足場(ビケ・ビディ・枠組・単管)の種類と特徴・規制を総まとめ

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足場は、安全で効率的な施工を行うために欠かせない仮設構造物です。現場の条件や作業内容に応じて、ビケ足場、ビディ足場、単管足場、枠組足場など多様な方式が選ばれます。それぞれの足場には構造上の特徴や設置基準があり、法的な規制にも注意が必要です。設置届や作業主任者の選任義務が求められる場合もあるため、計画段階から正しい知識を持つことが重要です。
このページでは、足場の種類と特徴、関連する法的規制について解説しています。

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足場(ビケ・ビディ・枠組・単管)の CADデータ
高所作業に必要な足場には、様々な種類があります。 足場のCADデータは、安全で効率の良い作業を約束するうえで、必ず必要になります。 足場のCADデータが欲しい方のために、無料ダウンロードサイトのリンク集を紹介しましょう。 ビケ足場・ビディ足...
  1. ビケ足場とビディ足場の特徴
  2. ビケ・ビディ・単管・枠組足場の違い
    1. ビケ
    2. 枠組足場
    3. ビディ
    4. 単管
  3. 足場の要件
  4. 単管足場の組立手順
  5. 足場の種類
    1. 本足場
    2. 一側足場
    3. 棚足場
    4. 吊り足場
  6. ビケ足場、ビディ足場、単管傾斜足場、単管パイプ足場などの選定
    1. 足場の選定に必要な確認とは
    2. ビケ足場、ビディ足場、単管傾斜足場、一側足場、ブラケット足場の法的規制
    3. ビケ、ビディ、単管パイプ、一側、ブラケット足場の必要性と設置届
    4. ビケ足場、ビディ足場などの組立、解体、変更の作業主任者の選任等
    5. ビケ足場、ビディ足場、単管傾斜足場、一側足場、ブラケット足場の共通規則
    6. 丸太足場の規制
    7. 鋼管足場・単管足場・単管傾斜足場・枠組足場・一足足場の規制
    8. 吊り足場についての規制
  7. 足場を安全運用するにはこんな問題点が
    1. 足場の種類は鋼管の用い方で決まる
    2. 足場の防災対策として具体的に求められることは
  8. 足場のCADデータを活用するメリット
    1. 足場の種類を抑えておく
    2. 足場CADデータの使い方を知る
  9. 足場のCADデータの利用方法とその効果
    1. 足場のCADデータを用いた施工計画書のプレゼン
    2. CADデータの中身、部材寸法、重量、銘板の利用
    3. 作業員や車両データを併用した作業要領と安全教育
    4. 足場のCAD化で図面変更や工事費算出がスムーズに
    5. 足場の3D表示で危険個所を把握
    6. 作業計画書・安全管理などの大きな効果
  10. 足場のCADデータを実務に活かせるために実践すること
    1. 1. 足場の種類(枠組足場、単管足場など)
    2. 2. 足場のCADデータを使用するメリット
    3. 3. 足場のCADデータの使い方

ビケ足場とビディ足場の特徴

ビケ足場は、形状からクサビ足場とも呼ばれています。
部材を差し込み、金属製のハンマーで叩き込んで組み立てていきます。

ビケ足場の特徴は、部材の種類が多数足、様々な現場に対応することができます。

また、部材のひとつひとつが軽いため人手で容易に組むことができます。
そのため、低コストかつ短納期で足場を組むことができます。

一方で、強度上の問題で、ビケ足場を使用するのは地上45メートルの建物までとなっており、高層建築物には使用できません。
また、組立時に金属製のハンマーを使用することから騒音が問題になったりします。

ビディ足場は、枠組足場とも呼ばれています。
基本的に手作業で組み立てていくことができるようになっています。

ビディ足場は、形が定められており、あまり種類は豊富ではありません。
そのため、現場により採用できない場合があります。

また、部材のひとつひとつが重いため、組立用のクレーンが必要になったりします。
ビケ足場に比べるとコストも工期もかかります。一方で、強度が強く、高層建築物への対応が可能です。

