熱交換器の設計や放熱量・熱伝導の計算に役立つ、無料で使えるフリーソフトやエクセルツールを紹介します。複雑な技術計算も自動化でき、建設設計・設備設計・研究開発などさまざまな現場で活用可能です。業務の効率化と精度向上を目指す技術者・設計者に最適なソフトを厳選して掲載しています。

熱伝導計算・放熱量計算のフリーソフト・エクセル
伝熱計算
水タンク、空気ダクトの放熱、加熱計算をします。加熱時間、必要ワット数、放熱による損失熱量、必要な断熱材厚さなどを計算します。熱伝導率が熱の伝わりやすさを表すのに対して、熱抵抗は熱の伝わりにくさを表します。熱抵抗は熱伝導率の逆数に比例します。空調負荷計算・冷房負荷計算・換気計算・冷房負荷計算・熱交換器計算などにおすすめのソフトウェアです。
簡単熱伝導 2
解析初心者向けの3層構造に限定した、FEM熱伝導解析アプリケーションです。ランキング上位の人気です。構造モデルが3層と決まっていますから、データ入力がとても簡単です。層の厚さと材料定数を入力するだけです。非定常解析ができますから、時間変化する現象も手軽に解析可能です。
2次元定常 熱伝導解析
2次元定常熱伝導解析を行うソフトです。AutoCad2000,2004LTとExcelを使用して、熱伝導を有限要素法で解析します。計算された結果はExcelに転送されるので、結果の加工を容易にさせます。等温線のデータは、AUTOCADに転送され、等温線が作図されます。空調負荷計算・冷房負荷計算・熱交換器計算・熱伝導計算・熱負荷計算・換気計算などにおすすめのソフトウェアです。
2次元 熱伝導解析 セット
有限要素法による汎用的な、2次元熱伝導解析ソフトです。有限要素法により温度変化を解析します。定常および非定常の解析が可能です。2次元熱伝導解析と、FEM断面データの2本のソフトから構成されています。熱伝導の式に熱量を代入して計算します。空調負荷計算・冷房負荷計算・換気計算・冷房負荷計算・熱交換器計算などにおすすめのソフトウェアです。
温度くん 3
2次元のパーソナルな熱伝導解析ソフトです。最大節点数は125です。個人向けの温度解析ツール、学習用として、工夫次第でいろいろなモデルが解けることと思います。伝熱解析は、電子製品の温度分布の把握や製品の小型・軽量化などに用いられます。
熱負荷計算・熱量計算・熱交換器のフリーソフト・エクセル
熱負荷プロ
エアコンの冷房負荷(熱負荷)を、自働計算するソフトです。入力は東西南北の壁の縦横高さと材質及び厚さのみです。その他の計算はデフォルト値を基に自働適合されます。集計単位は旧単位ですので、集計結果を単位変換する必要があります。熱交換器計算・熱伝導計算・熱負荷計算・冷房負荷計算などにおすすめのソフトウェアです。
熱量計算
建築の空調設備の熱量計算をします。コメントに従って、添付データーを入力すると、国交省仕様に順じた熱量計算ができます。部屋では熱量の損失や除去が行われます。熱量の計算、熱負荷の計算を行うことで、冷暖房機器の容量を算出することができます。熱交換器計算・熱伝導計算・熱負荷計算などにおすすめのアプリです。
空調設備の熱量計算
計算はシート順に、記入欄の、表示されたコメントに従って、表から選定記入していくと完成します。方位シート、室条件シート、熱通過率、負荷一覧、各室負荷と欄を埋めていきます。熱通過率などの難しいものは、特別な条件以外は、既に例題で多数が作成されています。
建物の空調計画 : 熱量計算
計算はシート順に、記入欄の表示されたコメントに従って、表から選定記入していくと完成します。方位シート、室条件シート、熱通過率、負荷一覧、各室負荷と欄を埋めるようになっています。熱通過率など特別な条件以外は、既に例題で多数が作成されています。冷房負荷計算・熱交換器計算などに使えるエクセルテンプレートです。
プレート式熱交換器伝熱予備設計支援ソフト PHEX36
プレート式熱交換器の伝熱予備設計に迅速に対応できます。計算で求められるアイテムは、流体温度、熱伝達率、熱通過率、圧力損失、熱交換器概略寸法などです。省エネ(熱回収)用、既設熱交性能チェック等の熱交換器に対する予備計算ソフトとして活用できます。
