トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

04 cc0333 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート 測量計算 ソフト

このページでは、トラバース計算で活用できるフリーソフトについて紹介しています。
基準点測量とトラバース測量、気象補正、倍横距法、ドローン測量のフリーソフトが用意されています。それぞれのソフトの特徴比較や機能についてご紹介します。
 ・トラバース測量計算のフリーソフト・エクセルテンプレートを紹介
 ・ドローン測量計算・その他の測量計算のフリーソフト・エクセルテンプレートを紹介

後半の記事でも、活用できるおすすめのトラバース計算の情報を紹介しています。
 ・基準点測量の観測や計算の詳細とトラバース計算ソフト使用のすすめ
 ・基準点測量、トラバース測量、多角測量における観測方法
 ・基準点測量、トラバース測量、多角測量における2対回観測
 ・トラバース計算ソフト、エクセル・ドローン測量

トラバース測量とは

トラバース測量とは、位置のわかっている点と未知の点を一続きの折線で連ね、既知の点から出発して一つの折線ごとに距離と方向角を測定し、次々と位置を決定して未知の点を測定する測量法です。多角測量とも呼ばれます。
精度は三角測量に劣りますが、1方向の視通があれば測量できるので、森林地帯、市街地、鉄道などで用いられます。

トラバース測量計算のフリーソフト・エクセルテンプレート その1

測算

測算0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
クロソイド曲線や拡幅計算、トラバース計算、座標管理などの測量計算を行うシェアソフトです。ソフトはエクセルのVBAを使用しています。またソフトはUSBメモリを鍵にしたセキュリティとなっており、このUSBを所持することで複数台のPCで使用することが可能となります。測量計算については12種類の計算が行う事ができますので、このソフト一つで多様な計算を補う事が可能です。

測量新補君ライト

測量新補君ライト0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
クロソイド曲線、拡幅計算、トラバース計算、座標管理、その他の測量計算を行うことができるシェアソフトです。測算はエクセルのVBAを使用しています。USBメモリが鍵となり複数のPCで使用が可能です。。測量計算は拡幅計算、結合トラバース計算、交点計算、高低計算、座標データリスト、逆計算、縦横断高計算、数量計算、線長計算、中間点座標計算、方向角座標計算、面積計算となります。

測量ユーティリティ (逆トラバース・座標面積)

測量ユーティリティ (逆トラバース・座標面積)0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
JW_CAD上での測量図面作成を支援するフリーソフトです。外部変形スクリプトとなっており、使用には「測量ユーティリティ集(https://www.vector.co.jp/soft/dos/business/se026656.html)」が必要となります。最初に、「S_PRO.BAT」で座標系を登録し、外部変形メニューから各バッチファイルを実行して使用します。

結合トラバース計算 (Excel97)

結合トラバース計算 (Excel97)0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

測量計算 関数集A (Excel97) Ver1.8 の各関数を利用して結合トラバース計算のテンプレートを 2 タイプ 作成しました。精度計算まではテンプレートで、補正量の計算はマクロで行います。角度の補正は均等配布、座標の補正はトランシット法です。気象補正・倍横距法・観測手簿・逆トラバース計算にも対応しています。ランキング上位の人気の無料ソフトウェアです。

閉合トラバース計算 (Excel97)

閉合トラバース計算 (Excel97)0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

測量計算 関数集A (Excel97) Ver1.7 の各関数を利用した、閉合トラバース計算のエクセルテンプレート集が無料でダウンロードできます。元ソフトの角度に関する関数 、距離と方向角に関する関数、トラバース計算に関する関数の各種関数を利用できる2タイプのエクセルテンプレートが用意されています。逆トラバース計算・観測手簿・ヘルマート変換などにも対応しています。ランキング上位のおすすめです。

トラバース測量計算のフリーソフト・エクセルテンプレート その2

閉合トラバース計算書

閉合トラバース計算書0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

閉合トラバースの座標計算と精度管理などの計算を行います。角度の補正は、均等配布によります。座標の補正は、トランシット法を用いて、閉合トラバースの計算をします。器械点とバック点から、方向角と座標を計算するランキング上位の人気ツールです。観測手簿・ヘルマート変換・気象補正・倍横距法など。

