このページでは、リップ溝形鋼・Cチャンネル・等辺山形鋼のCADデータを紹介しています。
形鋼は一定の断面形状に成形された鋼材で、構造用として土木・建築や機械製品に使われます。
Cチャンネル、アングル、C型鋼、I型鋼、溝形鋼、リップ溝形鋼、溶接記号のCADデータが、ダウンロードできます。
また記事の後半では、リップ溝形鋼CAD活用のための鋼材の基礎知識、チャンネルとアングルの特徴、特徴を活かした使用方法、について説明していきます。
まずは、ダウンロードサイトのリンク集から、チャンネル・アングル・リップ溝形鋼のCADデータをチェックしてみましょう。お探しのデータが見つかるかもしれません。
CチャンネルのCADデータ
Cチャンネル CADデータについて、日鉄日新製鋼、MISCELLANEOUS、東京設計センター、チャンネル cad-data.com、チャンネル 図面 Google、などのサイトで、使い勝手が良いデータがあります。
皆がよく利用しているサイトです。これらのサイトをお勧めします。
日鉄日新製鋼
日鉄日新製鋼
ステンレス形鋼のチャンネルの寸法表・形状図があります。
MISCELLANEOUS
MISCELLANEOUS
リップ溝形鋼、C鋼などの、図面データがダウンロードできます。掲載データはすべてjwsデータです。鋼材のほか、ボルト、ネジ、カウンタチェア、自動車など、多くの素材が掲載されています。検索ボックスからキーワード検索も可能です。
東京設計センター
東京設計センター
溝形鋼、C鋼、アングルなどの、図面データがダウンロードできます。拡張子dxf、dwg、jwcから選択してダウンロードできます。その他、H形鋼、I形鋼、山形鋼、平鋼、Z形鋼など、多数の鋼材データが掲載されています。JIS記号も併記されています。
チャンネル cad-data.com
チャンネル cad-data.com
チャンネルのフリーCADデータがあります。チャンネルの拡張子はicsです。他にも2D、3DのCADデータが多数掲載されています。サイズ表なども掲載されています。拡張子ごとのデータ表示や、タグでの絞り込みも可能です。検索から多数のアイテムを表示できます。
チャンネル 図面 Google
チャンネル 図面 Google
チャンネルの図面、写真、イラストを見ることができます。検索から多数のアイテムを表示できます。様々なチャンネルデータが表示できます。チャンネルは鋼材やその他の材質の工作材料で断面が「コ」の字型のものを指します。
アングルのCADデータ
アングルのCADデータについては、タイセイ、サンユー、創建、などのサイトで、人気のデータがダウンロードできます。
ご要望のデータが簡単に探せますよ。
タイセイ
タイセイ
アルミアングルのCADデータが、ダウンロードできます。CADデータは、Windows向けデータで、拡張子DXF、DWG形式でダウンロードできます。DXFデータは圧縮されていますので、解凍が必要です。T型、TA型、TO型、TF型、VP型が掲載されています。
サンユー
サンユー
アングルピース、チャンネルフリークリップなどの、CADデータがダウンロードできます。データはdxf、jww、pdfが掲載されています。一部、PDFデータが無いものもあります。クリップガード、ジョイントなどのデータも掲載されています。
創建
創建
ステンレスアングルなどの、CADデータがダウンロードできます。自社商品ステンアングルのデータが公開されています。拡張子はdxfです。
グラウト
グラウト
等辺山形鋼や等辺山形鋼SUSなどといったデータがダウンロードできます。サイズごとに細かく分類されており、2Dcadと3Dcadが用意されています。ファイル形式は2DがDXF、3DがSTEPおよびX_Tとなります。
CADデータフリーダウンロード
CADデータフリーダウンロード
不等辺山形鋼(L型アングル)や等辺山形鋼(L型アングル)のCADデータがダウンロードできます。その他のCADデータも取り扱っており、全て無料でダウンロードが可能です。
溝形鋼・リップ溝形鋼のCADデータ
