カラーコーンは、工事現場や公共スペースで視覚的な注意喚起を行うための重要な保安機材です。正しく設置することで、不安全な状態や不注意による事故を未然に防ぐ効果があります。標識やバーと併用すれば、より効果的な安全対策が可能です。また、CADデータを活用することで、安全計画図に組み込むことも容易になります。
このページでは、カラーコーン・セーフティコーン・コーンバーの用途や設置方法、安全対策への活用事例について解説しています。

いろいろな呼び方がある、カラーコーンとは
工事現場や道路規制などで使われる三角すいの目印「カラーコーン」。赤いものを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、カラーコーンにはサイズや色のバリエーションがあります。ここでは、さまざまなカラーコーンについてご紹介します。
「カラーコーン」以外にもいろんな呼び方がある
ところで、カラーコーンという呼び名が一般的には浸透していますが、工事用保安用品を扱うセフテック株式会社の登録商標、つまり商品名です。モノの名前としてはロードコーンといい、業界によってセーフティコーンやパイロン、三角コーン、ラバーコーンなどさまざまな名前で呼ばれています。
カラーコーン(セーフティコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)は赤色のものをよく見かけますが、黄や緑、青、白、黒など色のバリエーションが豊富です。また、道路などで人の目をひくためにボディに反射テープをまいたものや、スケルトン仕様のもの、コーンの頭部にLED電灯を差し込んだものなどがあります。
カラーコーンの寸法
カラーコーン(セーフコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)とひとくちにいっても、高さ8㎝ほどの小さなものから1mの大きなものまで寸法はさまざまです。
小さな寸法のもの「ミニコーン」ともよばれ、スポーツトレーニングや運動会などで目印として使われます。いちばんよく見かけるのは、高さの寸法が70㎝のものです。道路工事に使うカラーコーンの寸法は高さ70㎝と決められています。
また、カラーコーンの中には小さく折りたためるタイプのものもあります。伸ばすと40~50㎝ほどの寸法にまでなります。車に積んでおくと、トラブルに備えることができます。
注意喚起の表示をしたカラーコーンの使い方
工事現場やその周辺には、様々な危険要素が隠れています。事故を防ぐには、現場における安全対策が重要になります。
危険要素を見える形で表示することで、「不安全な行動」や「不安全な状態」を取り除ければ、事故を防ぐ効果が期待できます。
不安全な状態を解消するためのカラーコーンの活用事例を以下に示します。
カラーコーンを色別に分けて、作業区画の意味を『見える化』しましょう。
転倒災害防止のため、床面の段差手前箇所に注意喚起の表示をしたカラーコーンを設置して、段差を「見える化」しましょう。
工事車両運転者が既設設備に接触することを避けるため、周辺をカラーコーンで囲みましょう。
カラーコーン(セーフティコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)は単独で立てて使うだけでなく、様々なパーツと組み合わせて使うことも多いです。
区切りラインをつくる
コーンバーとはバーの両端が環状になっていて、カラーコーン(セーフティコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)の頭部に通す仕様になっているものです。コーンバーとカラーコーンを組み合わせたものをいくつもつなげることで、立ち入り禁止エリアをつくったり、行列の導線をつくったりできます。
カラーコーンにはさまざまな色のバリエーションがありますが、カラーバーにも色のバリエーションがあります。赤×白のストライプ柄のほか、黄や緑、青と白の組み合わせや、黄×黒の組み合わせもあります。使用する場所の雰囲気やカラーコーンとの色のバランスに応じて、コーンバーを使い分けることができます。
また、コーンバーの長さも1.5m~3mといくつか種類があります。さらに伸縮式のコーンバーもあり、いかに高い頻度でカラーコーンと組み合わせて使われているかがわかります。
飛ばないようにする重しをする