放射開放トラバース計算 (XL2002)

放射開放トラバース計算 (XL2002)0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

放射開放トラバース計算(XL2002) Ver1.2の関数編です。放射は入力角度を右回り角、方向角、開放は右回り角、方向角、偏角と、計算書様式を標準タイプ、標準タイプ+ST計算書で組み合わせ、放射・解放それぞれ5タイプが詰め合わせになったおすすめセットです。

逆放射開放トラバース計算 (Excel97)

逆放射開放トラバース計算 (Excel97)0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

測量計算 関数集A (Excel97) Ver1.2 の各関数を利用して、逆放射トラバース計算のエクセルテンプレートを 4 タイプ と、逆開放トラバース計算のエクセルテンプレートを 4 タイプ 作成しました。座標から、夾角・方向角・距離を計算する無料システムです。

あさかぜネット トラバース計算(Web)

あさかぜネット トラバース計算(Web)

数値を入力するだけでトラバース計算・逆トラバース計算を行ってくれる人気サイトです。

オンライン上で計算できるので訂正や確認などの処理も素早くできます。
パソコンはもちろん、タブレットなどにブックマークすることで、トラバース計算ソフトのインストールができない場合に便利です。
このトラバース計算や逆トラバース計算、放射トラバース計算のサイトなら、その場で正確な数値を即座に求めることができます。

計算タイプも放射計算、続計算から指定することができます。
タブレットなどでトラバース計算ソフトが持ち歩けない場合に、ブックマークすることをおススメします。

あさかぜネットでは、他にも多くのフリーツールをオンライン上で使用することができます。
測量はもちろんですが、逆トラバース計算、閉合トラバース計算、放射トラバース計算など細部に分かれたオンラインツールが掲載されています。
アイパッドなどのウィンドウズソフトの共有などが難しい端末でもブックマーク一つだけで、トラバース計算ツールはほぼカバーできると考えても問題ありません。

持ち歩き用の端末には入れておきたいサイトの一つです。
既知点なども求めることができることもメリットの一つになるといえます。

ドローン測量計算・その他の測量計算のフリーソフト・エクセルテンプレート

DroneSimulator2

DroneSimulator20 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
Scratch(プログラミング言語学習ソフト)を拡張して、ドローンの飛行を3Dシミュレーションを行うことができるフリーソフトです。ドローンの実機がなくてもプラグラミングだけでシミュレーション飛行を可能としています。ドローン・コントロールコマンドを使用することで、単純な飛行だけではなく、複雑な3D図形を描くサンプルプログラミングファイルを実現しています。

DJIドローン制御アプリCSV取り込み用エクセルブック

DJIドローン制御アプリCSV取り込み用エクセルブック0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
「DJI GO 4」からエクスポートした飛行記録のCSVファイルから、飛行記録に有用な情報をエクセルに取り込むためのソフトウェアです。飛行記録に有用な情報だけをエクセルに取り込み、航空局への報告書別紙1を作成することができます。ソフトウェアはエクセルのブックで作成されており、可変可能となっていますので、個人の使い方に合わせたカスタマイズが可能となっています。

座標計算_機械点自動計算

座標計算_機械点自動計算0 - トラバース計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
基準点2点が見えれば、どの場所に機械を据え置いても測量・計算することが可能です。プルダウンによる選択方式を導入するなど、スマホやタブレットで操作が用意になるよう作り込まれています。スマホやタブレットなど、エクセルが使用できかつ持ち歩ける端末に導入しておくと、非常に便利に使用することができます。測量・計算の現場では力強い味方とも言えるソフトウェアと言えるでしょう。

基準点測量の観測や計算の詳細とトラバース計算ソフト使用のすすめ

基準点は国土交通省が定めるものです。基準点の場所にはそれを明確にするために、金属のプレート標や標石、鋲などが設置されています。基準点は地籍調査のために必要であり、測量技術者などが使用する起点にもなります。
基準点測量やトラバース測量の際には、専門のトラバース計算ソフトやツールなどを使い正確な数値、座標値を算出する必要があります。