溝形鋼・リップ溝形鋼のCADデータでは、ドラフティングの希望舎、東京設計センター、鐵道CAD製作所、近畿図面サービス、テクノライズなどのサイトで、多くの種類のデータがあります。
要望に合わせて自由にお好きなデータが選択できます。
ドラフティングの希望舎
ドラフティングの希望舎
等辺山形鋼、不等辺山形鋼、みぞ形鋼、I形鋼、H形鋼、軽みぞ形鋼、リップみぞ形鋼、軽Z形鋼、リップZ形鋼、軽山形鋼、ハット形鋼、正方形鋼管、矩形鋼管などの、CADデータが、ダウンロードできます。設計事例も掲載されています。
鐵道CAD製作所
鐵道CAD製作所
鋼材関係のCADデータがダウンロードできます。H形鋼・I形鋼・みぞ形鋼・リップZ形鋼・リップ溝形鋼・角形鋼管(正方形)・角形鋼管(長方形)・軽Z形鋼・軽溝形鋼・軽山形鋼・等辺山形鋼・不等辺山形鋼などが掲載されています。 鉄道関係のCADデータなどもあります。
近畿図面サービス
近畿図面サービス
形鋼などの、図面データがダウンロードできます。ダウンロード形式はdxfです。C形鋼、I形鋼、H形鋼、山形鋼が掲載されています。その他、工具類、人体モデル、油圧記号、ケアマーク、ピクトグラム等のデータもダウンロードできます。
テクノライズ
テクノライズ
形鋼などの、規格寸法図集があります。CADデータへのリンク先からダウンロードできます。ダウンロード形式はdxfとstpです。等辺山形鋼、不等辺山形鋼、不等辺不等厚山形鋼、I形鋼、H形鋼等が掲載されています。その他、止め輪、ボルト、ナット等のデータもあります。
UMPA
UMPA
鋼材のDXFデータがダウンロードできます。軽量形鋼(リップ溝形鋼)がフリーでダウンロード可能です。また、さまざまな鋼材を取り扱っており、全て無料でダウンロードすることができます。
溶接記号のCADデータ
溶接記号 CADデータについては、m-sudo’s Room、日本溶接協会、などのサイトで、人気のデータが参考になります。
まずは色々試してみるのがいいものを見つける近道です。
m-sudo’s Room
m-sudo’s Room
溶接記号のCADデータが、フリーで利用できます。DXF形式のデータをZIP圧縮ファイルでダウンロードして利用できます。その他、jwwの操作マニュアルや設計計算、仕様計算例など、機械設計についての情報がまとめられています。
日本溶接協会
日本溶接協会
溶接記号作成支援ツールページです。 溶接グループ、溶接形状を選択して、基線からの矢の引き出し方向、溶接する側、開先寸法、表面仕上げ、補助記号並びに補足的な指示のデータを入力し、DXF保存することでCADデータとして利用することができます。
岩田製作所
岩田製作所
産業用ロボットや食品機械などといった一般産業機械などの開発および製造・販売を取り扱う会社です。サイト内で溶接記号の一覧を公表しています。このほかにも、取り扱っている製品のCADデータがダウンロードできます。
やさしい実践 機械設計講座
やさしい実践 機械設計講座
機械設計に役立つさまざまな情報が提供されているサイトです。このうち、溶接記号に対するコーナーでデータが提供されています。記号以外にもいろいろと役に立つ情報があります。
MONOWEB
MONOWEB
機械設計エンジニア向けのサイトです。サイト内では溶接記号のデータの取り扱い方法のほかに、CADデータなどについても分かりやすく解説しています。
山形鋼(アングル)の特徴と応用
山形鋼(アングル)は、その多岐にわたる用途と高い需要から、現代の建設、機械、船舶産業において不可欠な存在です。等辺山形鋼、不等辺山形鋼、小型山形鋼といったバリエーションに加え、軽量形鋼や歴史的に使われた球山形鋼など、その形状や特性に応じて選定することで、より効率的かつ安全な構造物の建設・製造が可能となります。
山形鋼の基本概要
山形鋼、一般にはアングルまたはL字鋼と呼ばれるこの鋼材は、その名の通りL字型の断面を持つ形鋼です。L字型の形状により、その二辺の長さが等しい場合には「等辺山形鋼」、異なる場合には「不等辺山形鋼」と呼ばれています。また、比較的小型の山形鋼、すなわち40ミリ以下の辺の長さを持つものは「小型山形鋼」として区別されることがあります。
山形鋼の需要と利用例
