ユニック車やトラッククレーンは、建築や解体の現場でよく使われる重機で、荷物の運搬や吊り上げ作業において重要な役割を果たします。ユニック車はクレーンが搭載されたトラックで、移動式クレーンと混同されることもありますが、車両の種類や構造が異なります。これらの重機は安全な運転と適切な管理が求められ、検査証の取り扱いや点検が必須です。
このページでは、ユニック車とトラッククレーンの特徴と安全管理について解説しています。

ユニック車・トラッククレーンとは?
ユニック車とは、古河ユニック株式会社の登録商標で、商品名として使われている言葉です。
ただし、古河ユニックのユニック車に限らず、クレーン付きトラックの総称として「ユニック車」と呼ぶことも多いです。
対してトラッククレーンは、その名の通り、クレーン付きのトラックを指しています。
そんなユニック車・トラッククレーンが何に使われるかというと、山間部から切り出した木材などの運搬や、運んだ建築資材を、高い階の場所まで持ち上げる作業などです。
ユニック車やトラッククレーンには、種類が多くあります。
ユニック車は、クレーン付き、簡易クレーン、ハイジャキとあり、トラックに設置されているクレーンの位置によって選別されます。
クレーン付きは、キャブと荷台の間に設置されているタイプです。
簡易クレーンは、荷台にクレーンが搭載されているタイプです。
ハイジャキは、長いアウトリガーが搭載され、車体が斜めになるタイプを指します。
トラッククレーンは、荷台が、全てクレーン装置になっています。
簡易的な操縦席を搭載している小型の物から、トラックとクレーンの操縦が一体化した大型のタイプのものまで、種類も様々存在しています。
トラッククレーンは、クレーンブーム付のトラックのことで、ユニック車はその通称です。他に移動式クレーンやクレーン付きトラックとも呼ばれます。車両積載形トラッククレーンはメーカーによってカーゴクレーン、積載型クレーンといった名称がありますが、古川ユニックの商標から「ユニック」と呼ばれることもあります。
荷台や制御部を、運転席と別に持つユニック、荷台がなくトラックにクレーンを組み込んだ汎用クレーンなどの種類があります。
持ち上げられる荷物の重さや、走行速度の制限、車体自体の大きさなど、種類は多岐に渡り、操縦に必要な免許や、技能講習の受講も必須です。
総重量5トン以上の車体を走行するためには、普通運転免許に加え、中型や大型の免許を持っていなければなりません。
建築や解体の現場で活躍するトラッククレーン
荷物や資材の吊り上げ、柱の組み立てなどの現場で数多く目にする事ができるトラッククレーンは、普通トラックの荷台部分に当たる場所を取り除き、その部分にクレーンを設置したものです。そのため、走行用にはトラック側の運転席を、クレーン操作にはクレーン側の運転席を利用します。トラックの機体を使用してるため、一般道などでの走行が可能で、速度も一般的なトラックと大きな違いはありません。
同意義で使われるユニック車・クレーン付きトラック・移動式クレーン
色々な現場で活躍を見せるトラッククレーンですが、似たようなクレーンにユニック車、クレーン付きトラック、移動式クレーンが存在します。現場や扱っている会社によってそれぞれ呼び方が異なったりする場合もありますが、ユニック車、クレーン付きトラック、移動式クレーンは基本的にトラッククレーンと同じものです。
商標登録されているユニック車
まずユニック車ですが、正式名称はユニッククレーンという「古河ユニック」が取り扱っている登録商標です。そのユニッククレーンが有名となり、一般的にユニック車と呼ばれるようになったそうです。ですから、ユニック車は古賀ユニックが取り扱っているトラッククレーンというのが正確な捉え方と言えます。
cadなどで図面を作成する時には、ユニック車であっても同じ規格であれば、トラッククレーンやクレーン付きトラックのcadデータを、フリーでダウンロードして扱うなどしてもさほど問題はありません。
しかし、より正確なcadデータを取り扱いたいのであれば、それぞれのメーカーでしっかりとした図面をダウンロードしたり、性能表から寸法を照らし合わせてマッチングさせましょう。
また、各メーカーには無料のカタログやフリーでダウンロード可能なcadデータが存在します。図面や軌跡図をcadで作成する時には、こういった無料やフリーのcadデータをダウンロードして活用し、さらにより正確な図面を作成するために、寸法や性能表を把握して図に落とし込みましょう。
見た目のままを表しているクレーン付きトラック
