建設測量に必要な「座標計算」「座標変換」「SIMAデータ変換」を効率化できるフリーソフトやExcelテンプレートを紹介します。測量データの整理・変換・出力を簡単に行え、現場作業や書類作成の手間を大幅に削減。初心者からプロまで使える便利なツールを厳選して掲載しています。

座標変換・座標計算のフリーソフト・エクセルテンプレート その1
(Excel) 緯経 XY変換プログラム
Excelマクロによる 緯度経度 平面直角座標の相互変換をするおすすめのシステムです。見た目通りのシンプルな操作性の座標変換アプリです。変換計算は、世界測地系/旧日本測地系に対応します。緯度経度の書式は、ラジアン/度/度分秒に対応します。
PCデジタイザー
緯度経度 平面直角座標の相互変換をするおすすめのシステムです。比較的シンプルな操作性で人気です。変換計算は、世界測地系/旧日本測地系に対応します。緯度経度の書式は、ラジアン/度/度分秒に対応します。jwwなどの平面図をPCに取り込み、座標値を取得できます。デジタイザーをPCで代用できます。
XYZtoGIS.xls
公共座標・経緯度を、GIS・GPS・CAD・GoogleEarthなどに出力するおすすめのシステムです。jwwなどのCADから座標取得、GPXファイルから座標取得、KML/KMZファイルから座標取得、Googleマップから座標取得、分割・別方向測量の統合などができます。
平面直角座標対応 SHPをKML(Z)に変換
Esri社のSHP形式をGoogleマップで利用できるKML(KMZ)に変換するツールです。SHPが平面直角座標か緯度経度なのかを判断します。SHPが平面直角座標形式の場合緯度経度へ変換します。文字セットはUTM-8へ出力されます。地殻変動前の座標値から変動後の座標値へ補正します。
GIS開発ライブラリ Survey.DLL
旧日本測地系 ⇔ 世界測地系変換、緯度経度 ⇔ XY変換をExcelで行います。水理計算、交点計算など有用な科学技術計算ライブラリです。Jw_cad(jww)やAutoCAdのスクリプトを作成できます。平面直角座標から2点間の距離と方向角を求めます。
日本測地系2000へ変換 DXF・SHP・SIMA・国土庁
autocadのDXF・SHP・SIMA・国土庁フォーマットの座標を測地成果2000(JGD2000)の座標に一括変換するsimaデータ変換ソフトウェアが無料でダウンロードできます。地域毎パラメータ・3パラメータの選択ができます。変換速度が高速で操作が比較的簡単です。緯度、経度との相互換算や3次元表示を行います。
座標変換・座標計算のフリーソフト・エクセルテンプレート その2
座標計算 EX300
座標プロット・座標測量など土木用座標計算ソフトが無料でダウンロードできます。座標を元に角度・距離を計算、角度・距離から座標を簡単に計算できます。計算した座標値を登録できます。また、登録した座標値を計算シートに呼び出しできます。Microsoft Excel2003マクロで作成されています。操作性は比較的簡単です。
座標君セット
Excelにて現場監督の測量のお手伝いをしてくれる人気の座標計算シートです。座標計算各種を、Excel上で簡単に処理することができます。座標計算、座標逆計算、交点座標計算、直交座標計算、座標結合計算、距離計算、面積計算、後方交会法のExcelの7シートがセットになっています。
座標計算 EX300a プラス逃げ墨さん
座標から角度・距離、角度・距離から座標を簡単計算できる、座標計算EX300aに、逃げ墨計算機能が追加されています。計算した座標値を登録、登録した座標値を計算シートに呼び出しできます。立坑・橋台ほか、構築座標より内壁面、はなれ、逃げ墨を計算できます。平面直角座標の変換・世界測地系の変換などに使えるランキング上位のアプリです。
座標復元計算
造成などで使う、逆トラバース用のExcel計算シートです。機械点、後視点、各測点などの、与えられた各座標値を入力するだけで、距離と侠角を計算することができます。その他、中点と交点の計算や座標プロット・座標測量も可能です。緯度、経度との相互換算を行います。
測量計算 座標管理 (Excel97)
測点名で、2つの現場の座標値(X・Y)を更新(合成)します。Sort,抽出の機能を追加、測量計算 関数集A(Excel97) Ver1.2 を追加しました。座標プロット、座標測量、点名重複、座標値重複、点番重複 確認の機能を追加しました。平面直角座標から緯度、経度へ換算します。平面直角座標の変換、世界測地系の変換、距離計算、面積計算、後方交会法・3次元表示などもできるランキング上位のアプリです。
座標計算アプリ
工事現場の測量に活用できる座標計算アプリをご紹介します。
座標計算 Lite
点、円、角度などを指定することで交点の座標、極座標などを求めることができます。
測量座標計算
建築・建設で使う逆トラバース計算のアプリです。
測点等の名前を付けて座標の登録、読み込みもできます。
座標計算(トラバース計算)
座標計算アプリです。
トラバース計算、逆トラバース計算機能、CSV形式のテキストデータの読み込みにも対応。
Civil Surveyor(測量計算アプリ)
工事測量のための測量計算アプリです。
線上や円弧上の任意の点を自在に計算したり、線形をオフセットしたりできます。
SIMAデータ変換のフリーソフト・エクセルテンプレート
SIMAとは、測量業界において座標や路線、区画データをやり取りするためのフォーマットです。
SIMAデータ変換のフリーソフト・エクセルテンプレートで、SIMAデータの作成・編集したり、SIMAデータをautocadのdxf・jwwに変換したりできます。
Sima 解析 (XL2002)
