シートパイル・鋼矢板の設置工事にCADデータを使用して事故を防止する方法

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道路やビルなどの土留工事は、鋼矢板(シートパイル)を挿入し土砂の流出を防ぎます。
土砂の圧力で破損しない鋼矢板設置が重要です。
鋼矢板の設置は、ラフタークレーンでの掘削作業など大規模工事を行うため、安全確保が必須です。

JIS規定がある鋼矢板の型式はハット形・U形など限定されますが、サイズや重量、機械強度などは細かい分類があります。
新日鉄などさまざまなメーカーが鋼矢板を製造しており、また、多くのレンタル会社が取り扱っています。
例えば、軽量アルミ矢板、軽量鋼矢板、ハット型鋼矢板、鋼矢板Ⅲ型などです。
そのため、図面作成などでCADデータや標準図などが必要な際は、CADデータのダウンロードに労力を要します。
フリーのものに限るとなおさらです。

このサイトでは、鋼矢板の関係会社のホームページをまとめています。
そのため、目的の会社から鋼矢板のCADデータや標準図、PDF仕様書などの資料を探すことが簡単にできます。
フリーのものもあります。

後半では、鋼矢板の設置工法の概説と、設置に関しての問題点を提起し、それらの問題点についての解決方法の一例を提示します。

それではまず、シートパイル・鋼矢板・軽量アルミ矢板・鋼矢板Ⅲ型のCADデータや標準図、仕様書データなどがすぐに欲しい人のために、ダウンロードサイトのリンク集を紹介しましょう。
フリーのものもあります。


  1. シートパイル・鋼矢板 2Dcadデータのダウンロード
  2. 鋼矢板圧入工法 2Dcadデータのダウンロード
  3. 鋼矢板の破損事故の原因は、設置工事の計画不足はなぜ起きるのか
    1. 鋼矢板の設置では人命に関わる事故が起こることも
    2. 鋼矢板設置時の事故は設置計画の不足が原因
    3. 鋼矢板の破損事故はなぜ起きるのか
    4. 鋼矢板設置工事の計画不足はなぜ起きるのか
  4. 鋼矢板の強度確保、設置工事の計画と安全対策の方法
    1. 鋼矢板の選定と土留め工事の構造について
    2. 鋼矢板の強度を確保する方法
    3. 鋼矢板の設置方法の検討事項とは
    4. 鋼矢板設置工事の計画と安全を確保する方法
  5. まとめ/鋼矢板の設置工事にCADデータを使って事故を防止する方法
    1. 鋼矢板の設置工事の危険を回避するには
    2. 土留工を安全に施工する方法
    3. 鋼矢板の設置工事にCADデータを利用するメリット
  6. 土留、基礎工事で古くから用いられる部材の鋼矢板
    1. 鋼矢板の工業規格の制定
    2. 現場の状況に合わせた鋼矢板の施工方法
    3. 鋼矢板(シートパイル)の製品番号について
    4. 鋼矢板メーカーの型番を参考に効率良い作業を
  7. 鋼矢板(シートパイル)のCADデータを手に入れて納得できる工事計画書を作成する
    1. 油圧による鋼矢板圧入工法は騒音や振動を出さない工法です
    2. 鋼矢板工法の基礎資材である鋼矢板(シートパイル)の特性
    3. 鋼矢板(シートパイル)の製造法による分類
    4. 鋼矢板の断面形状および大きさによる分類
    5. 熱間圧延で製造され堅固な継手をもち精密な鋼矢板となる U形鋼矢板
    6. U型に比べ長尺施工が可能で鋼材の重量が低減できる ハット型鋼矢板
    7. 冷間成形で製造され小規模工事の護岸や土留めに用いられる 軽量鋼矢板

シートパイル・鋼矢板 2Dcadデータのダウンロード

日鐵住金建材
建築建材の総合メーカです。仮設製品など、多くのCADデータを無料でダウンロードできます。無料でダウンロードできるCADデータの形式は、DWG形式、JWW形式、DXF形式などを選択できます。シートパイル・鋼矢板、軽量鋼矢板、軽量アルミ矢板、枠組足場、ローリングタワーのカタログや、施工マニュアルなどが揃っています。

三喜 株式会社
建設・土木工事現場への鋼材・建材製品のレンタル・販売・工事施工を手掛ける会社です。シートパイル・鋼矢板などの規格寸法図、仕様書、カタログが無料公開されています。和建の軽量鋼矢板の断面性能及び規格が確認できます。軽量で人力での移動が可能です。