クレーン付きトラックという呼び名は、見た目のままを表した事が由来となる名称です。特に指定がない場合は、クレーン式トラックはトラッククレーンと同様で間違いないでしょう。
そのため、cadの図面でクレーン付きトラックのcadデータを取り扱う場合は、現場で導入されているクレーン付きトラックと同等のトラッククレーンのcadデータを性能表や寸法を参考にして探し、ダウンロードして図に落とし込みましょう。
広範囲に渡る移動式クレーン
移動式クレーンという呼ばれ方は、実際はトラッククレーンに限った名称ではありません。しかしながら、国家資格に移動式クレーン運転士免許が存在しているため、建設現場などで移動式クレーンという言葉が出た場合は、大方の場合トラッククレーンの事を指しているようです。
ただし、本来の移動式クレーンという定義には、ホイールクレーンやラフテレーンクレーンなども含まれるため、その現場毎の特徴を良く把握しなければなりません。
移動式クレーンと指示があった時には、まずはトラッククレーンなのか、それとも他のクレーンなのかを確認します。さらに、性能表や寸法などと現場に導入されている建機を照らし合わせて、無料データやフリー素材をダウンロードして図面を作成するようにしましょう。
また、軌跡図を作成する時にもクレーンの種類は重要です。クレーンの寸法はタイヤや機体の大きさに大きな影響を及ぼすため、軌跡図が大幅に変わります。無料データやフリー素材からcadデータを使用する時には、必ず寸法や性能表を確認して、誤差のない軌跡図を作り上げるようにしましょう。
トラッククレーンの種類
トラッククレーンは、トラック部分に積み込める積載量により区分されます。また同様に、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車という区分けもあります。
2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車と、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tトラッククレーンは、名称は違えど基本的には同じ建機です。そのため、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車の区分けも一般的なトラッククレーンと同様と見て良いでしょう。
小型車
まずは小型車です。一般的に小型と言われるのは4t未満のトラッククレーンです。そのため、2tユニック車や3tユニック車という場合は、小型のトラッククレーンという事となります。
中型車
中型は4t以上10t未満のトラッククレーンです。ただし、メーカーによっては8t未満の場合もあります。4tユニック車、6tユニック車、7tユニック車、8tユニック車といったユニック車は、中型のトラッククレーンに分類されます。
大型車
10t以上のトラッククレーンが大型車となります。殆どのトラッククレーンには、安定性を保つために、足の底が四角いアウトトリガーを備えています。メーカーによっては、8t以上のトラッククレーンを大型車として区分けしている場合もあります。
ユニック車の通称には注意
一般的には、トラッククレーンの区分けはトラックの積載量などで区分しますが、会社や現場によっては吊りの荷重で機材を表す場面もあります。
例えば4.9tトラッククレーンと指定された場合、通常であれば積載量と捉えた上での4.9tトラッククレーンのcadデータを探してしまいます。しかし、無料データやフリー素材はもとより、メーカーサイトでもcadデータが見つからずダウンロードできない場合などがあります。こうなると、cad図を作成しようにも、cadデータが揃わず図面を作成する事ができません。
これは、軌跡図でも言えることです。軌跡図を作ろうとして積載で4.9tトラッククレーンの寸法や性能表を探しても見つかりません。こういった場合は、焦らずに吊り荷重で4.9tトラッククレーンを探すようにしましょう。寸法や性能表が見つかればcad図はもちろん、軌跡図や場合によってはcadデータまで探し当てる事ができるはずです。
厄介なのが5tトラッククレーンのように指定された場合です。積載だと理解して5tトラッククレーンの寸法や性能表を基にcad図面や軌跡図を作成してみたら、実際は吊り荷重だったという場面もあります。
5tトラッククレーンなどといった指定があった場合は、まずはそれが積載としての5tトラッククレーンなのか、吊り荷重として5tトラッククレーンと呼んでいるのか確認した上で、性能表や寸法、そしてcad図などをダウンロードするようにしましょう。
