計装士は、計装設備の監理、設計・施工・管理などを一手に引き受ける作業者です。計装士の資格をを得るには、計装士試験に合格する必要があります。計装士には、1級と2級があり、2級は作業主任者、1級は作業管理者というような役割となります。
計装士は国家資格ではなく、建設現場に常駐するという制約が法規上ありませんが、実質の作業上では、作業管理者や作業主任者の常駐がないと建設工事ができません。計装士試験は日本計装工業会が実施しますが、日本計装工業会は所属する計装士が試験などが行えるように、法律で決められています。そのため、計装士も準国家資格と言って良いでしょう。
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その1
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その2
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その3
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その4
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その5
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その6
- 計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その7
- 計装士学科試験(学科B)出題予想問題と解説
- 【問題 1-1】 計装システムの構成要素に関する問題
- 【問題 1-2】 制御盤の設計基準に関する問題
- 【問題 2-1】 センサの種類と特性に関する問題
- 【問題 2-2】 計装機器の選定基準に関する問題
- 【問題 3-1】 PID制御に関する問題
- 【問題 3-2】 フィードバック制御とフィードフォワード制御の比較に関する問題
- 【問題 4-1】 産業用ネットワーク技術に関する問題
- 【問題 4-2】 データ通信のトラブルシューティングに関する問題
- 【問題 5-1】 安全計装システム(SIS)に関する問題
- 【問題 5-2】 機能安全とSILに関する問題
- 【問題 6-1】 計装機器の故障原因に関する問題
- 【問題 6-2】 計装回路のトラブルシューティングに関する問題
- 【問題 7-1】 計装機器の校正方法に関する問題
- 【問題 7-2】 校正証明書の重要性に関する問題
- 【問題 8-1】 PLCの制御プログラムに関する問題
- 【問題 8-2】 DCSの特徴に関する問題
- 【問題 9-1】 エネルギー効率向上に関する問題
- 【問題 9-2】 エネルギー消費データの収集に関する問題
- 【問題 10-1】 アラーム管理に関する問題
- 【問題 10-2】 計装システムのセキュリティ管理に関する問題
- 計装士試験の科目ごとの勉強法
- 計装士とは
- 計装士試験 その1
- 計装士試験 その2
- 計装士試験 その3
- 計装士試験の過去問を繰り返し解く
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その1
【問題 1-1】 計測機器の基本原理
温度測定に使用される代表的なセンサのうち、熱電対の測定原理として正しいものはどれか。
1. 温度変化による抵抗値の変化を測定する
2. 異なる金属の接点で発生する起電力を測定する
3. 放射エネルギーの変化を測定する
4. 圧力変化による静電容量の変化を測定する
正解:2. 異なる金属の接点で発生する起電力を測定する
ワンポイント解説:
熱電対は、2種類の異なる金属を接合し、その接点(接合部)に温度差が生じると発生する起電力(熱起電力)を測定することで温度を計測するセンサです。これは「ゼーベック効果」と呼ばれる物理現象に基づいています。起電力は温度に比例して変化するため、これを測定することで温度を算出できます。選択肢1の「抵抗値の変化を測定する」は測温抵抗体(RTD)の原理、選択肢3の「放射エネルギーの変化を測定する」は放射温度計の原理、選択肢4の「圧力変化による静電容量の変化を測定する」は圧力センサの原理です。したがって、熱電対の測定原理として正しいのは選択肢2です。
【問題 1-2】 計測信号の変換
センサで得られた信号を適切に処理するための信号変換技術として、電流信号(4-20mA)が広く採用される理由として適切なものはどれか。
1. 直流電圧信号よりも高精度な測定が可能であるため
2. 長距離伝送時のノイズの影響を受けにくいため
3. 消費電力が小さく、省エネルギー性が高いため
4. アナログ信号よりもデジタル信号の処理が容易なため
正解:2. 長距離伝送時のノイズの影響を受けにくいため
ワンポイント解説:
計装システムでは、センサからの測定信号を伝送する際にノイズの影響を最小限に抑える必要があります。電流信号(4-20mA)は、長距離伝送時でも外部ノイズの影響を受けにくい特性を持ち、安定した測定が可能です。これは、電圧信号と異なり、伝送中の電圧降下の影響を受けないためです。また、4mAをゼロ点として使用することで、断線検出が可能となり、信頼性が向上します。選択肢1の「高精度な測定が可能である」は部分的に正しいものの、精度向上の主な理由ではありません。選択肢3の「省エネルギー性」は主な採用理由ではなく、選択肢4の「デジタル信号の処理」は電流信号とは直接関係がありません。よって、正解は選択肢2です。
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その2
【問題 2-1】 フィードバック制御とフィードフォワード制御
フィードバック制御と比較した場合のフィードフォワード制御の特徴として、適切なものはどれか。
1. 制御対象の出力を直接測定し、それに応じて補正を行う
2. 外乱の影響を受けてから補正を行うため、応答が遅れる
3. 外乱が発生する前に補正を行うことで、影響を最小限に抑えられる
4. 制御対象の動特性を考慮せずに設計できる
正解:3. 外乱が発生する前に補正を行うことで、影響を最小限に抑えられる
ワンポイント解説:
フィードフォワード制御は、外乱が発生する前に補正を行うことで、制御対象への影響を最小限に抑える制御方式です。これは、外乱を事前に予測し、適切な制御信号を送ることで、制御対象の安定性を維持することを目的としています。一方、フィードバック制御は、制御対象の出力を測定し、それに基づいて補正を行うため、応答が遅れることがあります。フィードフォワード制御を適切に活用することで、外乱の影響を迅速に抑えることが可能ですが、制御対象の動特性を考慮した設計が必要です。そのため、フィードバック制御と組み合わせて使用されることが多いです。
【問題 2-2】 PID制御の特徴
PID制御における「積分(I)制御」の特徴として、適切なものはどれか。
1. 偏差の変化率に応じた補正を行い、応答速度を向上させる
2. 偏差の時間積分に基づいて補正を行い、定常偏差を除去する
3. 出力を比例的に変化させ、安定した制御を実現する
4. ループ遅れの影響を軽減し、システムの安定性を高める
正解:2. 偏差の時間積分に基づいて補正を行い、定常偏差を除去する
ワンポイント解説:
PID制御は、比例(P)、積分(I)、微分(D)の3要素を組み合わせた制御方式です。そのうち積分(I)制御は、偏差の時間積分に基づいて補正を行い、定常偏差を除去する役割を果たします。比例(P)制御だけでは、制御目標と実際の出力との間にわずかなズレ(定常偏差)が生じることがありますが、積分(I)制御を加えることで、この偏差を徐々にゼロに近づけることが可能になります。ただし、積分制御を強くしすぎると、応答が遅くなったり、オーバーシュートが発生する可能性があるため、適切な調整が求められます。PID制御では、これらの要素をバランスよく調整することが重要です。
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その3
【問題 3-1】 DCS(分散制御システム)とPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の違い
DCS(分散制御システム)とPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の特徴について、適切なものはどれか。
1. DCSは主に単純な論理制御を担当し、PLCは大規模なプロセス制御に適している
2. DCSは大規模な連続プロセス制御向けであり、PLCは主に順序制御や機械制御に適している