丸藤シートパイル
建設用資材の販売・リースおよび土木建築工事の設計施工会社です。シートパイル・鋼矢板、軽量鋼矢板、ハット型鋼矢板、ライナープレート、オールケーシング掘削機、アースオーガー、杭打ち機、バイブロハンマ、支保工、万能鋼板などの規格寸法図、仕様書、カタログが無料で紹介されています。

鋼矢板 図面cadデータ Google
シートパイル・鋼矢板のCADデータが、多数紹介されています。軽量アルミ矢板、軽量鋼矢板、ハット型鋼矢板、鋼矢板Ⅲ型、鋼矢板圧入工法、新日鉄などです。鋼矢板は、土止めや水止めに用いられる鋼製の矢板です。硬い地盤への打込みが可能で、引抜きも容易で再使用可能です。断面形状により、U形、Z形、直線形、H形の4種があります。港湾・河川・土留工事等の締切り材として使われます。


鋼矢板圧入工法 2Dcadデータのダウンロード

株式会社 親和
重架設工事、既成抗工事、鋼矢板工事、鋼矢板圧入工法など、土木建設の基礎工事を請け負っている会社です。各工事で受注可能な工法を、使用する建設機械のスペックと写真を公開しながら説明しています。写真掲載が多く、前加工、組立、確認検査、矯正、溶接など、各施工現場を見る事ができます。ハット型鋼矢板・新日鉄もあります。

全国圧入協会
圧入工法の普及を目的とした社団法人のホームページです。圧入の原理、圧入杭材、貫入技術、標準施工手順が詳しく掲載されています。圧入工法の標準施工手順が、機械配置から初期圧入工程、後退・前進自走手順まで詳しく解説されています。ハット型鋼矢板、鋼矢板Ⅲ型・新日鉄もあります。

ダイワテクノ
シートパイル・鋼矢板、バイブロハンマー・vibrohammerなどの2Dcadデータがフリーで紹介されています。圧入機は、すでに圧入された杭の引き抜かれまいとする力を反力として杭を圧入しながら、その圧入杭につかまって次の位置の完成杭に乗り移り、杭施工を繰り返していきます。鋼矢板圧入工法・新日鉄など。


お好みのCADデータや標準図は見つかりましたでしょうか。
データが見つからなかった方は、リンク集のまとめサイトを参考にしてください。
次のサイトでは、シートパイル・鋼矢板・軽量アルミ矢板・鋼矢板Ⅲ型・鋼矢板圧入工法のCADデータや標準図のリンク集をまとめて紹介しています。
シートパイル・鋼矢板、CADデータのまとめサイト



鋼矢板の破損事故の原因は、設置工事の計画不足はなぜ起きるのか

鋼矢板の設置では人命に関わる事故が起こることも

鋼矢板設置時には、人命に関わる重大事故発生リスクがあります。
事故などの災害発生は、工事の停止や労基署の査察など、対策コスト・工事遅延コストの負担、会社の信頼欠如という経営上の問題を招きます。

鋼矢板設置時の事故は設置計画の不足が原因

土留工事では、鋼矢板破損による支保工倒壊など、鋼矢板が原因となる事故が起こります。
さらに、重機械の操作ミスなど、鋼矢板に起因しない事故も多く発生しています。
これは鋼矢板設置計画の不備が原因です。

鋼矢板の破損事故はなぜ起きるのか

鋼矢板の破損原因は、鋼矢板が土砂の圧力に耐えられないなどの強度計算ミスです。
また、鋼矢板の挿入方式が適切ではなかったなどの、施工方法の検討不足も原因です。

鋼矢板設置工事の計画不足はなぜ起きるのか

鋼矢板設置工事での事故は、鋼矢板搬入方法の不備や作業員不足などが原因です。
また、作業要領を全作業員に徹底できていないことも原因です。
発注者や官庁に工事計画の承認を得ずに、工事を行うケースもあります。


シートパイル・鋼矢板のCADデータを使って、鋼矢板設置工事の事故を防止する方法
引き続き、シートパイル・鋼矢板のCADデータを使って、鋼矢板設置工事の事故を防止する方法について説明しましょう。