また、クレーンを用いての大組、大バラシが可能となっており、中層建築物に対しても採用されることが多くあります。

また、組立時にハンマー等を使用しないため、騒音の問題はありません。

ビケ・ビディ・単管・枠組足場の違い

足場は大きく、ビケ(くさび緊結式足場)と枠組足場の2つに分かれます。
枠組み足場・単管傾斜足場・単管パイプ・くさび緊結式足場・一側足場・張出し足場・吊り足場・丸太足場・ブラケット足場などです。加えてクランプ・パイプサポート・ジャッキベース・仮設足場材なども考えると、どの足場CADデータを使えばよいか迷うのではないでしょうか。

ビケ

複雑な形状にも対応できます。
輸送費・人件費も削減でき、低コストで納期の速さにも対応します。
(レッカーなどが不要で人力組立可)
10m以下程度の低層向け。

枠組足場

鳥居やはしごのような型に、溶接してある建枠を使って組み立てる足場のことです。
高層の建物に使うことが多く、クレーンを使って組み立てが必要です。
作業できる足場が広いのが特徴です。

ビディ

枠組足場の一種で、鋼製やアルミニウム製があり、ビティ・ビディと呼ばれます。
名前は、足場の考案者の名前が由来です。

単管

パイプを使った足場で、スペースがないときによく使用されます。
滑りやすいため危険度も高いですが、コストが安いというメリットがあります。

足場の要件

足場の条件は、次の三点に要約できます。
① 1つ目は、足場の破壊・倒壊に対する安全性です。足場で事故が起こると官庁による検証が行われ、作業が止まってしまいます。地震などの揺れに対する安全性、作業員の墜落に対する安全性、仮設足場材の落下に対する安全性などへの対策が重要です。
② 作業性の良さは足場作業での条件の1つで、作業床面の広さ、作業・通行を妨害する足場材のない構造、無理のない姿勢で作業を行えるような位置に設置された作業床、などが挙げられます。作業性の良さは、そのまま足場の安全性に直結するため、対応が必要です。
③ 経済性も条件の1つです。架設・撤去が迅速かつ簡単にできること、現場での仮設足場材の加工がないこと、耐用年数の高い仮設足場材を使用すること、などが低コストで足場が構築できる必要な条件です。
安全性や作業性などを確認するためには、詳細な足場の図面が必要です。そのために、CADデータや図面を使って足場組立図を作成します。しかし、CADデータは、足場材のメーカー、足場レンタルメーカーから無料でダウンロードが可能ですが、仮設足場材の図面はCAD図面の他にPDFファイル形式で提供されるサイトが多いようです。CADデータのファイル形式は、AUTOCADソフトで使えるDXF形式が多く、一方、建設関係業者の多くがフリーのJWCADソフトを使っていてそのファイル形式はJWWです。そのため、DXFファイルはJWCADでは使えませんが、DXF形式をJWW形式に変換できるため、DXFファイルでもJWCADソフトでの使用が可能です。また、PDFファイルで提供される仮設足場材などの図面を、AUTO-CADやJWW-CADなどのCAD図面に変換できるツールやソフトがあり、CADデータによる計画書や作業要領書のCADを使った作成が可能となります。

単管足場の組立手順

次に、単管足場の組立手順を例として見てみましょう。
初めに足場が動いたり沈下しないように、地面の上に敷板を設置し、その上に、単管ベースと言う底が平面になった金具を立て、その上に支柱として縦方向の単管パイプを垂直に組み立てます。単管ベースの代わりにジャッキベースを使う場合もありますが、ジャッキベースは、枠組み足場のベースとして用いることがほとんどです。
支柱と支柱を連結させるために、根がらみと言う布材が必要です。それから、パイプサポートとして、単管パイプ同士を直交クランプと言うジョイント金具で、枠を組み上げていきます。このとき、クランプの締め付けトルクは標準値で均一に締めることが重要で、枠組みの安定性が確保できます。

