このページでは、流量計算・排水計算・雨量計算・雨水計算のフリーソフト・エクセルテンプレートをご紹介します。
・雨水の流量計算、マニング公式の流量計算
・排水管の口径計算、側溝の流量計算
また記事後半では、流量計算・排水計算について、知っておくと役立つフリーソフト・エクセル情報を掲載しています。
・雨水流量計算の手順と応用
・マニングの公式による流量計算と流下能力の算定
・マニングの公式による側溝の流量計算の方法
・エクセルによる排水管の口径計算
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流量計算・水理計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
水理計算プログラム for Win
簡単メニュー・多公式対応の水理計算プログラムです。側溝などの給排水計画の際、図表などを利用して概算で扱われることが多いため、公式で手軽に計算できるようにつくられています。各公式別に素早く計算でき、動作も軽快なので、水路の断面チェック用に有効です。おすすめツールです。
水理計算
単断面および複断面の水理計算(水深計算)を行うプログラムです。矩形水路、台形水路、管渠水路に対応します。流下能力計算(管渠断面)を行います。マニング式平均流速公式により計算し、計算書を出力できます。ランキング上位の人気アプリです。
単断面水路
単断面水路
単断面水路の流量および流速の算出および計算が行えるフリーソフトです。土木設計業務における単断面水路の流量、水深、余裕高算出の際に発生する業務効率を向上させます。水深から流量、流量から水深の算出、水路の断面形状・流量よる勾配の決定、限界水深を求めて常流か射流かを判定、流量(Q)から余裕高の算出などが可能となり、煩わしい計算を簡単に取り扱うことができます。
流量計算「Flow2」(台形、円形) 【フリー版】
流量計算「Flow2」(台形、円形) 【フリー版】
台形断面、円形断面の等流計算を、マニング公式を流用することで算出するフリーソフトです。限界水深等の水理特性も計算することができます。特長として、断面形状を図化するため入力条件の確認が容易、勾配の範囲計算が可能、合成粗度に対応、最大20計算の計算書を1つのファイル内で管理可能といったポイントがあります。難しい計算を効率よく算出するためには重要なツールとなっています。
雨水排水流量計算書
雨水排水流量計算書
雨水排水の流量を計算する表シートです。主に亀の甲に分割した面積について、計画流出量を算出していきます。平均降雨強度が一定の場合について使用することができます。なお、平均流速式は「マニング」または「クッター」となります。流出量の計算については、三種類の地目についてまで同時に算出する事が可能です。ソフト自体はエクセルを使用されていますので、使い方は簡単です。
排水設計
排水設計
地形データを取込み、集水区域の設定により集水面積を算出し、雨水流出量、流量計算を行うプログラムです。各区域での定型断面における流量計算も算出することができます。また、カルバート断面の検討並びに排水ます設置間隔の検討も可能です。煩わしいこうした計算各種を簡易化することで、業務効率を改善することができます。なお、サンプル版となっているので使用には注意が必要です。
排水計算・雨水計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
流量計算 (雨水編)
雨水施設の種類と大きさを、計画雨水量と施設の流量を比較し決定する人気ソフトです。VP管、VU管、強化プラスチック複合管、ヒューム管、U型トラフ等の、勾配やマニング式による流速及び流量を計算します。施設の負担できる最大流域面積も計算し、排水勾配計算・排水管口径計算・流下能力計算・オリフィス流量計算にも対応します。計算のチェックが容易なので、ランキング上位のおすすめツールです。
流量計算 (汚水編)