3. DCSはリアルタイム処理が苦手だが、PLCはリアルタイム処理に優れる
4. DCSはプログラムの変更が容易であるが、PLCは変更が困難である
正解:2. DCSは大規模な連続プロセス制御向けであり、PLCは主に順序制御や機械制御に適している
ワンポイント解説:
DCS(分散制御システム)は、化学プラントや発電所などの大規模な連続プロセス制御に適しており、複数のコントローラをネットワーク化して統合的に制御を行います。これにより、システムの冗長性や柔軟性が高まり、プロセス全体の安定性を維持しやすくなります。一方、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)は、主に機械制御や順序制御などの離散的な制御に使用され、リアルタイム性が求められる動作に強みを持ちます。PLCはシンプルな論理制御やインターロック制御に適しており、高速な処理が可能です。用途に応じてDCSとPLCを適切に使い分けることが、効率的な制御システムを構築するポイントとなります。
【問題 3-2】 デジタル制御とアナログ制御の違い
デジタル制御とアナログ制御の違いとして、適切なものはどれか。
1. デジタル制御は信号を連続的に処理し、アナログ制御は離散的に処理する
2. デジタル制御はノイズの影響を受けやすいが、アナログ制御は影響を受けにくい
3. デジタル制御は演算処理が可能であり、プログラムによる柔軟な制御ができる
4. アナログ制御はデジタル制御に比べて高精度な演算が可能である
正解:3. デジタル制御は演算処理が可能であり、プログラムによる柔軟な制御ができる
ワンポイント解説:
デジタル制御は、センサなどから取得した信号を数値データとして処理し、演算によって適切な制御を行う方式です。プログラムによる柔軟な設定変更が可能であり、複雑なアルゴリズムを適用することで精度の高い制御を実現できます。また、フィルタ処理や誤差補正も容易であり、通信機能を活用した遠隔制御にも適しています。一方、アナログ制御は、信号を連続的に処理するため、微細な変化をリアルタイムに反映できるメリットがありますが、ノイズの影響を受けやすく、調整や保守が難しい場合があります。用途に応じて、デジタル制御とアナログ制御を適切に選択することが重要です。
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その4
【問題 4-1】 産業用ネットワークの特徴
産業用ネットワークで使用される通信規格に関する説明として、適切なものはどれか。
1. Fieldbusは主に高速データ通信向けの有線LAN規格である
2. Ethernet/IPは標準的なEthernet技術を応用した産業用通信プロトコルである
3. PROFIBUSはアナログ信号の伝送に特化した通信規格である
4. 産業用ネットワークでは、リアルタイム性はあまり重要視されない
正解:2.Ethernet/IPは標準的なEthernet技術を応用した産業用通信プロトコルである
ワンポイント解説:
Ethernet/IPは、標準的なEthernet技術を応用し、産業用途向けにリアルタイム制御やデータ通信を可能にした通信プロトコルです。これは、TCP/IPやUDP/IPをベースにしており、オープンネットワークとして広く利用されています。一方、Fieldbusは、プロセス制御や工場の自動化向けに設計された通信規格であり、高速データ通信を目的とするものではありません。また、PROFIBUSは、デジタルデータ通信を行う産業用ネットワーク規格であり、アナログ信号に特化しているわけではありません。産業用ネットワークでは、制御システムの安定性やリアルタイム性が重要視されるため、用途に応じた適切な通信規格の選択が求められます。
【問題 4-2】 データ伝送方式とプロトコル
RS-485通信方式の特徴として、適切なものはどれか。
1. RS-485は一対一の通信しかできないため、複数の機器を接続できない
2. RS-485は差動信号を使用し、ノイズ耐性に優れている
3. RS-485は主に光ファイバーを使用する通信方式である
4. RS-485はHART通信と互換性があり、アナログ信号の伝送が可能である
正解:2.RS-485は差動信号を使用し、ノイズ耐性に優れている
ワンポイント解説:
RS-485は、差動信号を利用することで、長距離通信やノイズ耐性に優れたシリアル通信方式です。特に産業環境において、多くの機器を1本の通信ラインで接続し、多点通信が可能であるため、PLCやセンサネットワークで広く使用されています。一方、RS-232とは異なり、複数のデバイスを接続できるため、拡張性に優れています。光ファイバーを使用する通信方式ではなく、主にツイストペアケーブルが用いられます。また、RS-485はHART通信とは異なり、アナログ信号の伝送には対応していません。こうした特性を理解し、環境や用途に適した通信方式を選択することが重要です。
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その5
【問題 5-1】 A/D変換とD/A変換の原理
A/D変換(アナログ-デジタル変換)に関する説明として、適切なものはどれか。
1. A/D変換は、デジタル信号をアナログ信号に変換するプロセスである
2. A/D変換では、アナログ信号を一定の時間間隔で標本化し、デジタル値に変換する
3. A/D変換後のデジタル信号は、常に元のアナログ信号と完全に一致する
4. A/D変換には標本化は不要であり、直接デジタルデータへ変換できる
正解:2.A/D変換では、アナログ信号を一定の時間間隔で標本化し、デジタル値に変換する
ワンポイント解説:
A/D変換(アナログ-デジタル変換)は、連続的なアナログ信号を一定の時間間隔で標本化(サンプリング)し、量子化・符号化を経てデジタルデータに変換するプロセスです。このため、標本化の間隔(サンプリングレート)や量子化精度が変換結果の精度を左右します。デジタル化された信号は、アナログ信号と完全に一致するわけではなく、標本化間隔や量子化の影響により誤差が生じます。また、A/D変換と逆のプロセスであるD/A変換(デジタル-アナログ変換)は、デジタルデータをアナログ信号に戻す処理を行います。適切な変換方式を選択することで、計測や制御の精度を向上させることができます。
【問題 5-2】 ノイズ対策とシールド技術
計装システムにおけるノイズ対策として、適切な方法はどれか。
1. 信号線を長くすることで、ノイズの影響を低減できる
2. 信号線と電源線を並行に配線することで、ノイズの影響を減らせる
3. シールドケーブルを使用し、接地(グラウンド)を適切に行うことでノイズを低減できる
4. ノイズ対策には主にソフトウェア処理を用い、ハードウェアの対策は不要である
正解:3.シールドケーブルを使用し、接地(グラウンド)を適切に行うことでノイズを低減できる
ワンポイント解説:
計装システムにおけるノイズ対策では、ハードウェア的な対策が重要です。シールドケーブルを使用し、適切な接地(グラウンド処理)を行うことで、外部からの電磁波や干渉ノイズの影響を抑えることができます。また、信号線はできるだけ短くし、不要な誘導ノイズを防ぐことが推奨されます。さらに、信号線と電源線を並行に配線すると誘導ノイズが発生しやすいため、適切な配線方法を考慮する必要があります。ソフトウェア処理によるフィルタリングも一定の効果がありますが、基本的にはハードウェアによる対策が優先されます。これらの方法を適切に組み合わせることで、安定した計装システムを構築できます。
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その6
【問題 6-1】 直流・交流回路の基礎理論
キルヒホッフの電圧則(KVL)に関する説明として、適切なものはどれか。
1. 任意の閉回路において、各電圧の合計は常にゼロになる
2. 電流が分岐する点では、流れ込む電流と流れ出す電流の和が異なる
3. 回路内の抵抗が増えると、合計電圧は常に増加する
4. 交流回路ではキルヒホッフの法則は適用できない
正解:1.任意の閉回路において、各電圧の合計は常にゼロになる
ワンポイント解説:
キルヒホッフの電圧則(KVL)は、閉回路内の電圧の合計が常にゼロになることを示す法則です。これは、電圧降下の合計が電源電圧と等しくなるためであり、オームの法則と組み合わせて回路解析に利用されます。一方、電流が分岐する点では、キルヒホッフの電流則(KCL)が適用され、流れ込む電流と流れ出す電流の和が等しくなります。また、回路内の抵抗が増えると、個々の電圧降下は変わりますが、閉回路全体の電圧合計は変わりません。さらに、キルヒホッフの法則は交流回路にも適用可能であり、インピーダンスや位相を考慮することで解析が行えます。
