壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介

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木造の壁量計算ソフトで最大のパフォーマンスを!

木造建築の設計の中でも、法律や品質に直接かかわってくるのが壁量計算です。

jwwを始めとしたソフトを活用した構造計算は、設計時間や部材の無駄を省くことにつながり、コストカットや省エネにも非常に有効と言えるでしょう。

jwwを含め、木造建築の壁量計算ソフトの種類はとても多く、どれを使っていいかわかりにくいです。
情報集めだけでも一苦労、という方も多いのではないでしょうか。
何しろ、木造n値計算・木造壁量計算・木造構造計算・耐震等級計算・偏心率計算・軸組計算・4分割法・積雪荷重などのソフトウェアやExcelのシステムツール、おすすめテンプレートが沢山あるため、無理もありません。

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木造の構造計算フリーソフトおすすめ12選

木造のN値計算のフリーソフト・エクセル

  1. 木造の壁量計算のフリーソフト・エクセル
    1. 簡易木造建物偏心壁量計算書作成
    2. 方づえ Kさん
    3. HOUSE-ST1(株式会社構造システム)
    4. STRDESIGN(株式会社構造ソフト)
    5. KIZUKURI(システムハウス福知山)
    6. 木造住宅 構造検討シート V34
    7. 木造構造計算 system PureWood
    8. 壁calcW
    9. これ簡単 壁量・偏心率計算
  2. 木造の壁量計算ソフトの選び方
    1. 無料ソフトがいいか、有料ソフトにすべきか
  3. 壁量計算とは
  4. 壁量計算のやり方
    1. ①見付面積の算定
    2. ②地震力に対する必要壁量の算定
    3. ③風圧力に対する必要壁量の算定
    4. ④各階・各方向で②、③で求めた必要壁量を比較して大きい方を採用
    5. ⑤平面図より各階の存在壁量を算定
    6. ⑥存在壁量が必要壁量を上回っていることを確認
  5. 木造構造計算を耐震等級計算で行うための壁倍率と耐力壁の基本
    1. 耐力壁の量や配置を木造壁量計算・4分割法・偏心率により計算する
    2. ソフトを利用して木造壁量計算をする際の壁倍率の注意点
    3. 筋かい耐力壁の量や配置を木造壁量計算・4分割法・偏心率により計算する
    4. ソフトに面材耐力壁を入力する際の注意点
    5. 木造構造計算、耐震等級計算における面材耐力壁の張り方
  6. 壁量計算における4分割法
    1. 4分割法の注意点
    2. 4分割法の計算手順
    3. 木造構造計算、耐震等級計算、木造n値計算による柱脚柱頭金物の選定方法
    4. 木造構造計算、耐震等級計算、軸組計算で求める柱脚柱頭金物
  7. 木造の壁量計算ソフト、導入前と導入後の問題点
    1. HOUSE-ST1 : 工務店A
    2. KIZUKURI : アトリエ系設計事務所B
  8. 木造の壁量計算ソフト、問題の解決策
    1. HOUSE-ST1
    2. KIZUKURI

木造の壁量計算のフリーソフト・エクセル

簡易木造建物偏心壁量計算書作成

簡易木造建物偏心壁量計算書作成0 - 壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介
木造建築物の軸組配置の検討を行うフリーソフトです。平成12年6月1日に改正・施行された「木造建築物の軸組の配置」に対する検討について、作業を簡単で正確にそして短時間に行うためのスクリプトです。平家から3階建てまでに対応しています。平面図をJW_CADで作図している意匠設計事務所などにおすすめです。手軽に簡単に計算および検討を行い方にはおすすめのソフトです。

方づえ Kさん

方づえ Kさん0 - 壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介
木造方づえを有する構面の等価壁量・壁倍率を計算するフリーソフトです。木造方づえを有する構面の等価壁量・壁倍率の計算だけではなく、方づえの断面検定も行うことができます。柱材種は、「すぎ」、「つか」、「ひのき」、「べいまつ」、「からまつ」から選ぶことができ、ヤング係数、曲げ基準強度、断面係数低減率を自動で表示。また、計算仮定もプログラム上に表示されています。

HOUSE-ST1(株式会社構造システム)

【特徴】
・老舗メーカーによる初心者向けソフトで、詳しいヘルプ機能やサポート体制もあり
・平屋~2階建木造住宅に強い、シンプルで合理的な作りのソフト
・非常に安価な価格構成で、高価なソフトと比較すると半額ほどの場合もあり