カラーコーン(セーフティコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)の材質は、ポリエチレンやABSのものが多いです。軽い素材でできているために、強風が吹くとすぐに飛んでいってしまいます。カラーコーンが倒れたり、飛んでいったりするのを防ぐには、専用の重しを使うといいでしょう。
重しは正方形の真ん中に穴があいた計上になっていて、穴にカラーコーンを通すようになっています。ラバー製のほか、ポリエチレン製のものもあります。ポリエチレン製の重しは水を入れる容器状になっていて、使用しないときは水を抜いて持ち運びが楽になります。重しの寸法は、70㎝のカラーコーンに装着して使うサイズとなっているものが多いですが、重量はいくつかの種類があり、軽いもので1㎏、重いもので4㎏あります。
標識をつけて注意喚起
カラーコーン(セーフティコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)のヘッド部分につけることができる標識があります。駐車場や矢印、一時停止、駐車禁止、喫煙所などさまざまな標識があり、イベント会場などで注意喚起をするのに便利です。
作業員の「不安全な行動」を解消する
作業員はカラーコーンより先に行かない、重機オペレーターはカラーコーンの手前で作業するルールとしましょう。
重機の前後にカラーコーンを置き、乗車して動き出す際にはカラーコーンを取る仕組みとします。
重機の動き出しにはカラーコーンの移動が必要なため、重機の前後の他の作業員や資材があれば気づくことができます。
歩行者用通路では「不安全な状態」を取り除く
通路上に足場、照明器具などが張り出す場合は、その部分に人が入り込まないようカラーコーンを設置しましょう。
通路幅員を確保していても、高齢者や障がい者、通学時間帯の児童などに対しては必要に応じて工事関係者や交通誘導員が誘導しましょう。
住宅地などでの工事により、特に通路が狭くなっている場合には、歩行者の安全性や自転車の走行性を考慮して、必要に応じ自転車から降りて、自転車を押すよう誘導しましょう。
視覚障がい者は、通路幅員を認識することが困難なため、仮設通路の起終点や曲がり角では、カラーコーンの設置数を増やすなどの工夫をしましょう。
視覚障がい者には音の出る誘導装置も効果的です。
歩行者用の通路の幅員は、車いす使用者の通行を考え、できる限り1メートル以上の有効幅員を確保しましょう。
また、カラーコーンや保安灯などを設置する場合、設置位置、高さに配慮しましょう。
カラーコーンによる安全対策
現場状況に基づき、工事車両の配置や各作業時の警備員などの配置を行うことが重要です。
カラーコーンをどのように配置すればいいのか、どれだけの数が必要になるのかなどを安全計画図を作成する際に必要になります。
1. カラーコーンの役割
カラーコーンは、安全対策に必要な素材です。
カラーコーンの役割は、工事に関わる関係者だけではなく、第三者という他者に向けての、注意喚起の役割も担っています。
カラーコーン1つその場に設置するだけで、人はその周辺を「何かあるのでは?」と注意するようになります。
その特徴を生かして、カラーコーンの設置を考える必要があります。
2. カラーコーンの設置を最小限にする方法
カラーコーンは、数多く設置すればいいというわけではありません。
無闇に設置することで、かえって混乱を招く恐れがあります。
また、現場の規模や立地条件により、カラーコーンの設置に制限がかかる場合があります。
現場によっては、カラーコーンを保管するスペースが、確保できない場合も想定しておく必要があります。
カラーコーンだけでは、安全面を確保できないと想定される場合は、コーンバーを用いることで安全面を確保するように計画を立てましょう。
カラーコーンは、必要以上あっても邪魔になります。
それらも把握して、カラーコーンは最小限の設置を計画しましょう。
3. カラーコーンを安全計画図で目立たせる秘訣
図面上で、カラーコーンが表記される場面は「安全計画図」にあります。
それ以外では、特に必要性がありませんので、表記されていることはあまりありません。
「安全計画図」は工事における工事関係者だけでなく、第三者などの他者からも、事故などのトラブルが無いように、工事開始前に事前に計画しておく必要がある、安全対策の一つです。
その中で、カラーコーンは、各工事作業や工事車両の駐車時などの、様々な場面において、どのように設置しておけば安全なのかを、一目で分かるようにしなくてはなりません。
他の線と同じ太さや色合いにすると、分かりにくくなります。
「安全計画図」においては建物の装飾などは必要ありません。