【問題 6-2】 トランジスタとオペアンプの基本動作
オペアンプ(OPアンプ)の理想的な動作特性として、適切なものはどれか。
1. 入力インピーダンスが低く、出力インピーダンスが高い
2. 差動入力を持ち、利得が無限大である
3. 入力電圧に対して常にリニアな出力電流を生成する
4. 負帰還をかけると、オペアンプのゲインは増大する
正解:2.差動入力を持ち、利得が無限大である
ワンポイント解説:
オペアンプ(OPアンプ)は、理想的には無限大の利得(ゲイン)を持ち、差動入力(2つの入力端子の電位差)に基づいて出力を制御する増幅器です。また、理想的なオペアンプは入力インピーダンスが無限大、出力インピーダンスがゼロであるため、入力信号に影響を与えずに動作できます。現実のオペアンプではこれらの値は有限ですが、高入力インピーダンス・低出力インピーダンスが特徴です。負帰還をかけることで、オペアンプの利得は一定の値に制御され、安定した動作が可能になります。オペアンプは、フィルタ、信号増幅、アクティブ回路設計など多くの用途で使用されます。
計装士学科試験(学科A)出題予想問題と解説 その7
【問題 7-1】 計装機器の故障診断と予防保全
計装機器の予防保全に関する説明として、適切なものはどれか。
1. 予防保全は、機器が故障してから修理を行う保全手法である
2. 予防保全では、定期的な点検や部品交換を行い、故障を未然に防ぐ
3. 計装機器は故障しにくいため、特に保全作業を行う必要はない
4. 予防保全よりも、事後保全の方が運用コストを低減できる
正解:2.予防保全では、定期的な点検や部品交換を行い、故障を未然に防ぐ
ワンポイント解説:
予防保全とは、機器が故障する前に定期的な点検やメンテナンスを実施し、故障を未然に防ぐ手法です。これにより、突発的な故障による生産停止や品質不良のリスクを低減できます。一方、事後保全(修理保全)は、機器が故障した後に修理を行う手法であり、短期的にはコストが低くなることもありますが、予期せぬ故障による損害が大きくなる可能性があります。特に計装機器は精密機器が多いため、定期的な点検や校正が重要です。適切な予防保全を行うことで、設備の寿命を延ばし、安定した運用が可能となります。
【問題 7-2】 校正(キャリブレーション)の基礎
計装機器の校正(キャリブレーション)について、適切なものはどれか。
1. 校正は、測定器の誤差をゼロにするための作業である
2. 校正では、標準となる基準値と測定器の出力を比較して調整を行う
3. 校正は一度行えば、その後は再校正の必要がない
4. 校正の目的は、測定器の動作を速くすることにある
正解:2.校正では、標準となる基準値と測定器の出力を比較して調整を行う
ワンポイント解説:
校正(キャリブレーション)は、測定器の出力を基準値と比較し、必要に応じて調整を行う作業です。これにより、測定器の精度を維持し、信頼性の高いデータを取得できます。校正を行っても、誤差を完全にゼロにすることはできませんが、誤差の範囲を把握し、許容範囲内に収めることが重要です。また、測定器は使用環境や経年変化の影響を受けるため、定期的な再校正が必要です。特に高精度が求められる計測機器では、定期的な校正を実施し、測定結果の信頼性を確保することが求められます。
計装士学科試験(学科B)出題予想問題と解説
【問題 1-1】 計装システムの構成要素に関する問題
計装システムにおいて、プロセスの状態を測定し、測定値を信号として出力する機器はどれか。最も適切なものを1つ選べ。
1. アクチュエータ
2. コントローラ
3. センサ
4. 信号変換器
正解:3. センサ
ワンポイント解説:
計装システムでは、プロセスの状態を正確に測定し、適切に制御することが求められます。その中で、センサは温度、圧力、流量、レベルなどのプロセス変数を測定し、それを電気信号などの出力として伝達する役割を担います。一方、選択肢1のアクチュエータは、制御信号を受けてバルブやモーターなどを駆動する装置です。選択肢2のコントローラは、センサからの信号を受け取り、制御演算を行ってアクチュエータへ指令を送ります。選択肢4の信号変換器は、センサの信号を制御系で扱いやすい形に変換する装置です。したがって、プロセスの状態を測定し、信号として出力する機器として最も適切なのはセンサです。
【問題 1-2】 制御盤の設計基準に関する問題
制御盤を設計する際に考慮すべき基準として、最も適切なものを1つ選べ。
1. 制御盤内の機器はメンテナンス性を考慮し、適切な間隔を確保する。
2. 制御盤内の配線は全て同一のケーブルダクトに収納する。
3. 制御盤の温度管理は不要であり、換気口を設ける必要はない。
4. 制御盤の配置はできるだけ機器から遠ざけ、点検を避ける設計とする。
正解:1. 制御盤内の機器はメンテナンス性を考慮し、適切な間隔を確保する。
ワンポイント解説:
制御盤の設計では、機器の適切な配置と配線が重要です。特に、機器同士の間隔を適切に確保することで、放熱対策やメンテナンスのしやすさが向上します。一方、選択肢2の「配線を全て同一のケーブルダクトに収納する」は不適切です。電源線と信号線を分離しないと、ノイズの影響を受ける可能性があります。選択肢3の「温度管理は不要」という考えは誤りで、適切な換気口や冷却装置を設ける必要があります。選択肢4の「機器から遠ざける」という設計も適切ではありません。制御盤は点検や操作がしやすい場所に設置することが求められます。よって、正しい選択肢は1です。
【問題 2-1】 センサの種類と特性に関する問題
以下のうち、液体のレベルを測定するセンサとして最も適切なものを1つ選べ。
1. 渦流センサ
2. 差圧センサ
3. サーミスタ
4. ピエゾ素子センサ
正解:2.差圧センサ
ワンポイント解説:
差圧センサは、液体のレベル(液面)を測定する際によく使用されるセンサの一つです。これは、液体の高さによって生じる圧力差を測定し、レベルを推定する仕組みです。特に密閉タンク内の液位測定に適しており、さまざまな産業で利用されています。一方、渦流センサは金属の検出に用いられ、サーミスタは温度測定に適したセンサです。また、ピエゾ素子センサは圧力や振動の測定に使用されます。液体レベルの測定には、超音波センサやフロート式センサなども使用されますが、差圧センサは高精度で安定した測定が可能なため、多くの場面で採用されています。
【問題 2-2】 計装機器の選定基準に関する問題
計装機器の選定において、測定対象の動的な変化に素早く追従するために重要な特性はどれか。最も適切なものを1つ選べ。
1. 精度
2. 応答速度
3. 耐環境性
4. 分解能
正解:2.応答速度
ワンポイント解説:
計装機器の選定において、測定対象の動的な変化に素早く追従するためには、応答速度が重要な要素となります。応答速度が高い機器は、入力信号の変化に対して素早く反応し、リアルタイムでの制御や監視が可能となります。例えば、急激な温度変化や圧力変動を正確に追跡するには、高い応答速度を持つセンサが必要です。一方、精度は測定値の正確さを表し、分解能は最小検出単位を示します。耐環境性は、機器が温度や湿度、粉塵などの影響に耐えられるかを判断する基準ですが、動的な変化への追従には直接関係しません。したがって、測定対象の変化が速い場合には、応答速度を最優先に考慮する必要があります。
【問題 3-1】 PID制御に関する問題
PID制御において、システムの応答を高速化するために主に調整するべきパラメータはどれか。最も適切なものを1つ選べ。
1. 比例(P)ゲイン
2. 積分(I)時間
3. 微分(D)時間
4. オフセット値
正解:1.比例(P)ゲイン
ワンポイント解説:
PID制御では、システムの応答速度を向上させるために主に比例(P)ゲインを調整します。Pゲインを大きくすると、制御出力が偏差(目標値と現在値の差)に対してより敏感に反応し、応答が速くなります。ただし、Pゲインを過剰に大きくすると、システムの安定性が低下し、振動やオーバーシュートが発生する可能性があります。積分(I)時間は定常偏差を補正する役割を持ち、微分(D)時間は変化の速さを考慮して制御を滑らかにする働きをしますが、応答速度の向上には直接関与しません。オフセット値はシステムの基準値を設定するものであり、応答速度には影響しません。適切なPゲインの設定が、高速かつ安定した制御を実現する鍵となります。
【問題 3-2】 フィードバック制御とフィードフォワード制御の比較に関する問題
