トンネル点検車・橋梁点検車とは?点検車の重要性と特徴をプロが解説!

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トンネル点検車と橋梁点検車は、道路や鉄道などのインフラの劣化を確認するための重要な車両です。トンネル点検車は、トンネル内の施設や附属設備を点検し、劣化や異常を早期に発見します。一方、橋梁点検車は、橋梁の裏面や高所などの難しい場所までアクセスし、効率的に点検を行います。両車両ともに、定期的な点検を行うための点検計画が欠かせません。
このページでは、トンネル点検車と橋梁点検車の使用方法や注意点、点検の重要性について解説しています。

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トンネル点検車・橋梁点検車のCADデータ
橋梁点検車(ブリッジチェッカー)・トンネル点検車の2Dcadデータ、掲載サイトの紹介です。 トンネル点検車はトンネルを点検する高所作業車で、アウトリガーにタイヤがついて、作業台を上げたまま走行することができます。大型のデッキとローラージャッ...

橋梁の劣化や補修箇所などをチェックする橋梁点検車

橋梁の劣化や補修箇所などをチェックする橋梁点検車(ブリッジチェッカー)は、橋梁メンテナンス工事などのcad図作成の場面ではよく利用されるcadデータです。cadで作業状況の図面などを作成することで、現場の安全性確保や作業効率向上を見込むことができます。
橋梁点検車のcadデータは車両を扱うメーカーサイトで、フリーのダウンロードしてcadや図面が公開されているほか、千代田機電などの建機レンタル会社などでもフリーのcadデータや無料の図面を取り扱っています。
また、cadデータを無料ダウンロードできる著作権フリーのサイトも存在します。こうしたサイトなどを利用して、cad図面を作成する時に必要なcadデータをダウンロードしてcad図に当て込むと良いでしょう。
一方で、無料cadデータや著作権フリーのcad図がダウンロードできない場合もあります。こうした場合は、メーカーサイトなどから無料のカタログをダウンロードしたり、メーカーに問い合わせて無料のカタログを取り寄せるなどして、cad図を自作するようにしましょう。CADデータは変換すればエクセルにも貼り付けられるので、便利です。

カゴ付きのブームを伸ばすことで橋梁の裏面を点検できる

橋梁点検車は、車両後部に備えられたカゴ付きのブームを伸ばすことで、橋梁の裏面を点検できます。このブームは、5段階に折りたたまれており、上方向に伸ばした後にカゴの部分を橋梁の側面や裏側におろします。そのカゴに作業員が乗車し、橋梁の側壁や手すりの状態などをチェックすることができます。カゴは200kgから300kgまでの積載量を備えているのが一般的です。また、橋梁を移動しながら点検を可能とするために、車体を安定させるアウトリガにもタイヤが備わっているのも特徴の一つです。橋梁の点検などで照明なども使用するため、発電機も備えられています。
同じ点検車の仲間に「トンネル点検車」というものが存在します。ブームの先にカゴが付いていたり、アウトリガにタイヤが備わっているなど、トンネル点検車も橋梁点検車と似た作りになっています。しかし、トンネル点検車は基本的にトンネルの天井部分および側面をチェックする用途で利用されます。そのため、トンネル点検車は橋梁点検車と違い、カゴが下方向に回り込むような作りにはなっていません。
しかしながら、トンネル点検車もカゴが上昇・下降を行うことができるため、橋梁下部に車両が入り込めるような場所などの橋梁点検には利用される場合もあります。橋梁点検現場のメンテナンスに用いられる建機が、橋梁点検車かトンネル点検車かユニックゴンドラかというのを、cad図面を作成する前に把握しておき、現場の状況に適したcadデータをダウンロードして図面で扱うようにしましょう。そのあとで、作業計画書などのエクセルに使ってください。

橋梁の定期点検は適切な点検が実施できるよう点検計画を作成する

国土交通省では橋梁の定期点検を要覧としてまとめています。それによると、「定期点検は供用開始後2年以内に初回を行い,2回目以降は、5年に1回の頻度で行うことを基本とする」としています。また、「定期点検の実施にあたっては、当該橋梁の状況等に応じて適切な定期点検が実施できるよう、点検計画を作成する」との項目も設けられています。
この要覧は国土交通省によりインターネットなどで公開されています。橋梁の定期点検に携わる際には一度目を通しておき、重要事項などを把握しておく必要があるでしょう。