鋼矢板の強度確保、設置工事の計画と安全対策の方法

鋼矢板の選定と土留め工事の構造について

鋼矢板は、型式による分類と、強度による分類があります。
型式には、ハット形、U形、直線形などがあり、鋼矢板両端の接手で隣り合う鋼矢板を固定します。
強度は、Ⅱ型、Ⅲ型など約8種類あり、断面積や断面係数などの断面性能の違いによる分類です。
鋼矢板を埋め込む土留工は、鋼矢板だけで土砂の側圧を支える方式と、鋼矢板に切梁やアンカーなどの支保工を挿入し側圧を支える方式があります。

鋼矢板の強度を確保する方法

鋼矢板を確実に設置するためには、鋼矢板の配置設計や材料・工法の選定が重要です。
正確な図面を作成するには、CADデータの使用が必須です。
鋼矢板の強度の安全性担保には、弾性設計法など有効な手段で設計する必要があります。

図面作成と強度計算では、鋼矢板と土留工のCADデータが必要です。
エクセルで強度計算が可能ですし、フリーの計算ソフトもあります。
計算結果をシミュレートできる解析ソフトを提供するサイトも、有料ですが多数あります。
多くの解析ソフトは、一定期間無料で使用可能です。

鋼矢板の設置方法の検討事項とは

土留工を含めた基礎工事は、関係官庁への計画・図面の届出、および、承認が必要です。
土留工事には、鋼矢板を設置する支保工の資格や、クレーンなど建設重機の免許保有者が必要です。

鋼矢板挿入は、バイブロハンマを使い振動を加えながら挿入する工法や、サイレントパイラー機にて鋼矢板を油圧で圧入する工法など、多数あります。
バイブロハンマ式は振動と騒音を伴うため、公害防止法の確認や対策が必要など、工法ごとに法的確認事項があります。

鋼矢板設置工事の計画と安全を確保する方法

事故防止には、正確な工事設計と図面作成のほか、現場の安全確保が重要です。

鋼矢板の設置現場では、鋼矢板などを運搬するトラックやサイレントパイラーなどの油圧圧入機、移動式クレーンなどの重機が輻輳します。
さらに、重機操作員や掘削作業員、建屋工事の作業員など多くの工事関係者がいます。
多くの車両や人が動く現場で、事故を起こさないためには、教育訓練による作業要領の徹底理解と、適切な監視員の配置が必要です。

安全確保の有効な手段は、鋼矢板と土留工のCADを用いた図面作成と3D表示です。
鋼矢板の設置完成図を、関係者がCAD図面で確認できるからです。
さらに、3D表示することで、鋼矢板圧入時の重機やトラック、作業員の配置を俯瞰することができ、危険ポイントの把握が可能だからです。
危険ポイントが分かれば、監視員の適切な配置ができます。
サイレントパイラーやラフタークレーン・運搬車、作業員などのCADデータを使用すれば、実際の現場を表現可能です。


まとめ/鋼矢板の設置工事にCADデータを使って事故を防止する方法

鋼矢板の設置工事の危険を回避するには

土留工事施工方式を決定し、鋼矢板を選定する。
鋼矢板と支保工の強度計算を行い、安全を確認する。

土留工を安全に施工する方法

鋼矢板の挿入開始から引き抜くまでの作業計画を、現場状況に合わせて作成する。
工事に必要な法的手続きや資格を満たした作業計画書で、官庁・発注者に説明し、承認を得る。
鋼矢板設置現場は、大型車両や重機以外に多くの作業員が輻輳するため、監視員を適切に配置する。
作業要領と工事図面を作業員に徹底し、KYKや安全ミーティングで危険箇所を出し合い事故防止を図る。

鋼矢板の設置工事にCADデータを利用するメリット

鋼矢板配置図面を比較的容易に作成できます。
変更時の図面修正を即実行でき、届出図面の差替えがスムーズです。
強度計算ソフトを利用すれば、複数の計算でも即対応できます。
CADデータを用いたシミュレーションで、鋼矢板破損のおそれがある危険配置を確認できるため、安全な設計が可能です。
工事現場を3D表示し、作業要領に反映すれば、作業者への安全教育に有効です。
ラフタークレーンやサイレントパイラー、作業員などのCADデータを用いた図面は、危険ポイントの把握に役立ちます。


