このページでは、石(石積み・石垣・庭石)のCADデータがダウンロードできるサイトを
紹介しています。
・石(石積み・石垣・庭石)のCADデータの紹介
・生垣・樹木保護・支柱のCADデータを紹介
また、造園、日本庭園に関連した知っておくと役立つ情報などを掲載しています。
・石垣や敷石などのCADデータを手に入れる方法
・jw_cadで石積みを書く手順
・石の加工程度による石垣の分類
・積み方による石垣の分類
・外観による石垣の分類
・さまざまな垣根 生垣・石垣・竹垣
・庭石の構成と種類 立石・横石・伏石・七五三石組
・茶庭とその構成要素 飛石・敷石・灯籠
石(石積み・石垣・庭石)のCADデータ
石垣、庭石、縁石のCADフリーデータです。
石積、園路縁石、庭石、飛び石、庭石、立石、大岩、つくばい石、滝石、縁石、踏石、石畳、手洗い石、山石、川石、自然石、天然石、六方石、磨き石、朴石、くつぬぎ、砂利敷き、燈籠、獅子脅し、水鉢、門扉・垣根、坪庭セットなどの、CADデータが、ダウンロードできます。
Art.Gray Landscape Design
雑割石積、空石積み、野面石積み、ブロック積擁壁、間知石積、カゴ枠土留め、木土留めなどのCADデータが、ダウンロードできます。
CADがある部屋
石組、飛石、滝石、橋石組など、日本庭園の、CADデータが、ダウンロードできます。社寺の詳細図集もあります。
株式会社 インプレス
縁石、踏石、庭石、外構施設などの、CADデータが、ダウンロードできます。
庭石 図面 Google
庭石の図面、写真、イラストが、見れます。検索から多数のアイテムを表示できます。花崗岩の庭石は、最も広い分布のある石で、御影石と呼ばれ、庭石としてたくさん使われています。石質は緻密で固いため強度があり、風化に強く耐久性はあるが耐火性に劣ります。
PANDAYA 建築デザイン館
和風舗装、石畳、ペーブメント、添景用樹木などの、CADデータが、ダウンロードできます。
データステーション
庭石、飛び石、灯篭、獅子脅し、水鉢、門扉・垣根、坪庭セットなどの、CADデータが、ダウンロードできます。
オーセブン 株式会社
庭石、立石、大岩、つくばい石、手洗い石、燈籠などの、和風庭の写真データが、ダウンロードできます。
石積 cad-data.com
石積のフリーCADデータがあります。盛土用の間知石積擁壁、切土用の間知石積擁壁、3Dの間知ブロック石積、3分勾配の野面石積み・5分勾配の空石の野面石積みの詳細図、基本形を編集すれば何段でも自由に書ける石積み記号などのCADデータが揃っています。
石垣 図面 Google
石垣の図面、写真、イラストが、見れます。検索から多数のアイテムを表示できます。野面積(のづらづみ)は、乱積の一種で、自然石や切り出した石を加工せずありのままに使用するため、石が不揃いで目地にに隙間が多くできるので排水が良いです。
生垣・樹木保護・支柱のCADデータ
生垣、樹木保護、支柱のCADフリーデータです。
樹木図、標準植付図、生け垣、方杖、パイプ支柱、芝張り、鳥居支柱、唐竹支柱、樹木保護蓋、樹木保護支柱、樹木・造園・観葉植物などの、CADデータが、ダウンロードできます。
施工図屋の独り言
樹木図、建築物表層植栽、標準植付図、生け垣、方杖、二脚パイプ支柱、芝張り、一本支柱、三脚鳥居支柱、十字鳥居、二脚鳥居支柱、三脚唐竹支柱、四脚井桁支柱、三本長丸支柱、三本唐竹支柱、ワイヤ支柱、四脚パイプ支柱などのCADデータが、ダウンロードできます。
公園工事標準図面集
樹木保護工のCADデータが、ダウンロードできます。生垣、布掛支柱、ふじ用添竹、一本支柱、鳥居型支柱、四脚支柱、三本支柱、四本支柱、フェニックス用支柱など。
福西鋳物 株式会社
グリーンメイト、樹木保護蓋、グリーンホルダー、樹木保護支柱 のCADデータが、ダウンロードできます。
生垣 図面 Google
生垣の図面、写真、イラストが、見れます。検索から多数のアイテムを表示できます。生垣は、針葉樹や広葉樹を植え、庭を囲んだり、目隠ししたり、ガーデニングの背景を飾るなどの役割があります。低垣の生垣には、アカバメギ、ロニセラ・ニティダなどがあります。
樹木保護 図面 Google
樹木保護の図面、写真、イラストが、見れます。樹木は、剪定等により維持管理をしていても、気候や病虫害が原因で枯れることや損傷する場合があり、保護が必要になります。枯損木を処理しないまま放置すると、倒木による周辺施設への損害や道路交通への支障が生じます。
