杭打ち機は、建設基礎工事において地盤の支持力を確保するために用いられる重機です。地質や周辺環境に応じて、打撃式・圧入式・掘削式など多様な方式から選定することが求められます。特に都市部では騒音や振動への配慮が重要であり、適切な工法の選定と安全対策が工事の成否を左右します。近年はCADデータを活用した施工計画の精度向上も進んでいます。
このページでは、杭打ち機の種類や工法選定の基本について解説しています。

杭打機とは
杭打機とは、杭を地中に打ち込むための機械です。
打撃で打ち込む杭打機や、振動で押し込む杭打機など、様々な杭打機があります。
無公害無振動の杭打機械も、各メーカーで販売されており、従来の杭打機のように、振動や騒音が多くない杭打機も多くあります。
杭打機には、様々な種類があります。
鉄の重りを落下させて、杭の打設を行うのが、ドロップハンマー杭打機です。
ディーゼルハンマー杭打機は、シリンダーの中で軽油を爆発させて、衝撃力を利用して杭の打設を行います。
また、振動を起こし、杭に断続荷重を与えて杭の打設を行うのは、振動杭打機です。
他にも、油圧ジャッキなどで、圧力をかけて杭を打ち込む、騒音無振動杭打機などがあります。
大型現場で使う大きな杭打機から、住宅現場用の小さな杭打機など、様々な大きさのものがあります。
杭打機は、建築用の軟弱地盤に対する杭打ちや、土砂を掘削する際の支保工など、基礎地盤からの支持力や反応が必要となる工事現場で使われます。
様々な手法により、鋼管杭やH鋼杭、鋼矢板などを、必要な現場で地盤中に貫入、または打ち込むことができます。
既製杭基礎について
打込み杭工法は、ディーゼルハンマ、ドロップハンマ、油圧ハンマなどにより既製杭を所定の深さまで打ち込む工法です。
ジェット工法は、高圧水流を先端から噴出させ、地盤をゆるめて周辺の貫入抵抗を減少させ、杭の自重あるいは振動を加え貫入させる工法です。オーガーと併用する場合もあり、砂質土地盤に適しています。先端支持力の確保の目的で、打撃あるいは圧入により打ち止めます。
圧入工法は、油圧ジャッキあるいはワイアー絞り込み等により杭を押し込む工法です。機械の自重を利用したり、既製杭などで反力を取る必要があり、振動騒音はほとんど発生せず、ゲージなどにより支持力の確認ができます。
中掘り杭工法は、先端開放の既成枕の中空部にスパイラルオーガ等を通して、地盤を掘削しながら所定深さまで掘削、沈設し支持力確保の為に打撃を加えるか、セメントミルク先端に注入し根固めを行う工法です。杭体は孔壁の保護の役目を負っていますが、適応枕径は500㎜からlO OO㎜を中心に、400㎜から1200㎜程度までです。沈設は杭体の圧人と回転により行われるために周辺摩擦の効果は期待できません。
プレボーリング工法は、杭の先端の支持層への定着の方法によって打撃工法とセメントミルク工法の2つに分かれます。オーガーにより地盤を掘削します。打撃工法では、支持層近くまで掘削し、オーガーを引き上げ、杭を建て込んだ後打撃を加えて支持層まで貫人します。
セメントミルク工法は掘削が所定深度まで達したら、それまでの孔壁崩壊防止のための掘削液を根固め液と杭固定液に置き換え、杭を建て込んだ後ハンマで軽打のうえ支持層に打ちこみます。掘削液はベントナイト液で、孔壁の保護と噴出口の目詰まりを防ぐために、常にオーガーヘッドから噴出させておきます。
杭打ち計画は地盤や環境の条件を考慮して選定する
杭打ちについて計画を行う場合は、地盤や環境などといった条件を考慮して、支持力や実行可能な施工手段などを吟味したうえで工程や工法を選定する必要があります。また、こうした工程や工法などに対応した建機のcadデータや図面を扱うことによって、情報を精査し作業工程を設計していく必要があります。最終的にはこうした工程や工法、cadデータや図面といった書類を含め、設計仕様書として仕上げていく形となります。
もちろん、この仕上げられた設計仕様書を参考にしながら、さらに作業図面やcadデータなどを取り扱うことがあると思います。しかし、杭打ちに対して仕様書内だけの情報でそれらを取り扱うこともできますが、杭打ちに対しての情報や知識を少しでも理解していると、より制度の高いそして信頼度のある図面を取り扱うことができるでしょう。
その場所にあった杭打ちの工法を検討する
まず、杭打ちの工法を考える時に、「オールケーシング」や「アースドリル」または「リバース工法」など、どういった建機や工法・手法を選択するか、またどういった工法を複合して取り扱うかなどを考えます。