山形鋼は、その強度と耐久性から多岐にわたる分野で利用されており、建設業や機械工業、さらに船舶製造に至るまで幅広い用途があります。その需要はH形鋼に次いで大きく、特に建設現場では柱や梁、フレーム構造の補強材などとして頻繁に使用されることが多いです。
軽量形鋼としての軽山形鋼
軽量形鋼の一種として、「軽山形鋼」が存在します。これは一般の山形鋼よりも薄く軽量化されているため、特定の条件下での使い勝手が良く、コスト削減や施工の容易さを求められるシーンで重宝されています。
具体的な寸法表示
山形鋼の具体的な寸法は「L-50×50×6」のように表記されます。ここで「L-50(A寸法)×50(B寸法)×6(t寸法)」は、それぞれの辺の長さと厚みを示しており、利用する現場や目的に応じて最適なサイズを選定することが可能です。
球山形鋼とその歴史的利用
興味深いことに、山形鋼の一種として、L字型の上端に丸みを持たせた「球山形鋼(きゅうやまがたこう)」がかつて存在していました。この鋼材は主に船舶に用いられ、昭和初期には鉄道の台車にも利用されました。強度と形状の特性を生かし、特殊なニーズに応えるために開発されたものです。
溝形鋼(チャンネル)について
溝形鋼は、断面が「コ」形の特殊な形状を持つ鋼材の一種で、一般的には「チャンネル」と呼ばれています。このタイプの鋼材は、構造物の強度や耐久性を高めるために広く利用されており、多岐にわたる用途があります。
溝形鋼(チャンネル)の特徴
溝形鋼とは、その名の通り「コ」形の断面を持つ棒状の鋼材です。特長的な形状により、荷重を効率的に分散させることができます。また、軽量な設計が可能なので、自重を抑えつつも高い強度を持つ構造を実現できます。**関連KW: 溝形鋼(チャンネル)**
代表的な規格の表記方法
溝形鋼の規格は、「C-100(B寸法)×50(A寸法)×5(t1寸法)×7.5(t2寸法)」のように具体的な寸法で表記されます。それぞれの寸法が示す内容は以下の通りです。
B寸法 : 高さ
A寸法 : フランジ幅
t1寸法 : ウェブの厚さ
t2寸法 : フランジの傾斜や厚さ
これにより、製品の詳細な特性を把握することができ、設計や施工において必要な強度や寸法を確保するための目安となります。
軽量形鋼としてのリップ溝形鋼と軽溝形鋼
軽量形鋼には、リップ溝形鋼と軽溝形鋼というバリエーションがあります。これらは、特定の用途に応じて設計されており、通常の溝形鋼よりも軽量で、取り扱いやすさが特徴です。
リップ溝形鋼
リップ溝形鋼は、断面が「C」形に近く、一般的に「シーチャンネル」とも呼ばれます。この形状により、軽量化が図られている一方で、要求される強度や剛性を維持しています。また、その形状から、建築現場や製造現場において簡単に取り扱うことができ、コスト削減にも寄与します。
軽溝形鋼
一方、軽溝形鋼は、その名の通り軽量さを主眼に置いた設計がなされています。これにより、輸送コストの低減や施工の容易さが強調されます。さらに、特定の条件下での使用においては、カスタマイズされた寸法や強度を提供することが可能です。
用途と利点
溝形鋼は、多くの建築物やインフラに採用されています。特に、橋梁や建築物の骨組み、さらには大型構造物の補強部材として使用されることが多いです。また、工業用機械や設備のフレームにも一般的に採用されています。
溝形鋼(チャンネル)は、その特異な形状と高い機能性から、建築や工業において幅広い用途があります。一口に溝形鋼といっても、リップ溝形鋼や軽溝形鋼といったバリエーションが存在し、それぞれの用途や要求される性能に応じて選ばれることが多いです。総じて、溝形鋼は強度、耐久性、経済性を兼ね備えた多機能な鋼材と言えるでしょう。
構造的利点
溝形鋼の最も重要な利点は、その構造的な強度です。「コ」形の断面は荷重を効率的に分散させるため、曲げや引張りに対して優れた抵抗力を発揮します。そのため、重量物を支えるための主要な部材として使用されることが多いです。
経済的利点
さらに、溝形鋼はその形状から製造コストが低く、経済的な利点も持つことから、予算に制約のあるプロジェクトにも適しています。また、軽量形鋼であるリップ溝形鋼や軽溝形鋼は、輸送費や取り扱いにかかるコストをさらに削減できるため、多様なプロジェクトでの採用が進んでいます。