樹木 cad-data.com
樹木のフリーCADデータがあります。検索から多数のアイテムを表示できます。樹木のCADデータの検索キーワードは、樹木、植栽、添景、中木、造園、低木、外構、点景、高木、植木、観葉植物、サインなどです。拡張子は、dwg、jwc、jww、dxf、mcd、skp形式です。
石垣や敷石などのCADデータを手に入れる方法
石垣や石積み、敷石、庭石、灯籠など、造園に使用されるアイテムは、住宅や店舗の庭づくりにも広く活用されています。これらを効果的に設計するには、CADデータの活用が非常に重要です。ここでは、CADデータを入手する方法やその活用方法について初心者にもわかりやすく解説します。
1. 石垣や敷石などのJw_cadデータを入手する
Jw_cadは、無料で使えるCADソフトとして多くの造園業者に利用されています。石垣や敷石、庭石などのデータは、インターネット上で無料で提供されている場合が多いです。特に、エクステリア会社や造園会社のウェブサイト、フリーCADデータサイトを活用することで、必要なデータを簡単に入手できます。
また、Jw_cadは操作が簡単なため、初めてCADを使う方でも扱いやすいのが特徴です。Jw_cadデータを利用することで、庭石や生垣を含む庭全体のレイアウトをスムーズに計画できます。
2. 石垣や敷石などのAutoCADデータを入手する
AutoCADは、高機能なCADソフトとして多くのプロに愛用されています。石積みや敷石の詳細な設計が必要な場合には、AutoCAD用のデータが便利です。これらのデータは、有料のCADデータ提供サイトやメーカーのウェブサイトから入手することができます。
AutoCADを使うと、複雑な設計や3Dモデルの作成も可能になるため、特に大規模な庭園や高級住宅の設計に適しています。
3. 石垣や敷石などのVectorworksデータを入手する
Vectorworksは、造園やエクステリアデザインに特化した機能を持つCADソフトです。石垣や庭石、生垣など、造園に必要なアイテムのデータが豊富に揃っています。これらのデータは、Vectorworksの公式サイトや提携企業のウェブサイトでダウンロードできます。
また、Vectorworksでは、2Dと3Dの両方の設計が可能で、庭全体のデザインを視覚的に表現できます。これにより、クライアントへの提案がより具体的で分かりやすくなります。
4. 石垣や敷石などのCADデータの効果的な活用方法
入手したCADデータを効果的に活用するには、事前の計画とシミュレーションが重要です。例えば、石垣や石積みの配置を事前にシミュレーションすることで、施工中の無駄を減らすことができます。
CADソフトを使えば、庭石や敷石、生垣などをバランスよく配置した設計図を作成できます。また、3D機能を活用することで、完成後のイメージをクライアントにわかりやすく伝えることができます。
5. 石垣や敷石などの既存データを利用した設計効率化
既存のCADデータを利用することで、設計作業を大幅に効率化できます。特に、石積みや庭石の標準的な形状を持つデータを活用すれば、ゼロからデザインを起こす手間が省けます。
さらに、既存データをカスタマイズすることで、オリジナルのデザインを作成することも可能です。これにより、クライアントの要望に合わせた柔軟な設計が実現します。
CADデータの活用は、石垣や敷石、生垣などを含む庭全体の設計において欠かせないものです。初心者の方でも、必要なデータを手に入れ、正しく活用することで、効率的かつ美しい庭づくりを実現できます。
jw_cadで石積みを書く手順
ここでは、jw_cadを使用して、形や大きさが揃っていない石積みのハッチングパターンを作図するための手順を紹介します。
1. 石積みパターンの繰り返しの範囲(矩形)を作ります。
まず、石積みのパターンを描くために、矩形範囲を作成します。これは、石垣や庭石など、石積みが繰り返し並ぶ範囲を指定するための準備です。範囲を決めることで、どこに石積みを配置するかが決まります。この矩形を描くことで、作業が進めやすくなります。
2. 範囲の中に収まるように石のパターンを描きます。