4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーンといった指定があった場合は、曖昧な確認だけではなく、寸法や性能表などを用いて確認すると間違いがありません。
一方で、cad図や軌跡図を作った事によって、4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーンの認識が現場全体で共有できていなかったという発見につながることもあります。いずれにしても、信頼される安定したcadを作成させる事で、現場のトラブル回避やクライアントとの意思疎通が図れるようになるはずです。
トラッククレーンの区分と呼び方の多彩さを理解しておく
トラッククレーンは、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車という区分もあるように、非常に多彩な性能を備え、小さな現場から大きな現場まで、多種多様な場面で活躍しています。
2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車などといった、区分や呼び方の多彩さがトラッククレーンの特徴だと理解していれば、cadデータをフリー素材や無料サイトからダウンロードしても、間違いのない正確なcad図や軌跡図を作ることができるでしょう。
また、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車よりもより細かい指定があった場合、自作のcadデータが必要となる場面もあります。そのためにも、それぞれの性能表や寸法をよく理解して、より正確なcad図を作り上げるの事が重要となるのです。
ユニック車、クレーン付きトラックの検査と検査証の取り扱い
移動式クレーンや2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車、クレーン付きトラック、4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーンは、作業を行う場所に検査証を備えていなければなりません。
しかし、報告書や申請書はフリーで利用できるので安心してください。ここでは検査と検査証の取り扱いについて解説します。
移動式クレーンの再使用検査が必要なケース
使用をやめた移動式クレーンやクレーン付きトラック、検査を受けて2年以上使用していない2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車は、安全性の面を保障するため、再使用する際には再使用検査を受けなければなりません。輸入した4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーン、移動式クレーンも対象です。
注意していただきたいのが、検査を受けたとしても設置する前に原動機やブレーキ、吊り上げ機構、台車などを変更した移動式クレーンは、もう一度検査を受けなければならない点です。図面や軌跡図、寸法、性能表、CADデータなどに影響する変更があった場合は再使用検査を必要とするかを確認することをおすすめします。
再使用検査を希望する場合は、再使用検査申請書に移動式クレーン明細書と組立図、ジブの強度計算書を都道府県労働基準局長に申請します。申請書は自治体や厚生労働省のホームページから無料でダウンロードできます。CADデータがあれば図面の提出は簡略化できます。無料で配布している企業もあるので、ダウンロードできるかどうかを問い合わせてもよいでしょう。併せてフリーで利用できるかも確認しておくとトラブルを避けられます。
クレーン付きトラックの各種制限
移動式クレーンや2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車、クレーン付きトラックにはいくつもの制限が設けられています。まず、吊り上げ荷重荷重が5t以上の移動式クレーンはクレーン運転士免許を持っている必要があり、なおかつ免許を携帯しなければなりません。また、技能によって指名した場合、指名された人が運転できるクレーンは吊り上げ荷重が5t未満のもののみです。もちろん、荷重超過での使用も原則厳禁です。そのほか、移動式クレーンの明細書に記載されているジブの傾斜角の範囲を超えて使用することはできません。