工法を考える時には、実際に工事が行われる環境や地盤の条件など、その場所にあった施工可能な工法を選定する必要があります。施工可能な工法が見つからない場合は、設計者などに趣旨説明を行い、さらにどういった方法で施工できるかと行った手法を考えていく必要がります。
この施工者と設計者の間での作業報告などについても、cadデータを用いたり図面を作成して執り行なえば、より潤滑にやり取りが進むはずです。
敷地内の作業環境を考えて杭配置を確認する
敷地の広さや形状などの関係性や影響を確認し、杭の配置などを決めていかなければなりません。敷地の条件などの関係から、場合によっては工法の導入や建機や道具の取り扱いが限定されることを忘れてはいけません。また、それらを含めて杭打ちに施工十分なスペースがあるかなど、敷地内の作業環境を考えていく必要があります。
また、作業場ばかりではない近隣の構造物への影響調査は重要です。例えば、近場で杭打ちのための掘削工事を行った際に、その振動などが影響し、地盤を崩落させてしまう場合があるからです。
杭打機を配置する場所もまた、杭打ちによる振動による崩壊を懸念しなければいけません。特に、崖などの環境の場合、杭打機の転落事故に繋がり兼ねないからです。杭打機を配置した時の図面などは、杭打機のcadデータを用いて現場を再現すると視覚的にも分かりやすいはずです。
また、杭打機といえば、三点式杭打機となるわけですが、三点式杭打機の中にも、圧入式の「サイレントパイラー」や打撃式の「バイブロハンマー」などいろいろな手法の杭打機が存在します。例えば、三点式杭打機であるサイレントパイラーを導入した場合、指示書や作業図面を作成する時などに、その導入にあたってのcadデータをダウンロードなどで入手しなければなりません。三点式杭打機などサイレントパイラーを取り扱っているメーカーであれば、サイレントパイラーの無料cadデータをフリーダウンロードできる場合がほとんどです。また、三点式杭打機など取り扱いメーカーではないものの、レンタルメーカーなどでサイレントパイラーを取り扱っている場合は、同様に無料のcadデータをフリーダウンロードできます。こういった無料でフリーダウンロードできるcadデータを用いて、現場に採用される規格にマッチしたサイレントパイラーなどの三点式杭打機を図面に反映させると良いでしょう。
杭打ち工事は地中や地質に対応することも重要
地中内の処理についても調査する必要があります。
地中に瓦礫が埋土されている場合やコンクリートや岩盤・岩塊などが隠れている場合があります。また、地表すぐの部分にはなくても、より深く掘削をした場合にこうした障害物が隠れている場合もあります。
さらに、地中には地下水などが流れている場合があります。地下水は崩壊やコンクリート打設時の施工に影響を及ぼしかねません。地下水の水位や場所、流れている量などを調査しておきましょう。
軟弱な粘土製の土にも注意が必要です。それは、軟弱な土質なために、掘削後に穴が小さくなってしまたり、コンクリート流し込み時にコンクリートが食い込んでしまう可能性があるからです。こうした土質にどう対応していくかを検討することが大切です。
オールケーシング工法による場所打ち杭のコンクリート打設方法
実際に杭打ちの工程として、オールケーシング工法による場所打ち杭に対するコンクリートの打設方法を例にします。
コンクリート打設の杭打ちの場合、水中コンクリートとなるので、トレミー管を利用して打設を実施します。トレミー管の先端は、打設天端面よりも常に2メートル以上下方に位置していなければなりません。さらに、杭の最終掘削を行う時にはスライムの処理が必要となります。杭底盤に存在する取り切れなかったコンクリートと混合したスライムを押し上げながら打設を行います。そのため、打設する高さとトレミー管の先端高さの管理が非常に重要なポイントとなるのです。
また、ケーシング工法で気をつけたい部分が主筋の材質や径そして本数、またフープの材質と径そしてピッチです。配筋量が多くなりすぎてしまうと、コンクリートの周りが良好ではないなどの問題が発生するからです。さらには、鉄筋かごの組立が溶接か結束線結束によるものか、フープの重ね長さや溶接長さ、継手仕様などといった部分に注意を払っていきます。
こういった詳細部分への注意や工事工程のシミュレーションなどにもcadデータを用いて行うことが可能です。図面を作成することは、作業の仕様や方法を説明するだけではなく、現場や建機・道具のチェックや確認にも非常に効果的です。また、作業場の安全確保や工程管理といった部分でも、正確で信憑性のある図面の存在は欠かせません。そういった意味においても、仕様書や設計書だけを頼りにするのではなく、工程や部材といったより詳しい部分まで知識として身につけておくと良いでしょう。