基準点測量とは~三角点・水準点・電子基準点~

基準点とは、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された三角点、水準点、電子基準点等をいい、それらの基準点を測定する作業が基準点測量で、既知点を基に基準点の位置や標高を定める作業です。
三角点は、~4等の種類があり、経度、緯度、標高が正確に求められ、地図作成・道路建設・都市開発などの公共事業を行う際に必要とされます。
水準点は、基準・一・二等の種類があり、土地の高さが精密に測量でき、地殻変動・地盤沈下対策に不可欠な土地の上下変動は、水準点測量の繰り返しから求められます。
電子基準点は、GNSS衛星からの電波を受信して測量できる基準点です。
基準点は、標石・金属標・鋲などの標識が設置されてその場所を明確にされます。基準点には、国の根本的な測量の基礎の、国家基準点(1等~3等三角点等)、公共事業に必要な公共基準点などの種類があります。
基準点の区分ごとに使用できる既知点の種類が決まっていて、1・2級基準点測量では同級の基準点を既知点として使用が可能ですが、3・4級基準点測量では上位の基準点を既知点とすることが必要です。ただし、水平の厳密網平均計算・高低の厳密網平均計算・二次元網平均計算のような厳密網平均計算で設置された同級の基準点を既知点として使用するときは、2分の1以下での使月が可能です。また、電子基準点を既知点として使用する測量は、1級基準点測量だけです。

基準点測量の結合多角測量方式(結合トラバース測量)と単路線方式

基準点測量には、2つの方式が標準で、1・2級基準点測量は、結合多角測量方式(結合トラバース測量)で行う方式が1つ、もう1つは、3・4級基準点測量を、結合多角測量方式(結合トラバース測量)か単路線方式で行う方式です。多角測量(トラバース測量)は、基準点をつないでできる多角形の水平角と、点と点間の距離を測定し、トラバース計算によって計測した点の座標を決める基準点測量法です。
結合多角測量方式(結合トラバース測量)は、3点以上の既知点を使用し、既知点と新点とを多角路線で結合し、多角網を作って測量する方式です。多角網は、測量を行う市街地や林のような地形や基準点の数によって色々な形状があります。結合多角測量方式(結合トラバース測量)は2つの形式に分けることができ、任意で多角網を形成する方式と、定形な多角網を形成する方式の2つです。
任意で多角網を形成する方式は、既知基準点と新設基準点を見通せる基準点を、任意の多角路線で結ぶ方式で、平均計算を一括で行います。定形な多角網を形成する方式は、既知点と定型的な多角網を形成できるような、Y,A,X,H型の定形的な形状で、多角路線を作る方式です。例えば、Y型は、アルファベットのYの形状のような多角網を作る方式です。
一方、単路線方式は、既知点間を1つの路線で結合させる多角測量方式(トラバース測量方式)です。両既知点またはどちらかの1点で、方向角を取付けて観測を行います。
また、放射多角測量(放射トラバース)は、トラバース測量法の1つで、1点から放射状に測量を続ける測量法です。

単路線方式の作業方法

方向角の取付は、1点以上の既知点に取付を行います。路線の辺数は1級基準点測量では7辺以下、2級球で8辺以下のように行います。新点の数は、1級で2点以下、2級で3点以下のようになります。路線の長さでは、1級が5km以下、2級で3km以下です。1・2級の路線の図形は、新点では、両既知点を結ぶ直線から両側40°以下に選点し、路線の中の夾角が、60°以上とします。ただし、地形の状況によリやむを得ないときは、この限りでない。
単路線方式の場合、1級・2級基準点測量では、新点数の制限が決められています。また、やむを得ず単路線方式を行う場合に限って、地形や既知点の状況によりやむを得ず行う方式です。