汚水施設の種類と大きさを、計画汚水量と施設の流量を比較し決定するソフトです。施設の負担できる最大計画人口も計算します。流速の計算はマニング公式又は、クッター公式によります。手計算と同様に印刷されますので、計算のチェックができ、申請書等に添付できるおすすめツールです。
21世紀 雨水流量計算システム 「1秒算雨水」
パワーアップバージョンした流量計算表のプログラムです。エクセルを使用し、表形式流量計算書報告書にもそのまま添付可能です。面積の逓加を算出し、延長の最長を自動判別加算します。認可外からの流入にも対応します。雨水排水計算・オリフィス流量計算・雨水流量計算・河川流量計算・水路流量計算・配管流量計算・不等流計算などもできる人気エクセル用アプリです。
21世紀 汚水流量計算システム 「1秒算汚水」
汚水の流量計算表の人気プログラムです。エクセルを使用し、表形式流量計算書報告書にもそのまま添付可能です。各自治体の様式に合わせられます。面積の逓加を自動算出し、延長の最長を自動判別加算します。おすすめのエクセル用ツールです。
流量計算 (合流編)
下水排水施設の勾配による流速及び流量を計算し、種類と大きさを、計画下水量と施設の流量を比較し決定するソフトです。流速の計算は、マニング公式又はクッター公式によります。出力は、手計算と同様に印刷されますので、計算のチェックができ、申請書等に添付できます。雨水排水計算・雨水流量計算・河川流量計算・雨量計算・オリフィス流量計算・水路流量計算・配管流量計算・等流計算・不等流計算なども可能なアプリです。
雨水浸透施設計算
雨水浸透施設の浸透量を計算し、対策雨水量と比較して施設の種類及び大きさを決定します。対策雨水量の計算は合理式によります。結果は、エディタに書き込み、結果の編集、複数の施設をまとめて印刷、他のソフトへの貼り付け等できます。地域の計算方法を追加できます。等流計算・不等流計算・雨水浸透計算・流速計算なども可能なアプリです。
流下能力の可否を判定するのが流量計算
流量計算とは、設計する構造物の大きさ、水路や管路等のサイズで、流下能力が可能か否かを判断するものです。
一般的に流量計算の対象は、道路排水、道路側溝、下水道の雨水計画・汚水計画、上水道の給排水計画、農業用水の水路・圧送管路等、河川等に流れ流水になります。
国土交通省・農林水産省・厚生労働省等、それぞれの設計基準に整合した計算式を用いて計算します。
水理計算とは、等流・不等流の計算、側溝の断面計算、排水管の口径計算など
水理計算とは、流量計算と異なり、次のように水の特性を把握する計算方法です。
・静水圧による水圧計算、浮力の計算
・水の運動エネルギー計算、層流乱流計算・等流・不等流・損失水道計算
・管水路のサイホン計算・管網計算・ポンプ計算
・開水路の複断面河川の流量、水路断面の計算
・オリフィス・せき・ゲート等の計算
排水雨水計算とは、雨水の計画流出量を算出することをいいます。その計算式には合理式、実験式等があり、流出係数(c)や流達時間(t)、排水面積(ha)等の設計条件を用いて計算します。道路排水・下水等の側溝や、水路及び管路等の必要断面を決定するに用います。
雨水流量計算の手順と応用
雨水流量計算は、都市開発や農業分野において非常に重要なプロセスです。この計算を正確に行うことで、洪水対策や排水計画を適切に設計できます。以下に、雨水流量の計算に関する詳細な方法とその背景について説明します。
雨水流量を計算するためには、最大計画雨水流出量を求めることが不可欠です。この流出量の計算には通常、「合理式」という基本的な公式が用いられます。
最大計画雨水流出量の計算(合理式)
最大計画雨水流出量(Q)は、以下の合理式を用いて算出されます。
Q = 1/360 C・I・A
Q : 最大計画雨水流出量(立方メートル毎秒)
C : 流出係数
I : 流達時間(t)内の平均降雨強度(ミリメートル毎時)
A : 排水面積(ヘクタール)
