このページでは、結露計算・排煙計算のフリーソフト・エクセルについて紹介しています。
結露計算とは、結露の原因となる室温や外気温、室内相対湿度などの条件が影響します。それらの使用環境の条件を事前に考慮して、結露の発生の有無を推定する計算です。
排煙計算とは、換気量の計算を行います。排煙には設置基準があり、設置基準に該当している建物は、排煙計算をしなくてはいけません。特殊建築物で延べ床面積が500㎡を超えるもの、特殊建築物以外で3階以上で500㎡を超えるもの、これらに該当している建物には、排煙計算が必要となります。ただし、建物の高さが31m以下の居室で、100㎡ごとに防煙垂れ壁、防煙壁で区画された部分については、排煙計算は除外されます。
排煙計算・結露計算のフリーソフト・エクセル
EXEL 火気使用室換気計算 (ガス換気計算)
EXCELのワークシートで換気量の計算を行う換気計算ソフトです。火気使用室の換気設備、ガス・LPG・灯油など、燃焼設備・換気器具の設定検討を行います。必要項目を選ぶか入力するだけで、自動計算されます。セルの保護により、計算式の誤削除を防止します。
結露 Kさん
壁体の内部結露を計算するソフトです。室内温度・湿度、外気温度・湿度や名称部分を入力し、計算ボタンを押すと計算結果が表示され、露点温度が赤い場合結露します。材料は10まで入力できます。印刷やグラフ表示もかんたんに行なえるので、おすすめのソフトウェアです。
結露算定プログラム V2
エクセルのワークシートを利用して、床や壁の結露の算定を行います。床や壁を構成する部材(10以内)をリストから選択することによって、結露の判定を行うことができます。構成部材は27部材を用意しています。物性値の変更や、部材の新規設定も可能な、おすすめのソフトウェアです。
現代住宅の快適性
現代住宅に必要なパッシブデザインとは
日本が高湿度のジメジメとした国土であるのは昔からのこと。それは徒然草にて兼好法師が残した、「家の造り様は夏をもって旨とすべし。冬はいかようにも住み得る」という言葉がすべてを物語っています。
そういった日本独自の風土に加え、昨今の住宅地事情と言えば、「狭小住宅」「密集市街地」と言われているように、隣家とのスペースはごくわずかで、小さな土地に建ぺい率ギリギリまで2階建て・3階建て住宅を建てる。そんな光景が当たり前になりました。
住宅一軒家の建物面積が狭くなり続ける傍ら、日本古来の高温多湿の気候は変わらず、快適性と省エネ性を兼ね備えた住宅作りが求められています。
日本人は自然との共生が好き?
歴史のある街並み、家、庭を調べてみると、西洋の文化とは違った日本人らしい自然との距離感を知ることができます。「家にいても自然を感じていたい」「光や風、自然の恵みと共存していきたい」といった心情を、現代の住宅でどのように暮らしに取り入れていくかが今、問われています。
「窓」の役割とは?西洋と日本の価値観の違い
「厳しい自然から身を守る。」頑丈な石造りが主な西洋の家は、そうした発想で造られてきました。その中での窓とは、石と石の間から外を覗くための「のぞき穴」といったポジションです。
一方、堅牢な石造りの家を建てずとも暮らせる温暖な自然に恵まれた日本では、家といえば木造建築でした。窓は、「間の戸」。文字通り、大きな開口を生み出すことができるものを窓と呼んできました。日本の窓は、ときに全てを開け放って家全体に風を通す、ときに暖かな光を家の奥まで届ける、自然を上手に取り入れるための、可動する間仕切りなのです。
価値が再認識されてきた昔ながらのパッシブデザイン
「パッシブデザイン」という言葉は、「自然のエネルギーや現象を利用し、省エネで快適な生活環境をデザインする」という意味を持っています。近代的な言葉に聞こえますが、日本では昔からパッシブな家作りを行っています。古い民家に見られるパッシブデザインが、今一度再認識されてきています。
知恵が詰まった民家の快適性
古い家は「夏は暑く冬は寒い」「断熱性や気密性は良くない」と思われがちですが、そんなことはありません。最新の設備に頼らずとも、快適に暮らせる建築の工夫がありました。現代の住宅にも取り入れられる要素がたくさん詰まっています。
蒸し暑い季節を凌ぐ、湿度を調節する素材
昔ながらの土壁は調湿効果を持っていて、過度な湿気を吸い込み、空気が乾燥してきたら保有していた湿気を放出する、天然の湿度調節器です。躯体の木材も同じ効果があります。珪藻土や卵の殻など自然の素材を使ったクロスやぬりかべなら、土壁と同じような効果が期待できます。
