RC断面計算・断面算定のフリーソフト・エクセルテンプレート

b74098e8 e0d9 4da9 82a3 505470382b7d - RC断面計算・断面算定のフリーソフト・エクセルテンプレート 構造計算 ソフト

RC断面計算・断面算定のフリーソフト・エクセルテンプレートです。

  • 許容応力度法によるRC断面計算
  • RC柱梁の断面算定
  • 骨組構造3次元解析
  • RC計算規準のワークシート
  • 鉄筋コンクリート部材・梁・柱・スラブの断面算定
  • RC造梁貫通孔補強筋の算定
  • C柱・梁幅の配筋による最小寸法の算定

RC断面計算のフリーソフト

RC断面の計算のフリーソフトです。
許容応力度法によるRC断面計算、RC柱梁の断面算定、骨組構造3次元解析、RC計算規準のワークシート、鉄筋コンクリート部材・梁・柱・スラブの断面算定、RC造梁貫通孔補強筋の算定、C柱・梁幅の配筋による最小寸法の算定などのフリーソフトが、ダウンロードできます。

RC柱梁断面算定 / 断面算定図表作成

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RC柱梁の断面算定、断面算定図表の作成を行うソフトです。RC規準の算定表を印刷することができます。算定図表作成機能は、柱、梁とも圧縮鉄筋とコンクリートの重複を考慮しない方法により算定されます。データのファイル化、せん断の検討などの機能もあります。

構造設計ツール集

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骨組構造3次元解析、RC計算規準に即したワークシート、S構造断面算定のツール集です。RC計算規準のExcelシートは、梁断面算定表、柱断面算定表、手計算ツールなどのフリーソフトが収録されています。

RC柱・梁幅の配筋による最小寸法

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柱・梁の配筋等の条件による、必要幅を算定した一覧表を表示させるエクセルのワークシートです。異形鉄筋、交互フック、先曲げ異形鉄筋、フックなし、溶接閉鎖等について、算定が可能です。日本建築学会「鉄筋コンクリート構造配筋指針」を参照しています。

許容応力度設計法によるRC断面計算 (円形)

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弾性解析によりコンクリート圧縮応力度、鉄筋引張応力度、せん断応力度を算定する、RC円環断面の断面算定プログラムです。平均せん断応力度を算定し、算定式としてS/A、またはS/bhを適用できます。M-N曲線に他の断面を表示することもできます。

許容応力度設計法によるRC断面計算 (長方形ばり)

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弾性解析によりコンクリート圧縮応力度、鉄筋引張応力度、せん断応力度、付着応力度を算定する、長方形ばりの断面算定ログラムです。利用機会の多い長方形ばりについて、曲げモーメントのみを受ける部材、軸力と曲げを同時に受ける部材の断面算定ができます。

j_step

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RC階段の断面を作図するjwwの外部変形ソフトです。基点を指示し、階高、踏面、段数、仕上厚、スラブ厚などの値を入力すると、RC階段の断面を作図します。ダウンロードするとLZHファイルが保存されます。JWWと同じフォルダに解凍し、JWW上から本ソフトのバッチファイルを起動してください。メニューが出てきますので、実行すると使用する事が可能となります。

RC断面計算のエクセルテンプレート

RC断面計算

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RC断面計算ソフトです。モーメント・せん断力・軸力、断面形状・鉄筋径を入力して、応力計算をします。「鉄筋コンクリートの新しい計算図表」を参考にしています。土木設計事務所が開発したフリーソフトで、エクセルシートで計算を行います。

RC造梁貫通孔補強筋の算定

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鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説に基づき、RC造梁貫通孔補強筋の算定を行うソフトです。長期、短期及び終局時に対して算定を行うことができます。RC梁貫通孔補強の計算シートと、補強形式という補強筋の諸元表で構成されていて、表の各数値は変更が可能です。

RC計算規準 (手計算ツール)

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建築学会のRC計算規準に準拠した書式の手計算ツール集です。手計算ツールA、手計算ツールB、梁断面算定表、柱断面算定表の4つのツールが収録されています。すべてフリーソフトで、Excelで計算や編集を行います。使い勝手が良いソフトです。

