縮が、本工事の重要な課題であった。
(4)-② 現場で実施した対策
○日間の工程短縮のため、現場で下記の対策を実施した。
① 工期短縮のため、歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に施工できるように計画の見直し変更を行った。
② 歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に行うため、中央分離帯を撤去して車道の幅を広げて、車道側に歩行者通路を確保した。
③ 歩道移設工事と車道拡幅工事を同時に行うことで、当初計画にあった切替え工事が不要なり、工程短縮が実現した。
解答文例 程管理 03
(4)-① 留意した施工管理上の課題
凍上で劣化した市道の路盤と表層の補修工事を実施した。寒冷期の工期中、再度凍上で路盤が不良化しないよう、降雪期前に路盤工を終了する必要があり、工程短縮が本工事の重要な課題となった。
(4)-② 現場で実施した対策
補修工事における工程を確保するために、現場では次の対策を実施した。
① 工事の時間帯は近隣の小学校の登下校時間と重なるため、警察、小学校と協議の上、工事期間中の通学路を変更し、8時から17時まで工事時間を確保した。
② 中温化舗装を採用し、混合温度を低くすることで交通開放までの温度低下時間を短縮し、施工時間をより長く確保した。
③ 搬入・搬出待ちによる手待ちを小さくするため、発生材搬出、および路盤材搬入のダンプトラックを4tから10tに変更し、一日の搬出入回数を削減した。
工程管理の解答例/2級舗装施工管理、応用試験の経験記述 2
解答文例 工程管理 04
(4)-① 留意した施工管理上の課題
県道〇〇線が、轍やひび割れ等で傷みがひどいために行う、アスファルト舗装打換え工事であった。
舗装時期が台風の時期にかかるので、工程遅延を回避する工程計画が、本工事の重要な課題であった。
(4)-② 現場で実施した対策
台風接近による工程遅延を回避するため、実施した対策は、下記の方法であった。
① 表層工の剥がしに使用する機械をバックホウから、効率の良い小型のロードカッターとベルトコンベアーに変更した。
② ロ―ドカッターとベルトコンベアーを採用したことで、積み込みの間も剥がし工事の作業を連続で行うことができた。
③ さらに、ロードカッターを使用することによって、表層工の剥がし工事と層路盤工の修復工事を同時に行うことができた。
解答文例 工程管理 05
(4)-① 留意した施工管理上の課題
本工事は、4車線の国道〇〇線における、施工量の多いアスファルト舗装工事であり、沿線での夏期行事開催に合わせ、4月末までに舗装工事を完了する必要があった。
関連工事の遅れもあり、施工量の多い本工事の工程短縮を図る対策が、最も重要な課題であった。
(4)-② 現場で実施した対策
アスファルト舗装工事における大幅な工程短縮を図るため、次の対策を実施した。
① プラントの製造能力から1日に施工可能な施工延長の検討を行った。本プラントは3,000㎡/日の生産が可能であったため、1日の施工量を延長約200mとし、日工程を検討した。
② 日中は外気温が高くなるため、ダンプトラックと路面に温度計を設置し、練り上がり温度(出荷時)・初期締固め前温度・二次転圧温度を測定した。温度管理により、アスファルトの品質を保ちながら、手待ち時間を最短にすることができた。
解答文例 工程管理 06
(4)-① 留意した施工管理上の課題
舗装工事の施工時期が、梅雨時期に入り、毎日の降雨によって搬入路が緩み、資材の搬入車両が入れず、工程が遅れた状態になっていた。そのため、舗装工事を再開する搬入路の見直しが、特に重要な本工事の課題であった。
(4)-② 現場で実施した対策
工程の遅れを取戻すために、搬入路の見直しとして、下記の対策を行った。
① 緩んだ地盤を掘り起こして、土の代わりに砂と砕石で置換することで、地盤の修復を行った。
② 修復した路盤に雨水がたまり再び緩むことの無いように、排水溝を切り釜場に誘導した。