例えば、ある都市部の雨水流出量を計算する場合、流出係数(C)、平均降雨強度(I)、そして排水面積(A)をそれぞれの場所の適切な値に設定する必要があります。
流出係数の設定
流出係数(C)は、雨水がどれだけの割合で地表を流れ出すかを表す値です。以下のように土地の種類や用途によって標準的な流出係数が設定されています。
工種別基礎流出係数の標準値
屋根 : 高い流出係数を持ちます。 0.85 ~ 0.95
道路 : 舗装されているため、流出係数が大きいです。 0.80 ~ 0.90
その他不透面 : 排水がほとんど直接流出するため、高い係数を持ちます。 0.75 ~ 0.85
水面 : 湖や池など。流水を直接保持するため、特異な扱いです。 1.00
間地 : 透水性があるため、流出係数は低めです。 0.10 ~ 0.30
芝・樹木の多い公園 : 透水性が高く、やや低い流出係数です。 0.05 ~ 0.25
勾配の緩い山地 : 地形によって流出係数に変動があります。 0.20 ~ 0.40
勾配の急な山地 : 雨水の流出が迅速であり、高い流出係数となります。 0.40 ~ 0.60
用途別総括流出係数の標準値
商業地および類似住宅地域 : 敷地内に間地が少ない場合、流出しやすいため高い係数を持ちます。 0.80
工場地域および庭が若干ある住宅地域 : 中間的な流出係数です。 0.65
住宅公団団地および中低層住宅地域 : 透水面が一定割合を占めるため、中程度の流出係数となります。 0.50
降雨強度の計算
雨水流量を正確に算出するためには、降雨強度、流達時間、そして流下時間を考慮する必要があります。
降雨強度は、特定の地域や年周期に基づいた降雨強度式を使用して求めます。一般的な年確率降雨強度の式は以下の通りです。
I = 5,098 / t+36
I : 流達時間内の平均降雨強度 (mm/時)
t : 流達時間 (分)
この式により、短時間内における降雨強度を見積もることが可能です。これにより雨水流量計算の一部が完了します。
流達時間の算出
次に、流達時間を求める必要があります。流達時間は、降雨が初めて地面に着地してから排水システムに到達するまでの時間を表します。流達時間は次の式で計算されます。
t = t1 + t2
t : 総流達時間 (分)
t1 : 流入時間 (分)(通常、標準的には5分を使用)
t2 : 流下時間 (分)
流入時間は一般的な標準値を使用しますが、現地の状況に応じて柔軟に変更することも重要です。
流下時間の計算
次に、流下時間を算出します。流下時間は、雨水が排水管内を移動するのに要する時間です。これは以下の式で求められます:
t2 = L / 60 V
t2 : 流下時間 (分)
L : 管の最長延長) (m)
V : 管内平均流速 (m/秒)
ここで重要なのは、管内の流速を正確に算出することです。流速は管径や勾配、水の粘度などに影響されるため、詳細な現地調査やモデルを用いた解析が推奨されます。
雨水流量計算の意義と今後の課題
雨水流量計算は、都市計画やインフラ設計において欠かせないプロセスです。特に、降雨が頻繁に発生する地域やゲリラ豪雨が増加している地域では、的確な雨水流量計算が災害リスクの軽減に直結します。
都市排水計画への適用
都市部では、アスファルトやコンクリート舗装により自然の浸透能力が低下しています。このため、適切な排水システムを設計することが求められます。雨水流量計算を基に、排水管や貯水施設の容量、ポンプ設備の配置を最適化することで、浸水被害を予防することが可能です。
環境保護の観点からの重要性
また、雨水流量計算は環境保護の視点からも重要です。正確な計算により、浸水防止だけでなく、過剰な雨水を用いた水資源の再利用や、降雨浸透による地下水補給の促進など、持続可能な水管理にも貢献することができます。
雨水流量計算の課題
雨水流量計算は、雨水の管理と洪水予防において重要な役割を果たします。これにより、市街地や農業地帯の洪水対策がより効果的に計画されます。また、都市開発では開発区域の排水計画においてもこの計算が不可欠です。