観測の実施

観測は、承認が取れた平均図を持ちいて観測図を作成し、観測を始めます。
・距離測定では、気温と気圧(気象)の測定と気象補正を、①~③のように行います。
①TSを整置した観測点で行い、3級基準点測量と4級基準点測量では、気圧の測定は行わないで、標準大気圧を使って気象補正を行います。
②気象測定は、距離測定を開始する直前か、終了直後に行います。
③観測点と反射鏡を整置した反射点の標高差が400メートル以上あるときは、観測点と反射点の気象測定を行いますが、反射点の気象を計算で求めることができます。
・水平角観測では、観測方向数が多いことで観測時間が長くなり、観測機器変動や気象条件変化による精度低下を避けるため、観測方向数は5方向以下とします。
・観測の記録は、データコレクタか観測手簿への記載で、記録を残します。
・TSを使用した場合で、水平角観測で取得された鉛直角観測値や距離測定値は、平均の測量計算とします。
観測値については点検を行って、許容範囲を超えたときは、再測して観測手簿に記載します。TS等による許容範囲は、法で定められた範囲が標準です。
観測を終了するごとに、すぐに観測が良いかどうかを判断するために、水平角観測倍角差と再測は、観測差・鉛直角観測の高度定数較差・距離測定値の較差と平均値の較差を点検して、許容範囲を超えたときに行い、観測手簿に記載します。

新点の水平位置と標高を求める計算はソフトウェアが便利

新点の水平位置と標高を求める計算は、①~③のように行います。
①TSによる基準面上の距離の計算は、標高とジオイド高から求めた楕円体高を用います。ジオイド高は、国土地理院からファイルをダウンロードしての使用が可能です。
②ジオイド高の値は、国土地理院が提供するジオイドモデルから求める方法、GMSS観測と水準測量で求めた局所ジオイドモデルから求める方法があります。
③3級基準点測量と4級基準点測量では、基準面上の距離の計算を、楕円体高ではなく標高を用いた計算ができ、経緯度計算の省略が可能です。
直角座標・経緯度・標高・ジオイド高・角度・辺長などの計算は、法規の付録6の計算式を用いて測量計算しますが、この計算式と同精度かそれ以上の精度ある計算式があるときは、それを使うことができます。X、Y座標値を測量した結果の値は、0.001m位まで測量計算し、標高値も0.001mまで測量計算します。
測量計算(トラバース計算)は、距離・方向角・座標・既知点座標と観測座標の差を距離で割った閉合比などのトラバース計算を行い、結果を観測手簿に書き込んで、点検や再計算に使います。測量計算(トラバース計算)では、閉合トラバース内側の面積の計算方法、倍横距法があり、閉合トラバースの面積が三角形や台形の加算や減算による計算を利用した計算法で、調整緯距で求めた面積を加工した計算法が、倍横距法です。もう一つの閉合トラバース内側の面積の計算方法の座標計算では、旧座標と新座標の計算から、移動量や回転角を求める計算で、ヘルマート変換を使います。ヘルマート変換は、旧座標を新座標に変換する計算です。また、座標データから、角度や距離を求める逆トラバース計算も、トラバース計算の1つです。座標が書かれた図面から、基準点の位置を知るのに、逆トラバース計算が利用されます。

基準点測量、トラバース測量、多角測量における観測方法

トータルステーションを使用した基準点測量、トラバース測量、多角測量

基準点測量、トラバース測量、多角測量では、角度と距離を計測する機器としてトータルステーションを使用します。測量では角度を測ることを「測角」、距離を測ることを「測距」といいます。測角は方向観測法で行います。基準点測量では2対回観測で行います。なお、2級トータルステーションを使用して2級基準点測量を行う場合は3対回観測を行います。応用測量では、1回のみ観測する放射観測を行います。
方向観測法とは、連続して水平角を観測する方法です。また、倍角差と観測差を用いて対回観測の観測誤差を確認します。観測値のばらつきが制限値以下であれば、4つの観測値を平均した観測角を計算に使用し、制限値を超えた場合には、再度計測を行います。
放射観測では、観測した点を再度観測、または観測点間の距離を計測し観測値との差を確認することで誤差を確認します。
測量計算・トラバース計算は、エクセルを使用したソフトウェアなどのシステム、ツールを使用することが一般的です。トラバース計算ソフトウェアは有料のものもありますが無料のフリーソフトをダウンロードすることもできます。ソフトウェアの中にはヘルマート変換、厳密網平均計算、気象補正、倍横距法ができるものもあります。