RC壁式構造

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RC壁式構造の新告示に対応した壁量を概算的に算出します。計画段階で必要な壁量を概算したい場合には、作業を省力化でき、便利に使えます。コンクリート強度を上げた場合や壁厚を増やした場合の低減された必要な壁量がすぐにわかります。

iDA_RCSlab

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エクセル上で道路橋のRC床板の断面計算を行うアプリケーションです。また、計算した断面の断面図を描くので視覚的に設計断面をチェックすることができます。セットアップを起動するとインストールが開始されます。インストールが成功すると、任意のフォルダ内にある「iDA_RCSlab.xltx」を実行することで、機能を活用することができます。使い方のPDFも同封されています。

RC構造における配筋設計のポイント

鉄筋コンクリート(RC)構造のパフォーマンスは、適切な配筋設計によって決定される。配筋設計とは、施工条件や現場の状況を考慮しつつ、断面計算結果をもとに鉄筋の配置を定め、鉄筋工事に関する設計内容を図面にまとめるプロセスである。また必要に応じて、主要部分の鉄筋配置図も詳細に作成される。RC構造物に求められる性能を満たすためには、合理的かつ綿密な配筋設計が欠かせない。

配筋設計の基本概念

配筋設計を行う際のキーポイントはいくつかある。これらのポイントを押さえて初めて、鉄筋コンクリート構造物としての性能が十分に発揮される。以下に、配筋設計における重要な4つのポイントを詳しく解説する。

力学的に合理的であること

配筋設計の基礎は構造計算にある。設計される鉄筋は、構造物に加わるさまざまな荷重に対して適切に対応し、その性能を最大限発揮できるように配置されなければならない。特に、鉄筋の適切な並び方や鉄筋の定着・継手部の合理性が重要となる。不合理な配筋は構造強度を損ない、最悪の場合、構造物の早期劣化を引き起こす可能性がある。

物理的に可能であること

設計された配筋は現場で実際に加工・組立が可能でなければならない。鉄筋は工場や加工場で適切に加工され、現場で指定された手順に従って組み立てられる。鉄筋同士の干渉を避け、部材同士がスムーズに納まるようにするためには、物理的な実現可能性を十分に検討する必要がある。

施工の容易さ

配筋設計は現場での施工のしやすさを考慮して行わなければならない。力学的に合理的であり、物理的に可能であっても、施工が著しく難しい配筋は避けるべきだ。容易な施工プロセスは品質の向上にも寄与し、不備やミスのリスクを低減する。標準的な配筋手順と組立法に従った設計が理想とされる。

コンクリートの充填性

鉄筋コンクリートの性能を発揮するためには、鉄筋とコンクリートが完全に一体化することが不可欠である。コンクリートが隅々まで行き渡るように設計段階で配慮し、打込みやすく充分に充填される配筋配置が求められる。充填性が不良だと、コンクリートの強度低下や劣化の原因となり、構造物の耐久性が大きく損なわれる恐れがある。

さらに深堀りする配筋設計のポイント

配筋設計を進める上で、いくつかの追加的な視点も考慮することが重要である。例えば、環境条件の影響やメンテナンスシナリオ、経済効率なども十分に検討する必要がある。以下に、さらに詳細なポイントをいくつか紹介する。

環境条件の考慮

配筋設計では、構造物が置かれる環境条件を考慮する必要がある。例えば、海辺や高湿度の場所では、鋼材が腐食しやすくなるため、その対策が求められる。コンクリートの品質やカバー厚さの最適化、さらに耐久性の高い材料の選定などが重要となる。

メンテナンスとリペア

構造物の長寿命化を目指すためには、メンテナンスやリペアの視点も設計段階から考慮すべきである。将来的なリペアが容易に行えるような配筋設計を行うことは、構造物の維持管理コストを低減する上でも大変重要である。

経済効率の最適化

コスト効率も無視できない要素である。材料の選定から施工方法、作業員の配置まで、配筋設計は全体の経済効率もしっかりと考慮することが求められる。無理のない配筋配置や効率的な使用材料、合理的な施工手順の提案が、最終的なプロジェクトの成功につながる。

まとめ/配筋設計のポイント

RC構造物における配筋設計は、その構造物の性能や耐久性を左右する重要な作業である。力学的合理性、物理的可能性、施工のしやすさ、そしてコンクリートの充填性を中心に、環境条件やメンテナンスシナリオ、経済効率も考慮した総合的な視点で配筋設計を行うことが求められる。このような配慮の集合体として、最終的に高品質なRC構造物が完成する。

RC断面計算の基準書について

鉄筋コンクリート(RC)建築の設計や施工に関する専門的なガイドラインや規準には、いくつかの重要な文献が存在します。それでは、それらの基準書について詳細に見ていきましょう。