室内に壁を作らない、襖や障子で仕切る構造
玄関土間から上がると畳の部屋、襖を開けるとさらに畳の部屋が続いていく、そうした間取りの家が昔は多かったですね。必要なときは個室として使える襖や障子は、戸袋へ仕舞う構造にしておけば、開け放てば大きな開口が現れ通気性抜群の家となります。
高床で湿気をこもらせない
昔ながらの家では床を高く作り、地面と床の間に風を通すような仕組みになっていました。床下に湿気がこもらず、日本の風土に適した作りです。
軒は深く
太陽は、夏は高く冬は低く弧を描きます。軒を深く張り出すことにより、夏の暑い日差しは軒で遮る一方、冬の低い位置から差し込む日光は部屋の中まで届けることができます。また、軒が深いことで縁側や濡れ縁との一体感も生まれます。雨が降っても屋内まで雨が吹き込むことを防ぎます。
半戸外空間を活用する
窓を開け放てば外になる縁側、家と庭を調和させる濡れ縁、土間といった日本独自の空間は、どれも外のような中のような、どちらとしても使える多様性のある空間で、自然を感じ、楽しむためには丁度良い場所です。
伝統的な住まいをどう現代住宅に活かすか?
自然をうまく利用した伝統的な民家の知恵を、現代の住宅にそのまま利用するのは難しいことです。大きな開口を作っても、目の前が隣家という場合も。風はよく通るかも知れませんが、プライバシーの観点から見ると住み心地の良い家とは言えなくなってしまいます。現代の住宅事情に合った、日本の伝統的な住まいを実現するには、どんな工夫が必要でしょうか。
深い軒の代わりに、植栽・オーニングを使おう
狭い土地では、軒を深く出すことが難しい場合が多々あります。軒を出すことができない場合は、庭に木を植えてみましょう。特に冬に葉を落とす落葉樹がおすすめです。夏は生い茂った葉が直射日光を遮ることで屋内の温度上昇を防ぎ、冬は落葉することにより、柔らかな日差しを屋内へ届けてくれます。
植栽以外にも、オーニングなどで日差しをコントロールすることができます。
家の土台の湿気対策には床下換気計画を
床下は家を支える土台であり基礎である、家の要ともいえる重要な場所です。湿気が溜まると土台が腐るリスク、白アリ被害のリスクが高まります。住宅密集地で十分な換気を確保するためには、換気口の数を増やす、基礎パッキンを用いるなどして通風の工夫が必要です。
採光とプライバシー性の両立
昔の家のように大きな開口を作っても、すぐそばが道路や隣家では景観もあまり良くありませんし、もしそうした開口部を作ったとしても、プライバシー・防犯の観点から開口する機会は訪れないでしょう。周辺環境などのそうした事情で大きな開口を取れないときは、外からの視線が気にならない高い位置に窓を設けるハイサイドライト、逆に足元に窓を設けるローサイドライトという窓の取り方をすることにより、視線を遮りつつ採光や通風を確保する手法があります。
また、外周に窓を設けづらいような立地でも、2階建ての吹き抜け部分にハイサイドライトを設ける、ロの字型、コの字型の形で家を作り中庭を設ける、といった工夫により、日の届きにくい場所にまで日差しを確保することができます。
ルーフバルコニー、中庭、ウッドデッキスペースで自然を楽しむ
深い軒と縁側で半戸外を楽しむことが難しい現代の住宅事情でも、できる限り自然を楽しめる住まいにしたいものです。最近の住宅では縁側の代わりにウッドデッキスペースを庭に設けるのが主流となっていますが、外からの視線をカットするためには庭と周辺環境との配置関係に工夫が必要になり、完全にプライベートな空間を実現するのは難しいことが懸念されます。
そうした問題をクリアするためには、2階リビングも一つの手です。リビングを2階に作り、バルコニーを屋根付きのルーフバルコニーとすれば、空中庭園のようなプライベートな庭を作ることも可能です。また、アウトドアリビングという、リビングの床の高さとフラットなバルコニー空間を作ることで、リビングと地続きの庭、第2リビングとして活用する方向性もあります。
バルコニーでなくとも、屋上を緑化しても良いでしょう。バルコニーを広くとって庭の代わりにする場合も、植物プランターなどで自然を肌で感じられる空間づくりが理想的です。家族とのティータイム、子どもの遊び場、ブランチや読書タイム、さまざまなシーンで使える自由な空間です。
風荷重・排煙計算・結露計算ソフトを導入しない主な理由
・複雑な形状の建物には対応できないんじゃないの?