一方で、気候変動や都市化の進行に伴い、降水パターンが変わりつつあります。これにより、従来の流出係数や降雨強度に基づいた計算方法の再検討が求められる場合があります。最新の気象データや予測モデルを活用したアプローチが今後の課題となるでしょう。
雨水流量計算は、降雨強度、流達時間、流下時間という三つの要素を精密に計算することで成り立ちます。これにより、都市部や農村地帯における排水システムの設計や、水資源管理において、より安全で効率的な対策を講じることが可能となります。
雨水流量計算は、都市計画および環境保護の基盤をなす重要な技術です。合理式を用いた計算方法は、計画雨水流出量を簡便かつ正確に算出するための基本ですが、近年の環境変化に対応するため、最新のデータと技術の活用が求められています。このプロセスを理解し、適切に応用することで、地域社会の安全性と環境の健全性を確保することが可能となります。
マニングの公式による流量計算と流下能力の算定
水の流れに注目する際、流量計算は非常に重要な役割を果たします。その中でもマニングの公式は、河川や水路の流量を計算するための有名な方法です。この公式は、水流の形状や流速と流量の関係を探る際に使われます。
水面勾配と流速の関係
まず、水面勾配について考えてみましょう。水面勾配とは、水流の落差を示すものです。一般的に、水面勾配が大きければ大きいほど、水は速く流れます。これは、高いところから低いところへと水が移動する際に、重力の影響を受けるためです。例えるなら、高低差のあるスライダーでは、一気に滑り落ちるほど速度が増すようなものです。
径深の影響
次に、径深について考えます。径深とは、水路の断面における水の深さを示す指標であり、水が深ければ深いほど、つまり径深が大きいほど、流速が速くなります。これは、水が深くなることで壁や底との接触部分(摩擦面)が相対的に少なくなり、水の流れが阻害されにくくなるためです。具体的には、プールの底を歩くときに浅瀬よりも深いところの方が抵抗を感じにくいのと同じです。
粗度係数の重要性
粗度係数は、水流が通過する路面の状態を示すもので、この数値が大きいほど抵抗が増し、流速が遅くなることを意味します。例えば、岩や石が多い川底や、植生が豊かな水路では、粗度係数が高くなり、水の流れが妨げられます。一方、平滑なコンクリート水路では粗度係数が低く、よりスムーズに水が流れます。この粗度係数が水流に与える影響は非常に大きく、水路設計の際には必須の考慮要素となります。
マニングの基本公式
以上の要素を考慮して、マニングの公式は次のように表現されます。
Q = A ・ V
V = 1/n ・ R^(2/3) ・ I^(1/2)
Q : 流量(m3/秒)
A : 流水の断面積(m2)
V : 流速(m/秒)
n : 粗度係数
R : 径深(m) (A/P)
P : 流水の潤辺長(m)
I : 勾配
マニング公式のパラメータ
流水の断面積(A)
流水の断面積Aは、流れる水の横断面の面積を指します。一般的に、水路や河川の形状によって異なりますが、矩形、円形、台形などの断面形状が考えられます。
粗度係数(n)
粗度係数nは、流路の表面の粗さを表現するために用います。具体的には、砂や泥、岩などの地形や植生、水路の壁面材質などが粗度係数に影響を与えます。
径深(R)
径深Rとは、流水断面積Aを水周長Pで割った値です。これは、水の断面積が大きいほど流速が速くなる傾向を示しています。
R = A / P
P : 流水の潤辺長(メートル) 流水が接触する水路の周長
勾配(I)
勾配Iは水路の傾斜を示す指標で、通常は無次元数で表されます。勾配が大きいほど、流速も速くなります。
マニングの公式による流下能力の算定
流下能力の算定は、水路や河川の設計および管理において非常に重要なステップです。その中でも「流量計算」は、マニング式を用いることが一般的です。