これらの基準書を熟知することで、より安全で耐久性の高い鉄筋コンクリート構造物を設計・施工するための知識を深めることができます。また、RC断面計算の基準書として、それぞれの文献が持つ計算手法や設計指針を正確に理解し、適用することが非常に重要です。

鉄筋コンクリート建築規準

「鉄筋コンクリート建築規準」は、鉄筋コンクリート構造物の設計、施工、および管理に関する基本的な指針を提供する文書です。この規準は、構造物の安全性、耐久性、および機能性を確保するための詳細な指針を含んでいます。特に、荷重分散、荷重の計算方法、鉄筋の配置方法などに焦点を当てています。

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説

こちらの規準は、鉄筋コンクリート構造物の詳細な計算手法に基づく具体的な設計プロセスを示しています。RC断面計算の基準書として、断面抵抗や変形性能の計算方法について細かく解説しています。また、解説書では、理論的背景および実際の設計事例を通じて、より深く理解するための情報が提供されています。

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説

「鉄筋コンクリート造配筋指針」では、鉄筋の具体的な配置方法について詳細に解説しています。鉄筋の種類、寸法、保持方法、結束方法などが挙げられており、施工現場での具体的な対応策も記載されています。解説部分では、実際の施工例を交えながら、配筋の重要性やポイントを詳述しています。

壁式構造関係設計規準集・同解説(壁式鉄筋コンクリート造編)

壁式鉄筋コンクリート構造の設計に特化したこの文献は、高層建築や大規模建築物に多用される壁式構造に関する設計指針を提供しています。RC断面計算の基準書としての役割を果たし、壁の強度や耐震性能、断熱性能などの設計要件がカバーされています。また、解説書では、日本独自の気候風土を考慮した設計上の工夫や注意点についても触れています。

壁式構造配筋指針・同解説

「壁式構造配筋指針」は、壁式鉄筋コンクリート構造の配筋方法についての詳細なガイドラインです。この文献では、壁の強度や耐久性を確保するための鉄筋配置のベストプラクティスが示されています。実際の壁式構造の施工例や、設計上の注意点も含まれています。

RC断面計算のやり方

一般的にRC断面計算は、鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(以下RC規準)【日本建築学会】に基づいて行います。
最新版は2018年版です。ここでは、2018年版RC規準に基づき梁と柱の断面計算方法について解説を行います。

梁の断面計算の際に考慮すべき荷重には、スラブなどから伝達する常時荷重と地震時に発生する地震荷重などがあります。

これらの荷重から梁に発生する主な応力には曲げモーメントとせん断力があります。

一般的に梁断面の主筋量は曲げモーメントにより、あばら筋量(スターラップ)はせん断力により決定します。

また、その他主筋の付着についても検討を行う必要があります。

なお、梁の断面計算は以下の仮定により行います。
・平面保持の仮定が成立している。(材軸方向断面は変形後も同じ平面を保っている。)
・鉄筋とコンクリートは完全に一体である。
・コンクリートは引張応力を負担しない。
・コンクリートと鉄筋の応力ーひずみ関係はフックの法則に従い、その比率(ヤング係数比)はn=15とする。

柱の断面計算は、曲げモーメントとせん断力に加えて、軸力の影響も考慮する必要があります。
一般的に柱断面の主筋量は軸力と曲げモーメントにより決定し、帯筋量はせん断力により決定します。

梁のRC断面計算

曲げモーメントに対するRC断面計算

一般的に大梁中央部の主筋量は常時荷重時の引張側曲げモーメントにより決定します。
このとき、引張側鉄筋量atは釣り合い鉄筋比以下となるため、必要鉄筋量atはat=M/(ft・j)で求めます。
ここで、釣り合い鉄筋比Ptbとは、圧縮側コンクリートと引張側鉄筋が同時に降伏するときのコンクリート断面積に対する引張鉄筋断面積の比率のことをいいます。

一方、大梁端部の上下の主筋量は地震時の曲げモーメントにより決定します。
このとき、大梁端部に発生する曲げモーメントは正負両方向からの地震力を考慮します。
また、上下主筋量は上下主筋量の比率である複筋比γが影響します。
γ=0.4以上と仮定して進めることが一般的です。

