脚立や立ち馬、ローリングタワーは、高所作業の現場で幅広く使用される仮設機材です。しかし、正しい使い方を理解しないまま作業を行うと、転倒や墜落といった重大な事故につながるおそれがあります。各機材の構造や種類、使用上の注意点を把握し、法令に準じた運用を行うことが安全確保の第一歩です。作業員との情報共有や現場環境の把握も重要です。
このページでは、脚立・立ち馬・ローリングタワーの特徴や安全な利用方法について解説しています。

脚立とは
高い場所での作業に欠かせないのが「脚立」です。立馬(立ち馬)などと呼ばれることもありますし、ローリングタワー(ローリング足場)などの表現のときもあります。身近な存在ながら、意外と脚立について知らないことも多いのではないでしょうか。脚立とはどんなものなのか、また、高所の作業に欠かせない可搬式作業台のアルバトロスやペガサスについても併せて、紹介していきたいと思います。
立ち馬・脚立・ローリングタワーの違い
脚立
高いところで、はしごより安全に作業できる、自立式の足場です。
天板部分に乗って作業をすると危険なため、両方に脚をかけて作業するのが基本です。
一人でも持ち運べ、移動が多いときに便利なのが特徴です。
立ち馬
立ち馬は、脚立よりも足場台がしっかり設けられた、上段が作業台スペースになったもののことです。安全のため、手すり、もしくは手掛かり棒がついているものが一般的です。足場の方を向いて昇降すること、開き止めは確実に機能させること、などを徹底して事故を防ぐことが大切です。
自立式で手すりもある移動できる足場ですが、移動して設置する手間がかかるため、最初の設置場所が重要です。
ローリングタワー
大規模な建設現場などで用いられる、櫓(やぐら)のような形の移動式足場です。
階段付きで、高さが2~4階建てのものが多いです。
使用上の注意点
脚立は正しい扱い方、使い方を知っていないと、思わぬ事故や怪我に繋がる可能性があります。どんなことに気を付ければ良いか、まとめました。
① 複数の脚立を使用する場合
例えば複数人で同時に作業する場合、脚立を並べて使用することになります。その場合、脚立と脚立の間隔は1.5m~1.8mを保って配置することが望ましいでしょう。3㎡に1台を目安すると安心です。
② 脚立足場として使用する場合
足場板を架け渡して脚立足場として使用する場合は、その板の幅は40cm以上取ることがおすすめです。
③ そのほか基本的な注意事項
ほかにも、以下のようなことは脚立を設置する時にいつも確認しましょう。
まず、床面は平行かどうか。凹凸がある床に脚立を配置する時は、脚柱の下に当て板をしてバランスを取ると良いでしょう。また、脚立に登る前には、脚立全体を見て損傷はないか、曲がりや著しく摩耗している箇所はないかをよくチェックしましょう。
座って作業すると転倒の危険性がある
脚立はその見た目からもローリングタワーやローリング足場などと呼ばれることもあります。縦に長く伸びていく姿が、ローリングタワーやローリング足場に向いています。兼用脚立の上に座って作業をする姿は、よく見かける光景の一つです。
一見安定感のあるように見えるかもしれませんが、またぐときに横揺れしてしまい転倒の危険性があること、背面に重心がかかり、不安全な状態になってしまいます。そもそも兼用脚立の特徴として、背もたれがついていないこと、安定性の悪さがあります。天板に立つようにはできていないので、どうしてもリスクが発生してしまうのです。
これらのローリングタワーやローリング足場などの危険性を回避するためには、可搬式作業台で手がかりの棒付きのものを選ぶのをおすすめします。可搬式作業台を使用しないままだと、作業台の上でつま先立ちをしてしまう危険性もあり、自分でリスクを高めてしまっています。立馬(立ち馬)を選ぶときのポイントです。
脚立の危険性もcadデータから見たからこそ、わかることもあります。寸法図なども視点を変えてみると、見えてくることもあります。図面はフリー(無料)ダウンロードできるので、とても便利です。
作業時の問題点