次に、範囲内に収まるように、石のパターンを描きます。この時、石積みのデザインを決めます。石の形状や大きさが不揃いな場合でも、あらかじめ決めたパターンに従って配置することが大切です。石のパターンが石垣や庭石としてリアルに見えるように工夫しましょう。
3. 範囲の縦横をそれぞれ2等分する石積みの線を描きます。
次に、範囲の縦横をそれぞれ2等分し、石積みの線を描きます。この作業では、石の配置が均等になるようにガイドラインを引きます。縦横に分割することで、石のパターンが整い、石積みが自然に見えるようになります。この作業が終わると、石積みのレイアウトがしっかりと定まります。
4. 別の場所に同じ石積みの範囲を描き、「複写」コマンドの[矩形クリップ]のチェックをONにして複写します。
次に、別の場所に同じ石積みの範囲を描きます。ここでは、「複写」コマンドを使って、矩形範囲を複製します。この時、「矩形クリップ」のチェックをONにすることで、範囲をクリップして、指定した場所に範囲を複写することができます。この操作により、石積みのパターンを効率よく配置できます。
5. 範囲中央付近に石積みのパターンを書き足し、範囲の内部全体を石のパターンで満たします。
範囲の中央付近に、さらに石積みのパターンを追加します。これにより、範囲の内部全体が石のパターンで埋められます。石垣や庭石のデザインがより豊かに見えるように、パターンをうまく配置します。石積みのデザインは、全体のバランスを考えながら配置しましょう。
6. 上下左右が連続した石積みのパターンができあがります。
最後に、上下左右が連続した石積みのパターンが完成します。これにより、石積みのデザインが全体としてつながり、自然な仕上がりになります。石垣や庭石が一体感を持ち、リアルな石積みの効果が得られます。
石の加工程度による石垣の分類
1.野面積み
野面積みは、石をほとんど加工せずに積み上げる方法です。この方法は、自然のままの石の形状を活かして使用するため、自然感のある完成品となります。例えば、家庭の小さな庭には、野面積みの石垣が自然な背景を作り出すことがあります。この方法では、山裏で収集された自然石や小垂れ石が使用されることが多く、家庭の庭石や生垣の裏にも活用されます。
CAD技術を使うことで、野面積みの設計が簡単になり、裏庭の家庭でも石垣を構築することが可能になります。しかし、石の加工が少ないため、構造的には安定性が低く、定期的な保守が必要です。
2.打込み接ぎ
打込み接ぎは、石の表面をある程度加工した上で構築する方法です。この方法は、石の形を整えて積み上げるため、構造の安定性を高めることができます。小規模の家庭のランドスケープでも使用されることが多いです。
CADを活用することで、打込み接ぎの構造を簡単に設計できるようになり、構造の安定性も大きく向上されます。しかし、大きな石を使用するため、その供給に手間がかかることもあります。
3.切込み接ぎ
切込み接ぎは、石を完全に加工して一つ一つの形状を整えた上で構造する方法です。この方法は、高度な設計に基づき、紛れずしっかりした構造を作り上げることができます。
切込み接ぎには、高度な加工技術が必要ですが、CADを使うことで、構造を簡単に設計し、小規模な家庭の庭石から大規模な石垣まで、多様なプロジェクトに対応できます。
CAD技術の活用は、石積みの加工程度を高め、大規模な庭石や生垣の構造も可能にします。
積み方による石垣の分類
石垣は、その積み方によってさまざまな種類に分類されます。それぞれの積み方には特徴があり、設計や用途に応じて使い分けられます。ここでは、布積み、乱積み、巻石垣の3つの方法について、初心者にもわかりやすく説明します。
1. 布積み
布積みは、石を横方向に整然と積み上げる方法です。この方法では、石の高さや形状をそろえることで、安定した構造と美しい見た目を実現します。庭石や石垣を設計する際には、特に見栄えを重視する場面でよく使われます。
布積みは、CADを活用することで効率的に設計できます。石の配置や寸法を正確にシミュレーションすることで、無駄のない施工が可能です。また、生垣の支えとしても使用されることがあり、庭全体の調和を図る際に役立ちます。
2. 乱積み
乱積みは、石を加工せず、自然の形をそのまま活かして積み上げる方法です。この方法は、自然な風合いを重視したい場合に適しています。山から採取した自然石や庭石を使用することが多く、ナチュラルな景観を演出します。
