このページでは、シーケンス・制御回路図のCADデータリンク集を紹介しています。
電子機器・制御機器のカタログやシーケンスCAD、技術資料などがダウンロードできます。
シーケンスを表す図は、裏面接続図、展開接続図、論理回路図、ブロック図、フローチャート、タイムチャートで構成されます。展開接続図がシーケンス図です。シーケンス図の構成は、一般的に、主回路図、制御回路図、表示回路図、警報回路図です。
また記事の後半では、電気設備の改造・更新に伴うシーケンス図変更があった場合、将来問題を起こさないための提案を行っています。
それではまず、CADデータ、イラストデータがすぐに欲しい人のために、ダウンロードサイトのリンク集を紹介しましょう。
シーケンス・制御回路図の2Dcadデータ その1
三菱電機
三菱電機
制御機器のカタログやシーケンスCAD、技術資料などがダウンロード可能です。
オムロン
オムロン
オムロンが取り扱う電子機器などの2DCADを検索することができます。会員登録が必要です。
キーエンス
キーエンス
各種製品について、2DCADを検索してダウンロードすることができます。
CADの部屋
CADの部屋
Jw_CADやVector Works-2D、Google Sketch Upのレッスンを、マンツーマンで行っている教室が公開しているサイトです。電気設備設計に携わっている人向けに、さまざまなパーツの図形データを公開しています。CADの部屋で公開されている図形データは、無料でダウンロードすることができます。
シィー・エー・ディー
シィー・エー・ディー
電気シーケンス制御の設計に適したCAD機能を提供しているソフトです。標準作図編集機能のほか、図面管理や連続印刷などに対応しています。
蜻蛉の部屋
蜻蛉の部屋
シーケンス図を作成する際に利用できる線記号変形データが得られます。IEC方式に準拠しているようです。
シーケンス・制御回路図の2Dcadデータ その2
進和電機
進和電機
国内で数多くのユーザーを保有しているCADソフト「Unidraf」シリーズを取り扱う会社です。無料体験版のダウンロードが可能です。
UML Editor
UML Editor
初心者でも使いやすいUML図のエディターサイトです。海外のサイトであり、基本的にフリーダウンロードですが、サイト内の検索などに難しいことはありません。若手エンジニアからベテランまで使える便利なツールが揃っています。
シーケンス図作図用 線記号変形データ
シーケンス図作図用 線記号変形データ
JW_CADの線記号変形を用いて、シーケンス図、展開接続図を短時間で作成してくれます。図形データとは異なり、図形挿入から文字入力を一度に行うため、作業の時短ができます。線記号変形のデータは、Windows版のJW_CADでも使用することが可能です。
タナックシステム
タナックシステム
CAD City シーケンスは、シーケンス専用コマンド21種類を搭載した、電気・制御設計用CADです。CADの図面の中に、ワードやエクセル、パワーポイントなどの外部データを貼り付けできます。R版カラーラスターのオプションを付ければ、カラーラスターの貼り付けができます。
シーケンス 図面 Google
シーケンス 図面 Google
シーケンスの図面、写真、イラストが、見れます。シーケンス制御とは、定められた順序、手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御のことを言います。有接点シーケンスは、リレーシーケンスとも呼ばれ、有接点リレーをスイッチとして利用し制御する方式です。
制御回路図 図面 Google
制御回路図 図面 Google
制御回路図の図面、写真、イラストが、見れます。シーケンス制御の動作の順序を、正確に理解できるように表現する電気回路の接続図を、シーケンス図といいます。シーケンス図を作成する基本ルールは、制御電源は図の上下に横線で示すことなどが挙げられます。
シーケンス図の必要性
シーケンス回路図の変更はなぜ必要か
電気設備の改造・更新時は、同時にシーケンス回路の変更を行います。
例えば、ポンプ更新時ポンプ停止警報の機能を追加したとします。
ポンプのモーター動作のシーケンスに、警報の接点入力が加わります。
リレー追加が必要なため、シーケンス回路の改造を行います。
機器の更新や電磁リレーの補修取替など、電気設備の変更時はシーケンス回路図の変更を伴うことが一般的です。
シーケンス図の不具合が起こす問題
電気設備の改造を重ね、シーケンス図と現状が異なる場合、次のような問題が起こります。
・リレー取替え時に、接点の接続先が現状と異なってしまった。
・現場の結線状態が図面と違っている。