また、合図をあらかじめ定めて、その指示に沿って操作します。荷を吊ったままで運転する位置を離れてはならず、荷の下に人を立ち入らせてはいけないなどのルールを守る必要があります。こうした操作は事故につながる可能性があるため、寸法の計測間違いや軌跡図を逸脱した使用は控えましょう。
基本的には性能表やCADデータ、図面などと照らし合わせた適格の範囲内での使用のみですが、過負荷試験を行う場合は、定格荷重の1.25倍までの荷重をかけて使用することができます。ただし、あらかじめ移動式クレーン過負荷報告書を所轄の労働基準監督署長に提出しなければなりません。また、作業を指示する人を指名して直接指示させ、結果を3年間保存する必要があります。こちらの報告書も無料でダウンロードできます。
移動式クレーンの設置認可・検査証・再交付
移動式クレーンや2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車、クレーン付きトラックを設置する際は、設置認可申請書を現場を管轄する労働基準監督署長に提出します。もちろん、使用する移動式クレーンは製造検査もしくは再使用検査に合格していなければなりません。
認可が出れば、検査証が発行されます。ただし、吊り上げ荷重が3t未満の移動式クレーンやユニック車は危険が小さいため、認可申請書ではなく行政機関のホームページからフリーダウンロードできる設置報告書を労働基準監督署長に提出するだけで使用できます。
この検査証の有効期限は原則2年で、不具合などが確認された場合は2年未満とすることも可能です。検査証の有効期限を過ぎた移動式クレーンや4.9tトラッククレーン・5tトラッククレーンが性能検査に合格した場合は、有効期限を2年よりも延長できます。言い換えれば、安全に使用できることが証明できれば、検査賞の期間が延長されると考えて差し支えありません。そのため、図面や性能表、軌跡図などをしっかり用意して適格の範囲内で使用することを心がけましょう。
検査証を紛失・損傷した場合も手続きがあります。紛失したことを示す書面もしくは損傷した検査証と、再交付申請書を添付して所轄の労働基準監督署長に申請し、再交付を受けましょう。
有効期限を経過した後に移動式クレーンや4.9tトラッククレーン・5tトラッククレーンの使用を休止する場合は、期間内に所轄労働基準監督署長に申請しなければなりません。また、廃止する場合も検査証を返納する必要があります。ほかにも4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーンの吊り上げ荷重を3t未満にした場合も返納します。フリー
トラッククレーンの安全機構の確認
移動式クレーンやクレーン付きトラックは構造上の規定が多く、使用者は構造規格に適合するように保管する義務があります。構造規格に適合とは「CADデータや図面、性能表通りに」という意味合いです。特に損傷しやすいワイヤーロープやチェーンは規格に適合するように保つ必要があります。
移動式クレーンには巻過防止装置として、警報もしくは巻き上げ停止機構が搭載されています。これらについてはフックやクラブヘッドの上面から、ジブのセンタにあるシーブなど接触する可能性がある部品・装置から25cm、直動式巻過装置にあたっては5cmを空けなければなりません。図面などを確認し、寸法を間違えないようにしましょう。
また、水圧・油圧を動力とする移動式クレーンや4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーンには安全弁が設けられいるので、適格範囲の荷重をかけたときに、適格範囲の水圧・油圧にで作動するように調節する必要があります。
移動式クレーンの点検
点検には作業開始前の点検、月次点検、年次点検があります。3t以上のユニック車は検査証を受けた後、3t未満のユニック車については設置した後にこれらの点検を行わなければなりません。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車がありますが、それぞれ該当する点検を実施しましょう。
まず、3t未満のユニック車・移動式クレーンを設置した際は年次点検として、定格荷重によって行われる定荷重試験、定格荷重の1.25倍の荷重によって行われる過荷重試験、1.27倍の荷重によって行吊り定度試験を実施しましょう。基本的には軌跡図や寸法の適格の最大値を基準とします。