小規模工事には建柱車が杭打ち機として導入される
戸建住宅や電気工事などといった場合、建柱車が杭打ち機として導入されることがあります。こういった小規模な工事には、大掛かりな設備などが必要ではない建柱車がマッチングするのです。
建柱車は、4t建柱車や3t建柱車といったクラスの車輌が多いようです。4t建柱車などは掘削作業も行えますし、大型電柱や大型トランスといった重量のある資材も持ち上げることが可能です。
先に紹介したような、三点式杭打機などを導入するほどでもない作業場所には、4t建柱車などの導入を考慮するのが良さそうです。ただし、4t建柱車などは車輌であるため、山間部などの侵入困難な場所では使用することが難しいのが現状です。コスト的には4t建柱車などの方が三点式杭打機といった杭打ち機よりも安く済みますが、作業場所の環境などを考えて選択する必要があります。
建柱車を導入するか杭打ち機を導入するかを考える時には、それぞれのcadデータを図面に配置してみるのも一つの方法です。メーカーにある無料のcadデータをフリーダウンロードして、作業予定場所に4t建柱車や杭打ち機を配置してみましょう。また4t建柱車が良いのか3t建柱車が良いのかといった部分でも、無料のフリーダウンロードデータであれば、気軽に検討することができます。
さらには、全ての作業に杭打ち機を適用するのではなく、ある部分には建柱車を用いてある部分には杭打ち機を採用するなど、建柱車と杭打ち機のそれぞれの特性を生かした配置を行うのも良いでしょう。そういった時にも無料のcadデータやフリー素材を用いることで、より効果的に検討をできるはずです。
建設基礎工の定義
建設基礎工の定義と、建設基礎工の3つの種類の構造と採用される場面の違いについて説明していきます。
建設基礎工とは、建物や工作物、橋、ダムなどの構造物の自重による荷重や、自信や強風により構造物に加わる水平荷重を、地盤に伝達させて支持させる構造物です。
基本的に、建物や工作物の下部にあります。
建設基礎工には、大きく分けて以下の3つの種類があります。
直接基礎は、建物を基礎地盤の上に直接指示させるための、建設基礎工です。
基礎の構造は、建物の構造、規模、荷重、重要性により異なります。
地面の表面から比較的浅い部分に支持層がある場合に、採用される基礎です。
そのため、浅くてコンパクトな基礎となるので、経済的な基礎工事となります。
杭基礎は、軟弱地盤に設ける基礎であり、既製杭や場所打ち杭を用いる深い弾性体の建設基礎工です。
軟弱地盤で直接基礎工の深さでは安定しない場合に、深い支持層にまで基礎を適用させる場合に採用します。
ケーソン基礎は、地上で作成した筒状もしくが箱状の基礎躯体の底部分から、地盤を掘削しなから静めて設置していく建設基礎工です。
橋梁などの重要工作物の基礎に、作用されることが多くあります。
杭打ち機の種類
杭打ち機を用いた工事の場合、その工事規模により杭打ち機の種類が変わります。杭打ち機を使用する作業には、地盤改良などを行う場合の大型の杭打ち機となる三点式杭打機を用いて行うものや、電柱など比較小さな杭打ち作業が必要となる場合に対応した杭打ち機となる建柱車などが存在します。
三点式杭打機にも色々な杭打ち機が存在しますし、建柱車には4t建柱車などの積載容量に区分された建柱車などが存在します。
ただし、こうした三点式杭打機や建柱車などの杭打ち機であっても、杭の打ち込み方により分類を考えるのが一般的です。
打撃系
大型のハンマーを用いて、杭の頭を銅製リングで割れないように補強して、振動を使って打ち込む方法の杭打機になります。ドロップハンマーやディーゼルハンマー、バイブロハンマ、油圧ハンマーなどの種類があります。構造はとても簡単なものになり、自動式の機材を用いることもできます。使いやすく、土砂や泥水が発生しないものの、固い岩盤への打ち込みはできません。
ドロップハンマーの場合、ワイヤーで吊り上げたあとにガイドに沿って自由に落下させます。その攻撃力を使って親杭や銅矢板を打ち込んで行う工法になります。比較的小規模の工事で用いられることも多いタイプになります。ドロップハンマーの重量や落下時の高さによって調整するのが比較的簡単なこと、条件によっても打撃力を変えることができます。
ディーゼルハンマーの場合、ラムの落下による打撃力や燃料の爆発力を使い、杭や銅矢板を打ち込む方法をとります。大規模工事などで、用いられることが多く単位時間あたりの打撃回数も多くなります。打ち込み精度の良さもありますが、騒音が大きく油の飛散などのリスクもあります。振動を伴うこともありますし、軟弱地盤では本来の能力を発揮できないことも。硬い地盤での工事に最も適している杭打機ともいえます。