フィードフォワード制御の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
1. 外乱が発生した後に補正を行う。
2. プロセスのモデルを利用して外乱の影響を事前に補正する。
3. 一般的にフィードバック制御よりも応答が遅くなる。
4. 制御対象の状態を直接測定することが前提となる。
正解:2.プロセスのモデルを利用して外乱の影響を事前に補正する。
ワンポイント解説:
フィードフォワード制御は、プロセスのモデルを利用して外乱の影響を事前に補正する制御手法です。これにより、外乱が発生する前に適切な補正を行い、システムの安定性を向上させます。一方、フィードバック制御は、外乱の影響を受けた後に出力を補正するため、応答が遅れる場合があります。フィードフォワード制御は、適切なモデルがあれば外乱による影響を素早く抑えられますが、正確なプロセスモデルが必要となるため、実装が難しい場合もあります。フィードバック制御と組み合わせることで、より高精度な制御が可能になります。
【問題 4-1】 産業用ネットワーク技術に関する問題
産業用ネットワークのうち、主にフィールド機器と制御システム間のデジタル通信に用いられ、センサやアクチュエータのデータを伝送するために設計されたプロトコルはどれか。最も適切なものを1つ選べ。
1. Ethernet/IP
2. PROFIBUS
3. TCP/IP
4. Wi-Fi
正解:2.PROFIBUS
ワンポイント解説:
PROFIBUS(Process Field Bus)は、産業用ネットワークにおいて、主にフィールド機器(センサやアクチュエータ)と制御システム間のデジタル通信に用いられるプロトコルです。特に、製造業やプロセス制御分野で広く採用されており、高速かつ安定した通信を実現します。一方、Ethernet/IPは、産業向けに拡張されたEthernetベースのプロトコルであり、上位システムとの通信に適しています。TCP/IPはインターネット通信の標準プロトコルであり、産業用途には直接適用されません。また、Wi-Fiは無線通信技術の一種ですが、産業環境では有線接続の方が安定しているため、フィールド機器との通信にはあまり使用されません。
【問題 4-2】 データ通信のトラブルシューティングに関する問題
計装システムの通信トラブルの原因として、最も適切なものを1つ選べ。
1. 制御ループのPIDゲインが高すぎる
2. ネットワークの配線が長すぎる、またはノイズの影響を受けている
3. センサの測定範囲が適切でない
4. アクチュエータの出力が大きすぎる
正解:2.ネットワークの配線が長すぎる、またはノイズの影響を受けている
ワンポイント解説:
計装システムの通信トラブルは、配線の長さやノイズの影響によって発生することが多く、特に長距離の配線では信号減衰や外部ノイズの影響を受けやすくなります。そのため、適切なケーブルを使用し、シールド処理や適切なグラウンド処理を行うことで、通信の安定性を確保することが重要です。一方、PIDゲインの調整ミスは制御の不安定化につながるものの、通信トラブルの直接的な原因ではありません。また、センサの測定範囲やアクチュエータの出力は、プロセス制御の問題には関与しますが、通信トラブルの原因にはなりにくいです。通信の品質を確保するためには、適切な配線とノイズ対策が不可欠です。
【問題 5-1】 安全計装システム(SIS)に関する問題
安全計装システム(SIS)の主な目的として、最も適切なものを1つ選べ。
1. プロセスの最適制御を行い、生産効率を向上させる。
2. 計装機器の性能を最大限に引き出し、エネルギー消費を削減する。
3. プロセスの異常を検知し、危険な状態に至る前に安全動作を行う。
4. 通常の制御システム(BPCS)と完全に同じ役割を果たす。
正解:3.プロセスの異常を検知し、危険な状態に至る前に安全動作を行う。
ワンポイント解説:
安全計装システム(SIS:Safety Instrumented System)は、プロセスの異常を検知し、危険な状態に至る前に安全動作を行うことで、事故の発生を防ぐことを目的としたシステムです。通常の制御システム(BPCS:Basic Process Control System)とは異なり、安全機能を重視し、プロセスが安全に停止できるように設計されています。SISは、例えば圧力異常や温度上昇を検知した際に、バルブを自動的に閉じるなどの動作を実行します。生産効率の向上やエネルギー消費の削減はBPCSの役割であり、SISの主な目的ではありません。SISを適切に運用することで、産業プロセスの安全性を確保することができます。
【問題 5-2】 機能安全とSILに関する問題
機能安全の国際規格であり、安全計装システムの設計・運用に関する基準として最も適切なものを1つ選べ。
1. IEC 61131
2. IEC 61508
3. IEEE 802.3
4. ISO 9001
正解:2.IEC 61508
ワンポイント解説:
IEC 61508は、機能安全(Functional Safety)に関する国際規格であり、安全計装システム(SIS)の設計・運用に関する基準を定めています。この規格では、安全度水準(SIL:Safety Integrity Level)が定義されており、リスクの低減レベルに応じてSIL1からSIL4までの段階が設定されています。これにより、安全性を保証するための設計やリスク評価が体系的に行われます。一方、IEC 61131はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)の標準規格、IEEE 802.3は有線LAN(Ethernet)に関する規格、ISO 9001は品質マネジメントシステムの規格であり、安全計装システムの直接の基準ではありません。SISの適切な設計・運用には、IEC 61508の準拠が不可欠です。
【問題 6-1】 計装機器の故障原因に関する問題
温度センサ(熱電対)が異常な測定値を示している場合の主な原因として、最も適切なものを1つ選べ。
1. 信号ケーブルの長さが短すぎる
2. 熱電対の接続が逆になっている
3. 電源電圧が高すぎる
4. 制御ループのPID設定が不適切
正解:2.熱電対の接続が逆になっている
ワンポイント解説:
熱電対は、異なる金属の接合点に温度差が生じると起電力を発生する原理を利用した温度センサです。極性を正しく接続しないと、測定値が本来の値とは逆の方向に変化するため、異常な測定値を示すことがあります。そのため、設置時やメンテナンス時には、正しい極性で接続されているかを確認することが重要です。一方、信号ケーブルの長さは測定値に影響を与えにくく、電源電圧は熱電対自体には関係ありません。また、PID設定は制御の応答性には影響しますが、熱電対の測定値自体には直接影響しません。したがって、異常値が見られる場合は、まず極性の確認を行うことが適切な対応となります。
【問題 6-2】 計装回路のトラブルシューティングに関する問題
4-20mA信号を使用する計装システムで、信号が常に4mAのまま変化しない場合の原因として、最も適切なものを1つ選べ。
1. ループの電源が供給されていない
2. 信号線の配線が短絡している
3. センサの感度が高すぎる
4. アクチュエータの動作範囲が狭い
正解:1.ループの電源が供給されていない
ワンポイント解説:
4-20mA信号は、計装システムにおいて広く使用されるアナログ信号形式であり、通常、4mAはゼロ点(最低値)を示します。信号が4mAのまま変化しない場合、ループ電源が供給されていない可能性が高いです。ループ電源がないと、センサやトランスミッタが動作せず、信号の変化が起こりません。一方、信号線の短絡が発生した場合は、通常、異常な電流値を示すことが多く、センサの感度やアクチュエータの動作範囲はこの問題には直接関係しません。トラブルシューティングの際は、まず電源が正しく供給されているかを確認することが重要です。
【問題 7-1】 計装機器の校正方法に関する問題
計装機器の校正において、基準器を使用して測定機器の精度を確認し、誤差を補正する作業を何と呼ぶか。最も適切なものを1つ選べ。
1. トラブルシューティング
2. キャリブレーション
3. シミュレーション
4. デバッグ
正解:2.キャリブレーション
ワンポイント解説:
キャリブレーション(校正)は、計装機器の測定精度を確保するために、基準器と比較して誤差を確認し、必要に応じて補正を行う作業です。これにより、測定機器が規格内の精度を維持できるようになります。トラブルシューティングは機器の故障原因を特定し解決する作業であり、シミュレーションは機器やシステムの動作を模擬的に再現する手法です。また、デバッグは主にソフトウェアや制御プログラムの不具合を修正するための作業を指します。計測機器の信頼性を維持するためには、定期的なキャリブレーションが不可欠であり、品質管理の観点からも重要なプロセスとなります。
