一級管工事施工管理技士は、建設法に基づく特定建設業の営業所に置くことが要請される、責任の技術者や主任技術者・ 監理技術者になれます。 監理技術者であり続けるためには更新が必要になります。 二級管工事施工管理技士は、建設法に基づく特定建設業の営業所に置くことが要請される責任の技術者や 主任技術者になれます。
この記事では、管工事施工管理技士とはどのような資格なのか、管工事施工管理技士試験の内容・日程・難易度・合格率・勉強法について解説します。
管工事施工管理技士とは
管工事施工管理技士とは、冷暖房設備工事や空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、衛生設備工事などの管工事を行う際、 現場の責任者として施工計画の作成や工程管理、品質管理、安全管理などの業務を行う人のことをいいます。 管工事施工管理技士は、国土交通省が管轄する施工管理技士に分類される国家資格となっており、1級と2級の2つの区分があります。 管工事施工管理技士は、一定金額以上の管工事を請け負う場合には、1級の有資格者を現場に配置することが義務付けられています。
管工事施工管理技士は、国家資格のうちのひとつになり、一定金額以上の大規模な建設工事について常駐が義務付けられています。 仕事内容は、ガス配管や空調ダクト・給湯設備・冷暖房設備・上下水道管など、管工事において施工計画を作成して、工程管理・ 安全管理・品質管理をおこないます。 管工事施工管理技士は、公共工事への入札の際には、入札企業に所属する有資格者の人数も審査の基準とされるなど、 建設業における様々な現場で必要とされる資格となっています。
管工事施工管理技士の資格を取得すると、浄化槽設備士、給水装置主任技術者など他の資格を取得しやすいといったメリットもあります。1級管工事施工管理技士資格を取得した後であれば、実務経験を2年以上積むと「建築設備士」の受験資格が得られます。
管工事施工管理技士になるには、定められた年数の実務経験を積まなくてはならないため、管工事施工管理技士の給料は新人の技術者や資格を持っていない一般の技術者よりも高く設定されていることがほとんどです。
配管工事はさまざまな建築物に欠かせないため、手に職を付けたい方に向いています。建設の需要は今後も続くことが見込まれるため、安定した仕事が受けられる1級、2級管工事施工管理技士の取得をおすすめします。
施工管理技士資格の種類
施工管理技士の資格は、管工事施工管理技士を含めて7種類あります。それぞれの資格の概要は以下の通りです。
施工管理技士資格 | 概要 |
建築施工管理技士 | 住宅やマンション、ビル、商業施設など、建築工事の施工管理を行う技術者の資格 |
電気工事施工管理技士 | 照明・変電設備・送電設備・信号・配線など、電気工事の施工管理を行う技術者の資格 |
土木施工管理技士 | 道路・橋・トンネル・河川・ダムなど、土木工事の施工管理を行う技術者の資格 |
管工事施工管理技士 | 冷暖房設備・空調設備・上下水道設備・ガス配管など、 管工事の施工管理を行う技術者の資格 |
電気通信工事施工管理技士 | 電話・インターネット・防犯カメラ・放送設備など、 電気通信工事の施工管理を行う技術者の資 |
造園施工管理技士 | 公園・庭園・遊園地・道路緑化など、造園工事の施工管理を行う技術者の資格 |
建設機械施工管理技士 | ブルドーザー・ショベルなど、建設機械を用いる工事の施工管理を行う技術者の資格 |
当サイトでは、上記の資格・試験についても詳しく解説しています。
管工事施工管理技士の資格を取得するメリット
監理技術者・主任技術者になれる
建設工事の現場では、監理技術者または主任技術者を置くことが義務づけられています。
管工事施工管理技士1級を取得していると、監理技術者・主任技術者になれます。2級を取得している場合は主任技術者になれます。
専任の技術者になれる
管工事施工管理技士の資格を取得していると、専任の技術者になれます。
建設業の企業が営業許可を受けるためには、専任の技術者を配置する必要があります。特定建設業の専任の技術者として認められるのは、1級施工管理技士です。一般建設業では、1級または2級施工管理技士が専任の技術者として認められます。
