失敗しないための工事写真撮影のコツを解説

11.6 - 失敗しないための工事写真撮影のコツを解説 施工管理 ソフト

工事写真は、施工の記録や品質管理のために欠かせない重要な資料です。適切な写真撮影には、工事黒板の活用や添尺の正しい使い方が求められます。また、公共工事では写真管理情報基準が細かく定められており、規定に沿った撮影と管理が必要です。不適切な写真は工事証明として認められないこともあるため、注意が必要です。
このページでは、工事写真の撮影方法や管理基準、NG行為について解説しています。

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工事写真・工事黒板・後付けのフリーソフト・エクセルテンプレート
このページでは、工事写真・工事黒板・後付けのフリーソフト・エクセルテンプレートを紹介しています。 工事写真管理ソフト、EXCELシートのデジカメ工事写真帳、電子納品用の工事写真管理、デジカメ写真にコメントや図形等の写真情報を添付、写真番号・...

工事写真とは

工事写真は信憑性を考慮し、工事写真の編集は認められません。

工事写真の大きさは、L版、サービスサイズ程度とします。工事写真、現場写真管理のフリーソフトは、工事現場写真台帳、撮影用工事黒板、工事アルバム、写真編集、工事黒板修正、土木施工管理写真などのソフトがあります。豊富なテンプレート・フォーマット・ひな形(雛形)が搭載されているものもあります。
工事名、工事種目、撮影部位、寸法規格、表示マーク、撮影時期、施工状況、立会者名・受注者名など。工事写真の撮影方法についは、次の内容を記入した工事黒板・白板を、文字が判読できるよう撮影対象とともに写し込みます。原本はネガとし、APSの場合はカートリッジフィルム、電子媒体とします。
撮影箇所がわかりにくい場合には、撮影位置図、平面図、構造図等の説明図等を原本・アルバムに添付してください。

必要事項を記入し原本・アルバムに添付

工事黒板・白板の判読が困難な場合、工事黒板・白板を写し込まない場合は、必要事項を記入し、原本・アルバムに添付します。デジタルカメラで工事写真を撮影する場合は、有効画素数、記録形式などについて、国土交通省など監督省庁の監督職員と協議して決定します。
原本を電子媒体により提出する場合は、国土交通省など監督省庁の監督職員の承諾を受けて、アルバムの提出を省略することができます。工事写真、工事写真台帳ソフト、全建統一、エクセル、工事写真帳、デジカメ写真整理、写真管理などのフリーソフトが、無料ダウンロードできます。
電子納品用の工事写真管理、デジカメ写真にコメントや図形等の写真情報を添付、工事報告書用写真の作成、写真台帳形式での写真整理など、工事写真、現場写真管理のソフトです。工事写真はカラー写真とします。工事写真は原則として、原本とアルバムを工事完成時に、1部づつ提出します。
工事写真の撮影対象、撮影箇所は、撮影の目的や工事内容により、国土交通省など監督省庁の監督職員と協議して決定してください。工事写真の撮影と提出について検討します。

電子媒体を保管する入れ物の背表紙には工事名称、作成年月を記入

電子媒体を保管する入れ物の背表紙には、工事名称、作成年月を記入してください。工事写真、工事写真台帳、写真管理、写真整理、デジカメなどのフリーソフトが、ダウンロードできます。工事写真は、工事種目、工事分類に区別して収納します。
電子媒体のフォーマット形式は、国土交通省など監督省庁の監督職員と打合せて決めてください。最新ウイルスにも対応するため、ウイルス対策ソフトは、最新データに更新したものを使用してください。電子媒体の表面には、ウイルス対策ソフト名、ウイルスのパターンファイル定義年月目、パターンファイル名、西暦で表示したのチェック年月日を記載します。
全建統一様式の施工体制台帳をWord 形式で作成、安全文書の情報をデータベース化、労務安全文書の発行管理システム、建統一様式による社会保険に対応した安全書類の作成など、工事写真帳・アルバム作成のソフトです。工事写真のファイル名の文字は、半角英数字、全角文字とします。工事写真の整理方法の留意点について検討します。

モノの数値化に適切な写真撮影、工事黒板のポイントとは

工事現場で測定―モノの長さや深さを測るー機会は多くありますが、正確に工事が完了している証明を行うためにはどれだけミクロで小さなモノでも、どれだけ大きくてカメラに収まりきらないほどのスケールのモノでも、第三者から見て分かりやすく、正しいことが一目瞭然の測定法で、カメラに収めなければいけません。
それには、細かい工夫、配慮が必要です。

添尺でよくある基本的なミスに注意しよう

測定といえばまずは尺を添えての写真撮影です。ただ、対象物に対しては尺を正しく添えていても、カメラアングルによって斜めに見えたりすることで僅かな誤差が生じてしまうことがよくあります。また、写真では肝心の数値が読み取りづらくなっている、というケースも散見されます。
添尺をするときは、数値がはっきりとわかるように写真を撮ることに注意しましょう。

通称「丸モノ」にはどう添えれば良い?