脚立や立ち馬は内装や天井の作業に使用される可搬式作業架台です。
立ち馬は、脚立の天板を幅広く長くしたもので、建物の天井や内壁の仕上げ作業などに使用されます。
便利な道具である反面、脚立・立ち馬の転落事故も増えています。
固定式に比べ不安定なため、転落・墜落の災害が約20%と多く、問題となっています。
ローリングタワーとはローラーが付いた足場のことをいいます。
固定せず使用できるため、ビルの外装工事など2mを超える高所での作業に使われます。
ローリングタワーの使用には、次のような問題点があります。
・昇降設備がなく作業床に手すりがない
・作業床が全面に敷き詰められていない
・足場のバランスが不安定となりやすい
・脚輪ブレーキを効かさずに使われる傾向がある
・作業員や荷物を載せたままで移動される傾向がある
脚立の種類
脚立と一言でいってもさまざまな種類があります。例えば次世代足場として注目されているのが、アルバトロスやペガサスです。到来の足場に比べて、作業性や安全性、拡張性に優れたものになります。アルバトロスやペガサスは有名なので、一度は耳にしたことがあると思います。手すりの先行工法を実現することになり、広い作業場も確保できます。
それでいて、部材は軽量でコンパクトなので、移動の負担もそこまでかかりません。これだけ手軽なのにもかかわらず、安全性も高く自由に調整できます。アルバトロスやペガサスなどはメーカーによっても違いますし、それぞれの特徴を踏まえることも必要です。
アルバトロスやペガサスなどは、支保工などの仕様もできますし、100m以上の足場にまで使えるなどの高性能なものもあります。
脚立の種類についても寸法図などを意識しつつ、cadデータを活用してみてくださいね。図面はフリー(無料)ダウンロードにも対応しているので、とても便利に使えるはずです。脚立の種類は一見似ていても特徴の違いがあります。
兼用脚立
脚立、別名立馬(立ち馬)は、事業所等でよく見かけます。これらのほとんどが、はしご兼用脚立呼ばれるものになります。はしごで使う場合は、比較的安定感は期待できますが、脚立の使用の場合は、天板が奥行きよりも幅が広いため誤った作業方法になってしまいがちです。
高さがある場所での脚立、立馬(立ち馬)の場合、天板に乗って作業している人をよく見かけます。兼用脚立は高さがあるため、万が一バランスを崩してしまうと、大きな災害になってしまうことも予測できます。手がかりがなく、天板が狭く作られている兼用脚立はそもそも天板に立つようにはできていません。
立馬(立ち馬)とも呼ばれるように、天板のうえにつま先立ちになって作業をしている人や、安全帯や保護帯などを一切使用しない人もいます。仕方がない部分もあるかもしれませんが、本当に安全性に考慮するのであれば、可搬式作業台を使うなども一つの方法です。可搬式作業台の場合、つま先立ちをする必要もなく、高さを調整できます。
可搬式作業台がないなどの理由で天板に乗るのは、安全性に考慮した作業とは言えません。可搬式作業台は高さや場所も調整でき安心です。ただし可搬式作業台だとしても、保護帽やハーネス式の安全帯をつけるのをおすすめします。
脚立の具体的な大きさも、寸法図だけで把握するのは難しくcadデータが役に立ちます。図面のフリー(無料)ダウンロードなどもありますので、上手に活用してくださいね。
長尺脚立
長尺脚立は、天板の高さが2.3以上のものになり、最高で4.0m以下の高さのものをいいます。通常の兼用脚立よりもより高い位置での作業に向いているため、ローリングタワーやローリング足場などと呼ばれることもあります。上の枠がついていないこと、足元の安定感はそこまでありません。
ローリング足場やローリングタワーによる事故も多く発生しています。作業によっては安全帯を掛ける場所がないこと、一度バランスを崩してしまった場合に支えになるものがありません。高い場所から落下してしまう危険性もあり、いかにリスクがあるのか、わかっていただけるのではないでしょうか。