同じ打撃系といってもこれだけの違いがあり、何を目的に杭打機を使いたいのかによっても違います。
圧入系
油圧などの荷重を用いて、杭を地中に押し込む杭打機になります。圧入するときの反力の違いなどの方法に種類があります。なかでもすでに地中に押し込まれた杭を数本つかみ、引抜抵抗力を使う機械を、サイレントパイラーといいます。サイレントパイラーの名前からもわかるように、振動や騒音を防ぐ役割もあります。市街地などサイレントパイラーは活躍しますし、機種本体はとても軽量などとても優秀です。とはいえ、サイレントパイラーは大型の杭打ちにも対応していること、泥水の発生も防ぎます。サイレントパイラーのメリットとして岩盤層やなどに対応できる杭打ち機もあります。
ただし、杭や銅矢板の周辺の地盤を緩めるなどの準備も必要になるので、十分に注意しなくてはいけません。掘削度合いが進むによって変形の累加が増えてしまいます。もともと地盤が悪い場所や隣接しているビルがある場合は、セメントペントナイトを使って、隙間を充てんする必要があります。工事のあとに引き出すのが比較的簡単な低強度のものを選ぶことで、余計な負担をかけることもなくなります。
掘削系
杭打ち機(杭打機)のなかでも、スクリュー式のドリルなどを使って物理的に地盤を掘削したうえでウォータージェットを送水して杭を建て込む方法です。頑固な岩盤や地盤の場所にも問題なくできますが、あとあとの処理が大変な一面もあります。無騒音や無振動で作業ができる良さもありますが、山留め壁にまたがるような形の作業姿勢になります。そのため隣接している建物に接しての作業には限界があり、どこでもできるものではありません。公害対策用の高周波バイブロハンマがよく用いられており、振動数を高くして減衰を早くしています。そのため、伝播距離を小さくしていますが隣で作業を行う場合は、振動に関するクレームが起きてしまう心配もあります。そのため、事前に近所と打ち合わせをするなどの配慮もしておかないと、後々トラブルになってしまいます。ウォータージェットは抵抗をできるだけ小さくできることもあり、砂地盤の場所でも作業ができるなどの特徴もあります。
ハンマーを落下させたり振動で杭を打ち込む打撃式の大型杭打ち機
大型の杭打ち機などはこの方式が最も多く扱われています。三点式杭打機もこの打撃系で、打撃用のハンマーを落下させたり、振動を利用して杭を打ち込む方式です。ただし、工事を行う時の騒音が大きく、ディーゼルエンジンの排気ガス問題もあるため、市街地などではあまり利用されることがなくなってきています。
振動や騒音が少ない圧入式の杭打ち機
油圧によりオモリとなる部分に荷重を加えて、杭を打ち込む方法です。杭打ち機の中でも、振動や騒音が少ない方式といえます。
代表的な杭打ち機としては「サイレントパイラー」が存在します。サイレントパイラーは、既に打ち込まれている杭に対して、さらに圧力をかけて打ち込んでいく機械です。サイレントパイラーは、打ち込みの力は大型の杭をも制御できる一方で、機体自体は軽量といった特徴があります。また、サイレントパイラーにも種類があり、岩盤層に強いサイレントパイラーや高さに制限がある場所で使えるサイレントパイラーなど、作業用途によりさまざまとなっています。
そのため、「○○杭打機」などといった建機のcadデータや図面をダウンロードする場合は、用途にマッチングしたcadデータをダウンロードする必要があります。無料だからとか著作権フリーだからと言って、容易に「○○杭打機」とついた適当なcadデータをダウンロードしても、それが作業図面にマッチングするものではないからです。
「○○杭打機」の○○の部分がどういったものになるかは、作業現場などで指示があるはずですから、その指示どおりのcadデータをフリーなり無料なりダウンロードして取り扱うようにしましょう。
強固な岩盤や深い掘削が可能な掘削式杭打ち機
スクリュー型のドリルとなる部品を先端に取り付け、地面を掘削して杭を打ち込む方法です。高圧水を注入しながら掘り進めていくため、汚水などの問題があるものの、強固な岩盤やより深い掘削および杭打ちを可能とするのが特徴です。
一方で、4t建柱車などの建柱車も、ドリル式の掘削機を備えています。そのため、4t建柱車などの建柱車も掘削式の杭打ち機と言えるでしょう。
大型な杭打ち機が作業現場に導入される場合、杭打ち機のcadデータを取り扱う時は、その作業現場に合わせてカスタマイズされている場合も多いため、現場に見合った専用の杭打ち機のcad図面を作成することが必要となります。杭打ち機のcad図面を作成する時は、基本となる「○○杭打機」のフリーや無料のcadデータを探してダウンロードし、それを基にcadデータを作り上げていくと効率よく作業を進めることができます。