また、「安全」を確保するための警備員や備品以外は、極端に説明すれば、一番細い線で色も薄く設定しても問題ありません。
「安全計画図」の中では、警備員やカラーコーンが主役になります。
主役は目立たせて、一目でで分かるように、線の太さや色合いを考えましょう。
ただし、悪目立ちは逆に不快に感じるので、他よりも少し太線で、色も少し濃い目にするだけでも分かりやすくなります。
カラーコーン・バーが使われる3つの理由
人間の安全を守るため
カラーコーン・バーがあれば、人間は「ここからはキケンなエリアだ」と考えます。
作業員が安全に工事ができることも、カラーコーン・バーのおかげです。
例えば、2種類のカラーコーン・バーを使えば、安全エリア(黄色)や危険エリア(赤色)と分けられ、エリアを区別するメリットになります。
営業するためのツール
カラーコーン・バーは、売り込みとしてのツールに使えます。例えば、カラーコーンにモデルルームのポップを付ければ、お客さんを呼び込む営業ツールになるでしょう。
マナーを違反する人が減る
カラーコーン・バーがあれば、マナーを守らせることができます。
例えば、予備校などの駐輪場にカラーコーン・バーを置けば、関係者以外は止められないことを伝えられるのです。
そのため、マナーを守らない人や路上駐車をして、警察にキップを切られる人が減ります。
カラーコーンのcadデータを見つけるたった2つのコツ
カラーコーン・バーを調べると、フリーサイトのcadデータが多いでしょう。
しかし、どのような点に気を付ければいいのかわからないですよね。
カラーコーン・バーのcadデータを探すコツを紹介します。
カラーコーンの扱う会社を探す
カラーコーン・バーのcadを見つけるには、カラーコーンの営業会社を探しましょう。
例えば、積水樹脂(大阪府・北区)の交通安全用品図面ダウンロードです。
道路の真ん中にある棒(車線分離標)や建設現場で使われるカラーコーン(マルチコーン)のcadデータがあります。
ただし、dxfファイルだけがダウンロードできるため、pdfなどのファイルがほしい人は、フリーサイトやpdfにできるプリンターで印刷してください。
ファイルの種類をチェックする
カラーコーン・バーのcadデータを見つけるには、ほしいファイルを探してください。
例えば、cadデータが集められた「cad-DATA.com(フリーサイト)」には、以下のようなファイルがあります。
【カラーコーン・バーのファイル】
・ stp(複数のcadソフトで書き込み可)
・ se2
・ dwg(2Dcadタイプのファイル)
・ jww(建築で使われるcad)
まずは、あなたのほしいファイルを調べてみてはいかがでしょうか。
フリーのデータでもじゅうぶん使えますよ。
現場周辺の「不安全な行動」と「不安全な状態」は解消できるか
工事現場周辺の危険にはこんなものが
工事現場では、作業員や歩行者、車両運転者に注意を喚起し、事故を防ぐ安全計画が望まれます。
現場における事故には、以下のようなものがあります。
・開口部に囲い、手すり、覆いがなく、作業員が転落した
・重機のカバーが落下し、直下にいた作業員に当たった
・現場の車両が道路設備、他の車両、人などに接触した
現場での「不安全な行動」と「不安全な状態」とは
厚生労働省「労働災害原因要素の分析」によれば、労働災害発生の原因は下記の通りです。
・不安全な行動及び不安全な状態に起因する労働災害:94.7%
・不安全な行動のみに起因する労働災害:1.7%
・不安全な状態のみに起因する労働災害:2.9%
・不安全な行動もなく、不安全状態でもなかった労働災害:0.6%
「不安全な行動」と「不安全な状態」のどちらかを取り除ければ、事故をかなりの割合で減らせることになります。
「不安全な状態」を解消するカラーコーンの活用事例
現場の「不安全な状態」を解消するカラーコーンの活用事例
不安全な状態を解消するためのカラーコーンの活用事例には次のものがあります。
赤・青・緑の3色のカラーコーンによる作業区画の意味を“見える化”
例えば、赤色は危険区域の立入禁止、青色は作業動線の区画、緑色は資材置場の区画に用います。
重機が作業中であるときは赤色、休止中は緑色とすることで稼働状態を“見える化”できます。
杭頭の突出し部分に被せたり、ワイヤーやロープなどの付近に配置して、危険物を“見える化”する。
床面の段差手前箇所にカラーコーンを設置して、段差を“見える化”
安全通路にカラーコーン+コーンバーを置くだけでなく、通路床部分に緑色のマットを設置して、作業通路であることを“見える化”する。