③ 正規の下層路盤より高めに路盤工を作り、この路盤を搬入路として使用して、手前から奥へと資材を降ろすようにした。
以上を対策を実施したことで、資材搬入の遅れをなくし、遅れた工期を回復することができた。
工程管理の解答例/2級舗装施工管理、応用試験の経験記述 3
解答文例 工程管理 07
(4)-① 留意した施工管理上の課題
本工事は、既設の側溝の修繕(L=150m)と、道路打替え工(半たわみ性舗装、L=100m)であった。施工時期が梅雨期の上、夏場に混雑する海岸付近の道路であり、工期厳守が求められていた。
(4)-② 現場で実施した対策
作業の進捗率を上げるため、以下の処置を実施した。
① 横線式工程表を作成し、実績を書き入れて各工程の進捗状況を把握し、現場ミーティングの際に全作業員で確認した。
② 当初、既設側溝の入替を予定していたが、既設側溝の下部を残し、上部の破損部分を切断する工法に変更した。これにより、既設側溝のハツリ作業、仮排水路設置、撤去等の作業がなくなり、6日間の工程短縮を実現した。
③ 半たわみ性舗装に使用する特殊セメントミルクを早強タイプとし、養生時間を2日短縮した。
解答文例 工程管理 08
(4)-① 留意した施工管理上の課題
舗装工事の施工場所が、積雪寒冷地であるため、積雪の時期には工事が中断することが予想された。
そのため、工程を厳守して、降雪前に工事を完成させることが、本工事の重要な課題であった。
(4)-② 現場で実施した対策
舗装工事を降雪前までに完了させるためは、埋設配管工事等の早期の完了と工期の短縮が、重要な対策であった。
① 埋設配管工事の官公庁関連機関との事前協議を早めに行い、提出書類等の作成・提出を早めた。
② 設計変更等で工程に支障が出ないように、施工図の作成を早めて整合性を図り、設計者の承諾を得た。
③ 各関連工事の着手時期に遅れが生じないように、工程管理を確実に行った。
以上を実施して、各工事の工程の短縮を図り、降雪前に工事を完了することができた。
解答文例 工程管理 09
(4)-① 留意した施工管理上の課題
本工事は車道の切削オーバーレイ、及び歩道緑化の工事であった。幹線道路となる国道で、工事時間が22時~翌朝6時までと制限され、限られた作業時間で効率よく施工を進める必要があった。
(4)-② 現場で実施した対策
切削オーバーレイの工程進捗のために現場で講じた対策は以下の内容であった。
① 大粒径アスファルトの利用で舗装1層当りの厚さを増大させ、舗設回数の低減を図った。
② 既設舗装版撤去をバックホウから路面切削機に変更し、路盤までを同時に切削し、作業効率を向上させた。
以上の対策により作業効率を向上させ、一日当たりの施工延長を15m→20mとした。また、毎朝のKYKミーティングで当日の施工範囲と施工要領を把握し、各作業員が各々の役割を発揮することができた。
工程管理の解答例/2級舗装施工管理、応用試験の経験記述 4
解答文例 工程管理 10
(4)-① 留意した施工管理上の課題
本工事は、冬期閉鎖中の体育施設駐車場における盛土工(2,500m3)、アスファルト舗装工 (3,000m2)の工事であった。積雪寒冷地における冬期の施工で、風雪による作業中止が多く、工期の遅れが生じていた。
(4)-② 現場で実施した対策
現場で講じた処置は、次の内容であった。
① 計画当初は外気温5°以下でアスファルト舗設を中止としたが、路面ヒーターを採用し、外気温0°まで舗設可能とした。
② 施工区域を2工区に分け、盛土工の終了を待たずにアスファルト舗装工を開始した。その際、搬入路を各工区で分け、搬入時の作業をスムーズに行えるようにした。
③ 積雪後のトラフィカビリティー確保のため、搬入路に敷鉄板を敷設した。
以上の結果、春季の施設再開に合わせ、工事を無事竣工することができた。
解答例 工程管理 11 道路改良、時間的制約
(1) 留意した技術的課題
○○県△△建設事務所発注の道路改良工事において、車道の切削オーバーレイ、及び歩道の打換えを中心とした工事に従事した。
