このページでは、役に立つ、木造の壁量計算のフリーソフト・エクセルについて紹介しています。jwwを含め、木造建築の壁量計算ソフトの種類がも多く、どれを使っていいかわかりにくいです。
木造n値計算・木造壁量計算・木造構造計算・耐震等級計算・偏心率計算・軸組計算・4分割法・筋交い計算などのソフトウェアやExcelのシステムツール、おすすめテンプレートは沢山あります。そこでここでは、便利に使える、木造の壁量計算のフリーソフトを紹介しています。
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木造のN値計算のフリーソフト・エクセル

木造の壁量計算のフリーソフト・エクセル
簡易木造建物偏心壁量計算書作成
簡易木造建物偏心壁量計算書作成
木造建築物の軸組配置の検討を行うフリーソフトです。平成12年6月1日に改正・施行された「木造建築物の軸組の配置」に対する検討について、作業を簡単で正確にそして短時間に行うためのスクリプトです。平家から3階建てまでに対応しています。平面図をJW_CADで作図している意匠設計事務所などにおすすめです。手軽に簡単に計算および検討を行い方にはおすすめのソフトです。
方づえ Kさん
方づえ Kさん
木造方づえを有する構面の等価壁量・壁倍率を計算するフリーソフトです。木造方づえを有する構面の等価壁量・壁倍率の計算だけではなく、方づえの断面検定も行うことができます。柱材種は、「すぎ」、「つか」、「ひのき」、「べいまつ」、「からまつ」から選ぶことができ、ヤング係数、曲げ基準強度、断面係数低減率を自動で表示。また、計算仮定もプログラム上に表示されています。
HOUSE-ST1(株式会社構造システム)
【特徴】
・老舗メーカーによる初心者向けソフトで、詳しいヘルプ機能やサポート体制もあり
・平屋~2階建木造住宅に強い、シンプルで合理的な作りのソフト
・非常に安価な価格構成で、高価なソフトと比較すると半額ほどの場合もあり
STRDESIGN(株式会社構造ソフト)
【特徴】
・大規模建築にも対応する多機能・高性能なソフト
・数値を入力するとそのまま計算書や図面まで完成する手軽さ
KIZUKURI(システムハウス福知山)
【特徴】
・木造構造計算ソフトの代名詞的存在で、サポートも充実
・直感的な操作が可能で、初心者にも安心
・帳票の見やすさ、チェックのしやすさに定評あり
木造住宅 構造検討シート V34
N値計算法によって木造住宅の壁量・壁配置の検討、柱の仕口金物選定を行う構造検討支援エクセルシートです。選定結果は必要壁量の計算過程、N値計算過程とともに確認でき、業務効率の向上に役立ちます。計算過程も表示されるため、わかり易くおすすめです。
木造構造計算 system PureWood
2階建てまでの木造の構造計算、壁量、バランス、金物が簡単に検討できるソフトです。申請書等に添付する書類として印刷機能を備えています。モジュール割れや不規則な間取もすばやく入力できて編集機能も豊富です。未登録時は、複数物件の保存ができませんが、木造構造計算ソフトウェアとしては人気のツールです。
壁calcW
木造住宅の壁量計算を簡単に行うことができるソフトが無料でダウンロードできます。軸組の設定マウス操作により、グラフィカルに軸組の配置を作成できます。セルをグリッドとみなして軸組を配置しますが、間くずれ部分の設定も可能です。4通りの筋交いの種類が設定できます。木造壁量計算・耐震等級計算・偏心率計算・軸組計算にも対応した人気のソフトウェアです。
これ簡単 壁量・偏心率計算
平屋、2階建ての木造建物の建築基準法施行令、壁量の検討、偏心率の計算を行うソフトです。壁の情報と階の範囲を指定するだけで、壁量と偏心率の計算書が作成できます。壁倍率の色分け、数値確認の両方ができ、モノクロ印刷用に壁を黒にすることもできます。ランキング上位のおすすめツールです。
木造の壁量計算ソフト、導入前と導入後の問題点
木造の壁量計算ソフトを使用した企業の導入前の課題、そして使用してみて出てきた問題点についても見ていきましょう。
HOUSE-ST1 : 工務店A
・ソフト導入前の課題