【問題 7-2】 校正証明書の重要性に関する問題
計装機器の校正後に発行される校正証明書の主な目的として、最も適切なものを1つ選べ。
1. 機器の交換履歴を記録するため
2. 校正を実施したことと、その精度が規格内であることを証明するため
3. 機器の操作方法を記載するため
4. 計装システムの設計仕様をまとめるため
正解:2.校正を実施したことと、その精度が規格内であることを証明するため
ワンポイント解説:
校正証明書は、計装機器の校正が適切に実施され、その測定精度が規格内であることを証明するための文書です。これにより、機器が適切な状態で使用されていることが保証され、品質管理や法的要求への適合を確認することができます。一方、機器の交換履歴の記録はメンテナンスの管理に関するものであり、校正証明書の目的とは異なります。また、機器の操作方法は取扱説明書に記載されるものであり、計装システムの設計仕様は設計図書や仕様書に記載されます。校正証明書は、精度の保証やトレーサビリティを確保するために重要な役割を果たします。
【問題 8-1】 PLCの制御プログラムに関する問題
PLC(プログラマブルロジックコントローラ)で基本的な制御プログラムを作成する際に一般的に使用されるプログラミング言語はどれか。最も適切なものを1つ選べ。
1. Python
2. C++
3. ラダー図(Ladder Diagram: LD)
4. Java
正解:3.ラダー図(Ladder Diagram: LD)
ワンポイント解説:
PLCの基本的な制御プログラムは、ラダー図(Ladder Diagram: LD)が一般的に使用されます。ラダー図は、リレー回路の論理構造を視覚的に表現したものであり、直感的に理解しやすく、保守やトラブルシューティングにも適しています。PLCでは、他にもファンクションブロックダイアグラム(FBD)、構造化テキスト(ST)などのプログラミング言語が利用されることもあります。一方、PythonやC++、Javaなどの一般的なプログラミング言語は、PLCの制御プログラム作成には通常使用されません。産業用制御では、制御システムの安定性やリアルタイム処理の要求に適したラダー図が広く採用されています。
【問題 8-2】 DCSの特徴に関する問題
DCS(分散制御システム)の特徴として、最も適切なものを1つ選べ。
1. すべての制御処理を1つの中央制御装置で管理する。
2. 各プロセスを独立したコントローラで制御し、システム全体として統合的に管理する。
3. 制御プログラムの変更は現場で直接行わなければならない。
4. PLCよりも小規模な制御システム向けに設計されている。
正解:2.各プロセスを独立したコントローラで制御し、システム全体として統合的に管理する。
ワンポイント解説:
DCS(分散制御システム)は、各プロセスを独立したコントローラで制御しながら、システム全体を統合的に管理する仕組みを持っています。これにより、冗長性が確保され、システムの一部に障害が発生しても全体への影響を最小限に抑えることができます。中央制御装置で全ての制御を管理する方式ではなく、各制御ユニットが分散して役割を果たします。また、制御プログラムの変更は通常、リモート操作や管理ソフトウェアを通じて行えます。DCSは、PLCよりも大規模なシステム向けに設計されており、化学プラントや発電所などのプロセス制御に広く利用されています。
【問題 9-1】 エネルギー効率向上に関する問題
エネルギー効率を向上させるために計装技術を活用する方法として、最も適切なものを1つ選べ。
1. プロセスの運転条件を固定し、変化を最小限に抑える。
2. センサやトランスミッタの測定頻度を減らして電力消費を抑える。
3. 省エネルギー型の制御アルゴリズムを導入し、最適な運転条件を維持する。
4. エネルギー消費の監視を行わず、運転者の経験に基づいて調整を行う。
正解:3.省エネルギー型の制御アルゴリズムを導入し、最適な運転条件を維持する。
ワンポイント解説:
エネルギー効率を向上させるためには、計装技術を活用し、省エネルギー型の制御アルゴリズムを導入して、最適な運転条件を維持することが重要です。例えば、負荷に応じた可変速制御や最適制御を導入することで、無駄なエネルギー消費を削減できます。一方、運転条件を固定すると変動する負荷に対応できず、エネルギーの無駄が生じる可能性があります。また、センサやトランスミッタの測定頻度を減らすと、適切な制御ができなくなり、かえってエネルギー消費が増えることもあります。さらに、運転者の経験のみに頼る運用は、客観的なデータに基づく管理ができず、エネルギー効率の最適化が難しくなります。
【問題 9-2】 エネルギー消費データの収集に関する問題
計装システムを用いたエネルギー管理において、エネルギー消費データを収集・解析する目的として、最も適切なものを1つ選べ。
1. 設備の稼働状況を記録し、過去のデータを削除するため。
2. 電力消費の変動を監視し、異常や無駄な消費を特定するため。
3. 機器の動作速度を上げ、エネルギー消費を増やすため。
4. エネルギー消費量を常に一定に保つため。
正解:2.電力消費の変動を監視し、異常や無駄な消費を特定するため。
ワンポイント解説:
エネルギー消費データを収集・解析する目的は、電力消費の変動を監視し、異常や無駄な消費を特定することにあります。計装システムを活用することで、リアルタイムのエネルギー管理が可能となり、設備の効率的な運用やコスト削減につながります。一方、過去のデータを削除することは、長期的なエネルギー管理に役立たず、機器の動作速度を上げてエネルギー消費を増やすことも非効率です。また、エネルギー消費量を常に一定に保つことは現実的ではなく、負荷や稼働状況に応じて適切に制御することが求められます。データの継続的な監視と分析により、エネルギーの最適な運用が可能となります。
【問題 10-1】 アラーム管理に関する問題
計装システムにおけるアラーム管理の目的として、最も適切なものを1つ選べ。
1. すべての異常をオペレーターに通知し、迅速な対応を求めるため。
2. 重要な異常を識別し、適切な優先度でオペレーターに通知するため。
3. アラーム発生時にシステムを自動停止させるため。
4. アラームの発生回数を最小限にするため、設定を可能な限り少なくする。
正解:2.重要な異常を識別し、適切な優先度でオペレーターに通知するため。
ワンポイント解説:
アラーム管理の目的は、重要な異常を識別し、適切な優先度でオペレーターに通知することです。アラームが多すぎると、オペレーターは必要な情報を見落とす可能性があり、逆に少なすぎると、重大な異常を検知できないリスクがあります。そのため、適切なアラーム設定が求められます。すべての異常を通知するのではなく、影響の大きいものを優先的に知らせることが重要です。また、アラームが発生したからといってシステムを自動停止させることが最善とは限らず、状況に応じた対応が必要になります。アラームの発生回数を減らすことよりも、適切な通知を行うことが重要です。
【問題 10-2】 計装システムのセキュリティ管理に関する問題
計装システムのセキュリティを強化するための対策として、最も適切なものを1つ選べ。
1. すべてのユーザーが管理者権限を持つように設定する。
2. インターネットからのリモートアクセスを常時開放する。
3. アクセス権限を適切に設定し、不正アクセスを防止する。
4. ウイルス対策ソフトの導入を省略し、システムの動作を軽くする。
正解:3.アクセス権限を適切に設定し、不正アクセスを防止する。
ワンポイント解説:
計装システムのセキュリティを強化するためには、アクセス権限を適切に設定し、不正アクセスを防止することが重要です。全ユーザーが管理者権限を持つと、不要な変更や悪意ある操作が行われる可能性が高まります。また、インターネットからのリモートアクセスを常時開放すると、サイバー攻撃のリスクが増大します。さらに、ウイルス対策ソフトを省略すると、マルウェア感染によるシステムの制御不能や情報漏洩のリスクが高まります。計装システムは、工場やインフラの安全運用に直結するため、適切なセキュリティ管理が不可欠です。アクセス管理、ネットワークの適切な制御、定期的なセキュリティ更新を徹底することが求められます。
計装士試験の科目ごとの勉強法
「学科試験A」の勉強法
出題内容の分析
学科試験Aは計装士としての基本的な知識を問われる試験です。出題される内容は広範囲にわたり、特に以下の分野が重要です。