枠の組み上げが終わったら、足場板を渡して単管に固定します。安全上、地上第一段目の足場板は、2m以下に設置します。建物からの距離や手すりの高さには、規定で決まっているため、設置したら確認が必要です。
建物の外壁から足場の単管までは、壁つなぎで固定し、足場が倒壊防止を図ります。また、筋交いの設置も倒壊防止の措置で、枠外へ斜めに固定して補強します。
建設工事で足場を構築する際に、まず初めに必要なことが、足場組立図を使った計画書の作成です。計画書作成後に発注者にプレゼンと承認を得て、官庁への申請となります。
計画書には、足場材の図面やデータを備えた足場組立図の他に、足場の組立手順や工程表、さらに足場を組立てるときの安全への配慮事項が含まれます。例えば、足場組立中に周囲の作業員や通行車両への安全の取組などが必要です。
そのため足場の計画書作成に必要なものは、仮設足場材や足場組立図のCAD図面とCADデータです。CADデータは、足場材のメーカー、足場レンタルメーカーから無料でダウンロードが可能です。他にも、フリーの仮設足場材のCAD図面やCADデータの提供サイトがありますので、計画書の段階の図面作成には、無料でダウンロードして図面作成が可能です。
さらに、フリーのダウンロードサイトからは、作業員や通行人などのCADデータ、足場材運搬車両の3Dデータ、作業車両の3Dデータもあるため、3Dデータを使った足場組立作業時の周囲や足場上作業の安全性が検証できます。

足場の種類

足場は、材料別に分けると丸太足場のような木製と、鋼製足場のような金属製に分けられ、他に、軽金属製の足場も出ています。構造別に分類すると、本足場・一側足場・棚足場のような支柱足場、吊り足場、ゴンドラのような機械足場、ブランケット足場や脚立足場のようなその他に分類されます。
用途別に分けると、枠組み足場・単管足場・丸太足場・張出し足場・ゴンドラのような外壁工事用、枠組み足場・単管足場・脚立・馬・移動式足場を使う内装工事用、枠組み足場・単管足場・丸太足場・吊り足場のような躯体工事用、補修用の足場では、一側足場分類・棚足場分類・ゴンドラ・その他分類の足場が使われます。

本足場

本足場分類の丸太足場や単管足場は、建築物の外壁面に沿い、二行の建地を布材で水平につないで、交点と布材の中間に腕木を架け渡します。その上に足場板を重ねて作業床として組み立てます。
枠組み足場(ビディ足場)は、単管足場と同じように鋼管を使っていますが、ベースにはジャッキベースを使い、足場の各層のスパンを鋼管製建わく・布わく・床付き布わくの部材を、はめ込みながら組み立てます。
張出しわく組足場や張出し単管足場などの張出し足場は、地上から建地材を立てること以外に、建築物の途中階の外壁に、鋼製の張出し材を取り付け、単管や枠組み足場を組み立てます。
足場構築の施工に入る前に、施工要領書を作成し、作業員全員に足場構築の計画とどのように構築するかと安全のポイントを説明する必要があります。作業要領書には、詳細な足場組立図と仮設足場材の規格などを説明しますが、CADデータとCAD図面を使うことで、説明しやすい要領書の作成ができます。さらに、3D図と併用することで、平面図では見えにくい危険箇所が把握でき安全作業の対策を話し合うことができ、安全への意識の向上が図れます。CAD図面の良い所の1つは、足場の変更時の図面修正や運用などの管理がしやすくなることです。

一側足場

一側足場は、一列の建地材・布材だけで作られる足場です。一側足場に作業床をもたせた足場が、布板一側足場、ブラケットー側足場、くさび緊結式ブラケットー側足場です。
布板一側足場は、建地一列の各スパン間に布板を固定し、外側に手すり、内側に壁つなぎを設けた足場で、軽作業用に使用されます。
ブラケットー側足場は、足場用鋼管を建地と布材に使い、ブラケットを使って足場板を設けて使用する足場で、軽作業用で使用されます。
くさび緊結式ブラケットー側足場は、くさび緊結式支柱とくさび緊結式布材を使い、くさび緊結式ブラケットで足場板を設けた足場で、軽作業用に使われます。なお、くさび緊結式足場は、ビケ足場とも称されます。