リップ溝形鋼(リップドチャンネル、C形鋼)
リップ溝形鋼(リップドチャンネル、C形鋼)は、その独特な断面形状が特徴的な鋼材です。この形状は、アルファベットのCを四角くつぶしたような外観を持ち、溝形鋼の開口部を内側に少し折り込むことで達成されます。この設計により、リップ溝形鋼は優れた強度と安定性を備えており、特に軽量鉄骨の分野で頻繁に使用されます。
リップ溝形鋼は、その板厚が薄い特徴を持つため、軽量でありながらも高い強度を誇る建築材料です。この特性により、リップ溝形鋼は建物の骨組みやフレームに適しており、特に住宅や商業施設の建設で広く採用されています。また、その形状により荷重分散が効果的に行われるため、大きな構造物にも対応可能です。
リップ溝形鋼は、加工性に優れており、現場での切断や溶接が容易です。これにより、施工効率が向上し、工期の短縮とコスト削減が実現されます。このようなメリットから、リップ溝形鋼は耐震性や耐風性が求められる現代建築において欠かせない存在と言えます。
リップ溝形鋼(リップドチャンネル、C形鋼)は、その特異な形状と優れた性能により、多くの建築プロジェクトで採用される重要な素材です。軽量でありながら高強度、加工性の高さなど多くの利点を持つため、現代の建築技術において不可欠な役割を果たしています。これらの特性を理解し、適切に活用することで、より安全で効率的な建築物の構築が可能となるでしょう。
リップ溝形鋼CAD活用のための鋼材の基礎知識
様々な鋼材CAD
鋼材にはH形鋼・リップ溝形鋼(Cチャンネル)などの形鋼、鋼管、鋼矢板、ボルトなど様々な種類があります。
これら鋼材は種類ごとにサイズ規格が決まっており、自分で作成するのは非常に手間がかかります。
様々なサイトでCADがダウンロードできますので、ぜひ活用しましょう。
ここではそれぞれの鋼材の特徴について説明をします。
鋼材CAD活用のための形鋼の基礎知識
形鋼には、鋼片を約1000℃に加熱して圧延加工を行う熱間圧延加工で製造される一般形鋼と板厚の薄い鋼材を冷間で折り曲げて加工する冷間加工成形で製造される軽量形鋼の2種類があります。
①一般形鋼
一般形鋼にはH形鋼、I形鋼、T形鋼、等辺山形鋼(アングル)、不等辺山形鋼、みぞ形鋼(チャンネル)、平鋼(フラットバー)などの種類があります。
これらの形鋼はサイズの規格が決まっており、部材の高さ、幅、板厚等がそれぞれ規定されています。
長さは6~13mが標準的な長さで、これを超える場合には継手を設けます。
H形鋼は建築分野では最もよく使用される鋼材で、鋼材重量に対する断面性能の効率がよいことから、梁や柱などによく使用されます。
また、近年では梁せいが一定で幅と板厚が異なる外法一定H形鋼というものがあります。
最大梁せい1000mm、最大梁幅400mmの中から適切な断面形状を選択することができ、梁などでよく使用されます。
一般形鋼の材質には一般的に使用されるSS材(一般構造用圧延鋼材)、溶接性に優れたSM材(溶接構造用圧延鋼材)、地震時のエネルギー吸収性能に優れたSN材(建築構造用圧延鋼材)などがあります。
SM材やSN材は炭素の含有量や不純物であるイオウやリンの含有量を制限することで溶接性を高めたり、エネルギー吸収性能を高めています。
エネルギー吸収性能はシャルピー衝撃試験という試験方法で性能を規定しています。
②軽量形鋼
軽量形鋼は厚さ1.6mm、2.3mm、3.2mm、4.5mmの薄板を折り曲げて製造する形鋼で、リップ溝形鋼(Cチャンネル)、Z形鋼、軽量山形鋼、ハット形鋼などの種類があります。
一般形鋼と同様に、部材の高さ、幅、板厚等がそれぞれ規定されています。
リップ溝形鋼は一般的にはCチャンネルと呼称され、一般建築物では胴縁や母屋、床の根太などの二次部材としてよく使用されます。
近年では、軽量で施工しやすいことから、比較的小規模な建築物の柱、梁にリップ溝形鋼を使用したプレハブ建築でもよく使用されます。
柱や梁などの主要構造部として使用する場合には、そのままだと断面性能が低いため、2つのリップ溝形鋼を抱き合わせにして使用します。