土留、基礎工事で古くから用いられる部材の鋼矢板

鋼矢板(シートパイル)は、港湾や河川、土留、基礎などといった工事において、古くから使用されている部材です。土木工事等ではcadデータなどを用いて現場の標準図などの図面を作成する時に、よく用いられる部材と言っても良いでしょう。鋼矢板(シートパイル)は、施工が簡単なため大掛かりになりにくいことや工期短縮へ期待ができること、鋼矢板(シートパイル)の断面や長さを地盤に合わせて変更できることなど、多くのメリットが存在します。
cadデータを用いて標準図を作成する時に、なんとなしに無料でダウンロードしたフリーのcadデータを図面に配置しているだけでは、標準図としては意味合いが半分しか生まれません。作業の指針となる標準図だからこそ、より精度の高い図面をcadデータによって作成する必要があります。そのためにも、鋼矢板(シートパイル)について少しでも知識を得ておくことは得策だと言えるでしょう。

鋼矢板の工業規格の制定

日本で取り扱われている鋼矢板(シートパイル)は、戦前までは八幡製鉄のみが取り扱っている製品でした。それが戦後になると、新日鉄や富士製鉄などといったメーカーも鋼矢板(シートパイル)の制作にのりだし、それぞれ独自の社内規格に基づいた製造を販売していました。
こうした中、鋼矢板(シートパイル)に対する需要の拡大から工業規格を要望する声が上がり、1967年に「JIS A 5528」として規格が制定されました。

現場の状況に合わせた鋼矢板の施工方法

鋼矢板(シートパイル)を施工する際に用いられる工法には、「振動工法」、「オーガー併用圧入」、「ウォータージェット工法」、「圧入工法」などがあります。現場ではその状況に合わせて、「鋼矢板振動工法」にするか「鋼矢板圧入工法」などを決定していきます。
そのため、cadデータなどで標準図や図面を作成する対象工事が、例えば鋼矢板圧入工法を取り入れた場合は、鋼矢板圧入工法に合わせた建機のcacdデータなどをダウンロードなどして図面に配置しなければなりません。鋼矢板圧入工法に必要となる建機は、メーカーなどでに問い合わせることで確認ができます。メーカーであれば、無料のcadデータやフリー素材をダウンロードなどで提供してくれるはずです。
また、鋼矢板圧入工法以外の工法をメーカー側が提案してくれる場合もあります。そういった場合は、鋼矢板圧入工法以外の工法に合わせて標準図や図面を作成するため、やはり工法に合わせたcadデータを無料またはフリーでダウンロードなどして取り扱う必要があるでしょう。