棚足場

棚足場は、天井のような内装工事を施工するために、作業者が足場上に立って、天井面や上部壁面に作業者の手が届くように、水平全面に作業床を仮設した足場で、下側には、わく組・単管・丸太の足場で堅固に組み立てられます。

吊り足場

吊り足場は、躯体工事の鉄骨造で使う吊り棚足場は、鉄骨にチェーンやワイヤロープを取り付け、これに吊りげたに丸太や鋼管を格子状に組んで、その上に足場板を敷いた足場です。
吊り枠足場は、吊り棚足場よりも安定度が高く、鋼製の二等辺三角形状や矩形状の枠の頂点部分を、鉄骨梁にボルト接合して固定し、底辺部やその延長部に足場板を固定した上で、手すりを取り付けた足場です。

ビケ足場、ビディ足場、単管傾斜足場、単管パイプ足場などの選定

足場の選定に必要な確認とは

ビケ足場、ビディ足場、枠組足場、単管パイプ足場、張出し足場、丸太足場、くさび緊結式足場の選定は、設計図書に基づいて、足場計画に必要な図面または仕様書などをよく確認することが必要です。例えば、建物の種別・構造・階数・建築面積・延面積などから、建物の概要を把握することができます。また、配置図より、敷地に余裕があるかどうか、隣接建物との間に本足場が設置できるか、ー側足場とするか、あるいは途中の階から、張出し足場にするかなどの外壁工事用の足場の計画がたてられます。
足場組立図作成のためのフリーソフトのjwcadのcadデータ、3dデータがフリーダウンロード可能です。無料の図面がありますので、ぜひ活用してみて下さい。

ビケ足場、ビディ足場、単管傾斜足場、一側足場、ブラケット足場の法的規制

建設作業者の安全確保のため、労働安全衛生法、労働安全衛生規則、労働安全衛生法施行令等が施行されています。クランプ、パイプサポート、ジャッキベースなどの仮設足場材やチェーンなどには規格が制定されています。また、工事現場付近の通行人のような工事関係者以外の安全確保のために、落下物防止対策などについても基準が定められています。

ビケ、ビディ、単管パイプ、一側、ブラケット足場の必要性と設置届

労働安全衛生法等により、高さ2m以上の場所で作業を行う場合で、墜落の恐れのある時は足場設置等により作業床を設ける必要があります。また、規則で決められたものについては足場設置時に届出を行う必要があります。

(1) 届出の必要な足場はどのような決まりがあるのか

・組立から解体までの期間が60日以上の吊り足場、張出し足場等の足場
・組立から解体までの期間が60日以上、かつ高さが10m以上の枠組足場、単管足場、丸太足場、ー側足場、くさび緊結式足場等の足場

(2) 足場設置工事は届出が必要

足場設置工事の開始の日の30日前までに所轄の労働基準監督署長に、足場の設置箇所、種類および用途、構造・材質ならびに主要寸法等を記載した届書に、足場組立図および配置図を提出します。

(3) 一定規模以上の足場には計画作成者の資格が必須

一定規模以上の足場に係る工事について、一定の資格を有する者を計画作成に参画させなければならないことになっています。
計画作成の際には足場組立図などの仮設図面を作成する必要があります。jwcadのcadデータや3dデータがメーカーHP等で無料でダウンロード可能です。

ビケ足場、ビディ足場などの組立、解体、変更の作業主任者の選任等

規則で定められた足場の組立、解体、変更を行う場合は作業主任者を選任する必要があります。

(1) 選任が必要な足場の種類と規模はどのような足場なのか

・吊り足場、ただしゴンドラの吊り足場を除きます。
・張出し足場
・高さが5m以上の枠組足場、単管足場、単管パイプ足場、丸太足場、ー側足場、くさび緊結式足場等の足場

