AutoCADは高機能なCADソフトとして、建築・土木・機械設計など幅広い分野で利用されています。本格的な図面作成だけでなく、補助機能や座標表示、ハッチング処理、ビューワーの活用まで、操作の工夫次第で作業効率は大きく変わります。学生版やサブスクリプションのメリット・デメリットなどの基礎知識も押さえておくことで、導入や活用に役立ちます。このページでは、AutoCADを使いこなすための具体的なテクニックについて解説しています。

AutoCAD(オートキャド)を使いこなすポイント
AutoCAD(オートキャド)とは、アメリカのオートデスク社が、開発・販売する CADソフトの名称です。AutoCADは、世界的に圧倒的なシェアを誇るCADで、その種類は土木・建築・機械・電気等のあらゆる分野で多く使われています。一般的に、ワープロや表計算=マイクロソフト社のイメージと同じように、CAD=AutoCADのようなイメージが浸透しています。国内では、Windows95の発売以来、設計図面を手書きからCADに変わりつつあった時代に、大量の違法コピーされたAutoCADが配布されたことで、シェアを大きく獲得した経緯もあります。
AutoCADには標準的な仕様もありますが、2次元専用で簡易な価格設定で販売している AutoCAD LTバージョンや、昨今の複雑な構造物の設計や、配管路の設計、機械設備の設計に用いられる3D専用のCADも、開発・販売されていますし、サブスクリプションサービスや永久ライセンス、学生版もあります。
当然ながら、AutoCADは有料であり、毎年バージョンアップされた製品も開発され、年々新バージョンが発表されています。Windowsで使われることが最も多いですが、最近ではMacに対応したAutoCADの製品も開発・販売されており、そのシェアはますます拡大されています。
それに応じて、DXF変換・DWG変換・pdf変換などのソフトウェアも需要が高まっています。ビューポート、マルチ ユーザー機能があるソフトもあります。まずはランキング上位の人気アプリやテンプレートを使って、今までの作業と比較してみてください。
作業補助機能について
作業補助機能についての説明です。相対座標は、現在の点から、X軸、Y軸への距離を入力します。極座標は、現在の点からの長さと角度を入力します。作業補助機能は、点や位置を入力する際にマウスの移動が規制されます。直交モード・極トラッキンク・グリッド・スナッブ・オブジェクトスナップGSNAPなどの機能を有効に活用します。コマンドプロンプトのメッセージを作図領域に指定できる、ダイナミック入力などの機能があります。絶対座標は、原点から、X軸、Y軸への距離を入力します。座標の初期設定は、通常、図面範囲の左下を0,0に設定します。
座標表示やハッチングについて
特定の座標表示を行うために、ビューポート内の図形を選択する場合があります。ビューポート内の近い位置にある図形や、ビューポートで作図している寸法と図形が重なっている図面においては、図形を選択する際にうまく行かない場合があります。
こうしたビューポート内の図形を取り扱う方法に「選択循環」があります。選択循環を使用することで、ビューポート内にある希望の図形を選択することができるでしょう。こうすることで、ビューポート内にある図形の座標表示ができるはずです。
法面記号やハッチングをこなすには
法面記号を作成する時やハッチングを用いる場合があります。法面記号作成やハッチングなどの線で表す作図には、基本ツールを使うことで簡単に作図が可能です。
ハッチングであれば、ハッチングコマンドを実行することで簡単にハッチングを行うことができるでしょう。また、法面記号はVisionツールから法面を選択することで、非常に簡単に法面記号を作成することが可能です。
法面記号やハッチングを作成する機能は、autocadのバージョンにより異なる場合がります。法面記号やハッチングの他にも使えるツールなどについての詳しい内容は、AUTODESK社のサイトなどで調べると良いでしょう。
サブスクタイプのメリットデメリット
autocadは、以前のようにCD-ROMでソフトを購入してインストールするという使い方は、いわゆる永久ライセンスという考えは最新版では存在しません。他のソフトやアプリなどでも多く取り入れられている、「サブスクリプション」によるソフトウェア利用契約となります。永久ライセンス版を入手したいのであれば、中古のソフトやアプリを探して永久ライセンスを利用できる古いバージョンをインストールするのがおすすめです。