長尺脚立の場合、安全な行動を取るには保護帽をかぶり、ハーネス式の安全帯を着用します。できるだけ手にものを持った状態にならないような工夫も必要です。いつで転倒する危険性があることを認識しておくことが重要です。リスクに備えた行動ができるようになりたいものですね。
長尺脚立の寸法図もcadデータから見ると、新しい発見があります。図面はフリー(むりょう)でダウンロードでき、試しに覗いてみることもできます。そのうえで使えるかどうか判断しても遅くないと思います。cadデータで見ると兼用脚立との違いもわかりやすくなります。
兼用脚立の枝落とし作業は大きなリスクになる
工場周辺の樹木の管理も大切な仕事のうちです。景観の良さや見た目を整える役割はもちろんのこと、騒音の防止にも繋がります。木が老朽化してしまうと、急に枝が折れてしまい、通行人に怪我をおわせてしまうリスクも出てきます。
そのため、定期的な枝落とし作業も必要になります。ただ、兼用脚立の天板に乗って作業をするのは、バランスを崩して墜落刷る原因になります。チェーンソーなどの危険な工具を使っている場合は、より注意が必要です。作業に集中しすぎてしまうと、身を乗り出してしまったり、安全帯の着用ができないケースもあります。慣れてしまうと高所で作業している認識が薄くなってしまいます。万が一に備えるなどの落下防止を事前に対策しておくことも大切です。上部は幹にロープを固定する、落下防止などの対策はもちろん、高所の作業リスクについての認識を持つことも必要です。また自分だけでなく、周囲に対しても認識させることが、リスクを回避することにもつながってきます。
兼用脚立のリスクについても、cadデータだからこそ見えてくることもあります。寸法図などでわかることもありますし、図面のフリー(無料)ダウンロードもできます。今までcadデータを使ったことのない人でも簡単に使いこなせるはずですよ。
脚立の構造
脚立とは二つのはしごのてっぺんを結合し、足を開くと自立が可能なものを指します。特に足場板を架けて使用する場合を「脚立足場」といいます。この脚立足場は室内での塗装作業で足場が必要な時に使用されることが一般的です。脚立の構造や寸法について詳しく見てみましょう。
脚立の構造条件
脚立は構造上の条件や寸法などがある程度決められています。(安衛則に則る)
まず、
① 脚と水平面との角度を75度以下とすること。
② 折りたたみ式の脚立においては、角度を保つために金具などを付けること。
③ 踏み台の面は安全上必要な面積を有すること。
です。
脚立を製造するときに使用できる材料
脚立の材料にもルールがあります。基本的には指定されている鋼材または機械的性質が同じものあるいは同等以上の質のものです。強度を保つために定められていると考えられます。
脚立の寸法
脚立はある程度の幅、高さが定まっていないと安全上問題が出てくる場合があるため、
① 垂直高さは開脚状態で2m未満であること。
② 天板の大きさは長さ30cm以上、幅は12cm以上とすること。
③ 踏みさんは30cm以上、間隔は開脚状態で40cm以下、幅は5cm以上とすること。
④ 天板や踏みさんは滑り止め機能を付けること。
⑤ 天板の長手方向の両端部は高さ3cm以上のストッパーを備えること。
といった寸法上の取り決めがあります。
ペガサスと脚立の違い
「ペガサス」と呼ばれる作業台をご存じでしょうか。脚立とよく似た作業台ですが、ペガサスはなぜそう呼ばれていると思いますか?実は、ペガサスは商品名で、GOP株式会社という会社が開発した製品になります。開発当時、主流で最もよく使われていた「馬足場」よりも優れた製品である、という意味を込めて「ペガサス」と名付けられたという逸話があります。
ローリングタワーの構造
ローリングタワーは簡易的で丈夫な枠組み構造をしています。枠組み構造であるため、足場の高さを自由に変えられるのがローリングタワーの大きなメリットです。またキャスターによって人の手で簡単に移動することもでき、建築現場で重宝されます。
ローリングタワーの構造は作業するための床とそれを支える枠組、昇るためのはしご、手すり、脚に付けられたキャスターなどによって主に構成されています。