STRDESIGN(株式会社構造ソフト)

【特徴】
・大規模建築にも対応する多機能・高性能なソフト
・数値を入力するとそのまま計算書や図面まで完成する手軽さ

KIZUKURI(システムハウス福知山)

【特徴】
・木造構造計算ソフトの代名詞的存在で、サポートも充実
・直感的な操作が可能で、初心者にも安心
・帳票の見やすさ、チェックのしやすさに定評あり

木造住宅 構造検討シート V34

木造住宅 構造検討シート V340 - 壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介

N値計算法によって木造住宅の壁量・壁配置の検討、柱の仕口金物選定を行う構造検討支援エクセルシートです。選定結果は必要壁量の計算過程、N値計算過程とともに確認でき、業務効率の向上に役立ちます。計算過程も表示されるため、わかり易くおすすめです。

木造構造計算 system PureWood

木造構造計算 system PureWood0 - 壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介

2階建てまでの木造の構造計算、壁量、バランス、金物が簡単に検討できるソフトです。申請書等に添付する書類として印刷機能を備えています。モジュール割れや不規則な間取もすばやく入力できて編集機能も豊富です。未登録時は、複数物件の保存ができませんが、木造構造計算ソフトウェアとしては人気のツールです。

壁calcW

壁calcW0 - 壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介

木造住宅の壁量計算を簡単に行うことができるソフトが無料でダウンロードできます。軸組の設定マウス操作により、グラフィカルに軸組の配置を作成できます。セルをグリッドとみなして軸組を配置しますが、間くずれ部分の設定も可能です。4通りの筋交いの種類が設定できます。木造壁量計算・耐震等級計算・偏心率計算・軸組計算にも対応した人気のソフトウェアです。

これ簡単 壁量・偏心率計算

これ簡単 壁量・偏心率計算0 - 壁量計算とは?やり方や4分割法、フリーソフト・エクセルをご紹介

平屋、2階建ての木造建物の建築基準法施行令、壁量の検討、偏心率の計算を行うソフトです。壁の情報と階の範囲を指定するだけで、壁量と偏心率の計算書が作成できます。壁倍率の色分け、数値確認の両方ができ、モノクロ印刷用に壁を黒にすることもできます。ランキング上位のおすすめツールです。


木造の壁量計算ソフトの選び方

機能性の高いソフトであればあるほど初期費用は高くなります。
しかし、それでも壁量計算ソフトはコストカットにつながります。

木造2階建などもシンプルな建物に構造計算を外注するのは勿体無い話ですよね。
だからと言って、その都度手計算をしていたのでは人件費の観点からもナンセンスです。

壁量計算ソフトを使うことで、単純作業に近い形で壁量計算とN値計算を済ませてくれます。
これらの費用縮減に加え、部材のムダなどの物質的なコストカットにもつながります。
木造壁量計算・耐震等級計算・偏心率計算・軸組計算・積雪荷重の計算なども比較的簡単に作業できるので、今までの作業と比較してみてください。

無料ソフトがいいか、有料ソフトにすべきか

無料ソフトと有料ソフトのどちらが良いかは、ユーザーのスキルにより異なります。

壁量計算・N値計算・4分割法の手計算に自信のある方は、エクセルを加工して作られたフリーソフトを使ってみてもよいでしょう。
ただしその場合、計算結果に誤差が出るケースも少なくありません。
あくまで補助的なツールとして活用することをお勧めします。

なお、ここで紹介した有料ソフトはユーザー数の多い有名なものばかりです。
出力した帳票を見慣れている人も多いので、出された申請をチェックする側もスムーズに手続きが進められると言われています。

慣れないスタッフがいる場合や数やスピードを重視する方には、有料ソフトの活用がおすすめです。
まずは、木造壁量計算・耐震等級計算・偏心率計算・軸組計算・4分割法・積雪荷重などのソフトウェアやテンプレート、Excelのシステムツール、jwwなどダウンロードして試して、今までの作業と比較してみてください。
ランキングに入るような人気のアプリも多数ありますよ。