また、4t建柱車など簡易的な掘削機が導入される現場であれば、建柱車に備え付けられているブームの高さなどに注意が必要です。4t建柱車などの建柱車は、それぞれのメーカーでcadデータや図面を無料またはフリーでダウンロードできます。なお、建柱車にも4t建柱車や3t建柱車など種類がありますので、作業現場にマッチングしたcadデータを、建柱車を無料またはフリーでダウンロードして図面などに活用しましょう。
三点式杭打機を用いたオールケーシング工法の杭打ち機
一般的に多く用いられる三点式杭打機を用いた工法の一つとして、「オールケーシング工法」が存在します。
オールケーシング工法で使用する杭打ち機は「○○杭打機」といった適当なものではなく、オールケーシング専用の三点式杭打機が存在します。同マシーンは、アウトリガーを前後4本に備えているため、建機の据え付けが容易です。また、ブームはパイプ構造というシンプルな構造となっていて、オペレーターからはハンマーが見えやすい構造となっています。また、ウインチの操作は、全油圧コントロール方式のため、巻上のスピードも迅速です。
繰り返しになりますが、オールケーシング工法は専用の機械が存在します。そのため、メーカーなどからcadデータや図面の無料提供を受けたりする場合は、「○○杭打機」という適当な指示ではなく、オールケーシング専用の三点式杭打機を依頼するようにしましょう。
地面を掘り進めながら電柱を建てる建柱車
ポールセッターとも呼ばれる建柱車(4t建柱車)は、荷台にクレーンのようなものが整備されています。建柱車(4t建柱車)は、特装車に分類されクレーンの先端には削岩スクリューが装着された特徴があります。建柱車(4t建柱車)は地面を掘り進めながら、電柱を建てる作業などを行っています。スクリューのことをオーガと言い、回転しながら掘り進めて地面に真っ直ぐな柱を立てています。建柱車(4t建柱車)のスピードは早くもないものの、削る能力が非常に高く、幅広く活躍できる特徴があります。各種アタッチメントでできる業務の幅を広げるのも、建柱車ならではの魅力と言えます。掘削したときに土砂が付着してしまうこともありますが、もともとのバイブレーター機能があるので余計なメンテナンスも必要ありません。常に高い機能を維持したまま活躍してくれるのも、建柱車ならではの魅力といえるのではないでしょうか。一部ではありますが、住宅の柱を建てるときにも穴を掘る役割を担っているときもあります。支柱を建てたりするなど、たくさんの場所で使われているのも特徴ではないでしょうか。
杭打ち機メーカーの杭打ち機の型式
その他にも、各メーカーではそれぞれに杭打ち機の開発を進めています。ここでは、リバースサーキュレーションドリルのそれぞれのメーカーで開発された型式および年代について羅列します。(◇型式=導入または開発年)
【ザルツギッター】◇PS 150=1962
【鉱研工業】◇RBB-100A=1977、◇S 500 R=1977、◇S 400 H=1979、◇RBB-75 A=1980、◇S 450=1980、◇S 480 H=1980
【三菱重工業】◇MD 150=1976、◇MD 450=1979、◇MD 250=1979、◇MD-350=1972
【石川島播磨】◇L-4=1967、◇L-2S=1968、◇L-2A=1969、◇L-4S=1969、◇L-1B=1981、◇L-10S=1972
【東邦地下工機】◇F-2B=1965、◇J-1 B=1975、◇J-2=1976
【日立建機】◇S 300=1970、◇S 600=1971、◇S 320=1974
【日立製作所】◇PS 150=1965、◇F-1B=1965、◇S200=1966
【利根ボーリング】◇RRC 15=1972、◇RRC 20=1973、◇RRC 30=1973、◇TBH=1975、◇RRC-10=1981、◇TRC-10=1981、◇TRC-15=1981、◇TRC-20=1981、◇TRC-30=1981、◇RRC 10=1979
それぞれのメーカーの型番や年式を見れば、おおよその流れやバージョンが見えてくるはずです。また、一覧にはないものの、年代によっては排ガス規制などが適用されている建機も存在していますので、そういった機能性の違いにも知っておくと良いでしょう。
各メーカーの杭打ち機の特徴と機能性
さらに、それぞれのメーカーで何点か特徴的な部分を紹介します。
