道路標識や案内看板などの設置に欠かせない基礎構造の安全設計を、誰でも無料で行えるフリーソフトを紹介します。風荷重や支持部材の計算に対応し、設計者の手間を軽減。設置条件に応じた構造計算書の自動作成にも対応し、効率的かつ安全性の高い設計が可能です。現場や事務所で手軽に使えるツールとして、業務の品質向上に貢献します。

看板・標識の基礎構造計算のフリーソフト
看板用構造計算書作成ソフト かんばんTOKUTE
看板の構造計算書を作成するソフトです。ポール看板、ソデ看板、1,2,3、ハタザオ、ダブル看板、建柱看板、2本柱看板の7種類があります。取付高さ、看板の大きさなどを入力するだけで構造計算書が完成します。使用部材や諸指標を選択入力できます。
SCS_forFree 看板支柱選定プログラム
ファミリーレストランやコンビニエンスストアーなどの独立看板の支柱選定ソフトです。構造計算知識の知識がなくても数分で構造計算書まで作成できます。 構造計算書の式で表示されるので、専門家や役所の検証の際に使用することができます。
エクセル 看板計算 【1本柱タイプ】
自立式の広告塔(1本柱)の構造計算書が作成できるソフトです。計算方法や採用した数値が検証できるように、計算書には詳細に計算式を記載してあります。建築基準法、日本建築学会編 建築基礎構造設計指針などの関連規準に準拠しています。
エクセル 看板計算【2本柱タイプ】
自立式の広告塔(2本柱)の構造計算書が作成できるソフトです。建築基準法、建築基礎構造設計指針、鉄筋コンクリート構造計算規準などの規準に準拠しています。計算方法や採用した数値が検証できるように、計算書には詳細に計算式を記載してあります。
EXCEL 道路標識基礎 構造計算
基礎の形状により直接基礎の場合とケーソン式による計算を行うエクセルシートです。許容鉛直支持力は、内部摩擦角φより支持力係数を求め計算します。道路標識設置基準・同解説(日本道路協会)、道路標識ハンドブック(全国道路標識)に準拠しています。
道路標識の計算 フリーソフト
EXCEL F・L型道路標識 構造計算
丸型鋼管によるL及びF型道路標識の梁、支柱、フランジアンカーボルト、ベースについて応力度計算を行います。単柱式標識、複柱式標識も含んでいます。EXCELの機能により、データのコピー貼り付け・条件の保存が簡単に行え、報告書印刷・PDFファイルにて納品できます。
SCS_forFree 看板支柱選定プログラム
独立看板支柱選定プログラムです。構造計算書は式で表示されるのでブラックボックスにならず、専門家や役所の検証にさらされることができます。角柱(正・長)丸柱それぞれ5候補表示され、計算書が表示されます。
EXCEL 道路標識基礎 構造計算
基礎の形状により直接基礎の場合とケーソン式による計算を行います。許容鉛直支持力は内部摩擦角φより支持力係数を求め計算します。EXCELの機能によりデータのコピー貼り付け・条件の保存が簡単に行え、報告書印刷・PDFファイルにて納品できます。
看板・標識基礎構造計算ソフトでできることとメリット
風荷重に基づく設計ができる
地域ごとの風速データに基づいて、看板や標識の安全性を確保した構造計算が可能です。
基礎の寸法・深さを自動算出
看板の高さや支持方法に応じて、基礎の適切な寸法や深さを自動的に導き出せます。
構造計算書の自動作成に対応
入力データから計算結果まで一括でPDF出力が可能で、申請資料の作成もスムーズです。
複数条件での比較が簡単にできる
看板サイズや基礎形式を変えてシミュレーションでき、最適な設計案を検討できます。
無料で本格的な設計作業が可能
商用ソフトに匹敵する構造計算が無料で行えるため、コストを抑えて設計できます。
専門知識がなくても扱いやすい
入力項目がシンプルで、建設や設計初心者でも手軽に扱えるユーザーインターフェースです。
看板・標識基礎構造計算ソフトの用途と活用例
新設看板の安全設計に
設計初期段階から安全基準に基づいた構造計算を行うことで、安心して施工できます。
標識の設計変更時の再計算に
現場での変更に対応して、速やかに再計算を行い、安全性を再確認できます。
建築確認申請書類の作成補助
計算書のPDF出力が可能なため、建築確認用の構造資料作成にそのまま活用できます。
設計事務所の設計チェックに
簡易なチェックツールとして活用し、構造設計の整合性や安全性の確認に使えます。
発注者への構造根拠説明に
計算結果をもとに、発注者や施主に設計の安全性を分かりやすく説明する資料として便利です。
教育機関や研修教材として
建設・設計に関わる学生や新入社員の教育ツールとしても利用価値があります。
看板・標識基礎構造計算ソフト選びでの注意点
使用基準や設計指針の対応有無
国交省の指針やJIS規格に基づいた設計ができるかを確認し、制度に適合した計算を行いましょう。
風圧力計算の適用条件を確認
地域や高さごとの風荷重に対応しているかをチェックすることで、正確な設計が可能になります。
地盤条件の設定項目があるか
地耐力や地盤種別の入力が可能か確認し、基礎設計の精度を高める必要があります。
出力書式が用途に合っているか
計算書の出力形式が申請資料や報告書に適しているかも重要なポイントです。
対応する看板サイズ・形式を確認
袖看板、自立看板など、自分が扱う種類に対応しているかを事前に調べておきましょう。
定期的なアップデートがあるか
法令や設計基準が改訂されることがあるため、ソフトが最新の仕様に対応しているか要確認です。
看板・標識の基礎構造計算を効率化する無料ツールのまとめ
看板や標識の設置においては、安全性を確保するための基礎構造計算が不可欠です。特に風荷重や地盤条件に応じた設計を行う際、構造計算の正確性と効率性が求められます。このページで紹介したフリーソフトは、そうした設計業務をサポートする実用的なツールであり、建設業務の省力化・標準化に貢献します。無料で利用できるため、個人設計者から中小規模の建設業者まで、幅広いユーザーにとって導入しやすく、コストを抑えながらも精度の高い計算が可能です。また、看板・標識という公共性の高い構造物においては、安全性の確保が法律や条例で定められていることも多く、信頼性のある構造計算ソフトの活用は、設計品質の向上にも直結します。現場の条件に合わせて柔軟に対応できる入力設定や、計算根拠の確認が可能な出力機能なども備えており、設計の検証・報告業務にも役立ちます。これから看板・標識の構造計算を行いたい方、あるいは既存の業務を効率化したい方にとって、このようなフリーソフトは大きな助けとなるでしょう。建設技術者・設計者の皆さまは、ぜひ活用を検討してみてください。