マニングの公式は、流路の特性と流体特性を組み合わせて流量を算出するための経験式です。選定した様々な要素がどのように流量に影響を与えるかを明確に示しており、水工学や環境工学の分野で広く利用されています。
水の流れを効果的に理解し、制御するためには、マニングの公式を用いた流量計算が欠かせません。流速と流量に対する水面勾配や径深、粗度係数の影響を把握することで、最適な水路設計や管理が可能となるのです。
流下能力の算定は、多岐にわたる要因を考慮して行われるべきです。マニング式は、そのための強力な手法を提供します。この計算手法を理解し、適切に適用することで、水路や河川の設計と管理をより効果的に行うことができます。
マニングの公式による側溝の流量計算の方法
側溝の設計や維持管理を行う際に、その流量を正確に把握することは極めて重要です。一般的に使用される方法の一つが「マニングの公式」です。マニングの公式は19世紀後半に開発されたもので、流れの速度と水路の断面積を基にして流量を計算するエンジニアリングの公式です。特に不規則な形状を持つ側溝や自然の河川など、多様な流路の計算にも対応しています。
マニングの公式ではパラメーターの適切な設定が必要です
マニングの公式では、Q:流量(m³/s)、A:断面積(m²)、R:水力半径(m)、S:水面勾配、n:マニングの粗度係数などのパラメータが使われます。それぞれのパラメーターには適切な値が設定される必要があり、それが正確な流量計算へと繋がります。
例えば、コンクリート製の側溝であれば粗度係数nの値は0.012程度が一般的ですが、草が生い茂った自然の川ならば0.03やそれ以上の値が適用されることがあります。
側溝の設計において特に重要なのは、マニングの粗度係数nの選定です。これは流路の材質や状態に依存し、例えばコンクリート製の側溝では低めに設定される一方、自然地形の側溝では高めに設定されることが多いです。
また、流路断面積Aや水力半径Rは、それぞれの流路の形状や寸法によって計算されます。
水力半径Rは断面積Aを周囲長Pで割ったもので、流路の形状に大きな影響を受ける重要なパラメーターです。
側溝の流量計算のプロセス
実際の計算を行う際には、まず下記のプロセスを踏んで行います。
側溝の流量を正確に計算するためには、適切な数理モデルが不可欠です。マニングの公式は、その代表的な方法の一つとして広く利用されています。マニングの公式は、特に水工学の分野で重要な役割を果たし、ほぼあらゆる水路や側溝の設計で採用されています。公式を用いることで側溝の流れ特性を予測し、適切な設計や改修を行うための基礎データを得ることが可能です。
1. 流路の断面形状の確認
まずは側溝の断面形状を図面や現地調査で確認し、その面積と周囲長を計算します。これが流量計算の基礎データとなります。
2. パラメーターの決定
断面積A、水力半径R、水面勾配S、そしてマニングの粗度係数nを適切に選定します。特に粗度係数nは流路の素材や表面状態によって大きく変わるため、現地の状況に応じた適切な値を選ぶことが重要です。
3. 公式への代入と計算
必要なパラメーターが揃ったら、それらをマニングの公式に代入して流量を計算します。
このような側溝の流量計算により、側溝の流量を正確に算出することができます。これにより、過剰な流れが発生する場合でも適切な排水設計を行うことが可能となります。
さらに、マニングの公式を補完するためには、現場の実測データや先行研究の結果を活用することが有益です。これにより計算精度を一層向上させ、より現実的な設計を行うための確固たる基盤を築くことができます。
これにより、側溝の設計や改修に対して適切な判断が下せるようになります。適切な流量計算は、水害対策や効率的な排水システムの構築に大いに役立ちます。
したがって、マニングの公式による側溝の流量計算は、土木エンジニアや都市計画担当者にとって必須の知識であり、精度の高い計算が求められます。同時に、この公式を正確に理解し適用することが、安全で効率的な水利管理に直結します。