作業床の種類
ローリングタワーに使用する作業床には、「床付き布わく」「布わく」「足場板」の3つの種類があります。
① 床付き布わく
床材とけた材を溶接や鋲止めによって一体化したもので、4つの隅には浮き上がり防止のためにつかみ金具が付いています。
② 布わく
布地材に腕木材を溶接しくっつけたもので、これも布地材の両端に浮き上がり防止のための金具が付いています。
③ 足場板
足場板は布わくや建わくの上に敷き、鉄線などで取り付けて使用します。
ローリングタワーの作業床は全面に敷き詰めるのが基本です。作業床同士の間には隙間ができますが、すべて3cm以下にしなければいけません。
使用する材料
ローリングタワーは高い場所で作業を行うためのものなので、強度を確保しなければいけません。そのため材料は鋼材やアルミニウム合金材を使用する場合がほとんどであり、使用する材料についてもJIS規格に則ったものにしなくてはいけません。どれも曲がりやへこみ、割れ、二枚割れなどの欠点がないものを選ぶのが大切です。
枠組み構造部
ローリングタワーの枠組みは、「建わく」「交さ筋交い」「建わくジョイント」「水平交さ筋交い」によって構成されているのが一般的です。布わく、拡幅わく、控えわくを構成するかどうかは必要に応じて異なります。
建わく
建わくとは、脚柱・横架材・補剛材を溶接し合わせたもののことをいいます。鳥居の形をしたものとはしごの形をしたものに分かれますが、ローリングタワーにおいては作業者の上り下りを想定してはしご型の建わくを使う方が望ましいでしょう。
脚注ジャッキ
脚柱ジャッキとは、脚柱と脚輪(キャスター)の間に取り付ける部品のことをいいます。この脚注ジャッキがあることによって、作業床を水平に保つように調節することができます。ただし、脚柱ジャッキを使用する長さは地上から脚注下端までの距離で、30cm~50cmまでと定められています。
脚輪
脚輪とはいわゆるキャスターのことです。主軸・フォーク・車軸・ブレーキなどで構成されています。このキャスターがあるおかげで、ローリングタワーを移動させる際に自由に動かすことが可能になっています。そのため、ローリングタワーのキャスターとして使用するには主軸の回りを自由に回転できる構造になっていることが一つの条件になります。
移動式室内足場とは
移動式室内足場とは、脚立と同じように室内の内壁面の作業などで使用されることが多い足場です。移動が可能で、脚立よりも作業幅が広いため、最近のように大型化が進む建築工事の現場において需要が高まってきています。なおこの移動式室内足場については、仮設工業会によって認定基準が定められています。
脚立・立ち馬・ローリングタワーのCADデータを活用した危険察知効果
ロック機材で固定した脚立・立ち馬の安全作業
不安定となりやすい脚立、手すりや昇降設備がない立ち馬は、オプションを有効活用することでより安全な作業が可能になります。
使用法を遵守した転落事故の防止
ローリングタワーは、決められた使用法を守り、手すりなどのオプションを使うことで、より安全な作業が可能となります。
ローリングタワーの足場改良法
ローリングタワーでは、人を乗せて移動中に足場が傾き作業員が落下する事例が少なくありません。
こうした事故を防止するためには、ローリングタワーに手すりを設けることが有効です。
加えて、事故を防止するにはローリングタワーが不安定であることを作業員に周知することが欠かせず、この理解のためには3D表示による図面やスライドの活用が有用です。
例えば、外壁沿いのダクトにサポートを取付ける工事では、CADデータを使用することでローリングタワーと外壁の距離感を的確に表現できるため、危険察知に効果的です。
まずは無料でダウンロードしてみてください。
フリーのデータでも十分に判って貰えますよ。
CADデータで現場状況の把握
脚立やローリングタワーの使用が必要な工事では、工事計画書や仕様書にCADデータを使うことが作業への理解を助けるのに効果的です。
