ユニック車やトラッククレーンのCADデータをダウンロードしたい、どんなタイプのCADデータ・図面がいいのかわからない、といったお悩みを解消します。
建設現場の設計図を書くにはユニック車やトラッククレーン、クレーン付きトラックのCADデータ・図面・軌跡図・寸法・性能表が欠かせません。
今回は、探しにくいユニック車やトラッククレーンのCADデータ・図面が無料ダウンロードできるサイトをまとめました。
また、メーカー別の特徴や大きさ、機能の差なども併せてご紹介します。
まずは、ユニック車とトラッククレーンの違いについてご説明していきましょう。
ユニック車やトラッククレーンは、現場までの資材の運搬、高所に持ち上げる作業などに使われます。
ユニック車とは、古河ユニック株式会社の登録商標ですが、トラッククレーンとは、タダノなどメーカーに限らずクレーン付きのトラックの総称です。
しかし、最近ではクレーン付きトラックをまとめて「ユニック車」や「移動式クレーン」と呼ぶことも多いです。
種類としては、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車、4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンなどがあります。
この記事の後半では、ユニック車やトラッククレーンのCADデータを探すときの問題点、効率よくCADデータを探すテクニックなどについて説明していきます。
まずはダウンロードサイトのリンク集から、ユニック車とトラッククレーンのCADデータをチェックしてみましょう。
お探しのCADデータが見つかれば、設計図書や計画書に作成に役立つはずです。
ユニック車とトラッククレーン 2Dcadデータ
レント
レント
産業車両・一般乗用車・産業用機械器具・建設用機械器具の総合レンタル会社です。ユニック車・トラッククレーン、カニクレーン・ミニクレーン、タワークレーン・オールテレーン、油圧ショベル、ブルドーザーなどの規格寸法図、仕様書、性能表、カタログがフリーであります。
みのり運輸
みのり運輸
建設資材などを輸送している会社であり、所有している車両の情報を公開しています。ユニック車・タダノなどのトラッククレーンなどの規格寸法図や仕様書、軌跡図、カタログなどがフリーで掲載されています。2t・3t・4t・7t・10t・15tのユニック車、2t箱車などの、様々な車両が揃っています。
PIXTA
PIXTA
フリー素材サイトで、商用の利用が可能です。フリー素材が定期更新で追加されます。写真、イラスト、動画、ホームページやSNS、ブログなどの構築に必要なものが無料で入手できます。写真、動画のほかに、フリー音源でBGMや効果音、歌や音声などもあります。クレーン付きトラックももちろんあります。
ユニック車 図面cadデータ Google
ユニック車 図面cadデータ Google
ユニック車・トラッククレーン、移動式クレーンの軌跡図や寸法などのCADデータが、多数紹介されています。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車、4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンもあります。タダノも古河ユニックもあります。
市販のトラックにクレーンを架装させたトラックのことをトラッククレーンといいます。トラックシャシと運転席、クレーンブームおよび制御部、荷台を持つものと、シャシと運転席、クレーンブーム・運転台および旋回部を持ち荷台を持たないものに分類されます。
ユニック車とトラッククレーン 3Dcadデータ
3D CAD BROWSER
3D CAD BROWSER
無料のアカウントを登録することで、クレーン付きトラックなど、非自由3Dモデル以外の3Dモデルをすべてダウンロードできます。アップロードした3Dモデルごとに、他のユーザーが3Dモデルをダウンロードすることができます。3Dモデルは、カテゴリ別に分けられて見やすく、目的の3Dモデルを見つけやすくなっています。
3D Warehouse
3D Warehouse
無償の3DモデリングソフトであるSketchUpへ、直接3Dモデルを取り込むことができます。3Dモデルの個別ページでは、無料で3Dモデルを回転させたり、拡大・縮小して表示できます。3Dモデルは、建築家やインテリアデザイナーがアップロードしているもの、企業自体からのものも数多くあります。
cgtrader
cgtrader