エクセルによる排水管の口径計算
エクセルを使用すると、排水管の口径計算がより効率的に行えます。排水システムの設計や建築プロジェクトでの排水計画を効果的に進めるためには適切な排水管の選定が非常に重要です。計算の正確性を保持しながら作業を迅速に進めるために、エクセルを活用した計算方法を具体的に見ていきましょう。
まず、排水管の口径計算に必要な基本情報を収集する必要があります。これには、建物の用途、排水量、水圧、管の材質、配管の長さ、そして勾配が含まれます。エクセルを利用することで、これらのパラメータを一つの表にまとめて整理しやすくなります。また、計算式や標準的な規格に基づく計算を自動化することが可能です。
具体的な手順としては、まずエクセルのスプレッドシートを開き、各項目をセルに入力します。次に、計算式を必要なセルに設定します。例えば、排水量に基づいて必要な管径を算出する式や、勾配により流速を決定するための式を記入します。これにより、各パラメータを変更するだけで自動的に結果が更新されるため、複数のシナリオで簡単にシミュレーションを行うことができます。
さらに、排水管の材質ごとの特性や表面の粗さなど、詳細なデータをエクセルに取り込むことで、より精密な計算が可能になります。これにより、設計段階での誤差を最小限に抑え、実際の施工における問題を未然に防ぐことができます。
以上のように、エクセルを活用して排水管の口径を計算することで、大幅な時間の節約と精度の向上が図れます。詳細なデータベースを構築することで、将来的なメンテナンスや改修時にも再利用しやすくなるという利点もあります。
このプロセスを通じて、エクセルは効率的な排水管設計の強力なツールとなり得るのです。
マニングの公式による排水管の口径計算
排水管の設計を行う際、適切な口径の選定は極めて重要です。そのために用いられるのが「マニングの公式」です。この公式を活用することで、効率的かつ正確に排水管の口径を算出することができます。
マニングの公式を用いた計算結果は理論上のものであり、実際の設計においてはさらなる考慮が必要です。例えば、以下の要素を追加で考慮する必要があります。
1. 設置場所の地形や周囲環境
2. 排水管の素材や耐久性
3. 定期的なメンテナンスの容易さ
これらの要素を総合的に考慮した上で、最終的な排水管の設計を確定することが求められます。
マニングの公式は、排水管の口径計算において非常に有用なツールです。この公式を活用して、正確で効率的な設計を行い、排水管の機能を最大限に発揮させることが可能です。設計者は、理論と実際の条件を考慮しながら最適な選択を行うことが求められます。
排水管の口径計算の多様なソフト
排水システムの効率的な設計および維持管理には、適切な排水管の口径計算が必要不可欠です。この計算を正確に行うためには、高精度のソフトウェアを導入することが重要です。以下では、排水管の口径計算に適したおすすめのソフトをいくつかご紹介いたします。
適切な排水管の口径計算は、効率的な排水システムを構築するためには欠かせない作業です。使用する目的や規模に応じて、さまざまなソフトウェアが利用可能です。高度な計算を要する大規模プロジェクトでは、専門の水道工学ソフトが、建築設計の一環として行う場合には建築設計ソフトが、小規模で手軽な計算にはオンラインツールやアプリがそれぞれ適しています。これらのツールを活用して、正確で効率的な排水システム設計に取り組んでください。
水道工学専用ソフトウェア
最も一般的に使用されるのは、水道工学専用の計算ソフトウェアです。これらのソフトは高度なアルゴリズムを用いており、都市の大規模な排水システムから、小規模な家庭用の排水システムまで対応可能です。特定の銘柄名を挙げれば、例えば「StormCAD」や「InfoWorks ICM」などが挙げられます。これらのソフトは、流体力学の基本原理をベースにした複雑なシミュレーションを簡単に行うことができます。