月に一回を行う月次点検では過巻防止装置を含む安全装置や警報、ブレーキなどの異常を確認します。ワイヤーロープやチェーンの損傷、フックやクラブバケットなどの損傷、配線・コントローラーなどに異常がないか点検を行ってください。実際の機構まで丁寧に確認する場合は、CADデータや図面、軌跡図などを参照するとよいでしょう。
作業次の点検では過巻防止装置、ブレーキ、クラッチ、コントローラーについて点検し、3年間保存しなければなりません。基本的に毎回の確認事項になるので書式はフリーです。また、各種図面を使用する必要はありません。点検の書式は無料でダウンロードできるサイトもあるため、参考にしてみてください。
ユニック車の性能検査
性能検査は検査証の有効期限が過ぎた2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車や、各種移動式クレーンが正常に使用できるかを検査するものです。この検査は労働基準監督署長もしくは性能県債代行機関によって行われます。クレーンの構造や機能の点検、定格荷重をかけて定荷重試験、定格荷重の1.25倍の荷重によって行われる過荷重試験が実施されます。検査の際には性能表や軌跡図、寸法データやCADデータなどと照らし合わせる場面もあるでしょう。
労働基準監督署長による性能検査を受ける場合は移動式クレーンやクレーン付きトラックの代行申請書を提出します。性能検査代行者が行う検査を受ける場合は移動式クレーン代行検査受検報告書を所轄労働基準監督署長に提出します。各労働局でフリーダウンロードできます。
検査はフリーで行われるものではなく、申請者が立ち会う必要があります。
移動式クレーンの部分的な変更の扱い
ジブの構造部分、原動機、ブレーキ、吊り上げ機構、チェーンや台車などを変更する場合、所轄労働基準監督署長の認可を必要とします。申請は変更認可申請書によって行い、変更検査を受けます。図面やCADデータ、性能表も変更となるので、変更を加えた場合は影響する資料の更新を忘れないようにしましょう。寸法は法律の範囲内であれば自由に変更可能です。変更認可申請書も無料でダウンロードが可能です。
変更検査は年次検査と同じ内容に加えて、クレーンの各構造の点検が行われます。無料で見積もりをしてもらえる業者が多いので費用がきになる場合は問い合わせてみてください。CADデータが作図労力を削減し、現場の作業を効率化してくれるので、導入を検討してもよいでしょう。
ユニック車やトラッククレーン、クレーン付きトラック、移動式クレーンを安全に扱うポイント
プライベートでトラック積載形のクレーンを使用する場合は、クレーンを安全に扱うポイントを押さえる必要があります。私有地での使用のみだからといって免許の取得を疎かにせず、思いもよらない事故に備えて資格の取得から始めましょう。
クレーン付きトラックの運転免許
キャビンと荷台の間にクレーン装置を設置したクレーン付きトラックの大半が吊上荷重3t未満の機種です。 ユニック車やトラッククレーン、移動式クレーンと呼ばれることもあります。ちなみにユニック車は古河ユニック株式会社の登録商標で、正式な名称ではありません。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車がありますが、吊上荷重3t未満のクレーン車であれば、「小型移動式クレーン運転技能講習」を修了すれば運転できます。ちなみにタダノの公開している性能表や仕様書を参照すると2.93tを吊上られるトラックの車両総重量は20~25tですから、4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーン、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車では持ち上げられないことがわかります。求めている性能によって使用するトラッククレーンが変わるので、古河ユニックやタダノに限らず公開されている無料のcadデータや寸法、性能表、図面などを確認することが大切です。
吊上荷重5t以上の大型クレーンで本格的に仕事とする場合は、国家資格である移動式クレーン運転士免許の取得をおすすめします。ただし、国家資格をクリアしなければならないので、ハードルは高めと言えるでしょう。
一方で、教習所には「移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育」もありますが、吊上荷重lt未満の移動式クレーンのみなので、少し不便かもしれません。プライベートでクレーン付きトラックを使用する方は「小型移動式クレーン運転技能講習」で十分でしょう。