鋼矢板(シートパイル)の製品番号について

鋼矢板(シートパイル)には多くの種類があります。軽量鋼矢板や、より軽い軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板、U形鋼矢板などが一例です。軽量鋼矢板や軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板、U形鋼矢板はそれぞれ規格に規定されているサイズなどの条件を満たしながら、素材や形で特徴や用途に対して対応しているのです。
ただし、実際の製品になると軽量鋼矢板、軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板といった分かりやすい品目で掲載していないカタログや案内などもあります。ここでは日本製鉄の前身である新日鉄のU形鋼矢板の寸法および断面性能表を例にします。
種類/寸法(W×H×T)mm|重量:1枚あたり(kg/m)、壁幅1mあたり(kg/m2)|断面:1枚あたり(cm2)、壁幅1mあたり(cm2/m)|重心位置:c(cm)|断面二次モーメント:1枚あたり(cm4)、壁幅1mあたりcm4/m)|回転半径:1枚あたり(cm)|断面係数:1枚あたり(cm3)、壁幅1mあたり(cm3/m)
YSP-I/400×75×8.0|36.5、91.2|46.49、116.2|2.64|429、3820|3.04|66.4、509
YSP-Us/400×80×7.6|35.5、88.8|45.21、113.0|2.78|454、4220|3.17|64.7、527
FSP-IA/400×85×8.0|35.5、88.8|45.21、113.0|3.45|598、4500|3.64|88.0、529
YSP-Ⅱ/400×100×10.5|48.0、120|61.18、153.0|3.62|986、8690|4.01|121、869
FSP-Ⅱ/400×100×10.5|48.0、120|61.18、153.0|4.04|1240、8740|4.50|152、874
YSP-Ug/400×110×9.3|43.2、108|55.01、137.5|3.86|1070、9680|14.42|120、880
FSP-ⅢA/400×120×9.2|43.2、108|55.01、137.5|4.72|1460、10600|5.15|160、880
YSP-Ⅲ/400×125×13.0|60.0、150|76.42、191.0|4.72|1920、16400|5.01|196、1310
FSP-Ⅲ/400×125×13.0|60.0、150|76.42、191.0|4.90|2220、16800|5.39|223、1340
YSP-U15/400×150×12.2|58.4、146|74.40、186.0|5.71|2700、22800|5.13|238、1520
FSP-ⅢA/400×150×13.1|58.4、146|74.40、186.0|5.84|2790、22800|6.12|250、1520
YSP-IV/400×155×15.5|76.1、190|196.99、242.5|5.85|3690、31900|6.15|311、2060
FSP-IV/400×170×15.5|76.1、190|96.99、242.5|6.45|4670、38600|6.94|362、2270
YSP-U23/400×175×14.7|74.0、185|194.21、235.5|6.51|4380、39400|6.81|330、2250
FSP-IVA/400×185×16.1|74.0、185|94.21、235.1|7.45|5300、41600|7.50|400、2250
YSP-V/420×175×22.0|105、250|134.0、319.0|6.15|5950、55200|6.67|433、3150
FSP-VL/500×200×24.3|105、210|133.8、267.6|6.94|7960、63000|7.71|520、3150
FSP-VIL/500×225×27.6|120、240|153.0、306.0|8.09|11400、86000|8.63|680、3820
上記の性能表を解説すると、最初のローマ字が、「商品名」です。YSPやFSPという表記は新日鉄の鋼矢板を意味しています。それと連なる数字がサイズ区分を示す型番記号です。I型から番号が大きくなるほど大型になります。例えば鋼矢板Ⅲ型サイズのU形鋼矢板であれば、「YSP-Ⅲ」を選択することとなります。同じ鋼矢板Ⅲ型であっても型番の後のAなどが追記されている場合は、同型の新型を意味しています。この「A」などの表記は新日鉄などのメーカーにより異なります。そのため鋼矢板Ⅲ型の新型が違うメーカーでは「Z」である場合もあります。
このように軽量鋼矢板、軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板から、さらに鋼矢板Ⅲ型などといった目当てのサイズを探していきます。

鋼矢板メーカーの型番を参考に効率良い作業を

もちろん、軽量鋼矢板、軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板といった無料でダウンロードできるフリーのcadデータも、この型番から探していくことも少なくありません。日本製鉄(新日鉄)などのメーカーではこうした型番でcadデータを取り扱っているものもあるからです。また、無料でフリーダウンロードできるサイトで軽量鋼矢板、軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板などを見つける時にも、日本製鉄(新日鉄)などのメーカーに習ってファイル名が付けられている場合があります。
そのため、軽量鋼矢板、軽量アルミ矢板、ハット型鋼矢板という表記ではなく、日本製鉄(新日鉄)の商品明記を例にしたように、表記だけで「これは鋼矢板Ⅲ型だ」、「これは鋼矢板Ⅲ型の新型だ」と理解できるよう、ある程度は製品名の意味を把握しておく必要があるでしょう。そうすることで、無料のcadデータを探し出す手間が省け、効率よくフリーダウンロードを行うことができるはずです。


鋼矢板(シートパイル)のCADデータを手に入れて納得できる工事計画書を作成する

大規模な建造物を建設するときに必要となる工事の1つが土留め工事で、剛性の高い土留め壁が必要とされます。その壁に使われるのが、鋼矢板(シートパイル)です。鋼矢板が使われるのは構造物に限らず、港湾や河川でも使われます。
鋼矢板を挿入する工事の方式、それに応じた鋼矢板の種類、また、工事に当たって周辺の住民に与える影響、鋼矢板の運搬・保管方法など検討することは、いろいろあります。
それらをまとめて施工主に対してプレゼンを行い、その後具体的な工事計画書と施工要領書の作成となります。鋼矢板あるいはシートパイルのフリーのダウンロードサイトには、鋼矢板や鋼矢板で施工したCAD図面やPDF図面、CADデータなどが、無料でダウンロードできます。これらを使って、鋼矢板の施工の出来上がり図を設計し、設計後の図面を入れたプレゼン資料を、施工主に提示すれば、信頼が得られるでしょう。
また、工事段階では、鋼矢板のメーカーサイトから、フリーでCADデータやpdf標準図から、詳細データが記載されたカタログが無料でダウンロードできます。一部のサイトでは、無料会員登録によって無料でダウンロードできるサイトもあります。これらの鋼矢板のデータや標準図を使い、工事計画書や工事施工要領書を作成すれば、抜けのない工事計画ができ、品質の良い工事を無災害で実施できるでしょう。