また、耐震要素としては、ターンバックルブレースや合板が使用されます。
軽量形鋼は板厚が薄いため、一般形鋼のように溶接をすると材料が溶けてしまいます。
そこで、一般的にはボルトやドリルビスなどで接合されます。
ドリルビスでも孔が空けられるため、屋根材や外壁材を直接ビスで留めることができ、屋根や外壁の施工性に優れています。
また、軽量形鋼の材質はJIS G 3350に規定されるSSC400という、SS400と比較して伸び性能に優れた材料が使用されることが多いです。
H形鋼などの一般形鋼やCチャンネルなどの軽量形鋼は様々な種類や形状があり、これらのCADデータを予め容易しておくことで、作図が効率よく行えます。
鋼材CAD活用のための鋼管の基礎知識
鋼管は形状により丸形の円形鋼管と四角形の角形鋼管があります。
その中でもさらに、製造方法により様々な種類の鋼管があります。
①円形鋼管
円形鋼管は、大きく溶接の有無により継目無鋼管と溶接鋼管に分類されます。
継目無鋼管は、熱間仕上継目無鋼管と冷間仕上継目無鋼管に分類されます。
継目無鋼管はビレットと呼ばれる円柱体を削孔して中空管とします。
熱間で製造された鋼管をさらに冷間で仕上げたものが冷間仕上継目無鋼管です。
溶接鋼管は、鍛接鋼管、電気抵抗溶接管(電縫鋼管)、アーク溶接鋼管の3種類に分類されます。
鍛接鋼管は加熱した鋼板を円形にし、その両端を高温で突き合わせる鍛接にて製造します。
電縫鋼管は常温の鋼板を円形にし、電気抵抗溶接にて溶接接合し製造します。
アーク溶接鋼管にはUOE鋼管とスパイラル鋼管があります。
UOE鋼管はUの字、Oの字にプレス成形した厚板をアーク溶接した後、内側からエキスパンダーで拡張し製造します。
スパイラル鋼管は鋼板をスパイラル状に成形しながらアーク溶接して製造します。
建築では建物の柱、トラス、杭、ガス管、水道管などに使用されます。
また、円形鋼管の内部に座屈防止のためのコンクリートを充填したCFT柱も高層建築物では使用されることがあります。
②角形鋼管
角形鋼管は建築分野では常温で加工した冷間成形鋼管が一般的に使用されます。
冷間成形鋼管は製造方法によりロール成形鋼管とプレス成形鋼管の2種類があります。
ロール成形鋼管は鋼板をロールにより円形に成形し、4方向からサイジングして製造します。
プレス成形鋼管はプレス成形により鋼板を角型または一対のコの字型に成形し溶接して製造します。
冷間成形鋼管は常温で折り曲げ加工して製造するためコーナー部が塑性化しています。
そのため設計では地震力を割り増したり、柱の耐力を低減するなどの考慮が必要となります。
冷間成形鋼管はブレースを配置したくないオフィスビルや商業ビルなどのラーメン構造の建築物の柱としてよく使用されます。
角型鋼管はコーナー部の曲率も規定されています。フリーでCADデータを入手可能なサイトがいろいろとあります。
ご自身がよく使用される鋼材をぜひダウンロードしましょう。
鋼材CAD活用のための鋼矢板の基礎知識
鋼矢板は建築物の基礎工事用山留め材や埋設管の敷設の際の掘削用土留として使用されます。
切梁や腹起しなどを使用する山留めでは掘削空間内にH形鋼があるため、基礎の構築や埋設管の敷設に支障があることがあります。
鋼矢板を地中深くまで差し込むことで、山留め壁を自立させることが可能となります。
また、鋼矢板は400~600mmおきにある継手をかしめて壁を形成するため、地下水への対応も可能です。
地盤への施工はバイブロハンマーなどを使用すれば低振動、低騒音での施工も可能となります。
鋼矢板の形状は、U形、直線形、Z形、H形、ハット形の5種類があります。
また、強度は高いものから順にSYW430(降伏点強度430N/mm2、引張強度510N/mm2以上)、SYW390(降伏点強度390N/mm2、引張強度490N/mm2以上)、SYW295(降伏点強度295N/mm2、引張強度450N/mm2以上)の3種類があります。
鋼矢板は形状が複雑なため、作図にはとても手間がかかります。
そこで、メーカーサイトなどからCADを入手し、作図作業の省力化にぜひ活用しましょう。