重機停止中、キャタピラ上にカラーコーンを設置し、重機が停止していることがわかるようにする。
工事車両運転者が誤って接触しないよう、既設設備の周辺をカラーコーンで囲む。
作業員の「不安全な行動」を解消するカラーコーンの活用事例
不安全な行動を解消するためのカラーコーンの活用事例には以下のものがあります。
作業員と重機の間にカラーコーンを設置し、作業員はカラーコーンより先に行かないルールとする。
重機オペレーターはカラーコーンの手前で作業することとする。
重機の前後にカラーコーンを置き、カラーコーンを取らなくては移動できない仕組みとする。
ヒヤリハット事例を集めた資料を作成し、作業員と情報を共有する。
歩行者用通路での「不安全な状態」を取り除く
不特定多数の歩行者の「不安全な行動」を防ぐことは困難なため、歩行者用通路設置の際には、「不安全な状態」を取り除きます。
通路上に足場、照明器具などが張り出す場合にカラーコーンを設置します。
視覚障がい者が白杖で通路を認識しやすいよう、仮設通路の起終点や曲がり角ではカラーコーンの設置数を増やします。
カラーコーンが通行の支障とならないよう設置位置、高さに配慮します。
カラーコーンのデメリット
軽量小型なカラーコーンのデメリットを解消する
カラーコーンには以下のデメリットがあります。
・工事車両が接触しても気づかれにくい
・車両が接触した際に破損しやすい
・間隔を開けるとエリアが不明確になる
カラーコーンが不適切と判断される場合、A型バリケード、単管バリケード、仮設用フェンスなどの代替案を検討しましょう。
特に歩行者通路を設ける場合は、堅固なバリケード等を設置します。
カラーコーンのCADデータを活用するポイント
安全計画の立案やプレゼン、周知活動にはカラーコーンのCADデータや図面が有用です。
・工事現場の「不安全な状態」を明確にし、“見える化”できる
・危険区域、重機の可動域などを明確に区分けし、作業員の「不安全な行動」を防ぐ
・歩行者通路の「不安全な状態」を明確にする
カラーコーンの設置方法と設置基準
カラーコーンとは、ロードコーン、セーフコーン、パイロン、三角コーン、ラバーコーンとも呼ばれる円錐形の保安器具です。
カラーコーンの特徴は、内部が空洞で軽いので持ち運びがしやすく、簡単に設置できることです。いくつも積み重ねることができるので、収納スペースも少なくて済みます。
材質は主に合成樹脂やゴムで作られており、サイズは約70㎝程度のものが主流です。
コーンの色として、注意喚起を促す警告色でもある赤、朱色、黄色や、周辺環境に違和感を与えない焦げ茶、緑、青、白などがあり、さらに視認性を高めるため、朱色地に白、黒地に黄色の縞模様を入れたものも使われています。
使用場所としては工事現場や駐車場などが多く、主に交通の誘導、立入防止、施設内外における駐停車を規制するために用いられていますが、各種イベント会場、スポーツ競技の会場など、その他さまざまな場所で使用されています。
カラーコーンのcadデータやcad図面に関しては、ネット上に有料、無料を合わせてダウンロードできるサイトがたくさんあります。どのサイトからcadデータを入手したらいいか迷うところですが、まずはいろいろなサイトを覗いて、自分に合ったものをダウンロードすることをお勧めします。
カラーコーンの材質は合成樹脂製で、硬くならず破損確率が低い
カラーコーンはそのほとんどが合成樹脂製であり、高速道路の車線規制や風対策としては、路面との摩擦が大きく重量があり、弾性を持ったゴムやポリ塩化ビニル製の物が使われており、軽量なポリエチレン製ではゴム製の重しが被せられて使用されています。
また、従来から用いられていた熱可塑性樹脂は、長期間の使用や寒冷地などでは割れて破損するなど耐候性に劣ることがデメリットのため、低温対策としてゴム製やEVA製が使用されています。これらは柔軟性があり、気温下降時でもさほど硬くならず、破損の確率が低いことで知られています。
カラーコーンのサイズと色、使用数の低減法
カラーコーンはそのほとんどが高さ450 mm~ 700 mm程度であり、200 mmほどの小さなものや2メートルを超える巨大なもの(主にマラソンの折り返し地点や高速道路の工事規制開始部に使われる)もあります。また、平たく折り畳めて携行に便利なタイプもあります。(これらは緊急停止表示用として車両に常備されているほか、一部の駐在所・交番のパトカーに規制機材として搭載されています)