・リレーの接点が図面では3点だが、実際には5点ある。
・ポンプのモーター更新により交換したが、モーター駆動リレーの接点がインターロック回路に接続されており動作しない。
シーケンス図面と現状が異なる理由は何か
図面が現場と一致しない原因は、図面管理が不十分だからです。
電気設備の改造・更新時、工事箇所の図面変更を忘れてしまうことがあります。
シーケンス回路の変更時、該当図面だけを修正し、参照図面のチェックを怠ることもあります。
リレー変更の問題防止法とシーケンス図の管理法
シーケンス回路とは何か
エレベータの上ボタンを押せば、回路の接点がオンとなり上昇モーターの電源が入ります。
目標の階に到達すれば、モーター電源の接点がオフとなりエレベータが停止します。
エレベータの動作制御を行う電気回路をシーケンス回路といいます。
リレーが1個でも不足すると、電磁リレーで構成されるシーケンス回路は動作しません。
不足接点の発見には、シーケンス図面と機器仕様の確認が必要です。
リレー変更で発生する問題をどう防止するか
各リレーは、リレー番号に関連した名称が付けられます。
別ページに接点名称を書いておけば、名称からリレー本体の記載ページが分かります。
リレー取付時は、接点の位置情報と接点がある制御回路図の情報が、一致するように図面変更します。
改造時にシーケンス図の変更をしても、関連情報の記載を怠ると一貫性が失われます。
電気設備の改造時シーケンス図の変更をすれば、制御回路図の変更、および、関連ページの制御回路図の修正も行いましょう。
シーケンス図の管理を容易にする方法
シーケンスを表す図は、裏面接続図、展開接続図、論理回路図、ブロック図、フローチャート、タイムチャートで構成されます。
展開接続図がシーケンス図です。
シーケンス図の構成は、一般的に、主回路図、制御回路図、表示回路図、警報回路図です。
シーケンス図で使う記号やシンボル図は、JIS・JSIAで規定されています。
電気記号は、さまざまなサイトからダウンロードできます。
シーケンス図をCADで作成すると、過去の作成図を使用できるので効率化が期待できます。
変更経歴に沿ったシーケンス図表示が可能です。
CADを用いれば、シーケンス図変更・チェックが短時間できるなど図面管理が容易になります。
CADを使った電気設備専用の設計支援ソフトは、保護協調計算ができるなど機能が充実しています。
シーケンス図と制御回路図面
シーケンス制御とは、機械の動作を、設計者が動作順序を決め、その通りに動作するものです。
私たちの身の回りにある、台所製品を含めた機械、工作機械、土木機械には、シーケンス制御が組み込まれています。
同時にフィードバック制御で、ある品質管理項目を、一定とするような制御も動作しています。
このような機械の動作は、シーケンス図と制御回路図面に表されています。
動作する機械を制御する方式には、シーケンス制御とフィードバック制御に代表される制御があります。
例えば、図1にエアコン制御の方式を描いてみましょう。
図1では、エアコンを制御するために、エアコンの入切を担当するシーケンス制御と、エアコンの設定温度となるように温度制御を組み込んだもののイメージ図を示しています。
図1の(A)図は、エアコンのシーケンス図の動作構成です。
・エアコン運転開始スイッチをONとすると、エアコンの電源が投入され、エアコンから設定された温度の風が出てきます。
・エアコンの温度に対応して動作停止スイッチが設置されて、温度が制御できず異常になると、エアコンを停止するために温度スイッチが動作します。
・温度スイッチが動作すると、エアコンの電源を止めます。
・また、エアコン運転停止スイッチが入っても、エアコンの電源は停止します。
図1の(A)図のもう1つの動作は、エアコンの温度制御の制御回路図面です。
・エアコンの出口に温度センサーが付属しています。
・設定温度となるように、エアコンの制御回路が、フィードバック制御します。
・エアコンが動作している間中、制御回路は動作し続けます。
エアコンの動作をブロック線図で書いたものが、図1の(B)図です。
・図(B)の破線で囲んだ部分が、シーケンス図の部分です。
・図(B)の二点鎖線図で囲んだ部分が、制御回路図面の部分です。
実際のエアコンのシーケンス動作や制御動作は、もっと細かく動作・制御を行えるように、繊細にできています。
したがって、シーケンス図や制御回路図面はさらに複雑にできています。
シーケンス制御の構造
シーケンス図は、リレー回路もしくはPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)で作成されています。