こうしたクレーンの運転免許意外に、玉掛けの資格が必要です。大型の工事現場では運転者と玉掛作業者が連携して作業を行いますが、一人でトラッククレーンの操作を行う場合は玉掛けの資格がなければ、荷を吊るすことができません。
玉掛けは、玉掛け用ワイヤーなどの専用器具をつかって、ユニック車のクレーンのフックに荷をかける作業を指します。ワイヤーを掛けるだけですが、バランスの悪い荷や掛けるところが限られている荷もあるため、相応の技術が求められます。特にクレーン作業で荷が落下する事故が多いため、荷の固定には明確な規則が定められています。
玉掛けの資格は教習所で「玉掛け技能講習」もしくは「玉掛け特別教育」を受講することで取得できます。「小型移動式クレーン運転技能講習」と併せて取得しておきましょう。
クレーン付きトラックの特徴と構造
クレーン付きトラックは、機動性が高いので現場まで楽に移動でき、小回りも聞くため狭い場所でも運用できます。林道や畑の柵づくりに必要な資材を運ぶなど、用途も幅広いので、プライベートで使用される重機の中でも人気が高い機種と言えるでしょう
トラック部分はトラッククレーン用のものではなく、その多くが市販されている車両が使用されます。その後ろに油圧式クレーン装置を設置し、エンジンの出力を油圧に変換する装置によって動かします。ユニック車のクレーンを使用する際はトラックをアイドリング状態にし、アウトリガを横に張り出します。アウトリガはトラックの安定性を補助する装置で、トラックの前後に設置された4本のアウトリガが左右に大きくせり出し、アームが地面を押す構造です。トラッククレーンで荷を吊り上げると徐々に重心や、トラックにかかる負荷が変化したとしても、アウトリガによって安定的に運用することが可能です。メーカーによっては無料でCADデータをダウンロードできるので、図面や寸法を参考にしてみてください。特に道幅が変化する林道などでは図面通りの展開ができず、性能表に記載されている数値よりも低い水準で使用するケースも考えられます。
例えば、荷が作業半径を超えてしまうとアウトリガを使用していても転倒してしまう可能性があります。具体的にいうと、作業半径が3mのクレーン付きトラックを使用した場合、3m以下の半径でブームを長く伸ばして吊っていたとしても、横に倒した際に荷の先端が作業半径の外に出てしまうと、ユニック車のクレーンのバランスが崩れてしまいます。
こうした事態を意識して作業することは難しいため、事前準備をしっかりしましょう。少なくともクレーンを購入する際に使用範囲を担当者に聞いておき、確実に使用できる範囲を決めておくと事故を未然に防ぐことができます。性能表や軌跡図、CADデータや図面から算出することもできるので綿密に想定しておくとよいでしょう。
ポイントは空車時を前提とすることです。トラックに積荷があれば、その分安定性が増すため、積荷がある状態でクレーンの稼働範囲を決めてしまうと設定した範囲で使用したのにもかかわらず転倒してしまう可能性があります。稼働範囲は性能表の範囲よりも低くなるでしょう。
また、ブームの方向も重要です。クレーン付きトラックは、後ろ側正面が最も安定して荷物を吊り上げることができます。側面の安定性もある程度高い反面、アウトリガーよりも前や特定の方向の安定性は極端に低くなってしまいます。これらの特性を理解した上で使用範囲を決定することが大切です。後方の条件、前方の条件、側面での使用条件と言った具合に、使用する方向によって条件を定めるとよいでしょう。寸法や道幅、使用条件を踏まえると軌跡図や性能表よりも使用範囲が限定される可能性がありますが、安全な運用のためには仕方ない面があります。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車で搭載できるクレーンが異なるため、実際に使用する場所の寸法を参考に、クレーンの性能表やが図面、フリーのCADデータを確認してください。
ユニック車の安全性
トラックの安定性やブームの方向性まで考えると、安全な使用ができる範囲を考えるのが難しいと感じるかもしれません。しかし、実際は荷重指示計や荷重計、作業範囲図などといった計器や図表によって一目でわかるようになっています。図面や軌跡図、性能表、フリーのCADデータも一役買います。