ゲームなどで使用できるクレーン付きトラックなどの3Dモデルが、680,000種類以上用意されている3Dモデルマーケットプレイスです。掲載されている3Dモデルは、ダウンロードが有料の3Dモデルと無料の3Dモデルがあります。Autodesk3dsmaxやMayaなどの、ソフトウェアで使用できるアニメーション3Dモデルを購入することができます。
データが見つからなかった方は、リンク集のまとめサイトから見つけてください。
次のサイトでは、ユニック車・トラッククレーンのCADデータのリンク集をまとめて紹介しています。
ユニック車・トラッククレーン、CADデータのまとめサイト
建築現場や解体作業で活躍するユニック車やトラッククレーン
一般的なトラックの荷台部分にクレーンが設置されているトラックを、「ユニック車」や「トラッククレーン」などと呼びます。資材を搬入する時や解体現場などで発生した廃棄物をブームの先にあるクレーンで持ち上げて、トラック部分に積み込みなどを行う作業車です。
いろいろな現場で見かけることができる建機のため、作業場や工事現場はもちろんの事、倉庫や商品の搬入などの現場をcadで図面作成する時には、取り扱う事が多いはずです。
ユニック車やトラッククレーンは多様な名称で呼ばれる
ユニック車やトラッククレーンと呼ばれる、クレーンが備わっている建機ですが、その呼び方は多岐に渡っています。
よく言われる「ユニック車」という呼び名の基は、「古河ユニック」が取り扱っている登録商標である「ユニッククレーン」からです。この「ユニッククレーン」という呼び名が通称となり、やがて一般的になって「ユニック車」と呼ばれるようになりました。
そのため、他のメーカーでは「クレーン付きトラック」や「トラッククレーン」、「移動式クレーン」と呼ばれる事が多いようです。「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」も、基本的には「ユニック車」と同様に扱って良い場合がほとんどです。
移動式クレーンなどをcadで取り扱う場合
cadで図面や軌跡図を作成する場合、cadデータをダウンロードして使う場合が多いはずです。簡易的に図面をcadで作成するのであれば、車体の大きさなどに注意した上で「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」という区分けを気にせず、どのcadデータを使ってもあまり大差はないでしょう。
しかしながら、より正確な図面をcadで作成する場合は、「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」などそれぞれのcadデータを用意するべきです。
「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」それぞれのcadデータは、各メーカーサイトでフリーダウンロードが可能となっている場合がほとんどです。また、メーカーサイトでcadデータが存在しない場合でも、フリーダウンロードサイトとしてcadデータを無料で開放しているホームページが存在していますので、そちらで入手する事ができるでしょう。
一方で、メーカーサイトでもフリーのcadデータがダウンロードできず、また、無料cadデータを取り扱っているサイトでもcadデータが存在しない場合もあります。そういった場合は、公式サイトなどから無料でダウンロードできる性能表や寸法が表記されているカタログをダウンロードすると良いでしょう。
ダウンロードしたカタログに記載されている寸法や性能表を基にcadデータを作成し、作業場の図面や軌跡図に当て込むようにしましょう。
ユニック車やトラッククレーンの種類について
「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」は、一般的には積み込める最大積載量によって区分されます。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車や4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンといったそれぞれの区分を知っておきましょう。
小型トラッククレーン
4t未満の「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」は小型車に属します。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車のうち、2tと3tは小型ですがそれ以上は小型に含まれません。
中型トラッククレーン