日立建機のリバースサーキュレーションドリルSシリーズには、原動機やポンプ類などを採用したパワーユニットと掘削装置ユニットの2つのユニットから構成されているものと、掘削装置と揚水装置と油圧供給装置に分割されたパワーユニットが備わっている3ユニット方式のものが存在します。また、標準形には、高効率なサクションポンプを採用。それとは別に、エアコンプレッサとエアジェットノズルを装着することで、エアリフト方式を用いての大深度掘削の施工も可能となっています。
利根ボーリングのRRCシリーズは、ワイヤロープで掘削機そのものを孔内に吊り下げて掘削を行います。掘削時に発生した土砂は、ホースを通して地上に設置されているサクションポンプを利用し地上に排出します。
石川島播磨重工については、油圧パワーユニットとロータリテーブルを分離。油圧ホースに接続されているビットによって掘削します。掘削時に発生した土砂は、サクションポンプまたはエアリフトにより排出される方式です。
このように、それぞれのメーカーが手掛ける掘削機には、それぞれ独自の考え方や効率性に基づいた方式や装備が備わっています。そして、それぞれに得意とする作業場所や工法により、杭打ち作業を行っていくのです。もちろん、フリーデータや無料のcadも、それぞれの現場に合わせた杭打ち機を入手する必要があるのです。
杭打ち作業を安全に行うには
建物を建造するときに必要なものは、杭打ちです。杭はやわらかい地盤の先にある固い地盤、支持層まで打ち込む必要があります。
杭打ちの方式には代表的なもの3つあります。1つ目は、場所打ち杭工法で、杭を打つ場所に穴を掘り、杭打ち機を使って鉄筋とコンクリートを打設して杭とする方式です。2つ目は、既製杭工法で、工場で作られたコンクリート製や鋼管製の杭を、杭を打つ場所に三点式杭打機のような杭打ち機で挿入する方式です。この工場で生産された杭はパイルと呼ばれます。3つ目は、地盤改良施工法で、杭を打つ地盤の土壌と、機械から出すセメントミルクを混ぜ合わせ、地盤中に柱状の杭を造成する方式です。
杭打ち機や杭抜き機を使って作業を行う場合、騒音規制法・振動規制法および騒音と振動の地方条例の規制対象となり、自治体に届ける必要があります。案内図、工程表、現場拡大図、騒音・振動の防止対策、重機使用などを記載した届出書です。そのため、杭打ち機やパイルだけでなく、ラフタークレーン、搬送トラックなども含めたデータや図面が必要になり、メーカーや重機レンタル会社のフリーのCADやカタログのダウンロードサイトから使用する機械やパイルのCADデータ、図面、カタログなどを無料でダウンロードして使えば、官公庁も納得できる届出書が作成できます。
場所打ち杭機は切削した箇所の杭を入れてコンクリートを打設する
場所打ち杭工法を機構的に見ると、ケーシングチューブ装置やハンマグラブバケット装置とオールケーシング掘削機とを一緒にした機構があり、オールケーシング工法掘削機として用いられいる杭打ち機です。一方、アタッチメントとしてショベル系掘削機を備えた機構の杭打ち機は、アースドリル工法掘削機として使用されています。
一般的に杭打ち機と言われるものは、コンクリートパイルなどの杭を衝撃荷重で打ち込むか、油圧で打ち込みます。一方、場所打ち杭機は、切削した箇所の杭を入れてコンクリートを打設する方法で、杭打ち機としての機械の違いがここにあります。
どのような工法で杭を打ってビルなどを建造する場合には、工事の概要の説明書と施工主に対するプレゼンテーションが必要で、それが承認されてから具体的な工事設計・計画へと進みます。プレゼンテーションでいかに印象を良くするかが一番に心を砕く場面です。ここでプレゼン資料に役立つものが、CADデータやCAD図面です。CADデータや図面を使えば、杭打ち機やクレーン車、トレーラーなどの位置関係と、周囲の影響範囲と対策状況が一目でわかるからです。CADは無料でフリーのダウンロードサイトから得られますので、質のの良いプレゼンができます。
パイルドライバとも言われる三点式杭打機による杭打ち工法
三点式杭打機はパイルドライバとも言われ、クローラーに設置されたリーダを2本のステーで支える杭打ち機で、クローラー3点で支持されることから、三点式杭打機と呼ばれます。リーダとは、パイルを垂直に打ち込むガイドの役割をはたし、ステーはリーダとクローラー間でトラス構造となっていて、リーダを支えます。
三点式杭打機は、既製杭の打ち込みだけでなく、場所打ち杭として堤防・山留壁・地下構造物などの連続壁基礎を構築します。