油圧による鋼矢板圧入工法は騒音や振動を出さない工法です

鋼矢板の施工方法には、ハンマの落下衝撃で鋼矢板を貫入する打撃工法、バイブロハンマで鉛直方向に振動を鋼矢板に伝え貫入するバイブロハンマ工法、打ち込んだ鋼矢板をつかんで引き抜き抵抗力を反力に使って鋼矢板を貫入する油圧式圧入工法などがあります。
油圧による鋼矢板圧入工法は、騒音や振動を出さない工法です。また、鋼矢板圧入工法は狭い場所での鋼矢板打ち込みに適した工法です。鋼矢板圧入工法の中で、ゼロクリアランス工法は、専用のゼロパイラーとゼロ矢板を使い、近くにある物との隙間をゼロ状態で、鋼矢板を圧入します。既設水路と隣地境界が200mm程度でもこのゼロクリアランスによる鋼矢板圧入工法は有効です。また、鉄道の車両の近くに鋼矢板を挿入する場合、安全な夜間しか工事ができない工事も、ゼロクリアランス工法では、車両との安全空間さえ確保できれば施工ができます。ゼロクリアランス鋼矢板圧入工法は、経済的・工期的にも有効と言えます。
このゼロクリアランス工法のCADデータはありませんが、新日鉄のサイトから標準図やデータが記載されたカタログがフリーでダウンロードできます。新たに鋼矢板の工事を検討したいときに役立つでしょう。
鋼矢板圧入工法は優れた工法ですが、レッカーや特殊機械を使います。また、狭い場所での作業も多く、安全を第一として考える必要があります。そのため、鋼矢板のCADデータや標準図のほかに、関連するレッカー車などの機械のCADデータや図面を、フリーのサイトか、メーカーのサイトからダウンロードし、鋼矢板や機械の配置を図面に起こし、安全な配置を計画することが重要です。ほとんどのサイトから無料でダウンロード可能です。
なお、このコラムでは「新日鉄」という表記をしています。新日鉄は他の鉄鋼メーカーとの合併や社名変更により、日本製鉄という名称に変わっています。しかし、無料も含めダウンロードサイトやカタログやファイルの表記では、まだ新日鉄という名称が残っています。そのためこのコラムでも、日本製鉄を新日鉄と記載しています。

鋼矢板工法の基礎資材である鋼矢板(シートパイル)の特性

鋼矢板は、鋼矢板工法の基礎資材です。鋼矢板そのもののもつ特性によって、鋼矢板工法には多くの特長・長所があります。鋼矢板工法としての長所と、鋼矢板の材料特性とは、密接な関係があります。鋼矢板は、シートパイルとも呼ばれますが、カタログやJIS規格では鋼矢板が使われ、シートパイルはカッコつきになります。本コラムでも鋼矢板と統一して紹介します。
鋼矢板の特長は、次のような点があげられます。
・製鉄所で規格生産され、既製材料となります。
・材料として規格化されています。
・機械力による打込みの最適工法で、施工の速度が速いです。
・防食工法を加え長期的な耐久力がある材料です。
・継手の遮水性が高く、表流水や地下水がある現場でも容易に工事ができます。
・大量生産性が高く、規格材として保存され、災害復旧などの緊急工事に対応が可能です。
・価格が安定し、工事費変動が少ないです。

鋼矢板(シートパイル)の製造法による分類

最初の製造法による鋼矢板の分類は、製造区分では次の3つがあります。
熱間圧延による製造、冷間圧延による製造、溶接組立てによる製造。
現在90%程度需要のある鋼矢板は、熱間圧延によるものです。熱間圧延した鋼矢板の強みは鋼材の材質強度が、一番優れているという点でしょう。
冷間圧延による製造では、軽量鋼矢板分類の製造に使われます。冷間圧延の鋼矢板は、熱間圧延の鋼矢板と比べると、熱間圧延の鋼矢板の最小型より、断面強度が低い範囲の鋼矢板が対象です。
溶接による製造では、鋼管矢板の製造に用いられます。鋼管矢板は、熱間圧延の鋼矢板の最大のものより大きい大断面強度の鋼矢板として利用されます。

