プロが教える!クローラークレーンの特徴と種類をわかりやすく解説

harbor crane 1643476 1280 - プロが教える!クローラークレーンの特徴と種類をわかりやすく解説 荷役機械 CADデータ

クローラークレーンは、大型構造物の建設現場や土木工事現場で欠かせない重機で、特に不整地や軟弱地盤でも高い安定性を発揮します。キャタピラ(履帯)による移動力と優れた操縦性が特徴で、様々なサイズや用途に応じたクレーンがあります。例えば、2.9tや4.9tの小型機から、100tを超える大型機まで、多様なタイプが揃っており、用途に合わせた選定が可能です。
このページでは、クローラークレーンの特徴と種類について解説しています。

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クローラクレーン(2.9t・4.9t・100t・120t・150t・200t)のCADデータ
このページは、クローラクレーンのCADデータがダウンロードできるサイトを紹介しています。 クローラーと原動機を備えて、不特定の場所へ自力移動して作業できる移動式クレーンのことを、クローラークレーンといいます。 吊上荷重5トン以上を大型クロー...

大型構造物の現場で活躍するクローラークレーン

風力発電の設備やプラントなどといった、大型の構造物を建設する際には、必ずと言って良いほど姿を見せるクローラークレーン。その力強さに加えて輸送性能の高さから、多くの工事現場や作業場面で見ることができます。
クローラークレーンは、キャタピラ(無限軌道式履帯)を保持しているのが見た目の大きな特徴の一つです。そのキャタピラがあらゆる地面をしっかりとキャッチするため、軟弱な地盤や整地されていない路面などであっても機動性が落ちることはありません。そのため、土木から建築、そして港湾の荷役といった場面まで幅広い活躍を見せています。
大型構造物の現場をcadで図面を起こす際には、ほぼ必ずクローラークレーンのcadデータが必要となるでしょう。また、クローラークレーンの軌跡なども使用する事で、信頼あるcad図を図面として仕上げる手助けになるはずです。

クローラークレーンのパーツ

クローラークレーンはクレーンの伸縮する首に当たる部分であるブームや、ブームの先にある荷物を吊るしたりするフックなど、それぞれのパーツで長さや質量が違います。平面図だけではなく3D-cadなどで図面を作成する場合は、ブーム段数や長さなどをチェックする事がcadを取り扱う場合には大切です。
cadデータをダウンロードするだけではなく、各パーツの特徴や種類、仕様などをチェックすると良いでしょう。また、フリー素材や無料のcadデータでは把握できない部分もあります。そういった場合は各メーカーに問い合わせするなど、より正確なcad図を作成するよう心がけましょう。

キャタピラの軌跡

軌跡図を作成する時には、キャタピラの軌跡cadが必要です。キャタピラの軌跡cadデータはトラックやバスなどの軌跡に比べると、数が非常に少ないのが実状です。
軌跡図を作成する時には、無料やフリーのcadデータだけでは賄えない部分があるかもしれません。そういった場合にも、なるべく似た軌跡をもつcadデータを探したり、場合によってはキャタピラの寸法から自作する必要もあります。
キャタピラの軌跡図を作成するのは苦労があるでしょう。しかし、信頼がおけるcad図を作成するには、軌跡にも目を配るのも大切だと言えるのです。ダウンロードでcadのデータを扱うだけではなく、自ら作り上げるオリジナルのcad図も人の目を引くものとなるはずです。

軟弱地盤や不整地でも使用できる

クローラクレーンは、履帯を巻いた台車の上に、クレーン装置を架装し、上部旋回体に原動機、巻上装置、運転室等を装備した、移動式クレーンです。
トラッククレーンと、走行方式が異なること、及び走行用原動機と、クレーンの原動機が、共用となっていることが特徴です。

下部走行体がクローラのため、走行速度は1~3km/hと極めて遅く、公道走行には適しません。

ホイール式に比べ、左右の履帯の接地面積が広く、安定性に優れているため、比較的軟弱地盤や、不整地でも使用でき、荷を吊った状態でも走行することができます。

一般的に、クローラクレーンの吊上能力が、10t~75t程度の物が、よく使われています。
大型の物では、100t~300t、さらに450t~650t吊りの超大型機種も、国内での保有数が増しており、橋梁架設工事にも使用されています。

クローラクレーンのブームは、一般にトラス形式がほとんどです。
一部小型の物では、油圧式クローラクレーンもあり、油圧式の伸縮ブームを有し、狭隘な場所で使用されます。

クローラークレーンの種類

クローラクレーンの種類は、小型と大型、超大型の3種類があります。
それぞれ、用途により使い分けます。

2.9t・4.9tのクローラークレーンなど、小型クローラクレーンは、ミニクローラークレーンとも呼ばれます。狭い道路の工事、造園工事、機械の組み立てなどに使います。
65t・70tのクローラークレーンで、大型のクローラクレーンは、荷揚げに使われることが多いです。
100t・120t・150t・200tのクローラークレーンなど、超大型のクローラクレーンは、高塔や、超高煙突の建設や解体、橋梁の架設など、大きな工事に使います。
定格重量によって、乗用型とレバー操作タイプで、採用が分かれます。大型クローラークレーンは、トラス構造ジブが一般的です。
35トン程度以下の機種では、ジブを外すだけで、トレーラーに積載して現場へ輸送することができます。