CAD技術を活用すれば、乱積みのデザインも簡単に行えます。あらかじめ石の配置をシミュレーションすることで、構造の安定性を高めることができます。ただし、加工が少ないため、定期的なメンテナンスが必要です。
3. 巻石垣
巻石垣は、石を丁寧に加工し、隙間なく積み上げる方法です。この方法は、高い精度と安定性が求められる場面で使用されます。石の加工が必要なため、手間がかかりますが、その分耐久性が高く、美しい仕上がりになります。
巻石垣の設計には、CADが非常に有効です。正確な寸法や角度を設定することで、効率的かつ精密な設計が可能になります。庭石や生垣の周囲に巻石垣を取り入れることで、全体の景観が引き締まります。
これらの石積み方法は、それぞれの特徴を活かして使用されます。CAD技術の進化により、石垣の設計や施工がより効率的になり、初心者でも簡単に取り組めるようになりました。
外観による石垣の分類
石垣は、その外観や積み方によってさまざまな種類に分類されます。それぞれの方法は見た目や機能性が異なり、用途や設計目的に応じて選ばれます。ここでは、算木積み、谷積み、亀甲積み、玉石積み、笑い積みの5つの石積み方法について説明します。
1. 算木積み
算木積みは、石を直方体に加工し、きれいに直線的に積み上げる方法です。この積み方は、精密な形状と安定感が特徴で、モダンな印象を与えます。算木積みは、庭石を整然と配置したい場合や、生垣の支えとしてもよく使われます。
CADを活用することで、算木積みの設計が効率的に行えます。石の寸法や配置を事前にシミュレーションできるため、施工がスムーズになります。
2. 谷積み
谷積みは、石を山状に積み上げる方法で、高さを出しつつ安定性を保つ特徴があります。この積み方は、景観にアクセントを加える目的で使われることが多く、自然石をそのまま活かして積み上げます。
谷積みもCAD技術を使えば、石の配置や高さの調整が簡単に行えます。庭のデザインに取り入れることで、立体感のある景観を演出できます。
3. 亀甲積み
亀甲積みは、六角形の石を組み合わせて積み上げる方法です。この積み方は、美しい幾何学模様が特徴で、デザイン性の高い石垣を作りたい場合に適しています。庭石として使用される場合、庭全体の景観を洗練されたものにします。
CADの利用により、亀甲積みの複雑な形状の設計も容易になります。特に、精密な寸法設定が求められるプロジェクトで活用されます。
4. 玉石積み
玉石積みは、丸みを帯びた石を使用して積み上げる方法です。この方法は、柔らかく自然な印象を与え、ナチュラルな庭のデザインに適しています。河原石や庭石をそのまま活用することが多いです。
CADを使えば、玉石積みの配置も簡単にシミュレーションできます。石のサイズや配置を調整することで、安定性を保ちながら自然な雰囲気を演出できます。
5. 笑い積み
笑い積みは、大小さまざまな石をランダムに積み上げる方法です。この積み方は、遊び心のあるデザインが特徴で、独特な外観を持つ石垣を作りたい場合に用いられます。
CADを活用することで、笑い積みのランダムな配置を事前にシミュレーションできます。これにより、ユニークなデザインを実現しつつ、安定性も確保できます。
これらの石積み方法は、それぞれの外観や機能に合わせて使用されます。CAD技術を取り入れることで、初心者でも簡単に石垣の設計や施工が行えるようになり、庭石や生垣との調和を図ることができます。
さまざまな垣根 生垣・石垣・竹垣
家の敷地や庭を囲む施設を垣根とよびます。
垣根には素材によって生垣・石垣・竹垣などがあります。
樹木でつくる仕切り「生垣」
樹木でつくる囲いを「生垣」とよびます。
生垣は道路や隣家と家の敷地を区別するほか、玄関と庭の仕切りとしても使われます。
生垣は一般的に、囲いたい範囲に沿って樹木を等間隔に植える方法がとられ、高さは1.5~2mのものが多いです。
なお、作為を出さないように、あえて樹木の間隔や高さを揃えずに生垣をつくる方法もあります。
生垣に用いられる樹木として、以下のようなものがあります。
・常緑樹…ツバキ、サザンカ、カナメモチ、アラカシ、シラカシ、モクセイ、サワラ、イチイなど
・低木類…サツキ、ツツジなど
石を積み重ねた「石垣」
石を積み重ねた石垣は、もともとは隣地と境界を単に区別するためのものではなく、敵からの攻撃を防ぐ目的でつくられました。
石垣は「石積」ともよばれ、さまざまな積み方の方法があります。