(2) 作業主任者とは組立等作業主任者技能講習を修了した者

作業主任者は足場の組立等作業主任者技能講習を修了した者とします。

(3) 作業主任者はどのような仕事をするのか

事業者は、足場の組立等作業主任者に、以下の内容を行わせる必要があります。
・単管パイプ、クランプ、パイプサポート、ジャッキベース等の材料の欠点の有無の点検、不良品の除去。ただし、解体作業の時は不要です。
・器具、工具、命網および保護帽の機能の点検、不良品の除去。
・作業の方法および労働者の配置の決定、作業進行状況の監視。
・命綱および保護帽の使用状況の監視。

ビケ足場、ビディ足場、単管傾斜足場、一側足場、ブラケット足場の共通規則

各足場の共通の規制事項を以下に示します。

(1) 仮設足場材と鋼管足場の鋼管、くさび緊結式の附属金具

クランプ、パイプサポート、ジャッキベース等の仮設足場材は、著しい損傷、変形または腐食のあるものを使用してはならず、特に足場に使用する木材については、強度上著しい欠点となる割れ、虫食い、節、繊維の傾斜等がなく、かつ、木皮を取り除いたものでなければ使用してはなりません。
また、鋼管足場に使用する鋼管、くさび緊結式の附属金具は、日本工業規格の鋼管を使用することが原則ですが、一定の水準以上のものであれば使用して問題ありません。

(2) 足場は構造的な丈夫さが必須

仮設足場材の品質に問題がなくても、構造的に丈夫でないと、足場を組み立てた時に構造物全体として強度が不足したり、不安定になったりして倒壊等の原因となるため、足場は丈夫な構造のものでなければ使用してはなりません。

(3) 作業床の最大積載荷重の安全係数

作業床の最大積載荷重は足場の構造および材料に応じて、最大積載荷重を定め、かつ、これを超えて積載してはなりません。また、最大積載荷重を定めるときは、安全係数を以下の値以上とする必要があります。
・吊り足場のワイヤロープおよび吊り鋼線:10
・吊り鎖およびフック:5
・吊り鋼帯、鋼材の吊り足場上部・下部の支点:2.5
・木材の吊り足場上部・下部の支点:5
なお、最大積載荷重を定めた時は労働者に周知する必要があります。

(4) 作業床の設置が必要な足場とは

一側足場を除く足場で高さ2m以上の作業場所には、作業床を設置する必要があります。作業床は床材の曲げ応力の確認、幅や隙間の規定、手すりの設置等の措置を行う必要があります。

(5) 足場の組立や解体の作業

ゴンドラを除く吊り足場、張出し足場または高さが5m以上の構造の足場の組立、解体または変更の作業を行うときは、作業の時期、範囲、順序を作業者に周知、関係者以外の労働者の立ち入りの禁止等の措置を行う必要があります。

(6) 悪天候や地震後の足場の点検、補修等

強風、大雨、大雪等の悪天候もしくは中震以上の地震または足場の組立て、一部解体もしくは変更の後において、足場における作業を行うときは、作業を開始前に、材料の損傷や脱落、損傷の有無等について点検を行い、異常がある場合にはすぐに補修する必要があります。
足場組立図作成の際はフリーダウンロードできるjwcadのcadデータや3dデータを活用すると図面作成が簡単です。無料で使用できますので活用してみましょう。

丸太足場の規制

丸太足場の場合は共通の規制以外に、以下の規制に適合する必要があります。
・建地の間隔、地上第一の布の高さ
・建地の脚部の移動、沈下の防止
・建地の継ぎ足し
・丸太足場の緊結方法
・筋かいによる補強
・壁つなぎおよび控えの設置間隔、使用材料および構造
規制に適合しているか確認するためには足場組立図等の図面作成が必須です。無料でダウンロードできるフリーソフトであるjwcadのcadデータや3dデータを組み合わせて作成しましょう。