・計装一般
計装システムの構成や、制御理論(PID制御など)の理解が必要です。プロセス制御の基本をしっかりと押さえることが求められます。
・制御機器と計器
センサー、トランスミッタ、制御弁、アクチュエータの原理や使用方法を理解することが重要です。これらの機器がどのように機能するかを知ることは、計装士としての基本です。
・プロセス制御
温度、圧力、流量、液面など、工業用プロセスを制御する基本的な方法について学ぶことが求められます。
・電気・電子工学の基礎
電気回路や電子回路の基礎知識も必要です。これにより、計装機器の設計や運用を理解するための土台が作られます。
試験の基礎を押さえる参考書の使い方
学科試験Aを突破するためには、まず基礎をしっかり固めることが大切です。以下の方法で効率的に学びましょう。
・計装システムの基本を理解
計装システムの役割や構成を理解するため、基本的な教科書を読み、計装機器や制御の基本概念に触れてみましょう。これにより、システム全体の理解が深まります。
・制御理論の基礎を学ぶ
PID制御を中心に、比例、積分、微分の要素を理解します。試験でよく出題される基本的な制御手法を押さえ、計算問題にも対応できるようにしておきましょう。
・計測機器や制御機器の仕組みを覚える
センサーやトランスミッタなど、各種機器の動作原理と選定基準をしっかり覚えます。図や解説を使って、機器ごとの特長を理解することがポイントです。
・電気回路の基礎を学ぶ
電気回路の基本的な知識を押さえ、オームの法則や回路解析の方法を理解します。これにより、計装士として実務に即した知識を身につけることができます。
試験の応用力を高める問題集活用術
基礎を固めたら、問題集に取り組んで応用力を養います。過去問や模擬試験を使って、試験に向けた準備を行いましょう。
・過去問を解く
過去問を解くことで、出題傾向をつかむことができます。特に頻出分野や形式に注意し、解答時間を計りながら練習を重ねましょう。
・模擬試験を解く
試験本番に向けて、模擬試験を実施することで時間配分や試験の雰囲気に慣れることができます。これにより、実際の試験での緊張感を減らし、落ち着いて解答できるようになります。
・応用問題に挑戦する
基本的な問題に慣れてきたら、応用問題に挑戦しましょう。計装システムの設計やトラブルシューティングに関する問題は、実務にも役立つ知識を問われます。
暗記が得点に直結する試験の必須事項
計装士試験Aでは、暗記が必要なポイントも多いです。以下の項目を覚えておくと良いでしょう。
・制御理論の用語と定義
PID制御に関する用語や定義は、試験において非常に重要です。比例、積分、微分の意味をしっかり理解しましょう。
・計測機器の仕様
圧力計や温度計など、計測機器の特性や使用方法を暗記しておきます。これにより、試験中に素早く解答できるようになります。
・電気回路の基本的な公式
オームの法則や並列・直列回路の計算式は、試験で頻繁に出題されるため、公式をしっかり覚えておきましょう。
試験における最初のステップを明確にする
学科試験Aの勉強を始める際には、以下の点を優先的に取り組んでください。
・計装システムの全体像を把握
計装システムの基本的な仕組みを理解することが、学習の土台となります。これを理解することで、他の分野の理解がスムーズになります。
・制御理論を最初に学ぶ
制御理論は頻出分野であるため、最初にしっかり学びましょう。PID制御やフィードバック制御の基礎を押さえておくことが大切です。
・計測機器の理解を深める
計測機器の基本的な構造や使用方法は頻繁に出題されます。まずはそれらの原理を理解し、覚えましょう。
試験突破のための時短学習テクニック
限られた時間で効率よく勉強するための方法は以下の通りです。
・過去問を中心に学習
限られた時間内で最も重要なのは過去問です。出題傾向をつかみ、効率的に学習しましょう。
・頻出分野に絞る
時間がない場合は、特に頻出分野や重要なトピックに絞って学習します。制御理論や計測機器に集中することで、得点源を増やせます。
・隙間時間を活用
通勤中や昼休みなどの隙間時間を利用して、暗記や基本問題を解くことで効率よく学習が進みます。
「学科試験B」の勉強法
出題内容の分析
学科試験Bは計装士試験の中で、設計や施工、保守管理に関連する知識を問う試験です。この科目では、計装システムの設計や施工、保守、管理に関する幅広い内容が出題されます。主に以下の分野が重要です。
・計装設計と施工
計装システムの設計手法や、配線図・フローチャートの作成能力が問われます。また、設備の配置や配線方法、接地工事など、実務に即した知識が要求されます。
・保守と管理
計装機器の点検や校正方法、故障診断やトラブルシューティングの技術も重要です。さらに、計装機器の安全性や品質管理についての理解が必要です。
・関連法規
計装士として働くためには、関連する法令や規格の理解が不可欠です。労働安全衛生法や電気事業法、防爆設備や高圧ガス設備に関する基準を理解しておくことが重要です。
・ICT技術
近年、計装分野でもICT(情報通信技術)の利用が進んでいます。制御ネットワーク(フィールドバスやIoT技術)の基本的な知識も求められます。
基礎力を伸ばすための参考書活用法
学科試験Bに向けた基礎固めは、実務に役立つ知識を学ぶことを重視しましょう。以下の方法でしっかりと基礎を固めます。
・計装設計に関する基本書を学習
計装システムの設計手法に関する書籍を利用し、設計の基本を理解します。具体的には、配線図の読み方、設備配置の方法、接地工事の原則を学びます。これにより、設計に必要な知識が身につきます。
・保守管理の基本を学ぶ
計装機器の点検や校正方法について学び、トラブルシューティングの基本技術を身につけます。特に、故障診断のプロセスや安全性の確保に関する内容は重点的に学びましょう。
・関連法規の理解
計装士として働くためには、関連する法令や規格を理解することが不可欠です。関連法規を学び、実際の現場で必要な規則や基準をしっかり把握します。
・ICT技術の基礎を学ぶ
ICT技術は近年ますます重要となっており、フィールドバスやIoT技術に関する基本的な知識を習得します。これにより、最新技術にも対応できるようになります。
問題集を解いて伸ばす実践力のポイント
基礎を固めた後は、問題集や過去問に取り組んで応用力を養います。これにより、試験の形式に慣れ、出題傾向を把握します。
・過去問を解く
過去問を解くことは、出題傾向を知るために非常に有効です。問題を解くことで、どの分野が頻出であるかを把握し、効率的に学習を進めることができます。
・設計や施工に関する問題を中心に解く
計装設計や施工に関する問題は特に重要です。問題集で設計図やフローチャートの読み方、配線図の作成方法を練習し、実務に即した知識を身につけましょう。
・ICT技術に関する問題を解く
最近の計装士試験ではICT技術に関連する問題も増加しています。ICTに関する基本的な理解を深めるため、問題集や過去問で関連する問題を解き、応用力を高めましょう。
試験で覚えておきたい重要事項のまとめ
・関連法規の重要な条文
労働安全衛生法や電気事業法に関する重要な条文や基準を覚えておくことが大切です。特に、安全管理に関する部分は試験でも頻繁に出題されます。
・計装機器の点検・校正基準
計装機器の点検や校正に関する基準を暗記し、実務に即したトラブルシューティングに対応できるようにしておきましょう。
・フィールドバスやIoTに関する基本概念
ICT技術の基本概念、特にフィールドバスやIoT技術に関する知識は暗記しておくべきポイントです。これにより、最新技術にも対応できるようになります。
最初に手をつけたい試験合格の基盤作り
・設計手法の理解を最初に学ぶ
計装設計に関する基本的な知識は非常に重要です。まずは設計図やフローチャートの作成方法を学び、基礎を固めましょう。
・保守管理の基本を理解する
計装機器の保守や点検方法、故障診断の手法を学ぶことも重要です。特に、トラブルシューティングに役立つ知識を優先して学びましょう。
・関連法規を早期に学習
法規に関する問題は暗記が必要です。早期に関連法規を学び、試験直前に繰り返し復習することを心がけましょう。
時間がなくても成果を出せる試験対策術
・過去問を優先的に解く
過去問を解くことで、出題傾向や重要分野を素早く把握できます。出題頻度の高い分野に絞って学習を進めると効果的です。
・重点的に学ぶべき分野を絞る
全てを完璧に覚えることは難しいため、試験に出題されやすい分野に絞って学習を進めます。設計手法や保守管理、関連法規に集中しましょう。
・隙間時間を活用する
隙間時間を利用して暗記や問題演習を行い、効率的に学習を進めます。特に法規の暗記や設計問題の練習を行うと効果的です。