コーンの色については、立入禁止や駐車禁止の注意喚起として使用されることが多いため、赤や黄の警告色を多く見かけますが、緑、青、白、黒など、多彩な色のコーンが市販されています。また、反射テープなどを縞模様に巻いたゼブラコーンやスコッチコーンと呼ばれる種類もあるので、目的に応じて使い分けることが可能です。
また、カラーコーン同士に渡し、その間を通過できないようにする棒はコーンバーまたはトラバーと呼ばれ、これにより区域区分をより明確にできるとともに、カラーコーンの使用数の低減も可能となります。
手持ち業務の安全計画やプレゼンおよび周知活動に対し、カラーコーンの配置計画を行う際には、ネットのダウンロードサイトにあるカラーコーンのcadデータや図面を活用することが有効です。ネット上にはメーカーのサイトのほか、フリーのダウンロードサイトがあり、cadデータだけでなく、規格寸法図、仕様書、カタログなども入手できるので、計画書に添付する参考資料として有効活用できるでしょう。
カラーコーンの使用場所、一般家庭の迷惑駐車対策
カラーコーンは、工事現場や道路の立入禁止などの区域区分、イベントやお祭りでの人の流れの制限整理、マラソン等スポーツ競技での目印や選手の誘導、駐車場の整理や誘導・予約場所の確保、自動車教習所での練習用などに使用されているほか、モータースポーツではコーンおよびコーンバーの配置を工夫してテクニカルなコースを設定しているようです。
また、街中にあるホームセンターなどで購入可能なことから、一般家庭でも迷惑駐車対策などに使われています。
さまざまな使用場所において、カラーコーンをどのように配置すればいいのか、どれだけの数が必要になるのかなど、安全計画図の作成時には重要な検討課題となります。
その際に必要となるカラーコーンのcadデータについては、有料もしくはフリーのダウンロードサイトから手に入れることができます。また、使用場所に見合ったさまざまなタイプや寸法のカラーコーンのcadデータも簡単に無料でダウンロードできるサイトもたくさんあるため、いろいろ使って適正なカラーコーンの配置計画を行うことが実務上有効といえるでしょう。
カラーコーンの色を使い分けた視認性対策
一般的なカラーコーンには何も装飾されていないものがほとんどですが、夜間の視認性を高めるため反射シートを貼られたものもあります。また、LEDなどで自発光するものや、コーンの上部に誘導棒や保安灯(標識灯)などを挿し込んで、その透過光で夜間の視認性を上げるものもあります。このほか、「立入禁止」や「駐車禁止」など立体表示による注意喚起を行うためのものとして、ロードコーンに被せて用いるコーンカバーや同じく貼って用いるコーンステッカーなどもあります。
また、建設現場では、危険区域は赤、資材置場は青、安全通路は緑、駐車場は黄など、コーンの色を使い分けて、視覚的にわかりやすく作業区域を明示している場合も見受けられます。
カラーコーンの設置基準は細かく決められている
カラーコーンの設置に当たっては、設置間隔および設置角度は当該警察署と協議することなど、設置基準が細かく決められています。
道路工事を行う際には、その道路を管轄する警察署から「道路使用許可」を取得する必要があります。その使用許可を取得する際に使うカラーコーンは「保安設備」の1つであって、以下のように「道路工事保安施設設置基準」が定められています。
◎道路工事を行う場合は・・・
・道路利用者に道路工事に関する情報をわかりやすく提供する。
・安全かつ円滑な道路交通を確保するため、設置基準で定められた保安設備を設置しなければならない。
◎カラーコーンの設置目的は・・・
・交通を誘導する。
・立入を防止する。
・場所を明示予告する。
・色は赤、高さは700mm、夜間は内部照明とする。
・転倒しないように留意して設置すること。
・設置間隔および設置角度は当該警察署と協議すること。
なお、上記については、設置基準の追加、改定などがある場合もあるので、保安設備を設置する場合は確認が必要です。
また、公道ではなく建設現場内や宅地内にカラーコーンを置く場合などは、使用許可申請は不要となります。
道路使用許可の形態図等にカラーコーンの配置計画を反映する際には、ネット上のダウンロードサイトを活用することがおすすめです。有料、フリーを問わずたくさんのサイトがみつかると思います。とはいえ、どのサイトから探したらいいのか迷ってしまうところですが、そのような場合にはメーカーのダウンロードサイトやcadデータサイトのファイルからいろいろダウンロードし、自分に合ったものを選んでそれらを活用することで道路管理者に納得してもらえる許可申請資料の作成がなされることでしょう。