基準点測量、トラバース測量、多角測量における放射観測

基準点測量、トラバース測量、多角測量における放射観測とは、既知点に機器を設置し、基準となる他の既知点からの角度と距離を観測する観測手法です。主に地物の観測や復元測量等で採用されます。

①地物の観測
地形測量では、事前に設定した基準点を基にして既知点からの建物の隅角部などの角度と距離を1回観測して、その点の座標値を算定します。

②復元測量
既に座標値を求めた点を既知点から現地に復元することを復元測量または杭打ち、ステークアウトといいます。トータルステーションに既知点を2ヶ所入力し、復元したい点を指定することで、角度と距離を求めることができます。
得られた結果を観測手簿に記載し、測量ソフトに入力することで閉合トラバース、結合トラバース、放射トラバースによるトラバース計算、逆トラバース計算を行います。

基準点測量、トラバース測量、多角測量における2対回観測

基準点測量、トラバース測量、多角測量における2対回観測の方法を説明していきます。

(1)方向観測法

トータルステーションの望遠鏡は、鉛直方向に360°回転します。望遠鏡が通常状態にある時を正位(R)、望遠鏡を鉛直方向に180゜回転させた状態を反位(L)といいます。
正確に行う必要がある基準点測量では、望遠鏡の正・反観測を行うことで、視準軸誤差、水平軸誤差、目盛盤の偏心誤差などの誤差の影響を無くすことが必要です。正位・反位を1回ずつ観測を行うことを1対回観測といいます。基準点測量では、水平角を0°と水平角90°のそれぞれについて正位・反位の観測を行い、合計4回観測を行います。これを2対回観測といいます。2対回観測により得られた結果を観測手簿に記載し、トラバース計算を行います。

(2)水平角の測定方法

①望遠鏡の正位・反位
基準点測量では望遠鏡を鉛直方向に180°回転させて正位・反位の両方で観測を行います。
正位とは鉛直角の数値が0°~180°の範囲にある状態のことをいいます。望遠鏡の固定つまみ(望遠鏡微動つまみ)が望遠鏡接眼レンズの右側にあるため、この正位の状態をRightのRで表します。
反位とは正位の状態からトータルステーション本体を水平に180°回転させて、望遠鏡を鉛直方向に180°回転して同じ計測物を視準する状態のことをいい、鉛直角の数値が180°~360°の範囲となります。このとき、望遠鏡固定つまみは正位の時とは逆で望遠鏡接眼レンズの左側に来るため、反位の状態をLeftのLで表します。
②望遠鏡による視準
視準とは望遠鏡内に見える十字を目標物に合わせることをいいます。正確に合わせないと誤差が発生しますので慎重に行います。

(3)対回観測による誤差調整

対回観測とは測量機器の誤差を無くすために行う観測方法です。望遠鏡が正位のときと反位のときそれぞれで同一対象を観測して、正位、反位の平均角度を求めます。正位・反位で一回ずつ観測を行うことを1対回の観測といいます。基準点測量では2対回の観測を行います。
対回観測では、視準軸誤差、水平軸誤差、外心軸誤差、偏心誤差、目盛盤誤差を無くすことができます。視準軸誤差とは視準線が水平軸に直交していないことにより発生する誤差のことをいいます。水平軸誤差とは鉛直軸に対して水平軸が垂直になっていないことにより発生する誤差のことをいいます。外心軸誤差とは視準線が水平目盛盤の中心を通らないことにより発生する誤差のことをいいます。偏心誤差とは目盛盤の中心と鉛直軸の中心がずれることで発生する誤差のことをいいます。目盛盤誤差とは目盛盤の目盛幅が均一でないことで発生する誤差のことをいいます。目盛盤を回転させて目盛盤を均一に使用することで誤差を小さくすることができますが、完全に無くすことは難しいです。