・野面積
自然石を使った原始的な積み方で、石と石がかみ合う部分だけは加工されています。
石の大きさは揃っておらず、表面の加工は最小限にとどめられています。
野面積の技法は全国各地にみられます。
滋賀県の比叡山麓にある坂本という町にいた石工集団「穴太衆」が手がけたものは「穴太積」とよばれています。
穴太積は野面積を基本としながらも、デザイン性が加わった積み方で、城壁に多く採用されました。
・崩れの石積
自然石を不規則に積み上げ、見た目は岩が崩れそうに見えることから「崩れの石積」とよばれています。
庭園などに使われている技法です。
・間知石積
同じ形に加工した石を積み上げる方法です。近代の民家や堤防などで見られます。
積み方や加工した石の種類によって「布積」「矢羽積」「亀甲積」などに分かれます。
古い歴史を持つ「竹垣」
竹を組んだ「竹垣」は目隠しに用いられ、万葉集や源氏物語にも記述があります。
組み方にはたくさんの種類があり、庭園のアクセントとしての役割も果たしています。
たとえば、以下のようなものがあります。
・四ツ目垣
縦横に組んだ竹が4つの方形を作っていることから、この名がついています。
簡単な竹垣の代表例です。
・建仁寺垣
幅4~5㎝に割った竹を縦に敷き詰め、半分に割った竹を横に渡して押さえたものです。
最初に京都の建仁寺で最初に採用されたことから、この名が付いたといわれています。
隙間がないので、遮蔽垣としてよく使われる竹垣です。
・御簾垣
小竹を横方向に貼り付けたもので、すだれに似ていることからこの名がついています。
建仁寺垣よりも隙間があります。
・銀閣寺垣
下段は石垣、中段は建仁寺垣の半分以下の高さにしたものです。
上段は生垣の三段構成になっているもので、銀閣寺の参道でみられるものです。
庭石の構成と種類 立石・横石・伏石・七五三石組
日本庭園は水・植物・石で構成されます。
それぞれ以下のような表現に用いられます。
・水…川や滝、海
・植物…自然
・石…山岳地帯、永遠性の象徴
平安時代に書かれたといわれる作庭の方法を論じた『作庭記』によると、「庭をつくること」とは「石を立てること」を意味していました。
自然の石を何かに見立て、立てたり寝かせたりして、あるいは組み合わせたりして配置します。
石を置くことで蓬莱神仙の世界や急峻な山岳、あるいは鶴や亀、船などを表現します。
表現するものが抽象的でわかりにくいこともあります。
庭石は石の据え方によって「立石」「横石」「伏石」の3つがあります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
急峻な山並みを表す「立石」
石を立てる「立石」は、急峻な山並みを表現する際に用いられる据え方です。
この方法を使いすぎると力強さばかりが目立ってしまうため、インパクトをつけたいときにだけ使うほうがよいとされています。
なだらかな山を表す「横石」
石を寝かせる「横石」は、立石と組み合わせて大小や高低差を表現するのに適しています。
立石・横石を引き立てる「伏石」
上部が平らな石を地中に埋めるように据える「伏石」は、横石よりもさらに低い山を表現するときに使う方法です。
立石・横石と組み合わせることで、これらの石を引き立てる役割を果たします。
「七五三石組」は石の組み方の主流
「七五三石組」とは、庭石を7つ、5つ、3つでそれぞれひとまとまりとする組み方です。
七・五・三はいずれも縁起の良い奇数で、蓬莱神仙の世界を表現する庭園にはふさわしい数字といえます。
また、縁起の良さだけでなく、石の配置の面でも奇数は偶数よりもバランスがとりやすいことも、七五三石組が広まったと考えられます。
七五三石組が成立したのは、室町時代とされています。
龍安寺や大徳寺真珠庵(いずれも京都市)の枯山水庭園が、七五三石組の代表例として知られています。
茶庭とその構成要素 飛石・敷石・灯籠
茶室と一体となってつくられた庭園を「茶庭」とよびます。
茶庭には飛石や敷石、灯籠などが配されています。それぞれの要素について、詳しく見てみましょう。
通り道に配される「飛石」
「飛石」とは茶庭の通り道に置かれた石のことで、露に濡れた苔の上を歩くとき、足元が濡れないように設置されたものです。
飛石には上面が平らな石を選びます。
石を打つ(置く)際に注意する点は次の2点です。
①飛石を踏む人が歩きやすいように石と石の間を握りこぶし1~2個分ほど開ける