カラーコーンの設置にはcadデータを使った配置図面が有効
工事などでカラーコーン(セーフティコーン・ロードコーン・パイロン・三角コーン・ラバーコーン)cadデータを活用した図面です。また、道路使用許可を申請するには、図面を提出する必要があります。
ここでは、道路占用許可申請やcadデータを活用した図面作成についてご紹介します。
道路使用許可申請にはカラーコーンの設置が必要
道路工事を行う際、所轄の警察署に道路使用許可申請を提出する必要があります。道路工事を行うときには、道路の利用者に対して工事情報を開示し、車輌や人が安全に道路を通行できるよう、設置基準で定められた保安設備を設置しなければなりません。
「保安設備設置基準」は道路用・歩道用の工事表示板や防護柵、カラーコーンなどの規格や設置方法について定めたものです。これによると、カラーコーンは赤色で高さ70㎝、夜間は内部照明とし、転倒しないように留意して設置します。また、カラーコーンの設置間隔や設置角度は所轄の警察署と協議することになっています。
道路使用許可申請を出す際には、申請書のほかに位置図や申請区間の見取り図、「道路使用の方法及び形態を具体的に説明する資料」といった図面も提出します。
位置図や申請区間の見取り図はネットの地図サイトなどをプリントアウトし、申請する場所にマークを入れるだけなので簡単です。
「道路使用の方法及び形態を具体的に説明する資料」とは、道路使用図や道路規制図のことです。cadデータのカラーコーン画像を使って、カラーコーンの配置を表示します。
カラーコーンのcadデータ画像を挿入して安全計画図の見栄えアップ
道路工事以外でも、カラーコーン画像のcadデータはさまざまなところで活用できます。道路規制図で用いられるのは、おもに2dのcadデータですが、カラーコーンの画像には3dのcadデータもあります。3dcadデータを使った画像を安全計画図や施工計画図などの図面に挿入すれば、見てもらう人のイメージがわきやすいようにすることや、見栄えをよくすることができます。
カラーコーンのcadデータはどのように入手すればよい?
カラーコーンとひとくちにいっても、さまざまな色や寸法のものがあります。場所とシーンに合わせて使い分けられることも多く、使用するcadデータ画像も実際に使われるものと近いビジュアルのものが欲しいところです。
ここでは、カラーコーンのcadデータの入手方法についてご紹介します。
カラーコーンのメーカーや販売会社のサイトで入手
カラーコーンを製造・販売している企業のサイトには、カラーコーンのカタログやcadデータを配布しているところがあります。いちばんポピュラーな赤いカラーコーンのほか、緑に白線が入ったカラーコーンやカラーバーなどのcadデータも揃っています。
無料でダウンロードできるものもありますが、建築用のcadソフトでよく使われるjwwやdwgファイル形式で提供されているとは限らないので注意しましょう。
無料でダウンロードできるフリーの素材サイトで入手
インターネットには、有志がつくったさまざまなcadデータを集めた素材サイトがたくさんあります。有料のものもありますが、無料でダウンロードができるフリーの素材サイトも多く、活用しない手はありません。データの作者には実際に建築業界でcadを扱っている人もいるので、使い勝手のよさが魅力です。ファイル形式もdwgやjwwなど主要のファイル形式をカバーしていて、フリーの素材とはいえ、有料のものと遜色のないものも少なくありません。
フリーの素材は無料でダウンロードできるので、遠慮なくダウンロードすればよいですが、cadデータのダウンロードページにコメント記入欄などがあれば、お礼や良かった点、改善点などをぜひ書き込みましょう。作者にとっても他の使用者にとっても有益になり、作者にとってはフリーサイトを運営するモチベーションにもつながります。
作者の多くは、カラーコーンのデータを探している人に自作のデータを役立ててほしいという善意で、フリーサイトを素材を無料提供しています。無料だからこそ、ちょっとした心遣いをしておくと喜ばれるでしょう。
カラーコーンのCADデータを活用するポイント
安全計画の立案やプレゼン、周知活動にはカラーコーンのCADデータや図面が有用です。
・工事現場の「不安全な状態」を明確にし、“見える化”できる
・危険区域、重機の可動域などを明確に区分けし、作業員の「不安全な行動」を防ぐ
・歩行者通路の「不安全な状態」を明確にする