年収アップが期待できる
管工事施工管理技士の資格を取得していると、資格手当が支給される場合があります。支給される資格手当の目安は、2級で10,000~30,000円、1級で20,000~70,000円です。資格手当は毎月支給されるため、大幅な年収アップが期待できます。
転職で有利になる
管工事施工管理技士の資格を取得しておけば、転職時に有利になります。
管工事施工管理技士を含む施工管理技士の取得者は経営事項審査において、技術職員数に加算されます。また、その際の評価点として1級施工管理技士は5点、2級施工管理技士は2点として評価されます。また、審査基準日時点において、35歳未満技術職員の人数が技術職員の人数合計の15%以上となっている場合、さらに1点加算されます。
経営事項審査とは、公共工事の入札の際に行われる企業の審査です。公共工事を受注するには、経営事項審査をクリアする必要があります。
このように、管工事施工管理技士の資格取得者を雇用することは、企業側から見てもメリットが大きいです。つまり、資格を取得しておけば、転職時に有利になります。
管工事施工管理技術検定
管工事施工管理技術検定は、一般財団法人全国建設研修センターが実施しています。
受験資格
管工事施工管理技術検定を受験するには、学歴や取得している資格ごとの実務経験が必要です。
日程
土木施工管理技術検定は、年に2回実施されています。
- 1級 第一次検定:9月
- 1級 第二次検定:12月
- 2級 第一次検定(前期):6月
- 2級 第一次検定・第二次検定、第一次検定(後期)、第二次検定:11月
試験地
1級:札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇
2級 第一次検定(前期):札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇
2級 第一次検定・第二次検定、第一次検定(後期)、第二次検定:札幌、青森、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇
受験料
- 1級 第一次検定:10,500円
- 1級 第二次検定:10,500円
- 2級 第一次検定・第二次検定:10,500円
- 2級 第一次検定:5,250円
- 2級 第二次検定:5,250円
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1級管工事施工管理技士試験の勉強方法
管工事施工管理技士の資格をとるには、勉強計画を立てることが大切です。試験の3ヶ月前が勉強開始の目安となります。3ヶ月あれば、数年度の過去問を何度も回せます。これによって知識がしっかりと記憶され、本番になってもスムーズに解答することができます。
管工事施工管理技士試験の勉強で1番大切なのは「勉強をする習慣」を身に付けることです。最初は短い時間でも良いので勉強をする習慣を付けてください。勉強することに耐性が付いてきたら、少しずつ勉強時間を増やし試験合格を目指しましょう。
第一次検定(学科試験)
管工事施工管理技士試験の抑えるべきポイントと対策は、学科は過去問題を繰り返し解いて、問題の傾向を覚えること。実地試験では経験記述が特に重要な試験項目になるため、文章力が必要になります。
おすすめのテキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。
第二次検定(実地試験)
1級管工事施工管理技士の実地試験は、試験内容がほとんど学科試験で問われるような内容となっています。穴埋め問題が多く出題され、範囲がそれなりに広いので、勉強量がものをいう試験になります。
施工経験記述対策
管工事施工管理技士試験の経験記述の試験対策は、過去に自分が行った工事から参考書やテキストの解答例をお手本に、自分で文章を組み立てて解答を事前に作成しておくことが重要です。作成する解答例も1つだけではなく、複数用意すべきです。
経験記述問題の解答例は、下記の記事でご紹介しています。
安全管理、工程管理、施工計画/経験記述の部品集/管工事施工管理技士試験