熱交換器・放熱量・熱伝導計算ソフトでできることとメリット
熱交換器の性能を自動算出
入力条件に基づいて熱交換器の熱容量や効率を自動で計算でき、設計や見積もりがスムーズになります。
放熱量の簡易計算が可能
空気・水・壁などの放熱量をシンプルな入力で求められ、冷暖房設備の設計支援に効果を発揮します。
熱伝導率に基づく温度分布の解析
材料ごとの熱伝導率を用いて、壁体内や構造部の温度分布をシミュレーションできます。
複雑な公式を知らなくても使える
理論計算が自動化されているため、熱工学の専門知識が浅い場合でも安心して利用できます。
エクセル形式で手軽に編集・保存
多くのソフトがエクセル形式に対応しており、カスタマイズや結果の記録・共有が容易です。
無料で導入でき、コスト削減にも有効
市販ソフトと遜色ない機能を無料で使えるため、導入コストをかけずに業務を効率化できます。
熱交換器・熱伝導計算ソフトの用途と活用例
空調・換気システムの設計支援
放熱量や熱伝達率をもとに、最適な空調機器選定やダクト設計の基礎資料として活用できます。
給排水・熱供給システムの設計
熱損失を考慮した配管設計や、温度管理が必要な熱源機器の選定に活用されます。
建物断熱性能の評価
壁や屋根の熱伝導解析を通じて、断熱材の最適配置や仕様選定を行う際の判断材料になります。
研究・技術教育用の計算ツール
大学・高専などでの熱工学の授業や研究テーマに対応し、実例をもとにした計算が可能です。
エネルギー消費量の予測計算
設備の熱性能をもとに、冷暖房や給湯の消費エネルギー量を概算するためのシミュレーションに使えます。
工場・プラント設備の熱設計
産業用プラントの熱交換器や配管システムにおける熱損失・伝熱性能の設計・検証に役立ちます。
熱交換器・熱伝導計算ソフトを選ぶときの注意点
対象とする計算内容を明確に
熱交換器、放熱量、熱伝導のどれに対応しているかを確認し、自分の用途に合ったものを選びましょう。
入力項目と出力結果の内容を確認
必要な物性値や初期条件が揃っているか、また結果がどのように表示されるかをチェックしてください。
単位系の扱いに注意
SI単位と工業単位が混在していることがあるため、使用単位を統一できるかどうかが重要です。
マクロやVBAの使用可否を確認
エクセル形式のソフトでは、マクロ機能を利用するものもあり、セキュリティ設定や動作環境の確認が必要です。
マニュアルやサポートの有無
無償ソフトでも、基本的な使用方法が解説されているかを確認し、操作性に不安がないかを見極めましょう。
商用利用の可否を必ず確認
業務利用する場合は、ライセンス規約に商用利用可能かどうかが記載されているかを必ず確認してください。
熱交換器・熱伝導の計算に最適なフリーソフトまとめ
建設業や設備設計の現場では、熱交換器の性能評価や放熱量の算出、材料の熱伝導性評価といった熱関連の計算が欠かせません。こうした複雑な技術計算を効率よく行うためには、信頼性が高く、操作性に優れたソフトウェアの活用が有効です。本ページでは、無料で利用できる熱交換器計算ソフト、放熱量計算ソフト、熱伝導計算用エクセルツールなど、実務に即した優良な技術支援ツールを厳選して紹介しました。 特に、これらのソフトはエクセル形式で提供されているものが多く、現場技術者にとって扱いやすく、既存の計算資料との互換性も高いため、導入しやすいのが特長です。熱流体の設計や省エネルギー提案、設備の見積り計算、施工段階での熱対策検討など、さまざまな業務に対応できる柔軟性があります。 また、無料で使用できる点はコスト削減にも大きく貢献し、中小規模の事業者や個人ユーザーにも導入のハードルが低いのも魅力です。ただし、ソフト選定時には、目的に合った計算範囲・計算精度・ライセンス条件をしっかり確認することが大切です。 今後も、業務効率化と技術精度の向上を目指して、こうしたフリーソフトの活用を積極的に検討してみてはいかがでしょうか。建設業務における熱設計の質を高める一助となることでしょう。