鋼管足場・単管足場・単管傾斜足場・枠組足場・一足足場の規制

鋼管足場・単管足場の場合は共通の規制以外に、以下の規制に適合する必要があります。

(1) 鋼管足場の構成には規制がある

・移動式足場を除く足場の脚部は、クランプ、パイプサポート、ジャッキベース等で足場の滑動または沈下を防止するための措置を行う必要があります。
・移動式足場は脚輪を確実に固定し、クランプ、パイプサポート、ジャッキベース等で足場の一部を堅固な建設物に固定等します。
・鋼管接続部および交差部は適切なくさび緊結式金物、クランプ等の附属金物を使用して確実に接続します。
・筋かいで補強します。
・一側足場、ブラケット足場、本足場、張出し足場は壁つなぎまたは控えを設置します。
・架空電線に近接するときは、架空電線の移設、絶縁用防護具の設置等を行います。

(2) 単管足場・単管傾斜足場にある更なる規制

鋼管足場規格に適合した仮設足場材を用いた単管足場・単管傾斜足場は、(1)の規定以外に以下の規定があります。なお、これらの規定は適切な検討、対策が行われた場合にはこの限りではありません。
・建地の間隔は、けた行方向を1.85m以下、はり間方向は1.5m以下とします。
・地上第一の布は、2m以下の位置に設置します。
・建地の最高部から測って31mをこえる部分の建地は、鋼管を2本組とします。
・建地間の積載荷重は、400kgを限度とします。

(3) 枠組足場の規則とは

鋼管足場規格に適合した仮設足場材を用いた枠組足場は、(1)の規定以外に以下の規定があります。
・最上層および5層以内ごとに水平材を設置します。
・はりわくおよび持送りわくは、水平筋かいその他によって横振れを防止します。
・高さ20mを超えるときおよび重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主わくは高さ2m以下のものとし、かつ、主わく間の間隔は1.85m以下とします。
足場組立図等の仮設図作成には無料のjwcadのcadデータだけでなく、フリーダウンロード可能な3dデータも便利ですので使ってみましょう。

吊り足場についての規制

吊りだな足場、吊りわく足場等は、次の構造上の基準と使用上の基準に適合する必要があります。

(1) 9個の構造上の基準とは

・吊りワイヤロープは、素線の10%以上が切断していないもの、直径の減少が公称径の7%を超えていないもの、キンク、著しい形崩れ、腐食がないものとします。
・吊り鎖は、5%を超える伸びがないもの、断面直径の減少が10%を超えていないもの、亀裂がないものとします。
・吊り鋼線および吊り鋼帯は、著しい損傷、変形または腐食のないものとします。
・吊り繊維索は、ストランドの切断、著しい損傷、腐食のないものとします。
・吊りワイヤロープ、吊り鎖、吊り鋼線、吊り鋼帯または吊り繊維索は、その一端を足場けた、スターラップ等に、他端を突りょう、アンカーボルト、建築物のはり等にそれぞれ確実に取り付けます。
・作業床は、幅40cm以上とし、かつ、すき間がないようにします。
・床材は、転位し、または脱落しないように、足場けた、スターラップ等に取り付けます。
・足場けた、スターラップ、作業床等に控えを設ける等動揺または転位を防止します。
・棚足場は、けたの接続部および交差部は、鉄線、継手金具または緊結金具、くさび緊結式金具等を用いて、確実に接続します。

(2) 吊り足場の使用上の基準は当然のもの

吊り足場の上で、脚立、はしご等を用いて作業してはいけません。
吊り足場の仮設図面はフリーソフトのjwcadのcadデータを使用しても良いですが、無料でダウンロード可能な3dデータもありますので使用してみてください。

足場を安全運用するにはこんな問題点が

足場の種類は鋼管の用い方で決まる

足場は鋼管を組み合わせて作ります。
鋼管の用い方により、ビケ足場や単管足場、ビディ足場があります。
他に、吊り足場や朝顔など用途に応じた種類があります。
クサビ緊結式足場とも呼ばれるビケ足場は、クサビを用いて足場の緊結部分を固定し組み立てます。
ビディ足場は、枠組足場ともいい、建枠やジャッキベース、手すり等の部材を組み合わせる足場です。
比較的大規模な現場で使用頻度が高いのは、ビディ足場です。