2本の国道交差点付近の1日交通量は、深夜を除いて常に渋滞状態にあったため、工事時間が夜10時から朝6時までと制限された。
また、大規模な規制となったため、設置・撤去や路線の切換作業などにかなりの時間を費やし、更なる作業時問の短縮が求められていた。
手直し、手戻り、手待ち時間をなくして工期を守ることが、本工事の工程管理上の重要な課題となった。
(2) 検討した理由と内容
路肩の盛土、切削オーバーレイ、打換え作業の工程進捗のために、次のような技術的な検討を行った。
① 路肩の盛土の施工において、施工量を増やし、作業員の負担の低減と施工力をアップさせる計画を立案した。
② 工事関係者と協力して、一日当たりの舗設量を増加し、作業効率を向上させる方法を検討した。
③ 機器や道具の不備を解消して、スムーズな作業の工程進捗を図る方法を検討した。
以上の検討をもとにした対応処置により、作業効率が向上し、工期内に工事を無事完了させることができた。
(3) 実施した対応処置
① 路肩の盛土施工時に、盛土がこぼれて路盤の埋戻し土に混入しないように、H型鋼と鉄板を溶接し、型枠を製作した。これにより、1日の作業量は50mから100mとなり、作業員の負担の低減と施工力アップにつながった。
② 路面切削が終わった箇所から、随時舗装工を開始できるよう、ダンプのタイムスケジュールをプラントと調整して行い、1日の舗設量の増加を図った。
③ スムーズな作業の工程進捗を図るため、道具および備品のチェックリストを事前に作成し、作業開始前にチェックを行って、作業中における不足品の防止を図った。
解答例 工程管理 12 舗装、輻輳作業
(1) 留意した技術的課題
本工事は、住宅地の道路改良工事で、工事延長240m、車道幅5m、片側に1.5m幅の歩道を設けるものであった。
関連他工事が輻輳した現場において、所定の工期を確保することが、本工事における工程管理上の最も重要な課題であった。
(2) 検討した理由と内容
現場は積雪寒冷地で、工期が冬期に及ぶため、降雪前にアスファルト舗装を完了するように工程を早める必要があった。
また、現場内の電柱移設、ガス管の切り回し等、他工事も重複した工事となった。
このように、関連他工事が輻輳した現場における、所定の工期の確保について、次のような技術的な検討を行った。
① 他工事の関連業者との事前協議や綿密な日程調整を行った。
② 夜間で作業時間が制約される中での、住宅地の排水工付近の施工方法を検討した。
③ 舗装施工幅が大きい区間に、施工ジョイントを発生させない方法を検討した。
(3) 実施した対応処置
所定の工期を確保するため、現場で講じた処置は、次の内容であった。
① 他工事の関連業者との事前協議や綿密な日程調整については、各機関との事前協議や書類等の提出を早めに行い、早期に工事を開始させた。他工事の関連業者との打合せを綿密に実施して日程調整を行うとともに、現場内での工事範囲の取り決めを行い、お互いに影響の出ないように配慮した。設計変更等は早めに監督員と協議し、手待ち状態を回避した。手戻りがないように設計図面との対比、丁張りの確認を確実に行った。
② 夜間で作業時間が制約される中での、住宅地の排水工付近の施工については、As合材供給機を使用した。通常はバックホウによる供給を行うが、工期がなく、夜間で作業時間が制約される中で、施工時間の短縮を図るため、As合材供給機の使用を採用した。
バックホウによる供給での施工量は約3m/minであるが、As合材供給機を使用することで施工量は約8m/minとなり、1施工日当たり約30分の時間短縮を図ることができた。
③ 6m~8mと舗装施工幅が大きい区間における施工ジョイントを発生させない方法については、アスファルトフィニッシャーを2台並べて、ホットジョイント工法で施工を行った。通常のアスファルトフィニッシャー1台で行う施工で発生してしまう、施工ジョイントの発生を抑制することができた。
以上の対策により、1日の舗設量の増加を図り、予定工期を10日間短縮でき、工事は降雪前に無事完了した。