②石と石の並びがなめらかになるよう、表面を選ぶ
この注意点を踏まえ、直線や曲線など、さまざまな形状に飛石を打ちます。
主な打ち方として以下のようなものがあります。
・直打ち…すべての石を一直線に並べる打ち方です
・大曲…弧を描くように石を並べる打ち方です
・二連打…直線的に打った2つの石をひとつのまとまりとし、このまとまりを左右に振り分ける打ち方です
・三連打…飛石の配置の中に、直線的に打った3個の石を入れる打ち方です。残りの石は三連のまとまりに対して、左右にずらして配置します
・千鳥掛…石を左右交互にずらして置く打ち方です
・雁打ち…W状に石を並べる打ち方です。V字が列を組んで飛ぶ雁の様子に見えることからこの名がついています
・いかだ打ち…飛石に板状の石を混ぜて配置する打ち方です
石を敷き詰めて通り道をつくる「敷石」
間隔を空けて石を配置する「飛石」に対し、石を隙間なく敷き詰めて通り道を作るのが「敷石」です。
敷石の敷き方は、使用する石の種類によって「真」「行」「草」の3つに分かれます。
・真…方形や台形の切石を使う
・行…切石や小石、割石などを混ぜて使う
・草…小石だけを使う
また、石と石の隙間である「目地」にも漆喰を塗り込んでアクセントにしたり、苔を生やしたりして趣を出します。
千利休によって庭園に持ち込まれた「灯籠」
茶庭にはつきものの灯籠ですが、もとは寺社に据えられるもので、庭園に持ち込まれるようになったのは安土桃山時代のことです。
茶人の千利休が、茶室のまわりに据えたのがはじまりといわれています。
茶庭に灯籠を置くのは、鑑賞のために加え、道を照らすという実用的な用途もありました。
茶庭の様式がさまざまな庭園に取り入れられると、灯籠も庭園に置かれるようになります。
江戸時代には、豪商が自身の屋敷内に茶庭風の坪庭をつくり、灯籠を置くといった趣向もみられました。
灯籠はもともと、社寺に置いて明かりを灯すものです。
庭に灯籠を置くことが広まると、最初から庭に置くことを前提とした庭灯籠がつくられるようになりました。
庭灯籠には以下のようなものがあります。
・織部灯籠
竿(火袋〈明かりを灯す部分〉を支える柱状の部分)の上部が円形状に膨らみ、下部に人物像が彫刻されていることが特徴です。
戦国武将で茶人でもあった古田織部が好んだといわれることからこの名がついています
・雪見灯籠
八角形の火袋と竿の代わりに脚を持つ灯籠です。脚の数は2本、3本、4本とバリエーションがあります
・琴柱灯籠
雪見灯籠の一種で、長い二本脚が特徴。金沢の兼六園のものが有名です
・岬灯籠
竿がない小型の灯籠です。
庭園内の岬(砂州状に突き出た部分)に設置されることが多いのでこの名称がついています
・三角灯籠
寺社などに置かれている灯籠の上部には宝珠や傘が載っていますが、三角灯籠は宝珠がなく、傘や火袋が三角形の形状をしています。
竿はなく、三本の短い脚がついています
・袖形灯籠
石柱をコの字型にくり抜き、中に釣り灯籠をかけるタイプの灯籠です
石垣や敷石などのcadデータを手に入れるには
石垣や石積、敷石、灯籠といった造園にかかわるアイテムは、寺社や茶庭だけでなく、住宅や店舗などでも用いられます。
住宅に庭をつくったり、店舗にちょっとした坪庭風の空間を設えたりする際、垣根や石、灯籠をどのように配置するか、造園工事業者はクライアントとよくすり合わせを行うことが必要です。
庭はクライアントの要望を取り入れる形でつくることがほとんどです。
庭が出来上がってから「こんなはずではなかった」とクライアントからクレームが出ないようにするには、石垣や敷石などを配置した図面を提示しましょう。
cadを使って庭の設計をするには、庭に配置する石垣や敷石、植栽などのcadデータがあると便利です。
造園やエクステリアに特化したcadソフトなら、さまざまな造園用アイテムのデータが収納されています。
造園やエクステリアの設計によく使われるcadソフトとして「RIKCAD」や「O7CAD(オーセブンキャド)」があり、どちらも3次元のパースが起こせます。
しかし、造園・エクステリア専用のcadソフトがなくても、インターネット上から石垣や敷石などのcadデータをダウンロードすれば大丈夫です。
石垣や敷石、庭石、灯籠などのcadデータは、エクステリア会社や造園会社のホームページや、庭まわりのアイテムを集めたフリーサイトなどからダウンロードができます。