配管などのパイプ、円柱、丸杭といった「丸モノ」と言われるものの直径を測定するときは、添木が必要です。パイプを挟むように平行して添木をし、添木に直角に当たるように添尺をすれば、確実に直角であることが証明でき、正しい直径を測定できていることになります。

設計上と異なる建築物の寸法を測るときは?

ときに設計上の図面と現実の建築物の寸法が異なるケースがあります。例えば、擁壁などは安全のため角を削る「面取り」という作業が行われますが、強度には何も影響がないので設計図面上はそのことは記載されていません。こうした部分の測定を行うときは、設計上の寸法を導き出す工夫が必要です。この場合も、角の側面に添尺をすることで、本来あるはずの角部分までの測定を行うことができます。

穴の深さを測定するには?

擁壁に開けた穴など、そうした穴の深さを正しく測定するためには、穴の基線(入口)の位置も示すことが大切です。メモリと並行するように基線に添尺をすることで、メモリを正確に写すことができます。

インターネット上には有料、無料合わせて多くのソフトウェアやテンプレート・ひな形があります。
工事現場に欠かせない工事黒板、それに使用するソフトウェアや電子納品などのExcelフォーマットのソフトウェアもあり、おすすめです。作成した書類はクラウドを利用して共有するとよいでしょう。

ただ添えれば良いわけじゃない?添尺の心がけ

物差しを添えて撮影することが添尺だと思っていると、正しい添尺にはなりません。長さ、太さ、深さ、量、モノの形といったあらゆるモノを数値化するためには、適切な道具選び、適切な写真撮影、工事黒板が重要です。

適切な証明を心がける

例えば勾配があるモノの設置状況を証明する場合、大切なのは勾配が正しく維持できているかどうかという点になります。その場合、どのような現場で作業したのか、工事黒板と共に全体像を映した写真、分銅や垂直、底辺の長さなどが分かる拡大写真など複数の写真を撮影して証明するように心がけましょう。

大きな被写体を撮影する場合のポイントは?

普通の写真よりも広い角度で撮影することができる「広角レンズ」を使います。それでも収まりきらない場合、より広角となる「ワイドコンバージョンレンズ」を使う、または分割して撮影する、といった工夫が必要です。

例えばダム建設の進捗状況を撮影する場合、ダムの全貌を撮影するためには、ワイドコンバージョンレンズを装着すれば、22mm相当の画角を確保することが可能です。特に、後退できない場所での撮影では、広角レンズやワイドコンバージョンレンズが役に立ちます。

左右に分割して撮影するときは、「つなぎ写真」は禁止されていますから、分けたままの状態で提出します。左右で角度や高さが崩れないよう、三脚などを使ってブレのない複数写真を撮ります。風景が繋がる中央部分は少し重なるように撮ると、分かれている写真でも繋がりが分かりやすくなりますから、良いでしょう。

小さな被写体を撮影する場合のポイントは?

0.2mmの精度を必要とする、ミクロな被写体もときにあります。小さい被写体の方が厳密な添尺が要求されますし、ピンボケ、ブレが起こりやすいため、注意が必要です。小さな被写体を撮影するときは、工事黒板を一緒に撮影するのは難しいため、原則として被写体の後ろに置くように指導されます。その方が被写体にピントが合いやすいためです。そして、工事黒板の全体像は別で撮影します。

カメラは「マクロ撮影」「近接撮影」モードが有効です。カメラの持ち方、シャッターの切り方の基本をしっかり押さえれば、ピントがぼけたりブレたりすることなく撮影することができるでしょう。

一枚でどうしても撮り切れないときは、無理をせず証拠となるメモリが読める拡大写真と、状況を説明する状況写真を別で撮影しましょう。分度器やノギスに光が反射してメモリが読めないことがありますので、太陽光との位置を考えて撮影します。

工事写真を整理したいときは、フリーソフトが人気でおすすめです。誰でも無料でダウンロードできるソフトで、簡易的なソフトもありますが、その分操作性が単純ですぐに使いこなすことができるソフトも豊富です。
また、エクセルのテンプレートやひな形をダウンロードすれば、新たなソフトを導入しなくても工事黒板や工事写真の管理などが簡単に行えます。

トンネルでの撮影のコツとは?

トンネルなどの暗い中での撮影は、フラッシュの使い方が大きなポイントになってきます。フラッシュを使用するかどうかは現場の明るさによって変わってきますが、フラッシュを使うなら手ブレが起きないように三脚を用意した方がよいでしょう。逆に、フラッシュを使わないで撮影できそうであれば、三脚は必要ありません。
また、フラッシュのオートモードに設定しておくと、手ブレ補正によってシャッター速度を保ってくれるので、三脚なしで撮影することができますが、その分背景が暗くなってしまいます。

工事黒板を掲げる位置は何メートルが適切か?