建築設計支援ソフトウェア
建築設計の過程で排水管のプランニングを行う場合、建築設計支援ソフトウェアが便利です。例えば「AutoCAD MEP」や「Revit」があります。これらのツールは、建物の設計と統合されており、設計段階から排水管の径を最適化することができます。さらに、3Dモデリング機能を活用してリアルタイムで設計の調整が行え、ミスの防止につながります。
オンライン計算ツールおよびアプリ
手軽に使えるオンライン計算ツールやスマートフォンアプリも便利です。これらは主に小規模プロジェクトや個人ユーザーを対象としています。例えば、「Pipe Flow Wizard」といったオンラインツールを利用することで、手軽に口径計算ができます。これらのツールは無料版と有料版があり、無料版でも基本的な計算は十分に行えます。
排水路の設計と流量計算のポイント
排水関係設計図の作成について
排水施設が適切に施工されるために、必要に応じて次に示すような排水関係設計図を作成しなければならない。
(1) 排水系統図
(2) 横断図
(3) 横断排水施設一般図(横断工詳細図)
排水系統図について、排水系統を明確にするために、必要に応じて排水系統図を作成する。排水系統図には、以下の事項を記入する。
(a) 排水施設の名称、サイズ、敷高、側溝や排水管の通水断面、集水桝の内空断面
(b) 排水の流下方向は、図中に矢印で記入する。
(c) 排水勾配
(d) 排水構造物の図面表示、旗上げ
(e) その他、集水桝部における表示の凡例等
降雨強度の算出は、タルボット式で計算します
降雨強度の算出は、タルボット式で計算します。平均流速の算出は、マニング式で計算します。コックの開きが少ない状態で、ガラス管内の流速が小さいときに着色液を流すと、着色液は管の軸線に平行に、はっきりした直線を描いて流れます。通常の水の流れは、ほとんど乱流であると考えてよいでしょう。
コックの開きを大きくし、ガラス管内の流速がある速度までくると、着色液の線は波状になります。ガラス管の入口に別の細い管を入れて、細管から水と同じ比重の着色液をガラス管内に流し込みます。レイノルズが行った実験から、流れには二つの状態があることがわかりました。
開水路の流れには、水深が小さく流速が限界流速より大きい射流と、水深が大ぎく流速が限界流速より小さい常流の、2種類の流れがあります。
降雨強度による流速と流量の検討
降雨強度による方法は、実測された降雨強度の資料から任意の継続時間に対応した降雨量の毎年最大値を用いて、その生起確率の評価を行って降雨強度式を作成するものである。
しかし、流出量の算出に含まれる各種の誤差要因等を勘案した結果、実測したデータを用いて厳密に各流達時間毎の降雨強度を求め確率評価することは、流出量の算出に含まれる各種の誤差要因等を勘案したうえで、実務上から不必要と判断し、次の三方式を採用することとする。
(1)近傍観測所の確率降雨強度式の適用
(2)降雨強度表の利用
(3)特性係数法の適用
閉水路の速度分布から雨水排水計算や雨水流量計算を行う
閉水路では横断面や鉛直方向で速度分布を考慮することが必要です。
一般的な長方形断面の閉水路では最大流速が発生するのは、水平方向では中央、鉛直方向では水面のやや下と言われています。
なぜかというと水面や壁面に近づくに従い水の表面張力により、速度が低下していくからです。
水路における水の接する壁・底の長さの合計を潤辺と呼びますが、ここの摩擦力が水路の速度に大きく影響します。
この場合水路の角度や表面摩擦力から計算する必要があります。
同様に水路の鉛直方向の速度分布では層流か乱流により速度分布が大きく異なります。
層流の場合は比較的単純な式となりますが、乱流の場合はハーゲン・ポアジュールの式と同様に対数を使用する必要があるので、手計算では非常に難しくなります。