4t以上10t未満の「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」は中型車に属します。ただし、8t未満としているメーカーもあります。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車のうち、4t・6t・7t・8tまでが中型です。また、4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーンも中型に属します。
大型トラッククレーン
10t以上の「ユニック車」、「クレーン付きトラック」、「トラッククレーン」、「移動式クレーン」が大型車です。大型のクレーン車に備わっているアウトトリガーは足底が四角いという特徴がありいます。これは、より安定感のある作りとなっているためです。8t以上を大型車として取り扱うメーカーも存在します。
移動式クレーンなど、現場によっての呼び方に注意しよう
通常、ユニック車などを区分けで呼ぶ場合は、最大積載量の重さで表します。しかし、現場や環境によっては、吊りの最大荷重をもって区分けしている場合もあるようです。
そのため、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車や4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンと言われて、最大積載量だと思いcadデータを用意したら、実際は最大荷重だったというトラブルもあるようです。
cad図を作成する場合には、cadデータをダウンロードする前に、現場などと性能表や寸法を用いて詳細に打ち合わせをしておくと良いでしょう。
2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車や4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンといった車種だけでcadデータをダウンロードしてしまって、後から図面や軌跡図が間違いだったと気がついた場合、先方との信頼関係を失いかねない事態に発展する場合もあります。より正確な図面や軌跡図をcadで作成するのであれば、図を作成する前に曖昧な要素を取り除くようにしておきましょう。
一方で、図面や軌跡図をcad図で作成して現場環境などを確認した事により、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車や4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンの認識が、全体で共有されていなかった事に気がつく場合もあります。性能表や寸法だけでは見えてこない部分などを、図面や軌跡図などをcad図で作り上げたからこそ発見できるのです。cad図は、現場の安全や安心を守っている一つのツールだという事を認識しておくと良いでしょう。
ユニック車やトラッククレーンのブームの注意点
4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンといった積載量などを気にするがあまり、平面のcadを作成している時に見落としがちなのがブーム長です。クレーン車のアーム部分とも言えるブームは、上空へ張り出している長さが重要なポイントとなります。
ブームを考える時には、旋回している時の円周や、上空にある送電線への影響を加味しなければなりません。平面で捉えているcadであったとしても、ブームの円周の長さに気をつけなければ、周辺機材や構造物への接触を考慮できなくなります。また、送電線などの配置を配慮していないcad図は、安全性と信ぴょう性に疑問符がついてしまいます。
ブームの長さは、クレーン車の最大荷重などで異なります。メーカーサイトに無料のフリーカタログには性能表が記載されいて、ブームの寸法も記載されているものがほとんどです。
無料cadデータやフリー素材に表されているブームの長さは、まれに適当に表現されている場合があります。無料のcadデータをフリーサイトなどからダウンロードして使う場合も、ブームの長さに注意を払うために、性能表で寸法を確認する癖を付けておきましょう。
移動式クレーンの無料cadデータを上手に活用しよう
トラッククレーンやユニック車のcadデータはメーカーサイトだけではなく、無料cadデータを提供しているホームページなどにも数多く存在します。それは、トラッククレーンやユニック車の活躍の幅が多彩だからこそです。