現在ではほとんどPLCに、シーケンスの動作を決めるロジックが組まれていますが、かつてはリレーでシーケンスが構成されていました。
PLCの要素は、ほとんどがリレーの動作を、ロジック(ソフトウェア)に入れ替わって組まれています。
ここでは、リレー回路の説明で、シーケンス回路の基本的部分をご紹介します。
(1) リレーの接点
リレーの構造のイメージを図2で紹介します。
図2の(C)図は、リレーの図です。リレーの動作はコイルで行い、コイルに電圧が掛かると、接点が動作します。
リレーの接点には、A接点とB接点がありますが、接点の数は、図2では2点ずつ書いていますが、接点数はリレーによって異なります。
A接点は、コイルに通電していないときには、開いている接点で、コイルが通電すると接点がONとなります。
これに対しB接点は、A接点の逆の動作をします。
図2のD図には、リレーを使ったシーケンス回路の一部ですが、簡単なリレー回路の紹介をしましょう。
リレーにはシーケンス回路を作る小型のリレーと、大型モーターを駆動させる大型のリレーがあります。
前者はDC24Vのような低電圧回路に、後者はAC200Vの高電圧回路に使われるため、小型のリレー回路と大型のリレー回路は、混在されません。
D図では、電源24Vの起動用のリレー回路と電源200Vのモーターのような機械を動作させるリレー回路が構築されています。
2つの回路の役割は、24Vのリレーからa接点で、機械Xの起動をかけ、b接点を機械Yの事故保持回路に使用している例です。
シーケンス制御の基本回路
シーケンス図に表れされるシーケンス制御回路図面の回路の基本構成には、ON回路、OFF回路、NOT回路、OR回路、AND回路、自己保持回路、インターロック回路などの基本回路があります。
これらの組合せで、制御回路図面が描かれています。
これらの基本回路について、簡単に紹介します。
(1) ON回路
図2の説明で簡単に触れているため、ここでの紹介は割愛します。
(2) OFF回路
これも図2で触れているため、割愛します。
(3) NOT回路
図3にNOT回路のイメージ図を紹介します。
NOT回路は押しボタンがb接点で信号を送っても、リレーから受け取る接点は、a接点のように、逆の接点動作を行うシーケンス回路です。
(4) OR回路
図4には、OR制御回路図面を示します。
図4では、2つの押しボタンがあって、どちらの押しボタンを操作しても、機械が起動することを表しています。
OR回路は、機械の操作位置が、室内と室外に有って、どちらからでも操作したいときに使われます。
(5) AND回路
図5に示すのは、AND制御回路図面です。
図5では、2つの押しボタンがあって、その2つの押しボタンが同時に押されると、機械が起動します。
AND回路は、2人の操作で機械を起動させるために、1人の判断に間違いがないかをもう1人が安全確認し、機械を操作するときに使用されます。
(6) 自己保持回路
図6で紹介する図は、自己保持制御回路図面です。
図6では、押しボタンを押して機械を起動すると、制御回路のR1リレーのa接点と押しボタンが並列に組み込まれています。
機械の起動とともに、並列のR1 リレーのa接点がONとなり、押しボタンが外れても機械の動作は止まらないことになります。
この制御回路には、機械を止める手段がなくなります。
そのため、並列のリレーのa接点と押しボタンと直列に、機械安全回路のR2リレーのb接点を加え、機械の安全に異常が生じれば、安全機能のR2リレーが動作して、R2リレーのb接点を解除し、制御回路のR1が停止することができます。
(7) インターロック回路
図7で紹介するシーケンス制御回路は、インターロック制御回路図面です。
図7では、シーケンス制御回路には押しボタンと自己保持回路があり、それらと直列にR2リレーからのa接点が接続されています。
R2の役割は、機械の安全構造に関するスイッチなどで、安全スイッチが全てOKでONとなると、R2はONとなりa接点がONとなります。
したがって、R1はONとなる事が出来、機械が起動します。
しかし、何らかの機械の異常で停止させ点検中としたときに、誤ってR1リレーが作動すると機械が起動して危険です。
そのために、R2リレーには、安全用のスイッチが全てOKとなるまで動作しません。
したがって、R1リレーがONとなる事はなく、機械側の安全スイッチがONとなってR2リレーが動作し、その時初めて、R1リレーは起動可能となります。
このようなシーケンスの仕組みを、インターロック機能と言います。
リレーシーケンス図とPLCシーケンス図
シーケンス図は、これまでの解説ではリレー回路について述べてきました。