永久ライセンスとは異なり、サブスクリプションになると定期的に利用料金を支払う必要があります。料金の面から見ると永久ライセンス版の方がメリットがあります。一方でサブスクリプションになったautocadは、常にソフトウェアを最新バージョンに保つことができます。また、さまざまなドキュメントも利用できるので、サブスクリプションによるメリットも少なくないはずです。
autocadのサブスクリプションは、契約期間により価格が異なります。どのサブスクリプションで契約するかは、用途や頻度を考えるのがおすすめです。
サブスクリプションによる契約は永久ライセンスとは異なり、初回契約以降は多くの場合、自動更新となっています。ソフトウェアを一定期間のみ使用する考えであれば、サブスクリプションの契約解除を怠らないようにしましょう。
知っておきたいautocadの学生版
autocadは学生版が提供されています。学生版のautocadとは、教育機関限定のライセンスとなっており、autocadだけではなく、製作元であるAUTODESKのソフトウェアへのアクセスが無償となります。
学生版のライセンスを利用できるのは教育機関に所属している学生や教員です。また、学生版の無償利用期限は1年間となっています。ただし、学生版の利用条件を満たす場合は、利用期限を更新することが可能となっています。autocad以外のソフトウェアにもアクセスできる学生版を有効活用しましょう。
viewer(ビューワー)があればAutoCADがなくても閲覧できる
autocadをシステム導入しないものの、cadデータを閲覧したいのであれば、無料のviewer(ビューワー)をフリーダウンロードするのがおすすめです。無料のviewer(ビューワー)は、cadデータを単純に閲覧できるだけのものから、編集できるもの、さらにはDXF変換・DWG変換・pdf変換など、互換ソフトの機能を備えているものなどさまざまです。無料で人気のあるviewer(ビューワー)は、表示できるだけではなく編集できるものとなるようです。
ただし、編集機能やDXF変換・DWG変換・pdf変換の互換ソフト機能を備えているviewer(ビューワー)ソフトやアプリは、動作が重たい場合もあります。viewer(ビューワー)ソフトやアプリの人気ランキングなどを参考にして、それぞれのviewer(ビューワー)を比較し、自分の使いやすいviewer(ビューワー)をフリーダウンロードして無料で使用しましょう。
AutoCADで効率的に図面を作成する方法
回転、表示順序を駆使して図面の見やすさを改善する
AutoCADで図面を書いている時に変なふうに回転してしまって困るときがありますよね?実はAutoCADには水平になるように一発で回転するコマンドはありません。そんな時はROTATEコマンドと参照を使用することで水平にすることができます。
例えば傾いた長方形を回転させるには、ROTATEコマンドを実行した後に起点を長方形の左下にします。次に右クリックをして参照を選んだ後に、参照する角度を長方形の左下から右下をクリックします。「新しい角度を指定:」とでたら「0」と入力します。これで傾いた長方形が水平になります。
このようにAutoCADは使い方次第では色々なことができます。座標の表示方など色々と難しい機能もありますが、フリーソフトでアドオンなどもありますのでぜひ使ってみましょう。
回転して同時に位置も合わせたい場合は
図面を書いていて時々2つの図形をぴったり合わせたい時があります。そんな時はALIGNコマンドを使うのがおすすめです。修正パネルからALIGNコマンドを実行して移動する図形を選択します。
その後合わせる点の組み合わせ順にクリックして、位置合わせしたい点を決定します。最後にEnterを押します。次に「位置合わせ点にオブジェクトを尺度変更しますか?」と出たら「Y」を入力してEnterを押します。
このように操作すると回転角度や尺度が違う図形を好きな位置に合わせることができます。複雑な操作でも簡単なコマンド一つで行うことができれば、業務効率も改善します。もしAutoCADに自分の望む操作が搭載されていなくても、フリーソフトや無料のソフトウェアで行うことができる可能性があります。
インターネットにはそのようなフリーウェアやソフトウェアの比較ランキングや人気順におすすめランキングを掲載しているサイトもあるので、ぜひ調べてみましょう。