(4)望遠鏡の正位・反位

正位、反位の観測は以下の手順で行います。
①望遠鏡が正位状態で対象物を視準し、水平角を0°0′0″にします。
②望遠鏡を反転(鉛直方向に180°回転)させます。
③水平角を180°回転させ、同じ対象物を視準すると理論上は水平角目盛は180°となります。ただし、誤差があるため完全には180°とはなりません。

(5) 2対回観測

2対回観測は、0°輪郭と90°輪郭それぞれで正位・反位の観測を行い、合計4回観測を行います。0°、90°それぞれ行うことで角度を均等に使用することが可能となります。手順は以下の通りです。
①後視点の視準をし、水平角を0°0′0″にします。その後前視点を視準します。
②望遠鏡を180°鉛直方向に回転し、再度前視点を視準します。その後、後視点を視準します。
③反位状態で角度を270°0′0″にし、前視点を視準します。
④望遠鏡を180°回転させて、再度前視点を視準します。その後、後視点を視準します。

(6)観測方法

実際の基準点観測では、前視点および後視点に反射プリズムを設置して視準して観測します。トータルステーションを使用することで水平角観測、鉛直角観測、距離測定を同時に行うことができます。

(7)倍角差・観測差・高度定数差

理論上は、方向観測法によって測定された2対回観測の4つの水平角は一致します。しかし、実際はトータルステーションの機器の誤差や観測誤差等により一致しません。そこで、水平角観測結果の確認は倍角差と観測差、鉛直角観測結果の確認は高度定数の較差、距離測定結果の確認は1回の2対回観測の較差および各2対回観測の平均値の較差で行います。1観測が完了するごとに確認を行い、許容値内であれば次の観測点に移動しますが、許容値を超過した場合には再計測を行います。

トラバース計算ソフト、エクセル・ドローン測量

2個以上のトラバースを組みあわせたものをトラバース網といいます

2個以上のトラバースを組みあわせたものをトラバース網といいます。トラバース網は、比較的広い地域にトラバース測量によって基準点を設けます。トラバース測量は、三角測量とともに骨組測量として用いられる測量です。
三次元網平均のフリーネットワーク解法は与点を固定しない解法、閉合トラバース計算、閉合トラバースの座標計算と精度管理、放射開放トラバース測量成果により求める点の座標値を算出など、基準点測量、トラバース計算ソフトが、ダウンロードできます。骨組を形成する基準点、トラバース点、多角点、節点を結ぶ測線の距離、角度を測定して、基準点の位置を決定するのが基準点測量です。
誤差が不明で精度の点検と調整ができないため、高い精度を必要とするトラバース測量には採用できません。誤差を発見しても点検できないのが、閉合トラバースの欠点になります。
閉合トラバースは、1点からはじまり一巡して最後には、出発点にもどる多角形をつくるトラバースのことを閉合トラバースといいます。トラバース網では、多角点を設けて相互に関連づけることで、図形的な安定度、精度が向上します。トラバース測量は、多角測量ともいわれます。

高い精度のトラバース測量には、結合トラバースによる方法が適しています

高い精度が求められるトラバース測量には、結合トラバースによる方法が適しているとされています。地形上三角測量が適用できない地域、三角測量ほど高い精度が求められていない基準点の測量に多く使われます。
与点を固定しない厳密網・自由網で与点の相対精度を確認、逆放射トラバース計算、基準点点の記をデータベース化、測量計算の関数集を利用して結合トラバース計算などの基準点測量、トラバース測量のフリーソフトや無料ソフトウェアです。観測値によってトラバース計算された終末点の方向角、座標を既知点の成果表と比較することで、閉合誤差・精度の点検と調整ができます。多角形が閉合する条件によって、角測定の精度から調整を行います。
角測定が正確であり、距離の測定に尺定数による誤差があっても、多角形が相似形で閉合します。
結合トラバースは、他の多角測量や三角測量などによって求められた既知点を出発点として、他の既知点に結合するトラパースのことを結合トラバースといいます。開トラバースは、1点から出発して何処にも閉合しない、行きっぱなしのトラバースのことを開トラバースといいます。