橋梁点検車による点検のポイント

橋梁点検車で橋梁をチェックする時には、気をつけるべきポイントがあります。基本となるチェックポイントを見逃すことなく点検するのは、構造物の安全面を確保する場合に非常に重要なポイントと言えます。
RC造の構造物の場合、経年劣化とともにひび割れが多く発生します。これは、コンクリートは打設した後に温度の降下や乾燥による収縮を原因としてひび割れを起こすためです。そのため、点検ではひび割れの量を把握するのではなく、ひび割れの原因が物理的な要因なのか気象的な要因なのか、または工事不備等による人的要因なのかなど判断をし、補修を必要とするかしないかを評価しなければなりません。
そのため点検では、ひび割れを発見した場所やひび割れの大きさなどひび割れに関する情報や、鉄筋が露出しているか、漏水などが発生しているかなどを確認します。また、過去の点検状況や点検日、補修箇所、補修日、橋梁の構造などの情報を合わせていくことで、より正確な点検を可能としています。
こうした情報を保持するためにもcad図は活用されます。橋梁の施工情報が記されているcad図などに、点検した情報を新たなcadデータとしてプロットしていく場合もあるからです。そのためcadの図面は、後々のメンテナンスに正確な情報を伝える非常に重要なツールだと言えるのです。
また、cadの図面を確認すれば、どの規模の橋梁点検車がメンテナンスに必要か一目で理解できます。メンテナンス作業現場を表すcad図面やエクセルに橋梁点検車のcadを当て込む場合も、フリー素材や無料でダウンロードできるcadが役立ちます。効率よくフリーのcadデータを取り扱うようにしましょう。

RC桁橋の点検では打音点検が重要となる

近年施工されたコンクリート橋梁はPC橋梁が多く、RC造の橋梁は竣工から30年以上を経過している場合がほとんどです。そのため、橋梁に苔や草などの汚れが付着している場合が多く、目視での点検では弊害となる場合があります。こうした状況から、RC造橋梁の点検時にはコンクリートを叩いて音をチェックする打音点検などが大切になります。
目視などによる点検では、主桁に発生したひび割れに注意が必要です。支間中央部、支間1/4部および支点部を点検します。特に、支点部から支間中央部方向へのひび割れは注意したい箇所です。
結合部や鉄筋などをコンクリートでかぶせている「かぶり」の不足を原因とした剥離や鉄筋露出、雨などの影響を受けやすい支承部や床版張出し部、中間床版に発生しているひび割れなどをチェックします。
なお、連続桁は単純桁とひび割れの形態が違うことや、ゲルバー構造時の切欠き部のチェックなど、橋梁の形状によって留意点が増えていくのも把握しておきましょう。

RC床版橋では床版桁のひび割れ位置を確認する

RC床板橋梁を点検する際には、床版桁のひび割れ位置、特に支間中央部から橋軸に直角へ向かうひび割れが多く発生します。このひび割れに対しては、漏水や遊離石灰の析出などの発生をチェックします。
床版桁端の支点部では、伸縮装置からの漏水による剥離や鉄筋の露出、浮きなどが発生していないかが重要なチェックポイントです。また、床版桁表面部分の一部分が、明らかに変色をしていたり劣化している場合は、コンクリートの状況を音などにより検査することも大切です。打継ぎ目部分のひび割れや遊離石灰発生、中空床版桁円筒型枠の舗装部分の損傷や直下のコンクリートの変色や遊離石灰発生にも留意しましょう。
なお、竣工から年数が経っている中実床版橋が幅員拡幅されている場合、既設部分と拡幅部分に縦目地が施されています。この縦目地から漏水することがあり、この漏水が影響して剥離や浮きが出現することもあります。そのため、縦目地付近の打音による検査は必須と言えるでしょう。

RCラーメン橋では主桁の打継ぎ目部のひびわれや空洞を確認する

鉄道の高架橋や道路のオーバーパスなどで見かけることが多いラーメン構造のRC橋梁は、都市部でのメンテナンス作業がほとんどです。
RCラーメン橋は主桁部分と橋脚や橋台部分が強く結合した構造の橋です。伸縮装置や落橋防止装置などを省略できるため、上部工における初期コストを抑えられるメリットがあります。また、伸縮装置の省略により伸縮継手がないため、振動が少なく走行が安定するというメリットもあります。一方で、温度変化や乾燥収縮などの二次力による影響を受けやすい側面もあります。
RCラーメン橋は支承や伸縮装置、落橋防止装置などの付属物を省略できることから、漏水や桁端の腐食もないため、点検をすることがあまりなく、維持管理に優れているのも特徴です。
点検の際には、活荷重や温度の変化などによる脚部損傷、主桁隅角部や支間中央部のひび割れ位置や方向、主桁の打継ぎ目部におけるひびわれや空洞、中間床版や張出し床版のひび割れや遊離石灰などの損傷に留意することが重要です。