確かに、適当な寸法で作られたものや、ユニック車と言いつつも実はトラッククレーンであるといったデータも存在します。しかしながらフリーのcadデータは、上手に活用すればそれだけ作業効率が上がります。メーカーサイトにあるcadデータや性能表などはもちろんの事、無料データを掲載しているホームページのcadデータを活用して、より良いcad図を作り上げるようにしましょう。
ユニック車やトラッククレーン、クレーン付きトラック、移動式クレーンを安全に扱うポイント
プライベートでトラック積載形のクレーンを使用する場合は、クレーンを安全に扱うポイントを押さえる必要があります。私有地での使用のみだからといって免許の取得を疎かにせず、思いもよらない事故に備えて資格の取得から始めましょう。
クレーン付きトラックの運転免許
キャビンと荷台の間にクレーン装置を設置したクレーン付きトラックの大半が吊上荷重3t未満の機種です。 ユニック車やトラッククレーン、移動式クレーンと呼ばれることもあります。ちなみにユニック車は古河ユニック株式会社の登録商標で、正式な名称ではありません。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車がありますが、吊上荷重3t未満のクレーン車であれば、「小型移動式クレーン運転技能講習」を修了すれば運転できます。ちなみにタダノの公開している性能表や仕様書を参照すると2.93tを吊上られるトラックの車両総重量は20~25tですから、4.9tトラッククレーンや5tトラッククレーン、2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車では持ち上げられないことがわかります。求めている性能によって使用するトラッククレーンが変わるので、古河ユニックやタダノに限らず公開されている無料のcadデータや寸法、性能表、図面などを確認することが大切です。
吊上荷重5t以上の大型クレーンで本格的に仕事とする場合は、国家資格である移動式クレーン運転士免許の取得をおすすめします。ただし、国家資格をクリアしなければならないので、ハードルは高めと言えるでしょう。
一方で、教習所には「移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育」もありますが、吊上荷重lt未満の移動式クレーンのみなので、少し不便かもしれません。プライベートでクレーン付きトラックを使用する方は「小型移動式クレーン運転技能講習」で十分でしょう。
こうしたクレーンの運転免許意外に、玉掛けの資格が必要です。大型の工事現場では運転者と玉掛作業者が連携して作業を行いますが、一人でトラッククレーンの操作を行う場合は玉掛けの資格がなければ、荷を吊るすことができません。
玉掛けは、玉掛け用ワイヤーなどの専用器具をつかって、ユニック車のクレーンのフックに荷をかける作業を指します。ワイヤーを掛けるだけですが、バランスの悪い荷や掛けるところが限られている荷もあるため、相応の技術が求められます。特にクレーン作業で荷が落下する事故が多いため、荷の固定には明確な規則が定められています。
玉掛けの資格は教習所で「玉掛け技能講習」もしくは「玉掛け特別教育」を受講することで取得できます。「小型移動式クレーン運転技能講習」と併せて取得しておきましょう。
クレーン付きトラックの特徴と構造をCADデータで確認する
クレーン付きトラックは、機動性が高いので現場まで楽に移動でき、小回りも聞くため狭い場所でも運用できます。林道や畑の柵づくりに必要な資材を運ぶなど、用途も幅広いので、プライベートで使用される重機の中でも人気が高い機種と言えるでしょう
トラック部分はトラッククレーン用のものではなく、その多くが市販されている車両が使用されます。その後ろに油圧式クレーン装置を設置し、エンジンの出力を油圧に変換する装置によって動かします。ユニック車のクレーンを使用する際はトラックをアイドリング状態にし、アウトリガを横に張り出します。アウトリガはトラックの安定性を補助する装置で、トラックの前後に設置された4本のアウトリガが左右に大きくせり出し、アームが地面を押す構造です。トラッククレーンで荷を吊り上げると徐々に重心や、トラックにかかる負荷が変化したとしても、アウトリガによって安定的に運用することが可能です。メーカーによっては無料でCADデータをダウンロードできるので、図面や寸法を参考にしてみてください。特に道幅が変化する林道などでは図面通りの展開ができず、性能表に記載されている数値よりも低い水準で使用するケースも考えられます。
