エクセルの車両軌跡図ソフトで、歩行者、自転車にもやさしい道路計画を実現

06 cc0222 - エクセルの車両軌跡図ソフトで、歩行者、自転車にもやさしい道路計画を実現 道路設計 ソフト

車両軌跡図は道路設計のこんな場面で活躍します。

道路構造を決定する際には車両軌跡図の検討が不可欠です。

想定する法定速度と車種に対して、必要な道路幅を算出します。

道路のルート検討だけでなく、交差点、工事用道路、駅前ロータリー、橋梁の架け替え、駐車場の出入り口、特殊車両通行許可申請などにも車両軌跡の検討が必要になってきます。

車両軌跡図は、こんな場面で必要になります。

道路のカーブの検討に必要な車両軌跡図は、走行パターンと車両を選択して軌跡図を作成します。

AutoCADなどのCADソフトで作成した図面を読み込んで、指定したルートに決められた車種の走行軌跡を描画するソフトもあります。

車種は、小型車、普通車、セミトレーラ、フルトレーラ等、いろいろ準備されています。

そこで、車両軌跡図のフリーソフトのご紹介です。
ここでは、車両軌跡図ソフトの特徴や機能について記載しています。
走行パターンは通常の走行に加え、バック走行、切り返し走行、スイッチバック走行などのソフトが用意されています。


また、この記事の後半では、車両軌跡図を作成する際の課題と解決法について説明していきます。

車両軌跡図を一から起こすのは大変だし、面倒だと思われる方、まずはダウンロードサイトのリンク集から、車両軌跡図のソフトをチェックしてみましょう。
ご希望のソフトが見つかるかもしれません。


車両軌跡図のフリーソフト

EXCEL 車両旋回軌跡図0 - エクセルの車両軌跡図ソフトで、歩行者、自転車にもやさしい道路計画を実現
各種自動車の旋回軌跡図を、エクセルを使って描画するソフトです。トラック・セミトレーラ、フルトレーラ等の旋回軌跡を作図します。旋回半径、旋回角、縮尺、車両諸元等を変更して繰り返し作図できます。S字走行軌跡も作図可能です。

車両軌跡描画ツール for AutoCAD/LT
AutoCAD、LT上に、普通自動車・セミトレーラなどの車両軌跡を描画します。軌跡描画方法には、シナリオを設定する方法と、テンキー操作によるフリー走行を選択できます。外部で実行するため、AutoCADとは別に起動する必要があります。

車両軌跡図作成CADツール
車両軌跡図、走行軌跡図の作成ツールです。CADデータ(DXF形式)で出力できます。各種車両の連続旋回にも対応します。IP座標点入力による、直線と曲線の連続旋回軌跡が作画可能です。車両データの登録や編集ができます。

車両旋回連続軌跡図 (トラック版)
車両の走行軌跡図を、エクセルの図形オブジェクトを使って画面描画できます。CADデータ(DXF形式)として出力が可能です。IP座標点入力等による、直線と曲線で構成される連続旋回軌跡が作画可能です。車両データの登録や編集が自在です。

軌跡描画ソフト XKiseki
車両の旋回軌跡図を描くプログラムです。軌跡図は、CADデータ(DXFファイル)として出力可能です。旋回軌跡図の作図は、4通りの方法が選択できます。単車、セミトレ、フルトレ、ダブルス、ポールトレーラに対応します。積載物も指定可能です。


まず車両軌跡図を検討する際の問題点を整理してみた

車両軌跡図の設計への適用例は、以下のようなものがあります。
・駐車場の出入口付近の検討に使用した例
・交差点に隣接した市道への左折検討
・特殊車両通行許可申請に適用した例
・道路設計の必要拡幅量算定に適用した例

特に道路設計の必要拡幅量算定については、近年、全国で統一して道路構造基準を定めていることが、画一的な道路整備やコストの増大を招いているとの指摘があります。

ローカルな小規模道路では、すれ違い交通も少なく、道路構造令で必要とされる道路幅の規制緩和ができるのではないかと考えられています。

道路構造基準に依らず、個別に道路幅を検討する場合、車両軌跡図の検討が不可欠です。

車両軌跡図から実際の走行に必要な道路の余裕幅を明らかにし、さらに、自動車、歩行者などの通行安全性も確保して、道路幅を決定します。

幅員が確保できない場合も、曲線部に互いに視認できる場所等に適宜退避空間を設置します。
少なくとも自転車・歩行者・自動車が離合できず立ち往生する事態を避けることが必要になります。