・専門家じゃないと扱うのが難しいと思う。
・面倒な計算は外注業者に任せたほうがいいと思う。
・コストパフォーマンスが低いんじゃない?
・ソフト単体で計算するから他のソフトに反映出来ないんでしょ。
・結露計算って難しくて自分でできる気がしない。
・排煙計算って面倒なのにソフトを使ってもあまり変わらないんじゃ?
上記のような理由が、主に、ソフトを導入しない企業が抱えている問題点や懸念事項だそうです。
しかしながら、このような理由は必ずしも正しいとは言えないのです。
フリーソフトで解決できる風荷重・排煙計算・結露計算の問題点
風荷重計算は、複雑な形状の建物であればあるほど、条件が重なり、難解な計算となります。
そんなときでもこのソフトを使えば、難なく解決する事ができるのです。
どんな形状であっても、あらかじめ用意されたプルダウンメニューから選択していくことにより、パソコンに不慣れな方でも、簡単に入力することができます。
内容の一つ一つは、専門的な知識が求められる箇所もありますが、じつに豊富なデータが用意されていますから、近似値データを参照することなどで事務職の方が補助的な作業をすることも可能です。
発注コストの削減と業務効率改善
操作方法が確立されているおすすめソフトばかりなので、今まで外注に発注していた内容のものでも簡単に作業することができます。
外注から内務作業に変更することにより、発注コストの削減と業務効率改善に一役買います。
また、ソフト導入時のランニングコストですが、簡易的なものであれば、フリーソフトが優良のものでも、安価な値段で導入する事ができます。
高機能ソフトを導入する場合でも、外注費との比較をした場合、一目瞭然でしょう。
煩雑な作業の時間短縮
様々な部材を扱いながら建物を構築する場合、その組み合わせにより、壁体の構成は千差万別です。
このようなとき、いちいちメーカーサイトから熱損失関連のデータ収集から始めなければなりませんが、結露計算ソフトやエクセルテンプレートを使えば、そのような煩雑な作業から解放されるのです。
フェンスや足場などの風圧計算・風圧力計算・耐風圧計算・換気計算・採光計算に対応したアプリやシステム、Excelのツールもありますよ。
サンプルが豊富なソフトであり、入力方式はプルダウンメニューから選択することができます。
後は、外気温や室内気温の条件を入力することで、必要な数値を算出することができるのです。
また、既存住宅の結露問題解決にも一役買います。
近年の住宅は高気密住宅が増え、室内の水蒸気量は増加傾向にあり、壁面結露などの問題が出やすい環境になっています。
このソフトを使えば、結露のメカニズムを視覚で顧客に説明できるデータシートや換算表を提示することができます。
排煙計算式は、他の計算に比べ単純なものが多いのですが、居室ごとに計算するなど、作業時間がかなりかかります。
そこで、排煙計算ソフトを利用することで、時間短縮を行えますし、豊富なサンプルデータを活用することで、入力項目を削減する事ができます。
まとめ
どれくらいの風圧が建物などに掛かってくるかを計算する風圧計算、室内の煙がどのように排出されるかを計算する排煙計算、屋内外の結露の発生を計算する結露計算、屋内へ日差しがどのように入るかを計算する採光計算…住宅を建てるために必要な計算は数多くあり、どれも快適な住まいづくりには欠かせない要素です。フリーソフトは誰でも無料でダウンロードできるソフトで、万人が使えるように設計されているものが多く、その分、初心者でも使いやすいシステムになっています。エクセルで利用できるテンプレートやひな形なども無料でダウンロードできるものが豊富です。