光波測距儀が普及することで、多角測量の精度も向上しました

光波測距儀が普及することで、距離測定の精度が角測定よりもよくなり、多角測量の精度も向上しました。目盛盤の偏心誤差は、目盛盤の中心が回転軸から偏ることが原因で生じる誤差で、望遠鏡の正位・反位の観測値の平均をとれば消去できます。鉛直軸誤差は、鉛直軸が傾いている場合に、水平角に発生する誤差です。
上盤気泡管の調整が完全でないために発生する誤差で、望遠鏡の正位・反位の観測値の平均をとっても消去できません。鉛直目盛盤の指標誤差は、器械・器具の独特の誤差で、望遠鏡が水平の場合、鉛直目盛が0゚にならない誤差です。目盛盤の目盛誤差は、目盛が均一でないことで発生する誤差で、目盛の全円を使えば消去できます。
望遠鏡の正位・反位の平均をとれぼ消去できます。2点の座標値より方向角と距離を計算、距離と方位から経緯度を計算、距離を入力し交点の座標値を求める、直線の交点の座標計算、倍横距・座標法による面積計算など、方位角・方向角・距離計算、交点計算の人気トラバース計算ソフトやツール・アプリが、ダウンロードできます。調整が十分でないために発生する誤差はたくさんあります。
また、ヘルマート変換・厳密網平均計算・気象補正・倍横距法・逆トラバース計算に対応しているソフトウェアもあります。

基準点測量やトラバース計算・座標計算などに適切なソフトとは

基準点測量の作業工程とその詳細

基準点測量の作業工程は、①作業計画、②現地踏査・選定、③測量標の設置、④観測、⑤点検測量、⑥平均計算、⑦品質評価、⑧成果等の整理、の順番で行います。
①作業計画では、作業箇所の地形図や既知基準点を収集します。さらに、地形図上に既知点と作業範囲から、新点概略位置を決めた平均計画図を作成します。
②現地踏査・選定では、作業箇所の現地状況確認し、既知基準点の現況調査と平均計画図に基づいた新点の選定を行い、平均図を作成します。
③測量標設置の新点位置には、永久標識を設置して点の記を作成します。埋設方法として、地上埋設・地下埋設・屋上埋設があり、3,4級基準点では標杭を使用し、4級基準点では金属錤かプラスチック杭の設置が必要です。
④観測に当たり、平均図に基づいてトータルステーション(TS)を使い、点間の斜距離と水平角および鉛直角を観測し、倍角差・観測差・高度定数差・測定距離の較差が、許容範囲を超えた場合には再測します。
⑤トラバース測量などの点検測量では、作業規程に応じた点検測量を行い、トラバース測量観測データの判定に点検路線の点検計算を実施し、許容範囲を超えたときは、原因を解明と再測を行います。
⑥平均計算は、厳密網平均計算で計算し、3,4級基準点測量においては、厳密網平均計算以外に簡易網平均計算も可能で、計算結果の精度を精度管理表に整理します。
⑦品質評価では、品質評価を実施し品質評価表を作成します。
⑧成果は、観測手簿や計算簿を整理し、第三者機関による、観測手簿と計算簿の成果検定を受け、製品仕様書に定められた内容からメタデータを作成します。

手順の多いトラバース測量と逆トラバース計算はソフトやエクセルの導入を

多角測量は、トラバース測量と言われ、基準点をつなぎ合わせてできる多角形の水平角と点と点の間の距離を順番に測定して、トラバース計算によって計測した点の座標を決める基準点の測量法です。観測に当たっては、測量計算のたびに観測手簿に記載し、のちに観測手簿のデータの検証の後にデータベース化します。測量計算において一部では、逆トラバース計算と言って、座標から点間の距離や角度を求める方法もあります。逆トラバース計算は座標が分かっている場合に限られた測量計算です。