トンネル点検車によるトンネル施設の維持管理

トンネルに附属されている施設のメンテナンスや維持管理は、設備や装置はもちろん、機器などの性能や機能そして特徴を把握している必要があります。また、期間を定めて定期的に点検や診断による措置や記録をする、循環型管理を行うことが大切です。
トンネル附属品は、トンネル内の安全や交通環境、その他防災や災害に備えて配備されています。こういった理由から、換気や照明などのほか、非常用施設などが設けられています。これら設備を動作させる電気設備や予備戦記装置、監視装置といった設備を点検し、故障などの修理、対応を行うのがメンテナンスになります。

トンネル点検車で確認する附属設備の設置場所

維持管理を行うトンネル附属設備は、トンネル内に作られているものとトンネル外に作られているものがあります。
トンネル内に作られているものは、ジェットファンや照明灯、ラジオアンテナやケーブルボックスなどのほか、非常電話や消火栓、消火設備、避難通路などです。こうしたトンネル内の特に上空部や側面部にある附属品については、トンネル点検車がメンテナンスに用いられます。
トンネル点検車は上空部にアクセスできるだけではなく、側面部への作業にも適用しているのが特徴です。また、トンネル点検車は照明用の電源なども備えられているので、明るさが貧弱なトンネル内においても作業を可能にしています。もちろん、トンネル点検車だけでは光量が足りない場合は、別途照明車などを用いて明かりを足します。
一方でトンネルの外にある設備には、受電設備や予備発電施設などのほか、ジェットファンなどからの換気口や遠隔操作制御施設などが存在します。
こうしたトンネル外の附属設備には、トンネル点検車のほかに、場所によって橋梁点検車も用いられます。トンネル点検車は上空及び側面への作業へ適しているものの、トンネルが橋梁部などに設置されている場合、橋梁下方向への作業には適していません。そのため、トンネル点検車が作業できない下方部へのアプローチが必要な時に、橋梁点検車が用いられるというわけです。
また、橋梁点検車は側面部も見ることができますので、橋梁点検車一台で外側の設備をメンテナンスする場合もあります。

道路トンネル定期点検要領で規定されているトンネル点検車

それでは、各附属設備の点検はどういった内容に準じて行えばよいのでしょう。
基本的には、国土交通省が示している「道路トンネル定期点検要領」・「トンネル換気設備・非常用施設点検・整備標準要領」・「電気通信施設点検基準」・「附属物(標識、照明施設等)点検要領」・「道路関係設備(機械設備)点検・整備・更新マニュアル」に加えて、各都道府県が示している道路トンネル定期点検のマニュアルや要覧などに準じて行うようにしましょう。なお、それぞれの要領は国土交通省などでフリーダウンロードが可能です。無料で手に入る大切な資料ですから、必ずダウンロードして共有して使いましょう。
しかしながら、すべての施設や設備が、無料で手に入る要覧やマニュアル通りの手順で点検が行えるわけではありません。それぞれの環境に合わせて、マニュアルを作成しておくことも大切です。

トンネル施設の維持管理の手順

トンネル附属施設の維持管理の手順は。点検、診断、処置、記録が基本です。
定められた手順により点検を行い、トンネル附属施設の異常箇所や故障箇所を見つけます。そして、その異常箇所や故障箇所が、環境が要因なのか、人的要因なのか、腐食なのか工事不手際なのかなどを診断します。
診断した結果、その設備が従来どおり正常な運転を行えるように、それぞれに適用した手法により処置を行います。そして、処置を行った内容や日付、そして手段などを記録するのです。
この点検、診断、処置、記録を繰り返すことが維持管理には大切です。
ただし、機器や設備などの一つ一つの細部まで一度に点検や診断をすることが、全て効率的だとは言えません。そこで、異常や故障が見つかった設備や機材に対して一時的に処置を行い、後ほど診断を行うといった方法も取り入れると、より効率的に維持管理を行うことが可能となります。

維持管理とトンネル点検車CADデータ

トンネル附属施設の維持管理というものは、トンネルの規模や延伸度合い、また施設の種類などで手順や方法が変わります。ただし、手順や手法が違う場合でも、日常的な点検や定期点検を決められた期間や頻度で行うことは大切です。
さらに、施設の異常やトンネル内の破損、事故などが見つかった場合は、cad図などの図面に、記録をcadデータとして残しておくことが大切です。cad図などの図面にcadデータとして破損部分の場所や日付を点検記録として残していけば、次回のメンテンナス時における評価対象となるからです。
なお、cad図にcadデータとしてメンテナンス情報を残すのであれば、その時に使用されたトンネル点検車や橋梁点検車のcadも残しておくと、のちの点検時に車両のオーダーが簡易化されます。そのためにも、トンネル点検車や橋梁点検車の無料cadやフリー素材などをcadデータとしてダウンロードしてcad図やエクセルに適用しましょう。
建機のcad図面はメーカーサイトや千代田機電などのレンタルサイトでフリーダウンロードを利用します。また、無料でcadを公開している著作権フリーのcadデータも上手に活用しましょう。