また、クレーン付きトラックの用途を考えると、吊る荷の重さが吊上荷重ギリギリになるケースは稀でしょう。たとえ吊上荷重ギリギリであったとしても、理論上は計器を確認すれば安全に作業ができます。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車では搭載できるクレーンが異なるので、十分な性能を保有していることを確認しておきましょう。
さらに、アウトリガを正しく広げてトラッククレーンの安定性を最大化しておくことも大切です。十分な道幅がない場合を除いて、前輪が浮かないように最大張まで広げておきます。その上で、次に紹介する手順を守りつつクレーンを使用しましょう。
Step1.トラッククレーンにはアウトリガーを設置する
①動力のスイッチを入れる
最初にトラックの安定性を確保するために、ギアをパーキングに入れてハンドブレーキを引き、動かないように固定します。次に動力をユニック車のクレーンの油圧ポンプに伝えるため、クラッチを踏んでPTOのスイッチを入れます。エンジンの負荷をかけないようにするため、エアコンは必ず切っておきましょう。
②アウトリガを設置する
道幅に余裕がない、アウトリガを安定して展開できない状況でもない限り、基本的に左右とも最大限に伸長して使用します。また、安定性を最大化するために左右の長さは同じにしなければなりません。寸法を間違えないようにフリーのCADデータで確認しましょう。
③ジャッキ圧をかけて固定する
アウトリガにジャッキ圧をかけて車体を固定します。水準器を見ながら左右の高さを揃えましょう。前輪は浮かないようにし、タイヤとアウトリガーで荷重を分散するように心がけてください。
Step2.トラッククレーンのブームを伸ばす
①フックを降ろす
まずは荷を吊るためのフックを下ろします。収納場所はユニック車のクレーンによって異なりますが、近年の機種は自動収納されています。フリーのCADデータ、取扱説明書などを参考にしてフックをリリースしてください。
②警報装置を起動する
ワイヤーの過剰な巻き上げを防止する警報のスイッチを入れましょう。過剰な巻き上げはワイヤーに負荷をかけるため、ダメージが蓄積するとワイヤーの破損につながります。警報装置が鳴ったら作業を止めて、状況を確認しましょう。
③ブームを伸ばす
ブームを伸ばす際は、まずワイヤーを少しだけ出します。次にブームを伸ばし、またワイヤーを出すという工程を繰り返します。荷の重さや形状に従ってブームの長さやワイヤーを調節します。ブームを縮める場合も、ワイヤーの巻き上げと交互に行いましょう。
Step3.トラッククレーンで玉掛けをする
①荷の重心にフックを合わせる
通常、雑誌をまとめるときのように直角に掛けられた王掛け用ワイヤーの輪の部分をクレーンのフックに掛けます。フックをかける前に、フックが荷の重心に来るようにブームを移動させます。必ず直角2方向から重心を確認してください。
②玉掛けする
フックにワイヤーを掛けるときは、ワイヤーの負荷が偏らないようにしましょう。適切に負荷が分散されていないとワイヤーが破損してしまいます。また、ワイヤーが重ならないようにすることも大切です。軌跡図を頭に入れておくと事故を減らせます。
ユニック車のCADデータを活用した施工計画書の作成
建築工事において、施工計画書はあらゆる場面で必要となりますが、材料の搬入計画は非常に重要です。
万が一不備があった場合は、コストの無駄となり、また、その材料を使用する工事はストップするため、工期の遅れにつながることもあります。
材料搬入は、施工計画の一環として、重要な役割を担います。
2tユニック・4tユニック・6tユニック・7tユニック・8tユニック・10tユニック・4.9tトラッククレーン・5tトラッククレーンなどを描きわけ、正確なCADデータを活用することで、適正な施工計画書を作成することができ、視覚的に捉えることで関係者の理解が深まります。
トラッククレーンのCADデータを活用した車両や人員の配置
ユニック車・トラッククレーン・クレーン付きトラックなど、運搬車両の軌跡図などのCADデータを配置図に挿入することで、現場敷地内に適切に配置できるのかということがわかります。
2tユニック・4tユニック・6tユニック・7tユニック・8tユニック・10tユニック・4.9tトラッククレーン・5tトラッククレーンなどのボディーサイズだけでなく、アウトリガーを出した状態での判断も可能で、より実践に則った計画が可能です。
さらに、ガードマンやバリケードなどを配置すれば、安全を配慮した施工計画ができます。
ユニック車のCADデータを活用した機種の比較検討