三点式杭打機の重量は80トン~160トン、リーダ長さ20m~35mと大型の杭打ち機です。さらに、周辺にパイルを運ぶトラクターやレッカー車などの大型重機が走行する状況での工事を行います。そのため、工事現場で設置時の地盤の固定、架線などへの引っ掛け、周囲の一般車両や歩行者などへの影響がないような周囲の囲いや監視人など十分な安全対策が必要です。安全対策を取るために必要なものが、三点式杭打機やクレーンなどのCADデータや機器の図面です。CADデータはフリーのダウンロードサイトから無料でダウンロードできますし、三点式杭打機はメーカーのフリーのダウンロードエリアから得ることができますので、十分な安全計画を立てるのに役立つでしょう。また、無料で公開しているCADサイトには、三点式杭打機の3D図がありますので、現場の安全を検討する上でのシミュレーションも可能です。
騒音や振動を発生させない
サイレントパイラー杭打ち機の原理とは、既製杭を圧入で地盤に貫入させる杭打ち機の方式と似ています。サイレントパイラーの異なる点は、すでに地中に圧入された杭の数本をつかみ、それを引き抜くときに得られる引き抜き抵抗を反力として、次の杭を油圧による静荷重で圧入する方式の杭打ちです。
サイレントパイラー方式は、静荷重で杭を挿入するため、騒音や振動を発生させないため、環境性が良い工法です。また、圧入する機械は、杭につかまった状態で杭を打つため、機械が転倒する危険が少なく安全性が高い工法です。また、既製杭を圧入するため高い品質を維持できます。サイレントパイラー杭打ち機は小型で複数台が同時に杭打ちができるため、工期短縮が期待できます。
以上のようなサイレントパイラーによる杭打ちの利点を強調して施工主に説明すれば、好印象が得られるでしょう。そのためには、その利点を説明できるデータと図面が必要で、サイレントパイラーによる杭打ちや付属の重機などのフリーのCADデータや図面のダウンロードサイトから、無料で図面などの得て説明資料を作成しましょう。
電柱やトランス設置のための機能を備えている建柱車
建柱車は、小型の穴掘建柱車で、ポールセッターとも言います。建柱車は、掘削機能を備えたクレーン車というイメージで、電柱やトランス設置のための機能を備えています。掘削スクリューで電柱用の穴を掘削し、大型の電柱やトランスをクレーンで吊り上げて、電柱の設置を行うことや逆に不要の電柱を吊り出します。
建柱車の大きさは、各メーカーやレンタル会社では、3t建柱車と4t建柱車が多いようです。4t建柱車のスペックの1例を挙げると、掘削作業半径は約11m、揚程が14m、吊り上げる能力は2.9トンを約5m吊り上げます。また、掘削半径は標準で0.5m程度で、1m近くまで掘削するオプションを持っています。
4t建柱車を電柱作業に使う場合、アウトリガーを最大に張り出して固定し、14m近くの垂直高さとなります。これを住宅地周辺で実施する場合、住民への説明が必要で、4t建柱車のCADデータや図面を入れた説明用のパンフレット作製すれば住民の協力が得られるでしょう。メーカーやレンタル会社のフリーのダウンロードサイトから無料で4t建柱車のCADデータや図面をダウンロードできますので、実際に工事する4t建柱車の図面などで工事計画書を作成すると良いでしょう。もちろん建柱車のCADデータや図面は、住民説明用だけでなく、工事を安全に遂行するために、必要な安全対策を工事計画書や工事施工要領書に盛り込むために、必要です。
オールケーシング工法による場所打ち杭のトラブルを防止する管理スキル
基礎杭の分類の中で場所打ち杭は、人力で掘削する杭と機械で掘削する杭の2種類です。機械で掘削して杭を打つ工法は、支持層までN値が小さな地層な軟弱地盤で採用されるアースドリル工法、リバース工法、オールケーシング工法です。その中で、オールケーシング工法は、確実な出来形・品質の信頼・施工性・経済性に優れた特徴があります。高品質な構造物を構築するために、場所打ち杭であるオールケーシング工法のトラブル事例から、現場の施工管理として活用することが重要です。
場所打ち杭であるオールケーシングエ法によって施工された、杭頭部の直径の寸法が不足する事例があり、N値<2の軟弱地盤でよく発生します。出来形不足の原因は、次のことが考えられます。
・ケーシングパイプを抜いた後、コンクリート静圧力が小さいために、杭周辺の軟弱地盤の圧力が勝り、地盤がコンクリートを押して移動させ、杭頭全体に出来形不足箇所が発生します。
・クローラクレーンにてケーシングパイプを引き上げるときの引上げ速度が速いと、粘性があるコンクリートは、ケーシングパイプとの摩擦で瞬間的に引き上がり負圧となり、杭周辺の地盤が移動させられます。