安全教育でも、立ち馬やローリングタワーのCADデータを入れることで、安全帯の設置など安全対策を講じやすくなります。
ローリングタワーや作業員、車両のCADデータを加えて3D表示すれば、現場の状況を的確に表現することができ、危険箇所の把握も容易になるでしょう。
フリーのデータでも十分に使えますので、試してみてください。
立ち馬・脚立・ローリングタワーを安全に利用する方法
立ち馬・脚立・ローリングタワーは、建築現場で使われている足場です。
内装工事では「立ち馬」や「脚立」、オフィスビルなどの大きな建物では、「ローリングタワー」といった形で使い分けています。
足場の作業台を利用した作業員が、転落する事故も発生しています。
例えば、柱にロープを巻くため、立ち馬で作業した人が足を踏み外して、頭に10㎜の鉄筋が刺さった事例もありました。
作業員が誤った使い方をしている場合もありますが、cadで作った図面の設計ミスも考えられます。
安全な立ち馬、脚立、ローリングタワーの図面を作るには、作業員とのコミュニケーションが必要です。
正しい設計図を書いても、間違った使い方をすれば事故につながります。
作業員と使い方を話し合う
cadオペレーターであれば、作業員と、立ち馬・脚立・ローリングタワーの使い方を話しましょう。
例えば、オフィスビルで使われるローリングタワーには、4つのキャスターが付いています。
キャスターのブレーキを止めないで作業する、危険なケースもあるのです。
cadで作られた「手すりや昇降システムといった安全対策をした図面」を現場のスタッフさんとシェアしなければ、転落や死亡事故につながります。
利用方法が書かれたパネルを設置
安全な立ち馬・脚立・ローリングタワーを利用するには、パネルの設置も考えてみてはいかがでしょうか。
cadデータで注意点を説明しても、正しい使い方を忘れてしまう作業員もいます。
参考として「ローリングタワーの注意点」を紹介します。
【パネルに書くこと(ローリングタワー)】
取り付ける時
・ キャタワーのブレーキをチェック
・ 足場を水平にする
・ 転落防止の手すりを付ける
作業をする時
・ 上り下りをするときは、荷物を持たない
・ 指定された重量を守る
・ 足場の近くにハシゴを置かない
・ 作業をするときは「ハッチ(入口)」を閉じる
移動する時
・ 部外者を入れない看板を立てる
・ キャタワーのブレーキを外す
・ 移動時は、作業台に人を乗せない
・ ローリングタワーの上げ下げには、専用の装置を使う
注意点が書かれたパネルがあれば、作業員はチェックしやすいです。
また、モノタロウ、ミドリ安全、アスクルなどの通販を利用してください。
1枚あたり500円~1000円前後で購入できます。
立ち馬・脚立・ローリングタワーの安全対策
立ち馬・脚立・ローリングタワーは、建設現場の規模によって、使い分けることが多いです。
脚立や立ち馬は、建物の骨組みができあがってから、屋内で天井の空調や電気配線などの作業、壁を設置するときなどに使います。
ローリングタワーも、空調機器や天井の照明取り付けなどの際に使う足場です。
天井に向かっての作業などで足場が狭いため、落下事故などが多く、作業する際には細心の注意を払うことが重要になってきます。
立ち馬・脚立・ローリングタワーは、それぞれ大きさが違い、対応できる作業も限られます。
移動の難易度、大きさ、足場の安定具合などを考慮して計画を立てておく必要があります。
移動と設置だけで作業が進まない、必要個数を誤ると、職人が働けない、というような状態にもなりかねません。
そこで、下記3点に注意して計画書を作成することをおすすめします。
工事工程から手順を確認する
脚立の機動性、立ち馬の移動と設置の手間、ローリングタワーの場合は最後に解体が必要となります。
解体する前に効率よく業務が終えられるよう、建設現場のあらゆる場所でいつ使うのか、工期を計算して作業を進めることが重要です。
作業時の禁止事項を決めておく
立ち馬・脚立・ローリングタワーをどこに設置すれば、正しい方法で、事故を起こさずに作業ができるかを見越した、施工計画書を作る必要があります。