人気のSimaファイルエディタです。XML書込みもできます。選択した座標値、全ての座標値、選択した地番、全ての地番、全ての座標値と全ての地番のSima出力やsimaデータをautocadのdxf、jwwに変換ができます。Xmlファイルは、XL97はMS XML-DOM、XL2002はQueryTablesオブジェクトで読込みます。 ランキング上位のソフトウェアです。
SAPro
測量・土木向けのSIMA・APAファイル送受信、SIMA変換、および座標・結線ビューワソフトです。ファイルはシリアル通信を使用して送受信します。SIMA、APAファイルの座標・結線データを、グラフィック表示できます。簡単な割込み計算処理も搭載しています。
SIMA 測地系一括変換
複数のSIMA形式ファイルの測地系(世界測地系/旧日本測地系)を一括変換する、人気のsimaデータをautocadのdxfやjwwに変換するツールです。1フォルダ内にある複数のSIMA形式ファイルに対して、同一条件での変換が可能です。変換元ファイルを削除せずに残せます。座標データと画地データのSIMA変換です。平面直角座標の変換・世界測地系の変換など。
SIMAtoKML 2.0
SIMAファイルから区画データ・区画構成点をKMLに変換するおすすめのシステムです。平面直角座標の変換・世界測地系の変換など、世界測地系平面直角座標の区画構成を持ったsimaファイルをエクセルに読み込んで変換した区画をGoogleEarth上に展開します。(世界測地系のみ対応)カンマ区切りテキストSIMAファイル対応です。
ArcView SHP・SIMA・NIGMAS 変換パック
SHP・SIMA・NIGMASのコンバートを行うシステムです。Esri社のSHP形式とSIMA形式とを、双方向で変換するソフトウェア、ニグマスのNIF2形式をSHP形式に変換するソフトウェア、3本のソフトウェアパックです。simaデータをdxfやjwwに変換できます。データタイプは、3次元ポリゴンを対象としています。
座標計算・変換ソフトでできることと導入メリット
座標値の自動計算で作業効率アップ
Excelテンプレートやフリーソフトを使えば、複雑な座標計算が自動化され、手計算の手間を省けます。
異なる座標系の変換が簡単
世界測地系と旧測地系など、異なる座標系間の変換がスムーズに行え、正確な位置情報が得られます。
SIMA形式の入出力に対応
測量データ交換で使われるSIMA形式に対応したツールが多く、他社とのデータ共有や管理も簡単です。
図面作成の補助として活用可能
座標計算結果を図面ソフトと連携すれば、作図作業の精度向上や作業時間の短縮につながります。
テンプレート活用で初心者も安心
Excelベースのテンプレートは扱いやすく、測量の知識が浅くても簡単に座標変換や計算ができます。
無料ツールでコスト削減
フリーソフトやテンプレートを活用すれば、専用ソフト購入の費用を抑えながら、十分な機能を得られます。
座標計算・SIMA変換ソフトの用途と活用例
現地測量データの座標整理
測量機器から取得した座標データを整理・変換し、図面や帳票の作成にスムーズに反映できます。
設計・施工における座標管理
建設工事で必要な基準点や構造物の位置管理に活用でき、誤差の少ない施工が実現します。
SIMAデータを活用した図面連携
SIMA形式に対応することで、測量CADや他の設計ソフトとのデータ連携がスムーズに行えます。
図面や現地写真との照合作業
座標データを地図や現場写真と照らし合わせて、現況確認や配置の誤差チェックに役立ちます。
土地境界確認や地籍調査の補助
土地の境界確認や登記に関する調査作業で、座標情報を基にした検証・調整が可能になります。
測量成果の報告書作成に活用
座標計算結果や変換記録をそのまま報告書に反映でき、成果品作成の効率が大きく向上します。
座標計算・変換ソフト選定時の注意点
SIMA形式の対応範囲を確認
出力・入力ともにSIMA形式に対応しているかどうかは、他ツールとの連携性を考える上で重要です。
対応している測地系を確認
旧日本測地系や世界測地系など、使用する測地系に対応しているかを事前にチェックしましょう。
数値精度と誤差処理の機能
ミリ単位の精度が求められる現場では、四捨五入や誤差処理機能が充実しているかも確認が必要です。
日本語表示・マニュアルの有無
操作に不安がある場合は、日本語対応やヘルプマニュアルの充実したツールを選ぶのが安心です。
Excelテンプレートの互換性
Excelのバージョンにより動作が異なる場合があります。事前に対応バージョンを確認しておきましょう。
無料・商用利用の可否
商用プロジェクトで使用する場合は、ライセンス上問題がないか、利用規約を必ず確認してください。
建設業務の効率化に役立つ座標計算・座標変換ソフトのまとめ
建設業や測量業において、正確な座標計算や座標変換は欠かせない作業のひとつです。本ページで紹介したフリーソフトやエクセルテンプレートは、二点間の距離や方位角の算出、緯度経度とXY座標の相互変換、SIMAデータの読み込み・書き出しといった多様な機能を備えており、日常業務の省力化やミスの削減に大きく貢献します。これらのツールはすべて無料で利用できるため、コストを抑えつつ業務効率化を目指す現場担当者や技術者にとって非常に有用です。
また、エクセルベースのツールであれば導入も簡単で、社内での共有やカスタマイズも容易に行えます。SIMA形式のデータを扱えるソフトは、他の測量機器との互換性を保つうえでも重要な役割を果たします。座標の精度が要求される公共工事やインフラ整備の現場では、こうした専用ツールの活用が成果物の信頼性向上につながります。
今後ますます進むICT施工やBIM/CIM対応においても、デジタルデータの一貫管理が求められる中で、座標計算や座標変換の精度はより重要になります。現場で即戦力となるフリーソフトを上手に活用し、スマートな測量・設計業務を実現しましょう。必要な機能や使用目的に応じて、最適なソフトを選定することが、作業の精度と効率を高める第一歩です。