このように、道路構造令などの基準に頼らずに必要な幅員を検討するには車両軌跡図の計算ソフトが不可欠です。

車両軌跡図・走行軌跡図のソフトでは、各種自動車の車両軌跡図を描画ツールを使って作成することができます。

これらのソフトを使って、車両軌跡図から最適な道路幅を計画しましょう。


車両軌跡図ソフトから最小必要幅を検討する、歩行者、自転車にもやさしく

車両軌跡による必要拡幅量と最小必要幅には差があります

現在の道路構造令においては、設計速度に基づき、安定した快適な走行ができるように、最小曲線半径が規定されています。
この半径は安定した快適な走行ができるためのものであり、最小必要幅ではありません。
設計速度の最低ランクは時速20km/hであり、このときの最小曲線半径は車種に関わらず15mです。

一方、同じ道路構造令において、自動車の最小回転半径(前輪外側のタイヤ中心の軌跡が描く半径)は、10tトラックに相当が12m、大型乗用車クラスが7mとされています。

従って、徐行を前提にすれば、最小曲線半径は15mより小さく設定でき、車種による差が出てくると考えられます。

車両軌跡図ソフトから最小必要幅を検討する

曲線部の最小必要幅は、幾何学的には軌跡図を描いて設定することができます。
しかし、実際に車両を通行させるためには、理想的な軌跡図に対し、人間(ドライバー)が対応可能な範囲の余裕幅を持たせる必要があります。

これは、実際の運転の際には、ドライバーが理想的なハンドル操作をするとは限らないからです。

国土交通省の実験の結果、10tトラックの場合、車両軌跡図ソフトから求めた最小曲線半径が11.0m、走行コースの最大幅員5.2m、必要拡幅量は壁のある場合1.0m、壁のない場合0.5mとされています。

普通車の場合、車両軌跡図ソフトから求めた最小曲線半径が6.4m、走行コースの最大幅員3.0m、必要拡幅量は壁のある場合1.0m、壁のない場合1.0mとされています。

このように、車の走行に本当に必要な最小必要幅は、車両軌跡図ソフトから求めることができます。

これに歩行者、自転車に必要な幅員を足せば、本当に必要な道路の幅員が求められたことになります。

ただし、必要拡幅量算定の検討に当たっては、交通量が少ない場合を想定し、自動車は徐行することを前提としているので、適用に当たっては十分検討が必要です。

自動車だけでなく歩行者、自転車に必要な幅員の検討も必要です

自転車、歩行者等に着目して通行安全性を踏まえた留意点を整理します。

実際の道路においては、自動車のほか歩行者や自転車等も同時に走行します。
歩行者等の通行が想定される道路においては、これらとの離合が可能となるような幅員を確保する必要があります。

徐行する自転車を歩行者等が静止状態で退避する場合を想定し、その幅員は静止状態の幅の最大より80㎝とする。

両杖使用者の幅はこれを超えるものの、身体の向きを変えれば離合は可能です。

地形等の状況により、歩行者等との離合のための幅員を確保できない場合も想定されます。

そのような場合は、曲線部に互いが視認できる場所等に適宜退避空間を設置します。
少なくとも自動車・歩行者・自転車が離合できずに立ち往生してしまう事態を避けることが必要です。


まとめ/エクセルの車両軌跡図ソフトを使って事故防止に貢献する

エクセルの車両軌跡図ソフトを使って過不足のない道路幅を計画

車両軌跡図ソフトは面倒そうで、十分に検討してこなかったという方もいらっしゃると思います。
エクセルによる車両軌跡図ソフトを使えば、走行軌跡図が簡単に作成できます。

車両軌跡図のソフトを利用するメリットとしては、
・曲線部の最小必要幅を簡単に算出することができます。
・道路計画ソフト、CADソフトなど特別なソフトを必要としません。
・算出した結果をAutoCADなどのCADソフトに読み込ませることもできます。

エクセルの車両軌跡図ソフトで最小必要幅を検討して安全な走行を確保する

十分な用地や予算が確保できている場合、道路構造令に従えば余裕のある道路幅で計画できます。

しかし、用地や予算の制限があったり、保全対象などの制約があったりする場合、特定の区間の道路幅を少なくするという手法が必要になる時もあります。

そのような場合は、車両軌跡図のソフトで安全な走行を確保するための最小必要幅を検討しましょう。
また、歩行者、自転車への配慮も忘れないようにしましょう。

最小幅の検討に当たっては、想定される走行速度や最大の車両サイズなどを検討して、オーバーデザインにならない工夫が必要です。

そして、道路幅を小さくした分、速度制限を設ける、注意喚起の看板を設置するなどの措置で事故防止に努めましょう。



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