トラバース測量の方法とその種類について

測量を行う測点(トラバース点)と点を結ぶトラバース路線の、角度と距離の測定を行うことが、トラバース測量となりますが、次のような種類があります。

結合トラバース

結合トラバースは、座標が分かっている点から出発し、同じく座標が分かっている点で終わるトラバース測量です。

開放トラバース

開放トラバースは、座標が和kらない点から発して、同じく座標が分からない点でトラバース測量が終わります。角度の測定でも、距離の測定でも誤差があるかどうかさえ分からないため、特別なトラバース測量です。

閉合トラバース

閉合トラバースは、ある1点から出て、順番に点までの距離と角度を測量し、次の点へ行き、また次の点とし、最後に元の点に戻る多角測量です。

トラバース網

結合トラバース、閉合トラバース、開放トラバースのいくつかを組合せ、網状につないだ多角測量です。法規定では、X,Y,A,H型のように基本型が決められ、1点交点と2点交点を求める多角測量です。

放射トラバース

放射トラバースは、1つの点を元に放射状に測量を続けるトラバース測量です。

ソフトはトラバース計算だけじゃない、座標計算・気象補正計算にもおすすめ

トラバース計算は、距離の計算、方向角の計算、座標計算、それに精度を求める既知点座標と観測座標の差を距離で割った閉合比の計算が主に扱う計算で、計算結果は観測手簿に書き込みます。トラバース計算では、側線の軸に対しての正射影の大きさ緯距と、もう一つの軸側の正射影の大きさ経距を求めて、距離の計算の補正を加える方法もあります。
また、閉合トラバースの内側の面積を計算する方法に、2つの計算方法、倍横距法と座標法があります。倍横距法は、閉合トラバースの面積を求めるには三角形や台形の足し算と引き算をすれば求められることを利用したもので、調整緯距を使って求めた面積の式を加工したものが、倍横距法です。
座標計算では、旧座標と新座標の計算から、移動量や回転角を求めたいときに使う計算が、ヘルマート変換です。ヘルマート変換は、旧座標を新座標に変換する計算でもあります。トラバース計算では、測量に用いる基材は、気象条件で誤差を生じるため、気象補正の計算が必要です。気象補正計算に必要な気象とは、気温・気圧・湿度の値です。

基準点測量の作業規則とは

公共測量では、1、2、3、4級基準点測量の4種類に基準点測量が区分されます。その違いは、既知点種類・既知点間距離・既知点から新点までの距離・新点間の距離などです。座標計算では、ヘルマート変換が用いられ、移動量や回転角を求めるときに、旧座標と新座標の計算か求める計算です。ヘルマート変換によって、旧座標は新座標に変換されます。
基準点区分で使用できる既知点は、1、2級基準点測量では、既知点を同級の基準点として使用し、3、4級基準点測量では、既知点を上位の基準点として使用します。
厳密網平均計算では、厳密水平網平均計算と厳密高低網平均計算、三次元網平均計算が使われますが、同級の基準点を使用する場合、既知点の1/2以下で使うことができます。電子基準点だけを既知点とする使用法では、1級基準点測量のみ使うことができます。

基準点測量の方式は結合多角方式と単路線方式がある

基準点測量の方式では、既知点と新点を結ぶ線の形によって、結合多角方式と単路線方式の2種類があります。結合多角方式は、3点以上の既知点から、既知点と新点間を多角的な線で結合される多角網を形成します。結合多角方式は、任意で多角網を形成する方式と定形的な多角網を形成する方式の2つがあります。
任意で多角網を形成する方式は、既知の基準点と新設の基準点の両方を見通すことができて、基準点を任意な多角路線で結びつける方法です。定形的な多角網を形成する方式は、既知の点数が少ないときに、定形的な多角網が作られるように多角的な線を作成します。定形的な多角網とは、アルファベットの形状Y、A、X、Hとなるように、多角網を作り上げる方法です。

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