このページでは、コンクリートの側圧計算のフリーソフトについて紹介しています。
型枠の側圧とは、流し込まれたコンクリートが型枠を押し広げようとする力のことです。
側圧の計算方法をを間違えると、コンクリートを流し込んだときに、型枠が崩壊し、生コンが溢れ出してしまうこともあります。
そのため、型枠側圧計算を行う場合は、コンクリートの柱や壁に発生する問題を考慮して計算を行う必要があります。
ここでは、型枠側圧計算におすすめのフリーソフトを紹介していきます。

フリーソフトを使ったコンクリート側圧計算方法
型枠側圧計算におすすめのソフトについてですが、柱・壁にかかるコンクリートの側圧計算に特化したフリーソフトは多くありません。
床板型枠や梁型枠の型枠支保工計算ソフトは多くの種類がありますが、無料で使える型枠側圧計算のフリーソフトは数が少ないです。
今回は、その中で特に簡単に利用できる無料の型枠側圧計算のアプリは2つ紹介します。
型枠支保工計算ソフトについては、「型枠支保工計算ソフトおすすめ4選!機能の違いを徹底比較!」で詳しくまとめていますので、そちらをご確認ください。
「型枠支保工計算ソフトおすすめ4選!機能の違いを徹底比較!」のまとめ
「型枠計算テンプレート 02」を使ったコンクリートの側圧計算方法
「型枠計算テンプレート02」は、型枠の構造計算をするためのエクセルツールですが、コンクリートの柱や壁の側圧計算ができる機能を有しています。
もともとは、各部材や荷重に応じた部材間隔を単純梁として逆算するフリーソフトのアプリですが、コンクリートの側圧計算だけを行いたい場合は、「2.検討条件」で以下の4つの項目を入力すれば、コンクリートの側圧を簡単に計算できます。
・コンクリートの単位体積重量
・構造物形状(柱、壁[3m以下]、壁[3m越])
・コンクリートの打設速さ(10m以下、10m超20m以下、20m超)
・コンクリートの打設高さ
コンクリートの側圧の計算方法には、いろいろな側圧推定式がありますが、こちらでは、建築工事標準仕様書の荷重算定式が用いられています。
( 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 5 鉄筋コンクリート工事 2003 )
W₀(kN/m³):フレッシュコンクリートの単位容積質量(t/m³)に重力加速度を乗じたもの
H(m):フレッシュコンクリートのヘッド(側圧を求める位置から上のコンクリートの打込み高さ)
「コンクリートの側圧計算ツール」を使ったコンクリートの側圧計算方法
「コンクリートの側圧計算ツール」は、コンクリートの側圧に影響する項目を入力することで、簡単にコンクリートの側圧計算ができるオンラインツールです。
「コンクリートの側圧計算ツール」は、ダウンロードして利用するようなフリーソフトではなく、ブラウザ上で動作するツールとなります。
このコンクリートの側圧計算ツールでは、以下の3項目を入力すれば、コンクリートの柱や壁の側圧を簡単に計算できます。
・打ち込み高さ
・打上り速度
・型枠内コン温度
このコンクリート側圧計算ツールでは、土木学会標準示方書の荷重算定式が用いられています。
「型枠計算テンプレート02」ツールとは、計算式が異なりますので、ご注意ください。
( 2012年制定 コンクリート標準示方書 施工編 土木学会 )
W₀(kN/m3):コンクリートの単位容積質量(t/m3)に重力加速度を乗じたもの
R(m/h):コンクリートの打上り速度
T(℃) : 型枠内のコンクリート温度
H(m) :コンクリートの打上り高さ
使用上の注意点
コンクリートの側圧計算ツールでは、3項目を入力すれば、簡単にコンクリートの側圧を計算できますが、計算条件を理解しないまま使用すると、間違った解釈で打設に失敗する場合もあります。
コンクリートの側圧計算アプリでは、以下のような条件で計算されていますので、利用する場合は、しっかり理解しましょう。
・側圧が液圧を超えた場合は、液圧を用いる
・側圧が上限値を超えた場合は、上限値を用いる