経験の浅いスタッフが多いため、初心者にでもミスなく壁量計算ができる仕組みを作りたい。
・使用して感じたメリット・効果
一番良かったのはマニュアル無しで直感的に操作できたことです。
アイコンにカーソルをかざすだけで説明文が出てきます。
画像付きのヘルプ画面があったりと初心者にも安心の操作感でした。
壁量計算まで指導している余裕はないので、ソフトの活用で業務的にも楽になりました。
品確法の耐震等級にも対応しているので、工務店には重宝するソフトです。
・問題点
1. 「見付面積」の入力画面では、自動計算機能はないのでしょうか。
2. 柱接合部の算定計算において、計算結果「柱頭柱脚の接合部」でNGが出て、接合部記号が表示されません。
3. 算定計算と検定計算も違いがわかりません。
KIZUKURI : アトリエ系設計事務所B
・ソフト導入前の課題
複数名で同一物件の壁量計算をすることも多く、他のスタッフとの計算過程の共有方法を模索していました。
・使用して感じたメリット・効果
構造設計事務所に委託するほどでもない木造住宅や小規模店舗の設計に最適の内容です。
操作も非常にわかりやすくスタッフにも好評です。
壁量や部材などの計算過程を画面で確認しながら作業できます。
その場の入力ミス防止やスタッフ間の情報共有に役立てています。
屋根や金物など、複数案件で使う項目については、テンプレート機能を利用して入力の手間がカットできます。
・問題点
斜め壁に対応していないのがネックです。
斜め壁のプランでの壁量計算には、結局無料のエクセルフリーソフトを使ってしまいます。
木造の壁量計算ソフト、問題の解決策
では実際に、それぞれのソフトを実際に使用して浮上した問題点について、解決策を見ていきましょう。
HOUSE-ST1
1. 見付面積の自動計算
見付範囲を入力することで、見付面積の自動計算ができます。
「見付入力」メニューの「X軸方向(Y面)」「Y軸方向(X面)」で投影面の見付面積範囲を指定できます。
そうすると、投影面からの各種面積を自動計算してくれます。
範囲は、基本的に立面図をなぞることで指定が可能です。
2. 柱脚柱頭接合部について
必要引張耐力が30kNを超えている、またはN値による計算では5.6を超えているため、このような現象が起きています。
柱頭柱脚接合部にデータを追加するか、接合部の引き抜き力が小さくなるように、壁の配置を見直す必要があります。
3. 算定計算と検定計算
梁の算定計算では、入力した梁の材や幅、部位をもとに、設計用応力に対しての許容応力以内かつ必要最低限の梁せいを計算しています。
一方で検定計算では、設計用応力に対して許容応力以内におさまります。
さらに「たわみ」が制限値以内となるかをチェックしているのです。
また、柱頭柱脚の接合部計算においては、金物を配置した際にその配置が安全かどうかを検証しています。
金物の配置が無い場合には、入力された金物から必要最低限の金物を選択する算定計算を行う仕組みとなっています。
KIZUKURI
斜め壁プラン時の計算としては、一旦ダミーの柱を立てて、そのダミーにかかる力を実在する柱に振り分けることで可能となります。
例えば、実在する柱が【X3-Y2】【X4-Y1】、
ダミーの柱を【X3-11】【B-Y1】【B-11】
の3つ立てたとします。
ダミーのある状態で一旦計算をして、
計算結果欄、「3.1.2(1) 固定荷重(G)」の数値を確認します。
【X3-11】がx(kN)、【B-Y1】がy(kN)、【B-11】がz(kN)という数値が出たとして、
次はそれらのダミー荷重を使い
ダミー柱にマイナス荷重をかけて荷重ゼロにする
↓
ダミーの荷重の平均値を、実在の柱に均等に「追加荷重」として振り分ける
という作業を行います。
計算用の荷重は以下の通り。
(x+y+z)/2(実在の柱の本数)×1000(kNをNにするため)
このように、一度斜め壁を直線壁の組み合わせと見立てて計算しています。
また、途中地点の仮想の柱への荷重を平均して分散させて計算してみましょう。
そうすれば、デフォルトの機能だけでも十分に壁量計算を行うことができますよ。