設置する位置をよく確認し、効率よく作業を進めていく流れを作成することが重要です。
作業時の禁止事項を決めておき、事故を起こさないオペレーションを徹底するようにします。
写真も使いながら説明できる資料を、計画書とは別に用意しておきましょう。
身長も考慮した作業計画書を作成
また、どの程度の高さで作業するかによって、必要なものも異なってきます。
現場職人とよく確認し、どこに設置するかまで、パッと見てわかるような計画書を渡せるように準備をしておきましょう。
また、人の大きさも入れておくと、天井までの距離がどの程度になるのかがわかります。
そのため、背の高い職人を配置すべきかどうかなど、職人の動き方もシュミレーションできるのが利点です。
危険性を再チェック
立ち馬や脚立は、気軽に利用できる機材の一つです。
しかし、足場としての安定性や耐久性には、不安要素が多いのも事実です。
すぐに使えるからこそ、危機意識も薄まりやすく、よそ見による転落、といったイージーミスも起こりやすくなります。
それが、重大な事故に繋がることも少なくありません。
また、立ち馬の上に、道具を置きながら作業したため、重量オーバーになり、立ち馬を破損し、転落事故が発生するといったケースもよく見受けられます。
ローリングタワーは、高さがありながら、固定式の足場と比べ、手すりが不足しています。
そもそも移動式なので、危険性が高く、安定性に不安要素があるなどのリスクがあります。
作業中に、ブレーキをかけずに、ローリングタワーを使用してしまう作業員も実際は多いと言います。
そのため、ローリングタワーからの転落による人身事故も多く発生しています。
立ち馬、脚立、ローリングタワーを使用する際には、CADデータを活用し、安全性や使用上の注意を、作業員同士でよく確認しておく必要があります。
脚立・立ち馬のロック固定法
脚立による事故原因の多くは、姿勢が不安定になることにあります。
脚立での作業中にバランスを崩すと、姿勢を立て直すことができずに転落事故になってしまいます。
高所での移動が多い作業では、立ち馬を使うことで作業はより安定しますが、立ち馬には手すりがないという問題があります。
設置場所が水平でないこと、立ち馬の上に台を置いて作業することが事故の原因になることも少なくありません。
事故防止のためには、手すり、支柱のロック、アウトリガーなど各メーカーが製作するオプションによって固定する方法があります。
転落事故を防ぐには、事故事例を安全教育の資料とするのが有効な手段といえます。
3DのCADデータを使用すれば、事故現場の状況を正確に再現することが可能です。
脚立と人物のCADデータを組み合わせれば、脚立上の動作可能範囲を的確に表現できて、安全対策を立てやすくなります。
例えば、立ち馬を使って天井の照明工事を行う際、立ち馬の設置位置と照明の位置が3D表示されれば、天井との間隔と四方から見た作業状況を正しく把握できます。
立ち馬・脚立・ローリングタワーのCADデータさがしのコツ
立ち馬、脚立、ローリングタワーを現場で使用する際は、あらかじめ、CADデータや図面を用いて、その設備を深く理解したり、安全性の共有を作業員同士で図る必要性が出てきます。
転落などの労災を防ぐためには、作業員への安全講習を徹底することが大切です。
安全書類やマニュアルに、CADデータや図面を活用しましょう。
CADデータを活用することができれば、作業計画書に分かりやすく、図面で高所作業の様子を示すことができます。
立ち馬や脚立・ローリング足場・可搬式作業台・アルバトロス・ペガサスは、幅広い場所で活躍する機材なので、CADデータをフリーで配布しているダウンロードサイトでの入手が可能です。
立ち馬、立馬、脚立、ローリングタワー等のCADデータは、メーカーサイト等を参照するのがおすすめです。
ローリングタワーを提供するレンタル会社、製造メーカーでは、フリーの仕様書をPDFでダウンロードできる場合が多いです。これらのPDFデータを、CADデータに変換して利用するという方法もあります。