品質管理、試運転調整、現場受入れ検査/経験記述の部品集/管工事施工管理技士試験
2級管工事施工管理技士試験の勉強方法
2級管工事施工管理技士試験は、第一次検定(学科試験)と第二次検定(実地試験)があり、第一次検定は17歳以上で、受験資格が得られますが、第二次検定を受験するときは、学歴に応じた実務経験が必要です。
2級管工事施工管理技士試験は、第一次検定は前期と後期2回行われ、前期は6月ごろ、後期は11月に第二次検定と同時に行われます。2級管工事施工管理技士試験の第一次検定の内容は、四肢択一問題が52問出され、40問を選択して解答し、60%以上得点できれば第一次検定は合格です。問題は5パートに分かれ、最初の6問は必須の一般基礎問題で、次の17問は空調・衛生・給水などの設備問題で9問を選択します。次の5問が必須問題で、設備の構造などが出されます。次の14問は12問の選択で、設備計画・工程管理・安全管理・機器の施工監理などが出されます。最後の10問は法規に関する問題で、8問を選択します。
第一次検定(学科試験)
第一次検定の問題は過去問から何度か繰り返される場合がありますので、勉強法は10年分の過去問題を、問題集や解答例、参考書を使い十分に理解することをおすすめします。第一次検定で理解した内容は、第二次検定の記述問題で、活かされるため、あやふやな覚え方はせず、漢字は書きとれるように記述問題対策も行うことが、勉強のポイントです。
第一次検定の合格率は60%以上あるため、受験者が相当勉強していることが窺えます。それに対して第二次検定の合格率は40%に留まります。そのため、第二次検定でどれだけ得点できるかが、合否のポイントとなります。
第二次検定(実地試験)
第二次検定は、6問題出され、2問は必須ですが、残りの4問は選択式で2問解答します。問題1は、施工図面が出され要領図として誤りを正すか、正解を書き込むかなどの問題です。過去10年で同じ施工図はほとんど出てこないため、過去問を勉強するより、配管工事の参考書に出てくる要領図面をできるだけ多く見ることが対策となります。
問題2と3はどちらかの選択問題ですが、空調設備の施工管理と給排設備の施工管理が多く出されます。
問題4と問題5も、1つを選択する問題ですが、工程表作成が主題の問題と、法規の問題が多く出されます。
最後の問題6は、経験論文問題で、経験した管工事について、安全・品質・環境・工程などの留意点を論文型式でまとめる問題です。日頃やっている管工事に、問題意識を持ち、留意点や改善点を整理することで、対策がまとめられます。
施工経験記述対策
施工経験記述の対策は、過去に自分が経験した工事を選び、施工管理項目ごとに、事前に十分な準備をして、解答文を作成しておく必要があります。
2級の経験記述問題の出題は、「工程管理と安全管理」、「工程管理と品質管理」、「品質管理と安全管理」が、順番に出題されています。
- 平成26年度:「品質管理と安全管理」
- 平成27年度:「工程管理と品質管理」
- 平成28年度:「品質管理と安全管理」
- 平成29年度:「工程管理と品質管理」
- 平成30年度:「工程管理と安全管理」
- 令和01年度:「工程管理と品質管理」
- 令和02年度:「品質管理と安全管理」
経験記述問題の解答例は、下記の記事でご紹介しています。
安全管理、工程管理、施工計画/経験記述の部品集/管工事施工管理技士試験
品質管理、試運転調整、現場受入れ検査/経験記述の部品集/管工事施工管理技士試験
管工事施工管理技士試験勉強におすすめ!「過去問と解答例」
管工事施工管理技士の人手不足は、各建設会社の人材争奪戦も引き起こしています。特に関東の建設現場ではその需要が増大しており、給与も顕著に高騰しています。そのため資格保有者および実務経験のある場合は、転職しても仕事が見つかりやすいといったメリットもあります。
管工事施工管理技士は、他の施工管理技士の資格と同じように現場に技術者を置くことを法律で課しています。そのため、管工事施工管理技士がいない場合、会社は工事の受注に制限がかかることになります。管工事施工管理技士試験の合格には、「過去問と解答例」の活用をおすすめします。
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