例えば、荷が作業半径を超えてしまうとアウトリガを使用していても転倒してしまう可能性があります。具体的にいうと、作業半径が3mのクレーン付きトラックを使用した場合、3m以下の半径でブームを長く伸ばして吊っていたとしても、横に倒した際に荷の先端が作業半径の外に出てしまうと、ユニック車のクレーンのバランスが崩れてしまいます。
こうした事態を意識して作業することは難しいため、事前準備をしっかりしましょう。少なくともクレーンを購入する際に使用範囲を担当者に聞いておき、確実に使用できる範囲を決めておくと事故を未然に防ぐことができます。性能表や軌跡図、CADデータや図面から算出することもできるので綿密に想定しておくとよいでしょう。
ポイントは空車時を前提とすることです。トラックに積荷があれば、その分安定性が増すため、積荷がある状態でクレーンの稼働範囲を決めてしまうと設定した範囲で使用したのにもかかわらず転倒してしまう可能性があります。稼働範囲は性能表の範囲よりも低くなるでしょう。
また、ブームの方向も重要です。クレーン付きトラックは、後ろ側正面が最も安定して荷物を吊り上げることができます。側面の安定性もある程度高い反面、アウトリガーよりも前や特定の方向の安定性は極端に低くなってしまいます。これらの特性を理解した上で使用範囲を決定することが大切です。後方の条件、前方の条件、側面での使用条件と言った具合に、使用する方向によって条件を定めるとよいでしょう。寸法や道幅、使用条件を踏まえると軌跡図や性能表よりも使用範囲が限定される可能性がありますが、安全な運用のためには仕方ない面があります。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車で搭載できるクレーンが異なるため、実際に使用する場所の寸法を参考に、クレーンの性能表やが図面、フリーのCADデータを確認してください。
ユニック車の安全性を高めるためにCADデータを利用する
トラックの安定性やブームの方向性まで考えると、安全な使用ができる範囲を考えるのが難しいと感じるかもしれません。しかし、実際は荷重指示計や荷重計、作業範囲図などといった計器や図表によって一目でわかるようになっています。図面や軌跡図、性能表、フリーのCADデータも一役買います。
また、クレーン付きトラックの用途を考えると、吊る荷の重さが吊上荷重ギリギリになるケースは稀でしょう。たとえ吊上荷重ギリギリであったとしても、理論上は計器を確認すれば安全に作業ができます。2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tユニック車では搭載できるクレーンが異なるので、十分な性能を保有していることを確認しておきましょう。
さらに、アウトリガを正しく広げてトラッククレーンの安定性を最大化しておくことも大切です。十分な道幅がない場合を除いて、前輪が浮かないように最大張まで広げておきます。その上で、次に紹介する手順を守りつつクレーンを使用しましょう。
Step1.トラッククレーンにはアウトリガーを設置する
①動力のスイッチを入れる
最初にトラックの安定性を確保するために、ギアをパーキングに入れてハンドブレーキを引き、動かないように固定します。次に動力をユニック車のクレーンの油圧ポンプに伝えるため、クラッチを踏んでPTOのスイッチを入れます。エンジンの負荷をかけないようにするため、エアコンは必ず切っておきましょう。
②アウトリガを設置する
道幅に余裕がない、アウトリガを安定して展開できない状況でもない限り、基本的に左右とも最大限に伸長して使用します。また、安定性を最大化するために左右の長さは同じにしなければなりません。寸法を間違えないようにフリーのCADデータで確認しましょう。
③ジャッキ圧をかけて固定する
アウトリガにジャッキ圧をかけて車体を固定します。水準器を見ながら左右の高さを揃えましょう。前輪は浮かないようにし、タイヤとアウトリガーで荷重を分散するように心がけてください。
Step2.トラッククレーンのブームを伸ばす
①フックを降ろす
まずは荷を吊るためのフックを下ろします。収納場所はユニック車のクレーンによって異なりますが、近年の機種は自動収納されています。フリーのCADデータ、取扱説明書などを参考にしてフックをリリースしてください。
②警報装置を起動する
ワイヤーの過剰な巻き上げを防止する警報のスイッチを入れましょう。過剰な巻き上げはワイヤーに負荷をかけるため、ダメージが蓄積するとワイヤーの破損につながります。警報装置が鳴ったら作業を止めて、状況を確認しましょう。
③ブームを伸ばす