足場の防災対策として具体的に求められることは

建設業で発生する事故の20~30%は、転落・墜落災害です。
足場による事故で亡くなる人は、相当な数にのぼります。
建設現場の足場工事は、所轄労基署への足場計画の届出・承認が法律で義務づけらています。
発注者へ説明を行い、安全面を含めた工事計画の承認が必要です。

災害を起こさないために重要なことは
・足場の構築手順や足場上での作業要領を、全作業員に理解させる。
・KYKなどで安全意識を常に高める。
・周囲の作業員への落下物に対する安全確保。
・建築現場周辺を行き交う歩行者や車両への安全配慮。

足場のCADデータを活用するメリット

足場の種類を抑えておく

・ ビケ足場(くさび緊結式足場): 住宅を中心に多用されています。
くさびをはめ込むだけで組み立て可能な、シンプルな足場です。
部材の組み合わせのバリエーションが多く、複雑な形状の建物にも対応できます。

・ ビディ足場(枠組足場): 中高層建築においてよく採用される足場です。
簡単に組み立て可能で、強度が高いです。
・ 単管足場(銅管足場): 高さを自由に調節できます。
他の足場に比べ、組み立てには時間を要します。

足場CADデータの使い方を知る

各種足場メーカーでは、ホームページ上に足場のCADデータを公開しています。jwcad用データもあります。
これらを利用すると良いでしょう。

なお、立面図や断面図には人物データも載せると、身体と足場の位置関係が明確になり、危険個所の注意喚起にも役立ちます。

ダウンロードデータが、お使いのCADソフトと違う場合には、使用ソフトの読み込み機能を使いましょう。
フリーの変換ソフト等を活用すれば、簡単に取り込むことができます。

 

足場のCADデータの利用方法とその効果

足場のCADデータを用いた施工計画書のプレゼン

足場計画の立案には、現場周辺の調査や強度計算を綿密に行うことが求められます。
発注者から足場計画の承認を得るためには、発注者が理解しやすい資料の作成が必要です。
図面と計画説明書に足場のCADデータを使うと効果的です。
3Dを用いた図面では、平面図・断面図では見えにくい個所の表示が可能です。
安全性に配慮した足場計画であることが伝わるプレゼンを行えます。

CADデータの中身、部材寸法、重量、銘板の利用

足場のCADデータには、枠組足場の各部材の寸法、重量を示した図面以外に、足場構築に係わる銘板などが含まれます。
足場材メーカーやレンタル会社の公式サイトに、足場図面のPDFが掲載されています。
CADデータを無料でダウンロードできるサイトには、枠組足場の素材や3Dの組立図が多数掲載されています。
PDFをAUTO-CADやJWW-CAD(jwcad)などのCAD図面に変換できるソフトが、有料で提供されています。

作業員や車両データを併用した作業要領と安全教育

足場作業員のCADデータを無料でダウンロードすれば、足場構築における各作業の安全教育に活用できます。
jwcadに対応したデータもあります。
足場材の運搬車両や高層作業車両の3Dデータを入手し、作業員の3Dデータと組み合わせることで、足場組立や足場上作業の要領確認、および、安全性の検証を行えます。

足場のCAD化で図面変更や工事費算出がスムーズに

足場の図面をCAD化すれば、部品情報を蓄積できるので、足場設置の価格積算が可能です。
発注者から足場変更の要請があった場合、足場組立図などの図面の変更をスムーズに行えます。
見積書の再提出にも迅速に対応できます。

足場の3D表示で危険個所を把握

3Dデータで図面を描くことで、平面図では気づかない危険個所を把握できます。
足場の組立図をCAD化し3D表示すれば、作業状況により不安全となる個所の把握が可能です。
3Dデータを用いれば、クレーン作業時のクレーン操縦者の死角を全作業員で共有できます。