端部上端筋の鉄筋量は、応力が大きい場合には鉄筋比Ptが釣り合い鉄筋比Ptbを上回ることがあります。
この場合には上端筋が降伏する前に梁下端の圧縮側コンクリートが圧壊し降伏します。
そのため、下端筋に複筋比γを満足する圧縮鉄筋を配筋する必要があります。
端部下端筋の鉄筋量は下端に発生する曲げモーメントに対して求めたat=M/(ft・j)と上端筋算定時の複筋比γを満足する鉄筋量のいずれか大きい方とします。

RC規準には、C=M/bd2と複筋比γ=ac/atから必要鉄筋量を求める断面算定図表があり、実務ではよく用いられます。
ただし、現在では簡単に鉄筋量を求めることができるエクセルテンプレートがダウンロード可能です。

また、梁の曲げモーメントに対する断面計算では上記以外にも以下の点に留意する必要があります。

a.主筋の最小引張鉄筋量

梁の引張鉄筋断面積が、コンクリート断面と比較して非常に小さいと、降伏モーメントがひび割れ抵抗モーメントより小さくなることがあるため、RC規準では最小引張鉄筋量が規定されています。
最小引張鉄筋量は0.004b・d以上としますが、基礎梁など梁せいが大きい梁の場合は長期応力による必要鉄筋量の4/3倍と0.004b・dのいずれか小さい方の鉄筋量以上とします。
また、鉄筋量は付着破壊や施工性を考慮して断面の1.5%以下に抑えることを目安とします。

b.二段筋の鉄筋重心位置

二段筋の主筋同士のあきは、粗骨材の最大寸法(一般に25mm)または1.5D(D:異形鉄筋の呼び名の数値)の値以上とします。
この他、鉄筋の重心位置は直交方向主筋や施工性を考慮して決定します。
また、主筋の配置は特別の場合を除き二段以下とすることが一般的です。
エクセルテンプレートやフリーソフトを使用する際には以上の内容を満足しているかよく確認しましょう。

せん断力に対するRC断面計算

せん断力に対する梁の断面計算は長期荷重、短期荷重に対して許容せん断力Qaが設計用せん断力を上回ることを確認します。

①梁の短期設計用せん断力Qd
Qd=min(Qd1,Qd2)
Qd1=Ql+ΣMy/l’
Qd2=Ql+n・Qe
ここで、
Ql:長期設計用せん断力
ΣMy:せん断力が最大となる梁両端の降伏曲げモーメントの絶対値の和
l’: 梁の内法スパン長
n:水平荷重時せん断力の割増し係数。ただしn≧1.5
Qe:水平荷重時せん断力

②梁の許容せん断力Qa
Qa= b·j{α・fs+0.5wft(Pw-0.002)}
α=4/{(M/Q・d)+1}ただし、1≦α≦2
ここで、
α:梁せいとスパンの関係による補正係数
b:梁幅、T形梁の場合はウェブ幅
j: 梁の応力重心距離で(7/8)d
d: 梁の有効せい
Pw:あばら筋比Pw=aw/(b・x)
aw:1組のあばら筋断面積
x:あばら筋の間隔
fs:コンクリートの許容せん断応力度
wft: あばら筋のせん断補強用許容引張応力度
α: 梁せいとスパンの関係による割増係数
M: 設計する梁の最大曲げモーメント
Q: 設計する梁の最大せん断力
また、梁のせん断力に対する断面計算では上記以外にも以下の点に留意する必要があります。

a.あばら筋量の制限
あばら筋はあばら筋比Pw≧0.2%以上とする必要があります。
また、Pwが1.2%を上回る場合には1.2%として計算を行います。

b.長期荷重時の許容せん断力
長期荷重時の許容せん断力は梁にせん断ひび割れを発生させないために、コンクリート断面のみを考慮してQa=α・fs・b・jとして計算を行うことが一般的です。

c.断面算定図表
RC規準にはPwを求める計算図表があり、実務ではよく用いられます。
また、このような図表を用いずにフリーソフトやエクセルを使用することも一般的です。