ブームを伸ばす際は、まずワイヤーを少しだけ出します。次にブームを伸ばし、またワイヤーを出すという工程を繰り返します。荷の重さや形状に従ってブームの長さやワイヤーを調節します。ブームを縮める場合も、ワイヤーの巻き上げと交互に行いましょう。
Step3.トラッククレーンで玉掛けをする
①荷の重心にフックを合わせる
通常、雑誌をまとめるときのように直角に掛けられた王掛け用ワイヤーの輪の部分をクレーンのフックに掛けます。フックをかける前に、フックが荷の重心に来るようにブームを移動させます。必ず直角2方向から重心を確認してください。
②玉掛けする
フックにワイヤーを掛けるときは、ワイヤーの負荷が偏らないようにしましょう。適切に負荷が分散されていないとワイヤーが破損してしまいます。また、ワイヤーが重ならないようにすることも大切です。軌跡図を頭に入れておくと事故を減らせます。
ユニック車・トラッククレーンのCADデータを探すときの問題点
可動範囲、伸びる段階、サイズに注意する
CADデータを探すときには、機器の細かな仕様を確認しましょう。
・機器の大きさ
・可動範囲
・クレーンは何段に伸びるタイプなのか
・現場に対応できるサイズか
これらは軌跡図・寸法・性能表などを参考にしましょう。
特にユニック車には2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車、4.9tトラッククレーン、5tトラッククレーンなどさまざまな大きさがあるので注意して使ってください。
CADデータを探すとき、編集するときの問題点
CADデータを探すときや編集するときには、以下のような点がネックになります。
・メーカー、大きさ、種類別の違いがわからない
・必要なCADデータが見つからない
・サイズの異なるCADデータが欲しい
・CADの種類や拡張子が違う
目的のCADを見つけるためには、必要なデータの種類を事前に調べるのが大切です。
メーカー別の大きさや種類の違いを把握してCADデータを探す
建設現場の環境を知っておくこと
建設現場の場所や建造物の大きさなど、環境によって必要な配置が変わります。
メーカーの違い、大きさの違いを把握しておくと、CADデータを見つけやすくなります。
メーカー別の製品の特徴を知っておくこと
ユニック車とトラッククレーンのメーカーの中でも、古河ユニックとタダノは特にメジャーです。
性能表を参考にすればわかりますが、古河ユニックとタダノの両メーカーの性能に大きな違いはありません。
古河ユニックは、赤いクレーンが特徴です。
ラジコンは2種類のタイプがあり、クレーン部分とフック部分を別々に操作するタイプと、一緒に操作するタイプが選べます。
タダノは、青いクレーンが特徴で、クレーン部分とフック部分を別々に操作するラジコンのみです。
4.9tトラッククレーンや、5tトラッククレーンもあります。
大きさ別、種類別の違いを知っておくこと
ユニック車やトラッククレーンは規制の緩い2~3トンのものが人気ですが、大きいものになれば積載量やクレーンの段数、荷台の大きさなども異なり、吊れる荷物の重さも変わります。
ユニック車とトラッククレーンにはいくつかの種類があります。
クレーン付きは、荷台と運転席の間にクレーンが設置されているものです。
簡易クレーンは、荷台の上にクレーンが乗っている小型タイプで、狭い現場の工事に役立ちます。
ハイジャッキは、運転席の後ろにジャッキがあり、大きい建築資材の運搬に便利です。
使用環境に合わせたものを選びましょう。
見つからなかったCADデータは、個人の共有サービスから探すこと
個人作成のCADデータを共有しているサイトなら、サイズ違いや拡張子異なるものなど、さまざまなCADデータが見つかります。
まとめ/ユニック車やトラッククレーンのCADデータのさがし方
メーカーサイトからCADデータをダウンロードすること
ユニック車やトラッククレーンのCADデータ探しに便利なメーカーサイトをご紹介します。
CADデータ共有サービスのサイトから探すこと
メーカーサイトだけでなく個人サイトのCADデータ共有サービスを利用すれば、自分で一からCADデータを作成する手間が省けます。
ダウンロードの際は意匠権に抵触しないかを確認しましょう。
CADデータを使用すれば、現場での動線がイメージできます
メーカーや種類、大きさなど、特徴を掴んだCADデータなら、現場にマッチした設計図が作成できます。
上手くユニック車やトラッククレーンのCADデータを活用して、現場での動線をイメージしましょう。
2t・3t・4t・6t・7t・8t・10tのユニック車など、CAD上では細かいようで大きな違いです。