図形が重なって見にくい場合は表示順序を調整しよう
AutoCADでは図形や線、文字を重ねて表示することができます。しかし時には文字が邪魔になったり、逆にハッチングや図形で文字が見にくくなったりすることがあります。こんな時は表示順序を調整すればいいだけです。
例えばハッチングで文字が見にくい場合はその場合はハッチングを選択して、右クリック後「表示順序」→「最背面へ移動」を選択することで、ハッチングの表示を最背面に変えることができます。
他の方法として例えば建築図面を作成している時に、窓の場所にいちいち図面を書いていると非常に時間がかかります。その際に便利な機能がワイプアウトです。ワイプアウトは他の図形に重なるとその下の図形を完全に隠してくれる便利な図面です。ただし、表示順序に気をつけないと隠さなくていい図面も、ワイプアウトで隠すことになります。表示順序には気をつけて作業することが必要です。
このようにAutoCADは色々な使い方があり、それらを駆使すれば効率的に図面を作成することができます。AutoCADの使い方はインターネットで調べることで、多くの役に立つ使い方がわかりますので、自分で調べて見ることをおすすめします。
数多くの図形の修正をするならクイックプロパティの活用を
図面を書き勧めていくと時に多くの修正が必要となる場合があります。例えば図面中に記載した文字を変更したい場合や線の色や線の種類を変更したい場合に、これが1つであればいいですが数多くの修正となると非常に面倒になります。
この時におすすめの方法がクイックプロパティを使用する方法です。クイックプロパティは右クリックから「クイックプロパティ」を選択することにより起動することができます。例えば複数の文字を修正したい場合には複数の文字を選択してからクイックプロパティを起動します。その後「内容」欄に記載されている内容を変更することで選択した文字すべての内容が変更されます。
線を変えたい場合でも同様で、線種や線の色、先の太さも複数の線で変更することができます。常にクイックプロパティを表示させたい場合には、「オプション」の「設定」から「作図補助設定」の「クイックプロパティ」タブで「選択時にクイックプロパティパレットを表示する」にチェックを入れるとすぐに表示できます。
AutoCADでは図面を書いていくと数多くの変更や修正が必要になります。このような場合にはクイックプロパティを使用する以外にも数多くの方法があります。インターネットでは無料でいろいろな方法を検索することができるので、自分でメモ帳などにまとめてテンプレートとしていつでも参照できて非常に便利です。
線が重なってしまったらOVERKILLコマンドで簡単に解決!
図面を書いていくと意図しなくても線を重ねて書いてしまい、気づかないうちに線が何十にもなる場合があります。印刷してもわからないので図面としては大きな影響はありませんが、線が何十にも重なると図面サイズがどんどん大きくなっていき、パフォーマンスの影響を及ぼします。
そのような場合に便利なコマンドが「OVERKILL」コマンドです。複数の線を選択した後に「OVERKILL」コマンドを実行します。「重複オブジェクト削除」コマンドボックスが表示されたら、許容値などを入力します。線種や色も同じにしたい場合は同様にチェックを入れましょう。設定が完了したら「OK」を押すと重なっていた線が一つに統合されます。
図面を書いているとこのように不要な線などが増えることがあります。一人で図面を書いているのであればまだいいですが、多くの図面は人とやり取りするときもあるのでパフォーマンスになるべく考慮することは重要です。他にもパフォーマンスを改善する方法はあります。インターネットで無料で調べることができますので、調べてみることをおすすめします。
その他にもAutoCAD フリーソフト、互換、ビューア、座標表示、ハッチングに関しては以下のことを調べて自分なりに比較してみたり、人気ランキングを作成して見ることがおすすめです。
・DXF変換、DWG変換、pdf変換の方法。
・互換ソフトで編集する場合の方法、アドオンの有効活用方法。
・サブスクリプション、永久ライセンス及び学生版の違いやマルチユーザーでの使い方。
・excelで座標を表示する方法、座標表示の違いによる操作方法。
・図面を見るときだけに使用するビューワーソフトの使い方やインストール方法。