しかし、現在、リレー回路でシーケンス図や制御回路図面を作ることは少なくなり、多くのものがPLCによるラダー図でのシーケンス図が作られます。
PLCのラダー図について、紹介しましょう。
リレーの記号と、ラダー図の記号の関係は次のようになります。
ラダー図で、図6のリレーシーケンス図を書き直したものが、図8です。
基本的にPLCのラダー図とリレー回路図は、同じシーケンスの制御回路図面と同じです。
PLCは弱電のため、200Vで動作する機械のリレー図に用いることはできず、リレーでのシーケンス回路図が必要です。
PLCとリレー回路との違いをいくつか列挙してみましょう。
・PLCのラダー図はプログラムで作られた回路のため、コイルを何個でも書くことができます。
対してリレー回路では、個数に制限があり、多すぎるリレー回路は配線も複雑となり、保守が困難になります。
・PLCはプログラムでコイルと接点を表すため、機械の条件が変わっても、すぐに対応が可能で、配線を新たに引くような作業が極力少なくできます。
対してリレー回路では、機械の条件が変われば、大幅なリレーの増減と、それに伴う配線作業と多くの組合せテストの実施が必要になります。
・PLCは1台のコントローラに全てのコイルと接点が入っているわけで、PLCの故障は、即運転停止となります。
その対応としては、二重化や常時予備品化することで対応が可能です。
PLCの自己診断機能も優れているため、例えばバッテリー低下などがすぐに発見でき、メンテナンスに時間が掛かることは少ないでしょう。
・リレー回路の場合は、1個のリレーの動作不良が故障の多くで、故障診断によって故障したリレーが特定できます。
不良のリレーを交換することで、一時的な機械の停止があっても、復旧に時間が掛かることはありません。
シーケンス図と制御回路図面の作成ソフト
シーケンス図や御回路図面を作成するには、CADソフトを使うと、簡単にシーケンス図を描くことができます。
シーケンスのための記号や電気要素の図などは、電機メーカーのサイトだけでなく、無料のダウンロードサイトもあり、自由に使うことができます。
CADソフトも、JW-CADのようなフリーのものから、AUTOCADのような有料のソフトまでさまざまあります。
さらには、異なったCADソフト間でも、ファイルを変換できるため、CADで作成したシーケンス図や制御回路図面を、交換することができます。
CADソフトはシーケンス図や制御回路図面を作成するには、回路の構図を描き、必要な素材をダウンロードしてCAD図面とします。
専用のシーケンス図や制御回路図面の作成ソフトの場合は、色々な回路のテンプレートが用意されています。
また、必要な素材が揃った中から、必要なものを選んで位置を指定するなどのツールが備えられ、便利で、素早くCAD図面を描くことが可能です。
また、有料の専用CADソフトは、シーケンス図は、リレーを使った図面やPLCのラダー図だけでなく、電気回路図や高圧変電所に関する図面、電気機器の詳細図面や配置図面まで広く対応していることが特徴です。
無料のCADフリーソフトや、有料のCADソフトは有料ではありますが、無料で機能限定としたダウンロードサイトもあり、使い勝手を試すこともおすすめです。
まとめ
シーケンス・制御回路は、電気設備の制御システムです。
シーケンス回路は、電磁リレーを主体に構成されます。
1つの接点の配線ミスによりシーケンス回路が機能せず、電気設備の動作不良を招きます。
シーケンス回路の結線ミスは、シーケンス回路図が要因の1つです。
設備改造で現場が変わっていても、図面を変更していないケースです。
改造したシーケンス機能に基づき図面変更はしたが、関連図面に変更情報を記載していない場合です。
図面間の不整合を起こしたまま、他の箇所を変更していけば、図面と現状の相異が起こります。
CADを用いたシーケンス図作成・管理が、シーケンス図と現状の相異解決方法の1つです。
CAD使用に必要なシンボルは、色々なサイトからダウンロードできます。
シーケンス図のCADを用いれば、図面作成時間の短縮や変更箇所の把握が容易になるため、維持管理の効率化が期待できます。
電気計算が可能な専用CADソフトを使えば、変更回路の電気容量や保護協調の計算ができ、さらなる効率化が見込めます。
エレベータや自動回転ドアなど、電気で動作する設備を制御するのがシーケンスです。
シーケンスを図面に起こしたシーケンス図で、電気機器の動作環境が分かります。
シーケンス図は電気機器のシンボル図や記号、配線系統で表されます。
シーケンス図で描くリレー盤には、網目のような配線があります。
リレーの配線ミスにより、エレベータの上ボタンを押したが下降する、などの不具合が起きます。