このような水路に関する計算を行うことで雨水排水計算や雨水流量計算を行うことができるため、水路流量計算は非常に幅広い範囲で応用できます。
流量計算・排水計算の特徴と計算方法
総量を想定した排水計算は排水施設の設計に繋がる
排水施設の設計、雨水排水計算は、降雨、地下水などが、施設に集まる水の総量を想定して、流下能力計算を行います。
降雨強度とは、降雨が集水域の最も遠い所から水路を流下して、最低点までの到達時間対しての、降雨の雨量計算と流下能力計算を求めるもので、降雨強度式から求めます。
降雨強度式を求めるには、降雨の継続時間を過去の記録、雨水排水計算や雨水流量計算から、降雨強度式に置き換えます。
次に集水面積を地形図から算出し、雨水浸透計算による地下域への浸透を考慮し、水路や側溝を流れてくる流下能力計算の根拠の1つとします。
流出係数は、路面の水路や側溝などの排水施設に対して、雨量計算でその量を求めますが、路面・炉から・芝生・屋根・勾配の急な山地・田畑・水路・側溝などがあり、その係数の値は経験から決められています。
雨水計算と雨水排水計算に当たっては、集水域を決め、集水面積と流出係数を算出して雨水排水計算を行い、流路の長さと流量到達時間と降雨強度式から、マニング式により平均流速を求めます。
平均流速が分かると、到達時間から排水の流出量が分かり、排水施設の規模や能力、排水管口径計算と流下能力計算が可能となり、排水施設の設計へとつながります。
流速・流量・水路断面の計算方法とは
流速は、水路のある固定点を通る水の速度を表し、流速計算vは、距離/時問で計算されます。
流量とは、単位時間(1秒間)に、水路のある断面積Aを通過する水の体積で、Qで表します。
流量計算Qは、体積/時間で計算されます。流速計算と流量計算の関係は、Q=A×v、と計算できます。
水路断面とは、水路内の一つの切口で、水の流れに対して直角の方向となります。
水路断面のうち、流積とは水が流れる部分の面積Aで、単位はm2、cm2などです。
潤辺とは、流積で水が周囲の壁や底と接している長さSで、単位はm、cmを使います。
流積Aを潤辺Sで割った値が、径深Rあるいは水理学的平均水深Rと言い、R=A/S、で計算されます。
① 幅が広く、水深の浅い河川の場合は、径深Rと水深Hはほぼ同じになります。
② 円形管水路の場合は、R=D/4(Dは管の内径です)、で計算されます。
流速vは、断面内の位置によって異なってくるため、平均流速uが使われます。断面平均流速vは、断面内の各点の水の流速を平均化して、断面全体の流速を表しています。
水路の流量計算は平均流速公式、マニングの式を使って計算
河川や人工的に作成した水路の計算で実験から導き出されたのがマニングの式となります。
マニングの式は非常に単純でわかりやすく、河川や水路でも高い精度を有し、乱流や壁面が荒い水路でもよく適合するので幅広く使用されています。
その中でも粗度係数という係数が使用されています。これは簡単に言うと水路の壁面や底の粗さを示す値です。値が低いほどなめらかで高いほど荒くなります。
これらも壁面の種類により規定されているので、簡単に使用することができます。
排水管の設計に必要な勾配計算
排水管口径計算を行うに当たって、排水管には、勾配の付け方の基準があります。最小勾配は1/200のように決められいますが、排水勾配計算の仕方で、排水管勾配1/200とは、200cmで1cm下がるという意味があります。
雨水排水管や合流管の勾配は、排水面積に対して管径と勾配の基準が決められているため、配管の長さから排水勾配計算を行い、勾配をどれだけ下げればと以下が計算でき、排水管口径計算ができます。
配管流量計算を簡単にするオリフィス計算
水路流量計算を行う場合、水路が配管となって流れているケースが多くあります。したがって、水路流量計算は配管流量計算として扱うことができます。配管流量計算で流量を測定するのは精密な流量測定でなければ、オリフィスが一般的で、オリフィス計算は水を扱うため、簡単な計算式で結果が出ます。