「実地試験」の勉強法
出題内容の分析
実地試験では、実務に即した計装技術が問われます。試験では、設計や施工、故障解析、施工管理など、現場での実務能力が評価されます。出題される主な内容は次の通りです。
・制御システムの設計
実地試験では、現場図面を基にして制御システムの設計が求められます。制御盤やケーブルの選定を行うため、設計の基礎知識と実務経験が必要です。
・計装機器の選定
プロセス条件に適した計装機器の選定や仕様記入が求められます。具体的な計装機器の選定基準や仕様を理解し、それに基づいて適切な選定を行います。
・故障解析と改善
実際の故障事例を基にした原因分析や改善策の提案が求められます。トラブルシューティングの手順や原因特定の方法についてしっかりと理解しておく必要があります。
・施工管理
工事計画書や進捗管理表を作成する能力、また、安全管理や品質管理の計画を策定する能力も重要です。実務で直面するであろう課題に対応できる能力が求められます。
効率よく基礎を習得する参考書の使い方
実地試験では、実際の現場で役立つ知識を深めることが必要です。参考書を使った学習方法としては、以下のような方法が効果的です。
・現場での設計に関する書籍を学ぶ
制御システムの設計や計装機器の選定について学べる書籍を利用します。特に、現場でよく使われる機器や設計手法について理解を深め、設計の流れを把握します。
・計装機器のカタログを活用する
計装機器の選定に関する知識を深めるために、計装機器のカタログを参照します。これにより、機器の特徴や仕様に対する理解を深め、選定基準を身につけることができます。
・トラブルシューティングに関する書籍を学習
故障解析やトラブルシューティングに関する参考書を活用し、具体的な故障事例やその改善策について学びます。現場での問題解決能力を養うための重要なステップです。
・施工管理の基礎を学ぶ
施工管理に関する書籍や資料を使い、工事計画書や進捗管理表の作成方法を学びます。また、安全管理や品質管理に関する知識も強化することが重要です。
試験の実力アップ!問題集の効果的活用法
実地試験では実務能力が求められるため、問題集や模擬試験で応用力を養うことが重要です。以下の方法で効率的に準備を進めましょう。
・過去問題を解く
過去問題を解くことで、実地試験の出題傾向や求められる知識の範囲を把握します。実際の問題を解くことで、試験形式に慣れるとともに、実務に必要な知識を身につけることができます。
・実地問題に重点を置いた練習
制御システムの設計や計装機器の選定に関する問題を中心に、実地試験で出題されやすい分野に重点を置いて学習を進めます。設計問題や選定問題を繰り返し解くことで、実務に即した問題解決力を養います。
・故障解析の問題に取り組む
故障解析や改善策を問う問題を解くことで、現場で直面するトラブルに対応できる能力を高めます。問題を解きながら、故障の原因を分析する力や改善策を提案する力を養うことができます。
・施工管理問題に挑戦する
施工計画書や進捗管理表を作成する練習を行い、現場での管理能力を養います。施工に関する計画作成や進捗の管理方法を学び、実際の作業に活かせる知識を得ます。
合格に向けて覚えるべき試験の要点集
実地試験では、計装システムに関連する知識の他に、暗記すべき重要なポイントがあります。以下の内容を暗記しておくと有利です。
・計装機器の仕様や特徴
計装機器の選定に必要な基本的な仕様や特徴を覚えておくことが重要です。特に、温度センサーや圧力センサーなど、各機器の特性を暗記しておくと実地問題に対応しやすくなります。
・故障診断の手順
故障解析の問題で必要な、トラブルシューティングの基本的な手順や、故障原因の特定方法を暗記しておきましょう。現場での迅速な対応が求められる場面で役立ちます。
・施工管理の重要項目
施工管理に関する計画書や進捗管理表の作成方法を覚えておくことが重要です。また、安全管理や品質管理の基本的な概念も暗記しておくと試験で役立ちます。
試験勉強を始める前に押さえるべき事項
・設計に関する知識の理解を深める
制御システムの設計に関連する基本的な知識をまず学びます。設計に必要な機器選定や配線図、現場図面の読み方を理解しましょう。
・故障解析の基本を学ぶ
故障解析の手順を学び、実際に発生しうる問題に対応できるようにします。現場で直面する故障事例に対応できるよう、トラブルシューティングの方法を練習します。
・施工管理を学ぶ
施工管理に関する基本知識を学び、工事計画書や進捗管理表の作成方法を理解します。また、安全管理や品質管理に関連する知識も学んでおきましょう。
時間がなくても成果を出せる試験対策術
・過去問題を繰り返し解く
過去問題を解くことで、実地試験で求められる知識や技術を短期間で習得できます。出題傾向に合わせて重点的に勉強しましょう。
・問題集の選定を工夫する
実地試験に出題されやすい分野(設計、故障解析、施工管理)に絞った問題集を活用し、重要なポイントを素早く学習します。
・短時間で効率的に学習
短期間で実地試験の準備を進めるために、隙間時間を活用し、計装機器の仕様や施工管理の要点を覚え、実地問題に繰り返し挑戦しましょう。
計装士とは
計装士とは、測定装置や制御装置といった計装設備の取り付けや設計・監督を行うための専門知識を認定する民間資格です。一般社団法人日本計装工業会が、資格を認定しています。
計装設備とは、プラント工場、生産工場、高層ビルなど建築物において、生産品やユーティティなどを効率よく運用・管理・制御する設備を指します。
計装士の資格には、1級計装士と2級計装士があります。それぞれ資格試験に合格し、登録することで計装士として働くことができます。資格試験を受験するには、実務経験などの受験資格を満たすことが必要です。
1級計装士
1級計装士は、国土交通省令に基づく計装士技術審査に指定されている資格です。建設業許可における電気工事・管工事の専任技術者になることができます。
また、1級計装士は、「経営事項審査加点対象」となっています。経営事項審査とは、公共工事の入札に参加する建設業者に対して行われる、建設業法に規定されている審査です。資格を取得することで、会社に貢献できます。
2級計装士
2級計装士は、計装工事における中級の技術者向けの資格です。
1級を受験するために2級を取得している必要はなく、2級未取得で1級取得を目指すことも可能です。そのため、2級計装士は、1級計装士の腕試し・練習用の資格と位置付けられています。
計装士試験 その1
計装士試験は、一般社団法人日本計装工業会が主催する試験です。
受験資格
計装士試験を受験するには、1級・2級ともに受験資格を満たしている必要があります。
1級計装士の試験を受験するには、設計・施工の実務経験5年以上が必要です。2級を取得している場合は、4年6ヶ月以上の実務経験が要求されます。さらに、要求される実務経験には、指導監督的実務経験1年以上も含みます。
2級計装士の試験を受験するには、設計・施工の実務経験2年以上が必要です。
試験日程・申し込み方法
計装士試験は、年に1回実施されています。学科試験は8月下旬、実地試験は12月中旬です。
例えば、2021年の計装士試験は、以下の日程でした。
- 1級計装士 学科試験 2021年8月28日(土)
- 1級計装士 実技試験 2021年8月29日(日)
- 2級計装士 学科試験 2021年12月11日(土)
- 2級計装士 実技試験 2021年12月12日(土)
試験地
計装士試験は、東北・関東・中部・関西・九州で実施されています。
受験料金・支払い方法
計装士試験の受験料は、1・2級計装士ともに、学科試験7,530円・実地試験17,820円です。
試験形式
学科試験
・学科A・・・3時間(マークシート方式)
・学科B・・・1時間(マークシート方式)
実地試験
・選択・・・2時間(記述式)
・共通・・・2時間(記述式)
計装士試験 その2
試験内容
計装士試験学科試験の内容は、1級も2級も、学科Aに3時間、学科Bに1時間の問題構成になります。学科Aの問題は、計装一般知識とプラントやビルなどの計装設備に関しての問題で、学科Bの問題は、プラントやビルなどの計装工事の施工管理と、関係法令についての問題です。問題内容はもちろん違いますが、1級も2級も同じ問題構成です。学科Aの試験内容は、計装一般・計器・計装設計・工事積算・検査調整です。学科Bは、工事施工・安全衛生・法規です。この試験内容は、1級も2級も同じ内容です。また、学科試験は全てマークシート方式です。
学科試験から4か月後に実施される計装士試験実地試験の内容は、工事計画・材料・計装及び工事設計・制御ロジック・検査調整・安全衛生・材料および工数積算で、解答は記述式と一部作図が行われ、解答時間は4時間です。