鋼矢板の断面形状および大きさによる分類

鋼矢板の分類は、断面形状によって行われ、次のように種類分けされます。
U形鋼矢板、ハット型鋼矢板、Z形鋼矢板、H形鋼矢板、組合せ鋼矢板、直線形鋼矢板、鋼管矢板、軽量鋼矢板。
このうち、U形鋼矢板~直線形鋼矢板は、熱間圧延か、さらに溶接成形で組み立てられたものです。鋼管矢板は溶接成形によって製作され、軽量鋼矢板は、冷間圧延によって製作されます。

熱間圧延で製造され堅固な継手をもち精密な鋼矢板となる U形鋼矢板

U形断面の鋼矢板は、熱間圧延で製造されるため、堅固な継手をもち、精密な鋼矢板となります。U形断面の鋼矢板は、打込み・引抜き・集積・運搬などで取り扱いが便利で、水替えを伴う深い掘削土留工、止水工、締切工、岸壁工事などで広く利用されています。
U形鋼矢板断面サイズは最小I型から、最大VI型までサイズがシリーズ化されています。U型鋼矢板の場合、普通型で鋼矢板Ⅰ型~鋼矢板Ⅲ型~鋼矢板Ⅴ型まで5種類あり、呼び方は、メーカーごとに、例えば、鋼矢板Ⅲ型で新日鉄の八幡製鉄の製品は、YSP-Ⅲ、JFE日本鋼管の鋼矢板Ⅲ型はNKSP-Ⅲのように呼ばれます。
同じ鋼矢板Ⅲ型の改良型では、Ⅲの脇にAを添付し、FSP-ⅢAのように呼ばれます。
Ⅰ型からⅤ型までの違いは、鋼矢板の強度の違いで、Ⅰ型≦Ⅱ型≦Ⅲ型≦Ⅳ型≦Ⅴ型と強度が大きくなります。鋼矢板Ⅲ型の単位質量や断面二次モーメントなどの断面性能は、ほぼ中間値にあります。また、600mmの幅広の場合は番号の側にWを付け、例えば、鋼矢板Ⅲ型の場合は、FSP-ⅢWのように称します。

U型に比べ長尺施工が可能で鋼材の重量が低減できる ハット型鋼矢板

U型鋼矢板に似た鋼矢板にハット型鋼矢板があります。ハット型鋼矢板は、JISで規格が決められた溶接用熱間圧延鋼矢板です。継手効率はU型鋼矢板は1枚ごとに中立軸がずれますが、ハット型鋼矢板は全体の中立軸が一致し、継手効率が100%ととなります。
ハット型鋼矢板の特徴を上げると、U型に比べ長尺施工が可能なこと、鋼材の重量が低減できること、有効幅が広いため施工枚数が減って工費や工期の削減が見込めます。
U型鋼矢板もハット型鋼矢板も利用頻度が多いため、CADデータや鋼矢板図面が多用されます。メーカーのフリーのダウンロードサイトでは、鋼矢板のCADデータ、標準図、施工時の参考図面が載ったカタログなどが多くあり、無料でダウンロード可能です。

冷間成形で製造され小規模工事の護岸や土留めに用いられる 軽量鋼矢板

軽量鋼矢板は冷間成形されて製造されます。軽量鋼矢板は断面強度の低い範囲にあって、小規模工事の護岸や土留めに用いられます。軽量鋼矢板のうち波型断面は、小断面のものに使われ、断面端部には継手で噛み合わせずに、単に端部を重ね合わせるだけです。
軽量鋼矢板でも断面強度の大きい範囲では、冷間成形による溝形断面のものが用いられ、Z形断面を2枚接合したような左右非対称断面もあり、鋼板を折り曲げて成形した継手が設けられます。
軽量アルミ矢板は、軽量鋼矢板の1/3~1/2程度の重量で、手で運ぶことも可能です。軽量アルミ矢板はアルミ合金のため、錆に強く、耐久性に優れています。さらに軽量アルミ矢板はリサイクル価値の高い素材を使っているため、経済性と環境性を満足します。
軽量アルミ矢板のCADデータは見つけにくいのですが、軽量アルミ矢板メーカーのサイトには、充実した軽量アルミ矢板のデータや標準図が詳述されたカタログがフリーでダウンロード可能です。



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