作業計画書・安全管理などの大きな効果

〔足場の構築方法について〕
足場構築では、作業計画書の作成、および、監督官庁への届出や発注者への説明が必要です。
作業者が足場上で安全に工事を行うため、作業者に作業手順を熟知させる作業要領書が必要です。
作業計画書は、足場の組立図や部品図、強度計算書、さらに、組立手順や安全管理、工程表で構成されます。

〔足場にCADデータを用いる利点について〕
部品データにCADデータを用いることで、調達費用と作業費用の概算が可能です。
足場構築後に変更があった場合でも、速やかに足場の変更図面の作成・届出を行えます。
変更時の見積もり算出が速やかにできます。
図面の初期データと変更後のデータ管理ができるに留まらず、安全面への貢献が可能です。
足場のCADデータを使うことで、理解を得やすい足場の安全計画書の作成・説明を行えます。
作業者に対して、より具体的な作業要領に基づいた安全教育が可能です。

足場のCADデータを実務に活かせるために実践すること


この項では、ビケ足場・ビディ足場・枠組足場・単管足場・枠組み足場・単管傾斜足場・単管パイプ・一側足場・張出し足場・吊り足場・丸太足場・ブラケット足場・クランプ・パイプサポート・ジャッキベース・仮設足場材など、足場の種類や、実務に活かせる足場のCADデータの使い方について説明していきます。

足場のCADデータの使い方を理解しておけば、安全で効率の良い作業のプレゼン、足場を組み立てるうえでの見積もり作りにも役立つはずです。

1. 足場の種類(枠組足場、単管足場など)

建設現場で使われる足場は、枠組足場、単管足場などの種類がそれぞれあります。

最もよく使われるのは枠組足場で、ビティ足場とも呼ばれます。

枠組足場は簡単に組み立てることができ、それでいて強度が高いため、安全な作業には非常に向いています。

単管足場は、今では銅管足場とも呼ばれ、枠組足場と同じようにさまざまな建設現場で用いられます。

枠組足場と比べて、単管足場は組立には少し時間と手間がかかりますが、高さなどを自由に調節できるという利点があります。

その他にもクサビを用いたビケ足場(クサビ緊結式足場)や、吊り型の吊り足場といった種類のものもあります。

2. 足場のCADデータを使用するメリット

危険が伴う高所作業を建設現場で行う際は、必ず、安全が保証された作業であることを計画書に明示し、作業員、労基署、発注者などの各位に伝える必要があるのです。

その際、枠組み足場・単管傾斜足場・単管パイプ・張出し足場・吊り足場・丸太足場・ブラケット足場などの足場をCADデータで示すと、安全度や作業の具体的な方法が伝わりやすくなります。

また、足場の工事費の見積もりを行う上でも役立ちます。
CADデータを用いることで、クランプ・パイプサポート・ジャッキベース・仮設足場材など必要な部品も、明らかにすることが可能です。

3. 足場のCADデータの使い方

高所作業には転落事故などの危険が伴います。
そして、安全で効率の良い作業の仕方を示すためには、作業内容などの状況に沿ったCADデータを使用し、作業計画書や図面に示す必要があります。
作業工程を建設作業員に説明する際、計画書には足場のCADデータを用いて、流れや作業方法を分かりやすく伝えなければいけません。これは作業の安全を保証することにも役立ちます。
足場のCADデータには枠組足場、単管足場、吊り足場など、複数の種類があるため、種類や実務での使い方、使うメリットを知って行きましょう。

足場をCAD化し、枠組足場や単管足場などの足場を図面に示すためには、各種メーカーサイトに掲載されている、足場のCADデータを利用すると良いでしょう。

3DCADデータ・3dデータもあるため、より具体的に、足場の状態を示すのには役立ちます。
狭い場所で使用されるような単管足場は、特に、3Dで見ることで、危険個所が明らかになる場合があります。

足場のCADデータは、jwcadのJWW形式、PDF形式など、さまざまな形式で配布されています。
形式を変換するソフトを使用すれば、使用しているCADソフトに合わせて、利用ができるはずです。