計装士の資格取得者として求められる対象として、「計装工事における技術者が、通常有すべき知識及び技術の程度を有する者」と定義されており、試験では十分な知識や技術能力があるかが問われます。
学科Aでは計装一般知識、プラント・ビル等の計装設備について、学科Bでは施工管理法や関係法令について出題されます。「電気工事施工管理技士」、「管工事施工管理技士」、「電気通信工事施工管理技士」の資格を取得していると学科B試験を免除することができます。先にそちらの資格取得を目指すのも方法でしょう。
実地試験では選択式のマークシート方式ではなく、記述式で、設備計画や設備設計図の出題に答えることになり、学科試験時より深い知識が問われます。
1級
学科試験
①計装一般、②計器、③計装設計、④工事の積算、⑤検査と調整
⑥工事施工法、⑦安全衛生、⑧法規
実地試験
①工事計画、②材料並びに製品の判定、③計装設計、
④計装工事設計、⑤制御ロジック、⑥検査調整、⑦安全衛生、
⑧計装工事材料積算・計装工事工数積算
2級
学科試験
①計装一般、②計器、③計装設計、④検査と調整、⑤工事施工法
⑥安全衛生、⑦法規
実地試験
①工事計画、②材料並びに製品の判定、③計装設計、
④計装工事設計、⑤制御ロジック、⑥検査調整、⑦安全衛生、
⑧計装工事材料積算・計装工事工数積算
学科試験の内容
計装士試験の学科試験の内容は、1級も2級も、学科Aに3時間、学科Bに1時間の問題構成になります。
学科Aの問題は、計装一般知識とプラントやビルの計装設備に関しての問題です。
学科Bの問題は、プラントやビルの計装工事の施工管理と、関係法令についての問題です。問題内容はもちろん違いますが、1級も2級も同じ問題構成です。
学科Aの試験内容は、計装一般知識として、計装一般と計器についての出題です。計装設備(プラント、ビル)として、計装設計と工事積算と検査調整についての出題です。
学科Bは、施工管理(プラント設備、ビル設備)から工事施工方法、計装保冷関係から安全衛生と法規の科目に分かれます。この試験内容は、1級も2級も同じ内容です。また、学科試験は全てマークシート方式ですが、問題は一択問題もあれば、ある文章中にいくつかのブランクを設け、最も適した言葉群を選ぶ、という問題もあります。
学科試験の科目内容について、もう少し詳しく紹介しましょう。
学科A
学科Aの計装一般科目からは、計装の意義・測定・制御・信号の伝送と処理について出題されます。
計器科目からは、計装機器・計装システム・検出部と変換部と伝送部についての問題です。
計装設計科目からは、計装工事設計概要・計装記号と図記号・計装動力源・計装信号・国内外の規格・計装配線工事設計・計装配管工事設計・メンテナンスなどから出題されます。
工事積算科目からは、計装工事積算の概要について問われます。
学科Aの最後の科目検査と調整では、試験検査の種類・計装配線検査・配管工事検査・計器の調整からの問題です。
学科B
学科Bでは、工事施工法の科目からは、盤類の据付け・機器類の据付け・ダクトやラックやトラフの据付け・配線配管工事・防爆と接地工事・工事用の工具・工程管理からの問題で、広範囲に及びます。
安全衛生科目では、労働安全衛生法と労働安全衛生規則と通則及び安全衛生基準からの安全に関する規定や遵守事項などが問題となります。
学科Bの最後の科目、法規からは、労働安全衛生法関連・労働基準法概要・法令の種類・工事に係る法規についての問題です。
実地試験の内容
計装士の実地試験は、学科試験から4か月後に実施されます。解答時間は4時間です。
実地試験の内容は、計装設備計画(基本計画と施工計画)、計装設備設計図(プラント設備とビル設備)の図面から、工事計画・材料と製品の判定・計装設計・計装工事設計・制御ロジック・検査調整・安全衛生・計装工事材料積算・計装工事工数積算などの項目を、図面から読み取って、記述して解答したり、図面中に書き込んだり、図面を作成することなどが問題として出されます。
計装士試験 その3
科目免除
計装士試験では、学科試験に合格することで、翌々年度まで学科試験が免除されます。
1級計装士試験においては、下記の資格に合格していると、学科Bが免除されます。
- 1級電気工事施工管理技士
- 1級管工事施工管理技士
- 1級電気通信工事施工管理技術士
2級計装士試験においては、下記の資格に合格していると、学科Bが免除されます。
- 1級電気工事施工管理技士
- 2級電気工事施工管理技士
- 1級管工事施工管理技士
- 2級管工事施工管理技士
- 1級電気通信工事施工管理技術士
- 2級電気通信工事施工管理技術士
また、第一種電気工事士免状の交付を受けている場合には、学科Bが免除されます。
合格基準
計装士試験に合格するためには、学科試験・実地試験ともに55%~65%以上の得点が必要になります。年度によって少し変わるようです。
例えば、2019年の学科試験では、基準以上の者を合格としています。
- 1級計装士 全科目受験者 320点中 得点率55%以上
- 1級計装士 B免除受験者 230点中 得点率55%以上
- 2級計装士 全科目受験者 320点中 得点率60%以上
- 2級計装士 B免除受験者 230点中 得点率60%以上
http://www.keiso.or.jp/keisousi-gaku/kizyun.pdf
合格率・難易度
計装士試験の合格率は、以下の通りです。
年度 | 試験科目 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2019年 | 1級 学科試験 | 1,030名 | 637名 | 61.8% |
1級 実地試験 | 711名 | 595名 | 83.7% | |
2級 学科試験 | 436名 | 269名 | 61.7% | |
2級 実地試験 | 403名 | 294名 | 73.0% | |
2018年 | 1級 学科試験 | 1,173名 | 789名 | 67.3% |
1級 実地試験 | 881名 | 574名 | 65.2% | |
2級 学科試験 | 417名 | 246名 | 59.0% | |
2級 実地試験 | 299名 | 271名 | 90.6% |
それぞれの合格率は、1級の学科試験は62%、実地試験は85%で、総合で53%です。一方、2級では、学科試験が60%、実地試験が90%と、総合で53%です。
1級、2級とも受験者の半数は合格することから、建設工事に必要な土木工事施工管理や管工事施工管理に比べれば、難易度はさほど高くないと言えます。
特に実地試験では90%近くが合格していることから、受験者は計装工事に精通した人が受験していると思われます。
計装士試験の過去問を繰り返し解く
計装士試験の勉強法ですが、計装という特殊な分野の科目であるため、計装に特化したテキストと過去問数年分を繰り返し、勉強することが効果的です。ただ、計装士試験用の過去問は、日本計装工業会からしか購入できないため、テキストと数年分の過去問が一緒になった、テキストを手に入れて勉強するのがおすすめです。
テキストは学科用と実地用が用意されているため、両方を購入する必要があります。本来、日本計装工業会のホームページでは出題された計装士試験問題が公開されますが、すぐに公開中止されるため、ネット上から過去問を手に入れることはほとんどできません。
計量士試験を受験する人は、日常、計装に係る仕事に従事しているため、普段から実際の計装を勉強し、覚えておくことや先輩から教わったことはメモします。後でメモを整理しておくことで、受験勉強のときに現場と繋がって覚えることができ、勉強の効果が出ます。
市販されているテキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。

科目免除を活用
計装士試験では、電気工事施工管理技士や管工事施工管理技士、電気通信工事施工管理技術士試験に合格していると、学科Bが免除されます。
実際に試験を受験すると分かりますが、科目免除を活用している人がほとんどです。
学科Bが免除されると、工事施工管理法・安全衛生・法規の勉強をしなくて済むので、上手に活用しましょう。
実地試験対策
実地試験対策としては、計装の図面、P&Iやシーケンス図、ロジック図などから、どのような計装機器は配置され、どのように配線や配管が接続されているか確認します。
制御方式をロジック図化してみるなど、身近な図面をいろいろと展開する訓練をします。自分で問題を作って、自分で解答するので、何が正解かなど悩む必要はありません。
その後、テキストや問題集で、計装に関する図面の問題を解いてみて、自分がやった訓練が正しかったか、誤っていたかを見ると、実地試験の問題の解き方が分かってくることでしょう。
要は、習うより慣れろかもしれません。