トンネル点検車のcadデータでトンネルの劣化を見極める

維持管理でcadを用いることで、トンネルの劣化を見極めることができます。それは、メンテナンス時にcad図に異常箇所などをプロットするだけではなく、その時の環境の変化や設備の納品時期などを記載すればよいのです。cad図面と一緒ににこうした情報を残すだけで、どの施設や設備がどれだけ劣化し、どんな状況にされされていたかが分かるのです。
このように、トンネル施設の維持管理を行う時には、設置した場所や環境、呼称の原因や修理状況、部品交換や補給といった、さまざまな情報をcadの図面やエクセルなどの別資料に記録して、のちのメンテナンス時の評価につなげるよにしましょう。
特に災害やトンネル内で事故が起きた場合は、cadなどのこうした情報から、迅速かつ安全で安定した対応を行うことができるでしょう。

経年劣化か災害時の被害かの判断基準

災害が起きた場合、その被害状況をチェックするのも、トンネル附属部分の維持管理につながる部分です。しかしながら、災害時だけトンネル内などをチェックしても、不具合部分が災害で起きたものなのか経年劣化など日常で起きたものなのか判断がつきません。こうした状況に陥らないためにも、日常からの定期検査が非常に重要なのです。
なお、災害などの異常事態が起こりうると考えられる場合においても、通常は定期点検などの手順に準じて事前点検を行います。また、想定していた規模以上の地震が発生した場合は、附属設備だけではなくトンネルに係る土木施設や建築物などにも注意が必要です。

トンネル付属施設の分解整備は専門分野の技術者が行う

附属施設を分解して整備する場合、対象の機器や設備により整備アプローチが異なることから、それらの機器や設備に精通した専門分野の技術者が行う必要があります。
それぞれの設備や機器の分解には、cad図面を用いて行うこともあります。cad図面であれば、細かい部品まで図面に表していますので、分解前に手順をある程度想定できるからです。また、手元にcadデータが存在しないとしても、一般で販売されているような設備を流用していれば、メーカーや千代田機電などのレンタル会社から無料でcadを提供してもらったり、ホームページ等からフリーダウンロードができる場合もあります。
もちろん、これらの設備や機器の整備を行った際にも、cad図にメンテナンス内容などをcadデータとともに記載しておくと、後ほどの分解整備時にスムーズに作業を進めることができるはずです。
また、メーカーや千代田機電などのレンタル会社からの無料cadやフリーダウンロードしたcad図に、分解整備時に計測した電子データなども記載しておくと、故障の事前予兆などを把握する時に役立ちます。また、CADデータはエクセルにも使えます。

トンネル点検車・橋梁点検車のcadをダウンロードするときの注意点

トンネル点検車・橋梁点検車の構造について、無料で公開されているフリーcadをダウンロードする時に気をかけたいのが拡張子です。公式メーカーのcadだけではなく、無料で公開されフリーダウンロードできるcadであっても、多くの場合「dwg」や「jww」といった拡張子が用いられます。

「dwg」はオートディスク社が手掛けているcadソフト「AutoCAD」の標準ファイル形式です。AutoCADはcadの定番とも言えるソフトのため、多くのユーザーを抱えています。そのため、dwg形式であれば多くの場合、ファイルのやり取りに問題がありません。こういったことから、フリーダウンロード可能な無料のcadでもdwg形式のファイルを見ることができるのです。

一方の「jww」は、Jw_cadと言われるCADソフトのファイル形式です。AutoCADは有償のソフトですが、jww形式を取り扱うJw_cadはフリーソフトです。そのためjww形式も、フリーダウンロードのcadファイルには用いられることが多い形式というわけです。

たくさんのファイル形式を扱っていると、トンネル点検車・橋梁点検車のcadデータの不具合や混雑などを招きかねません。生コン車のcadをdwg形式やjww形式のファイルでダウンロードした場合、dwg形式からjww形式へまたはjww形式からdwg形式へ変換するなどして、データの統一性を図っておくと良いでしょう。

さまざまな作業に合わせたトンネル点検車・橋梁点検車のcadデータを取得するのは大変です。Dwgやjwwなどのデータの違いもありますし、ある程度cadに精通している人でもcadデータを集めるのに苦戦します。Cadの図面はもちろんフリーダウンロードを無料で行う方法やdwg、jwwなども含まれます。

無料のダウンロードの図面だから性能が低いとか、規格が不安なんて心配もありませんし、フリーでも十分な図面が手に入ります。トンネル点検車・橋梁点検車の無料ダウンロードの図面だからとcadデータを躊躇することはありません。