付着に対するRC断面計算

曲げ材の引張鉄筋では、スパン内で付着応力度の算定を行い、許容付着応力度以下となっていることを確認します。
付着に対する検討は下式のいずれかにより行います。
τa1=Q/(Σφ・j)≦fa
τa2=σt・db/{4(ld-d)}≦0.8fa
ここで、
τa1:引張鉄筋の曲げ付着応力度
τa2:引張鉄筋の平均付着応力度
Q:設計用せん断力
φ:鉄筋の周長
j:曲げ材の応力中心距離(7/8) d
fa:許容付着応力度
σt:付着検定断面位置の曲げ材引張応力度。ただし、鉄筋端にフックを設ける場合には、その値の2/3倍とすることができる
db:曲げ補強筋鉄筋径で、異形鉄筋では呼び名の数値とする。
ld:引張鉄筋の付着長さで、曲げ材にせん断ひび割れが生じないことが確かめられた場合には式中のld-dをldとしてよい
付着の検討は複雑なため、エクセルテンプレートを使用して検討を行うのがおすすめです。

柱のRC断面計算

曲げと軸力に対するRC断面計算

柱の断面計算では、曲げモーメントと軸力のバランスや、中立軸の位置により断面算定式が異なります。
そのため、RC規準にはM/bD2とN/bDから必要鉄筋量を求める断面算定図表があり、実務ではよく使用されます。
軸力が非常に大きいとコンクリートの圧壊で耐力が決定するため、鉄筋をいくら増やしても耐力は上がらないため注意が必要です。
また、柱の主筋の最小鉄筋量はコンクリート断面積の0.8%以上とする必要があります。
ただし、コンクリート断面が非常に大きい場合にはこの最小鉄筋量を減少させることが可能です。
柱の断面計算は非常に複雑なため、簡単に必要鉄筋量を求めることができるフリーソフトやエクセルテンプレートを活用しましょう。

せん断力に対するRC断面計算

せん断破壊は急激に支持力を失う、非常に危険な破壊形式です。
柱の破壊形式はできる限り靭性の高い曲げ降伏型となるよう、せん断破壊が生じないようにすることが必要となります。
また、長期設計用せん断力に対しては、梁と同様にせん断ひび割れを発生させないために、コンクリート断面のみを考慮して計算を行います。

①柱の許容せん断力

a.長期許容せん断力Qal
Qal=α・b・j・fs
ここで、
α:割増し係数(=4/{(M/Qd)+1},1≦α≦1.5)
b:柱の幅
j:柱の応力中心距離(=(7/8)d)
d:柱の有効せい(=D-dt)
fs:コンクリートの許容せん断応力度
M:設計する柱の最大曲げモーメント
Q:設計する柱の最大せん断力

b.短期許容せん断力Qas
Qas= b・j{α・fs+0.5wft(Pw-0.002)}
ここで、
wft:帯筋のせん断補強用許容引張応力度
Pw:帯筋比(=aw/(b・x)≦1.2%)
aw:1組の帯筋断面積
x:帯筋間隔

②短期設計用せん断力Qd
Qd1=Ql+n・Qe(n=1.5以上)
または、
Qd2=ΣMy/h’
ここで、
Ql:長期荷重によるせん断力
Qe:地震荷重によるせん断力
n:地震荷重時せん断力の割増し係数
ΣMy:柱頭・柱脚の降伏曲げモーメントの絶対値の和。柱頭の降伏曲げモーメントよりも、柱頭に連なる梁の降伏曲げモーメントの絶対値の和の1/2が小さい場合には、小さいほうの値を柱頭の降伏曲げモーメントとしてよい。ただし、最上階では1/2を省くものとする。
h’:柱の内法長さ

③柱頭・柱脚の降伏曲げモーメントMy
Nmax≧N>0.4b・D・Fcのとき
My= {0.8at・σy・D+0.12b・D2・Fc} ×{(Nmax-N)/(Nmax-0.4b・D・Fc)}
0.4 b・D・Fc≧N≧0のとき
My=0.8at・σy・D+0.5N・D{1-N/(b・D・Fc)}
0>N≧Nminのとき
My=0.8at・σy・D+0.4N・D
ここで、
Nmax:中心圧縮時終局強度(=b・D・Fc+ag・σy)
Nmin:中心引張時終局強度(=-ag・σy)
N:柱軸方向力
at:引張主筋断面積
ag:柱主筋全断面積
b:柱断面幅
D:柱断面せい
σy:鉄筋の引張に対する材料強度
Fc:コンクリートの圧縮に対する材料強度
また、上記以外にも以下の点ついて留意します。

a.使用する帯筋はD10またはD13以上とする。

b.帯筋の間隔は100mm以下とし、帯筋比は0.2%以上確保する。

c.帯筋は主筋を包含し、主筋内部のコンクリートを十分拘束するように配置し、その末端は135°以上に曲げて定着するか、または相互に溶接する。