立面図に対し、ブームの長さと作業半径を表したトラッククレーン・クレーン付きトラックなどのCADデータを挿入することで、建物内における、すべての範囲を網羅することができる大きさの車種を特定することができます。
また、ブームが安全に旋回できる足場の計画や、周囲の障害物などの確認も必要です。
トラッククレーンのCADデータを活用した進入可否の確認
ユニック車・トラッククレーン・移動式クレーンのCADデータは、車両の旋回軌跡を作成できます。
道路図をもとにした、経路の幅員や曲線などの条件から、2tユニック・4tユニック・6tユニック・7tユニック・8tユニック・10tユニック・4.9tトラッククレーン・5tトラッククレーンなど、使用する大きさの車両による進入の可否が確認できます。
進入経路が限定される場合は、ルート指定をした計画書を作成します。
あらかじめ通知しておくことで無駄を省き、近隣トラブルなどを防止することもできます。
ユニック車・トラッククレーンのCADデータを探すときの問題点
問題点として、6つのようなポイントが挙げられます。
どの大きさのものが、どのくらいの可動範囲を持っているのか、クレーンが何段に伸びるタイプなのか、狭小な現場でも対応できそうなサイズなのかなど、細かなポイントを知っておかなければなりません。
・ そもそもメーカーによって何が違うのかわからない
・ 大きさによって何ができるのかがわからない
・ 種類別の違いがわからない
・ さまざまなサイトで探したけれど、必要なものが見つけられない
・ 同メーカーでも大きさが異なるCADデータが見つけられない
・ CADの種類が違う=拡張子が違うため、ダウンロードしたデータを貼り付けられない
・2tユニック・4tユニック・6tユニック・7tユニック・8tユニック・10tユニックのデータが欲しい
・4.9tトラッククレーンと5tトラッククレーンの差がデータ上でわからない
ユニック車・トラッククレーンの中にもさまざまな種類がありますので、その性能差についても把握してから探すことが必要になります。
建設現場の環境を知っておこう
建設現場が都市部にあるか、郊外にあるかなどや建造物の大きさによって、必要なユニック車・トラッククレーンをどう判断すればいいかわからないという意見もあるはずです。
こちらでは、メーカーの違いと、大きさ・種類の違いについて解説します。
メーカー別の製品特徴を知っておこう
ユニック車・トラッククレーンを販売しているメーカーの中でも、2つ有名な企業があります。
この2つを押さえておくとよいでしょう。
古河ユニックとタダノです。
ラジコンの操作が異なりますので、どちらを使うのが現場にとってよいのかを確認しておきましょう。
古河ユニックは、クレーン部分とフック部分を別々に操作するタイプ、そして、一緒に操作するタイプの2種類があります。
対して、タダノのクレーンは、クレーン部分と建築資材を吊り下げる部分は、別で操作するタイプの1種類を展開しています。
大きさ別、種類別の違いを知っておこう
大きさは2トン、4トン、6トン、8トン、10トンなどがあります。
さらに言えば、2tユニック・4tユニック・6tユニック・7tユニック・8tユニック・10tユニック、4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンなどです。
大きさによって積載量も違いますし、クレーンの段数、荷台の大きさも異なります。
山間部などを通る場合は、馬力のある大きなものを選ぶ必要が出てきます。
吊れる荷物の重さ(吊りトン数)も大きく異なりますので、どのような建築資材を運ぶのか、よく調査してからCADデータを探すようにしてみてください。
種類はクレーン付き/簡易クレーン/ハイジャッキなどの種類があります。
クレーン付きは荷台と運転席の間にクレーンが設置されているもの。簡易クレーンは荷台の上にクレーンが乗っており、狭い現場の場合にとても重宝するクレーン車です。
ハイジャッキは運転席の後ろにジャッキがついており、車体を斜めにすることができる形になっています。
重たいものを載せやすくなっています。
ジャッキがついているタイプでは、安定性を高めるために、車体の後ろにもジャッキがついているタイプもあります。
見つかりにくいデータを探すならCADデータ共有サービスへ
メーカーサイトで見つけられないユニック車・トラッククレーンや、大きさが異なるもの、拡張子が違うものなどは、個人が作成したCADデータを共有しているサイトに訪問して、ダウンロードするのがおすすめです。フリーのものもあります。
会員になれば、自分でわざわざイチから作成せずに済みます。