・杭頭と現地盤までの土被りが少ない場合、ケーシングパイプの引き抜き時のクレーンの吊り角度が鉛直でない場合、ケーシングパイプが動き、杭周辺の軟弱な地盤を移動させてしまい、杭頭に出来形不足を起こさせます。
これらの原因に対する対応を的確に取ることで、杭打ち工法と杭打ち機の信頼が高まります。
正確な寸法を押えて図面を作成
一口に杭地業工事の機械といっても、様々な機械があります。
工法は多種多様ですが、大きく分けて二種類に分けられ、場所打ち杭工法と既製杭工法となります。
場所打ちはアースドリルやオールケーシング、リバースサーキュレーションなどがあり、既製杭は、最近ではほとんどが、埋設工法となります。
杭地業工事で使用される杭打ち機の種類は非常に多く、正確な寸法を押えて図面を作成しなければ、計画に支障をきたすものばかりです。
例えば、
・パイルドライバやクローラークレーンこれらに付属するオーガーマシンやケーシング設置機
・これらに付属するセメントミルクを攪拌するためのバッチャープラントや電源供給のための発電機
・セメントを格納するサイロ
正確な施工計画を策定には、使用する機器の寸法を描画して図面を作成する必要があります。
自前で描くと非常に時間の掛かる作業となるので、どうしても機器のCADデータが欲しくなります。
できればフリーで、とも思うでしょう。
杭打ち機や三点式杭打機のCADデータを探す方法
杭打ち機のデータを探すには、以下の2つの方法が一番効率的です。
1.重機メーカーサイトから目的の機器データを取得する。
2.レンタル会社のサイトから機器データを取得する。
重機メーカーのサイトから杭打ち機のCADデータを取得する
まず、重機メーカーサイトから、目的のデータをダウンロードするために、サイトにアクセスします。
ほとんどのメーカーでは登録が必須ですが、今後もアクセスすることが多いかと思いますのでしっかり登録しましょう。
中には登録さえすればフリーで提供しているところもあります。
割と最新の機器はCADデータがあることが多いのですが、旧機のデータは無いことも多いです。
建柱車や4t建柱車、サイレントパイラー、アースオーガーや油圧ハンマなど杭打機に付随する機器も特殊なものなので、重機メーカーからダウンロードすることになります。
種類はそれほど多くないため同じく旧機データは少ないことが多いです。
4t建柱車やサイレントパイラーなど、目的のCADデータが見つからないときは、ウェブブラウザの機能を使って探してみましょう。
画像データ検索などで目的のサイトを探したりすることで、過去に流通していたデータであれば取得できる可能性が非常に上がります。フリーで見つかるものもあるでしょう。無料のものでも意外と品質は良いものですので、一度確認してみてください。
レンタル会社のサイトから杭打ち機のCADデータを取得する
レンタル会社のサイトからダウンロードできるものは、発電機や、バックホウなど付帯する機器がメインとなります。
杭打ち機・杭抜き機はもちろん、建柱車や4t建柱車、サイレントパイラーなどのcadデータがダウンロードできるサイトもあります。中には無料で使えるものもあります。
膨大な量のCADデータが取得できるため、型式から検索することで簡単にみつけられるでしょう。
こちらも同じく、登録が求められますが、登録さえすれば無料で使えるところもあります。
杭打ち機のCADデータ、実務で役立つ使い方はコレ
杭打ち機やクローラークレーン、発電機などのCADデータの取得方法は理解できたでしょうか。
データは様々な形式になっていることが多く、DXFやDWGなどの拡張子のものが多いかと思います。
それぞれご利用のCADにあった形式のCADデータを利用しましょう。
ダウンロードしたCADデータは、ほとんどの場合、線の集合体のままであることが多いため、計画図面で使いやすく編集しましょう。
CADによってやりかたは違いますが、部品データやブロックデータに編集することで、杭打ち機の設置位置の微調整などに非常に役立ちます。
レイヤーも細かく設定することで、より円滑に作図することができるでしょう。
部品データは、車体と稼働部分に分けることで、よりリアルな施工計画図面を作ることができます。
特に都心部など隣地境界ぎりぎりに建物がある場合、縦断面での施工計画は欠すことはできません。
ほとんどの杭打ち機には立面データもあり、マシン寸法がリアルに再現されているので、とても役に立ちます。
まとめ
昨今の傾向として、より安全な施工方法・施工計画が求められる時代となってきました。
杭地業工事は大型重機を使用した作業であり、重機災害の確立が高い職種でもあります。
杭打ち機の設置など、現場の安全作業の一助として、お役に立てればと思います。