クローラクレーンは、荷揚げなどの輸送性や、PC板やALC板などのパネル製品の組み立てなどを、容易に行うことができます。

クローラー型は、ホイール型と比べると設置面が大きいので、柔らかい軟弱地盤や急勾配の場所でも作業ができます。

その場で回転もできるので、小回りが利いて使いやすいクレーンです。
キャタピラー式なので、公道を走ることはできません。

2.9t・4.9tクローラークレーン

定格荷重が2.9t・4.9tクローラークレーンは小型に分類されます。油圧伸縮式ブームのものが多く、ショベルタイプのボディー形態を利用した姿に運転席を備えている乗用タイプで、アウトリガーを備えていない種類が多いようです。ちなみに、2.9t・4.9tクローラークレーン以下のクレーンの場合は、小型の中でも特に小さな機材として分類され、運転席を備えていない場合がほとんどです。
小型に分類されている2.9t・4.9tクローラークレーンは、そのコンパクトなボディや動作性故に、主に狭い道路の工事や墓石の設置などで利用されているようです。また、2.9t・4.9tクローラークレーンは建設工事だけではなく、看板設置や荷物の搬入など、大型な建機が入れないような小さな現場や狭い場所で活用される事があります。加えて、工場や倉庫などでも使われる事がありますので、そういった場所のcad図を作成する場合は、2.9t・4.9tクローラークレーンが導入されているかをしっかりとチェックすると良いでしょう。

65t・70tクローラークレーン

定格荷重が65t・70tクローラークレーンは大型に分類されます。ちなみに、吊上荷重が5t以上のクレーンは一般的に大型と言われます。65t・70tクローラークレーンを運転する場合、移動式クレーン運転士免許の取得が必要となります。また、公道での輸送ができるサイズや質量ではないため、上部旋回体や下部フレームなどを分解しトレーラーなどに積載して移動、現場で組み立てを行います。
そのため、cadで図面を作る際には、65t・70tクローラークレーンだけを考えるのではなく、輸送トレーラーまで配慮すると良いでしょう。加えて、輸送トレーラーの軌跡などを軌跡図に表すなど、信頼度の高いcad図を作り上げる事が大切です。
また、大きなサイズの建機や機材をcad図で取り扱う場合は、小さな誤差が重なると結果的に大きな間違いへとつながっていきます。とりあえずこれで良いかという考えを捨て、一つ一つを正確に組み上げていくようにしましょう。

100t・120t・150t・200tクローラークレーン

定格荷重が100t・120t・150t・200tクローラークレーンも大型に分類されます。100t・120t・150t・200tクローラークレーンを運転する場合は65t・70tクローラークレーンと同様に、移動式クレーン運転士免許の取得が必要となります。また、100t・120t・150t・200tクローラークレーンは65t・70tクローラークレーンと同様に分解して移動、現場で組み立てを行います。
65t・70tクローラークレーンに比べると100t・120t・150t・200tクローラークレーンは、輸送トレーラーも必然的に大型化しますし、搬入場所も広く取るので、cad図や軌跡図を作成する場合には、より気を配る必要があるでしょう。また、100t・120t・150t・200tクローラークレーンは上空へ対するアプローチも他のクローラークレーンに比べて大きくなります。
100t・120t・150t・200tクローラークレーンをcadで扱う場合には、フリー素材や無料のcadをcad図にただ当てはめるだけではなく、そういったすべての部分に配慮をする事が大切です。

クローラークレーンのcadデータや平面図

クローラークレーンのcadデータや平面図は、取り扱いメーカのホームページなどで、カタログと合わせて無料でダウンロードできるようになっているものが多いです。また、建機レンタルメーカーのホームページでも、フリーの素材としてcadデータや平面図を取り扱っている場合がります。
カタログや平面図には軌跡についても記載されている場合がありますので、軌跡図を作成する際にも各メーカーからカタログなどを無料でダウンロードする事をおすすめします。

クローラークレーンには、今回紹介した2.9t・4.9tクローラークレーンや65t・70tクローラークレーンといった区分け以外にも、多種多様な種類があります。現場に導入されるクローラクレーンの詳細をよく把握し必要なcadデータを探し当て、安全で信頼のおける図面を作成する事が大切です。
特にクローラクレーンは大型案件に採用される事が多いのも事実です。一つの勘違いが大きな事故に繋がります。フリー素材やメーカー公式の無料ダウンロード素材などを十分に活用して、cad図や平面図そして軌跡図を作り上げ、現場の図面化はもとより、プレゼンテーションや提案書などで信憑性のあるcadを作り上げましょう。