トンネル内において、被写体の大きさ、周囲の明暗度、フラッシュの有無によって工事黒板の適切な位置は変わりますが、「黒板の文字を読み取ることができる位置」が最適であることが前提です。ですので、だいたい2~2.5mくらいの距離に工事黒板を置くのが適切な距離と言えるでしょう。フラッシュによるハレーションには注意が必要です。

公共工事における工事写真の規定

税金で行う工事・管理には、それらを正しく行えているという報告の義務があります。
工事写真はそのために使われる大事な資料ですので、正しい撮影方法で、正しい仕様で報告しなければなりません。

また、工事写真管理や工事写真帳を使った整理などは、エクセルテンプレート・ひな形やフリーソフトの種類が多く、探す手間がかかります。
フリーソフトの比較ランキングサイトなどを参照に、人気のあるものをチェックし、自社に合ったものを選ぶとよいでしょう。

デジタル写真の加工はNG!

デジタルカメラが普及し、写真管理が格段に効率アップした一方で、電子納品物の信頼性について疑問視され、写真の提出には規定が設けられることになりました。
誰でも簡単に加工できてしまうデジタル写真を、工事写真として認めて良いのか。
結論として、「写真編集は認めない」という規定が設けられ、一切の加工がNGの代わり、デジタル写真での納品を可能としました。

一切の加工というのは、暗い写真を見易いように明るくする、こうした編集も一切いけません。
ということは、撮影するときに十分の明るさ、見やすさを確保しなければならず、撮影スキルが必要になります。
編集を行ったかどうかは、Exifデータによって分かるようになっています。
Exifデータとは、「撮影年月日」「シャッター速度」「絞り値」などの撮影情報のことで、オリジナルデータに荷札のようにくっついている情報のことを言います。

工事写真台帳や写真整理のフリーソフトは数多くあり、それらをダウンロードできるサイトもがたくさんあるため、どのサイトからダウンロードすればいいのか迷ってしまいます。
業務効率の向上やコスト削減が実現できるのでおすすめです。
ソフトは比較ランキングサイトなどで調べるとよいでしょう。

デジタル写真に細かく決められている写真管理情報基準

デジタル写真の納品に関して、国土交通省において媒体の種類やファイルの仕様などが細かくルール決めされています。

提出媒体はDVD-Rで

デジタル写真を入れる媒体として、DVD-RやCD-Rでの提出が義務づけられています。

ファイル形式はJPEGで

写真のファイル形式にはJPEGのほかにもPNGやBMPなどさまざまな形式がありますが、工事写真の納品形態はJPEGで統一されています。
なお、圧縮率や撮影モードについては監督職員などとの話し合いで決定することが多いようです。

有効画素数は?

平成27年3月「デジタル写真管理情報基準」の改訂があり、それまでの100万画素程度の基準から100万画素~300万画素程度、という変化がありました。
100万画素というのは、デジカメが出始めた頃の基準で、日々画素数が進歩し続けている現代的には合っていない基準と言われてきました。

100万画素ではトラブル時、拡大検証するには画素数が不足するため、そういう事態でも小黒板の文字が読み取れる200万画素は最低限欲しいところです。
実際の画素数をいくらに設定するかは、監督職員と話し合うのが良いでしょう。
また、縦横比は3:4程度、ということも明記されました。

工事黒板については「蔵衛門」「蔵衛門御用達」というツールが人気です。
工事写真整理・工事写真管理に関してはこうした有料のソフトもありますが、インターネット上でダウンロードできるフリーソフトもおすすめです。
人気比較サイトなどを活用して、ご自身に合ったフリーソフトを探してみてはいかがでしょうか。

工事写真の撮影・管理でやってはいけないNG行為

デジタル写真の編集は一切できないことを取り上げましたが、その中には意外な行為も含まれています。工事写真の撮影・管理でやってはいけないNG行為を見てみましょう。

暗く写ったものを明るく加工する行為

日光の当たりによって被写体に影ができた、あるいは全体的に写りが暗くなったときに、トーンを明るくする行為も、編集行為に当たります。編集するのではなく、撮影するときに露出の補正を行ってから撮影したものに関しては問題ありません。
一部をトリミング加工する行為
写真の淵に指が写ってしまった、などで一部を切り取る行為も編集行為です。また、斜めになった写真の角度を調整する行為もいけません。撮影時には、水平に保てているか、指など不要なものがフレーム内に入っていないかを確かめてから撮影しましょう。

ゴミが写っていたので消す行為

道端などにあって写り込んでしまったゴミや不要物を、綺麗な写真として提出しようと思い編集加工で消してしまうことも、改竄、捏造行為に当たります。

黒板などの文字に誤りがあったため訂正する行為

撮影後に文字の誤りを見つけたら、写真と一緒に文章を添え、そのことに触れておきましょう。わざわざ写真内の誤字を編集加工によって訂正すると、禁止事項に当たります。

1枚の写真に収まりきらなかったため2枚の写真を1枚に繋げる行為

ダムなどの巨大な施設や広大な工事現場では、ときに広角レンズなどを駆使しても1枚に入りきらない場合がありますが、2枚を1枚につなげる加工はNGです。2枚撮影したなら、別々で提出するのが良いでしょう。

工事写真管理は、無料でダウンロードできるフォーマット・ひな形やエクセルを利用したフリーソフトを活用すれば、簡単に作成することができておすすめです。フリーでダウンロードできるソフトや、有償で販売されているソフトがあるので、導入前に比較検討する必要があります。