CADデータの変換処理では、変換プログラムの工夫によって対応可能なファイル形式が広がり、業務の効率化にもつながります。また、変換時に発生するエラーメッセージやエラー番号を適切に設定することで、トラブル発生時の原因特定が容易になります。さらに、操作手順や仕様をまとめたヘルプファイル(chm形式)の作成も、利用者にとって重要なサポートとなります。このページでは、CAD変換処理とヘルプ作成の基本手順について解説しています。

各種CADファイルへ変換するため、プログラムを工夫する
jwcad、vectorworks(ベクターワークス)の図面をSXF変換、SFC変換、DXF変換、JWC変換、JWW変換、DWG変換、エクセル変換、PDF変換、p21変換するためのプログラムを自分で開発するために、ここでは、DXFファイルを処理するプログラムだけでなく、プログラム全般についてよりよいプログラムとするために共通する内容を説明します。自分で開発せずにフリーソフトを使用する場合にも、これから説明する機能があるものを選ぶと使い勝手が良いです。無料でダウンロードできるものもありますので参考にして下さい。
エラーメッセージとエラー番号を設定しよう
様々な状況を想定し、エラーが発生した場合の処理を組み込むことは重要です。しかし、どのようなエラーメッセージを表示させるかは非常に難しいです。また、同じような状況のエラーメッセージは、同じような表現となってしまうため、このような状況を考慮し、エラーメッセージだけでなく、エラー番号を設定することがおすすめです。エラー番号により、エラーの内容が明確に区別できます。例えば、メインのプログラムのエラーは#01-、ヘッダセクションに関するプログラムのエラーは#01A-、クラスセクションに関するプログラムのエラーは#01B-、などの付け方があります。特定のエラーに対して特定のエラー番号であればどのような付け方でも問題ありません。このようにエラー番号を設定することで、エラー番号によりエラーが発生した部分を特定することができるようになります。エラーメッセージの文章が似ていてもエラー番号により特定できます。
「chm」拡張子のヘルプファイルの作成
ソフトウェアを開発する際には、ヘルプファイルも作成するようにしましょう。Windowsではヘルプは拡張子「chm」のファイルです。ヘルプファイルを作成するためには「HTMLHelp Workshop」というユーティリティが必要で、マイクロソフトのサイトからダウンロードすることが可能です。ただし、Windowsがバージョンアップされると、新しいヘルプシステムが提供されることが予想されます。
拡張子「chm」のヘルプファイルは、プログラムから開くことができるため非常に使いやすいです。ビットマップの図を挿入することもできるため、わかりやすいヘルプを作成することができます。ただし、拡張子「chm」のヘルプファイルはWindows専用でMacOS、Linuxには対応していません。その場合は、テキスト形式やPDFなどでヘルプを作成することを検討しましょう。
どのような形式でも構いませんのでヘルプファイルは作成するようにしましょう。ヘルプファイルを作成しないと、ユーザーに何か問題が発生した時に、全てソフトウェア開発者のところに質問が来てしまいます。ヘルプファイルで全ての問題を解決することはできませんが、おおよその問題は解決することができるかもしれません。
このようにAutoCAD、jwcad、vectorworks(ベクターワークス)の図面変換ソフトを開発するのはとても大変です。最近ではこれらのCADデータの変換がとても簡単にできるフリーソフトが無料でダウンロードできます。いろいろなソフトがありますので、レイヤーがうまく引き継がれているか、文字化けがないか、よく確認し比較検討し、ご自身のCADに適応したものを活用しましょう。