壁量計算とは

木造構造計算や耐震等級計算では、積雪荷重による軸組計算の他に、地震や台風などの水平力に対して建物が安全であるための最低限の基準として、建築基準法では「構造耐力上必要な軸組等」を定めています。
建築基準法では、各階の梁間、桁行方向に耐力壁を設けてバランス良く配置することで、建物がすべての方向の水平力に対して安全であるようにするとしています。4分割法や偏心率計算を行うこともあります。
また、耐力壁が確実に機能するために、床組や小屋組の隅に火打ち材などを配置して、水平構面の剛性を確保するとしています。
さらに、建築基準法の木造壁量計算では、地震荷重と風荷重に対して必要な耐力壁量の最低基準を定めています。

木造壁量計算では、地震力に対して必要な耐力壁の量が建築基準法で定められています。
必要壁量は床面積当たりの壁長さとして、数値が定められています。その数値は床面積と建物重量に比例して大きくなります。
つまり、床面積が大きくなるにつれて、また建物が重くなるにつれて必要な耐力壁の量は多くなります。
階数が多くなるほど建物重量は大きくなるため、床面積が同じであっても階数が多い建物ほど、より大きな地震力が作用します。たとえば、3階建ての建物の1階の必要壁量は平屋の建物の1階の必要壁量の3倍程度となることがあります。

一方、風圧力に対する必要壁量は、建物の見付面積に対する数値として建築基準法では定められています。
台風などの風圧力に抵抗するために必要な耐力壁の量は、建物の見付面積によって決まりますが、梁間方向と桁行方向は勘違いしやすいため注意しましょう。
また、地震力と同様に各方向に対して、梁間方向と桁行方向ごとに必要壁量を算定します。両方向同時に風圧力を受けることは、ここでは考慮しません。
このようにして各階・各方向で求めた地震力に対する必要壁量と風圧力に対する必要壁量を比較して、大きいほうの数値を採用します。さらに、存在壁量と必要壁量を比較して、存在壁量が上回ることを確認します。
なお、壁倍率の上限値は、建築基準法では5と定められています。壁倍率が5を超える強い耐力壁を使用すると、床が先に破壊したり、耐力壁の周辺部材が破壊したり、想定外の破壊モードとなることがあるため上限値が定められています。

また、地震力、風圧力以外にも、積雪荷重による軸組計算、木造n値計算を行う必要があります。4分割法や偏心率計算によりバランスにも配慮する必要があります。

壁量計算のやり方

木造構造計算や耐震等級計算で地震力および風圧力に対する必要壁量を求める手順は、以下のとおりです。
①見付面積の算定
②地震力に対する必要壁量の算定
③風圧力に対する必要壁量の算定
④各階・各方向で②、③で求めた必要壁量を比較して大きい方を採用
⑤平面図より各階の存在壁量を算定
⑥存在壁量が必要壁量を上回っていることを確認

①見付面積の算定

風圧力に対する必要壁量算定のため、梁間方向、桁行方向それぞれの見付け面積を求めます。見付面積は、風を受ける垂直投影面積であることに注意しましょう。ただし、見付面積は各階の床面より1.35m以内の部分を除いた垂直投影となりますので注意しましょう。

②地震力に対する必要壁量の算定

建築基準法で定められた数値より、床面積当たりの必要壁量を求めます。この数値は階数および屋根の種類により異なります。地震力は、風圧力と異なり梁間方向と桁行方向の違いはありませんが、各階ごとに必要壁量を求めます。水平投影面積が階の床面積の1/8以上1/2未満の小屋裏物置などがある場合はその面積を考慮する必要がありますので注意が必要です。
なお、必要壁量算定の際に使用する重い屋根と軽い屋根の区分は、一般的に下地を含む屋根重量が90kg/m2程度のとき重い屋根、60kg/m2程度のとき軽い屋根とされています。

③風圧力に対する必要壁量の算定

建築基準法で定められた数値より、見付面積当たりの必要壁量を求めます。特定行政庁が特に強い風が吹くとして定めた区域では50~75cm/m2で特定行政庁が定めた数値とし、その他の区域では50cm/m2とします。風圧力に対する必要壁量は、各階で梁間方向と桁行方向の両方向に対して求めます。

④各階・各方向で②、③で求めた必要壁量を比較して大きい方を採用

②、③で求めた必要壁量を比較して大きい方の値を各階、各方向の必要壁量とします。

⑤平面図より各階の存在壁量を算定

平面図を確認して、各階の梁間方向と桁行方向ごとに存在壁量を求めます。存在壁量は耐力壁の長さ×壁倍率で求めます。
存在壁量は、まず、梁間方向、桁行方向それぞれの耐力壁の枚数を壁倍率ごとに求めます。その後、梁間方向、桁行方向それぞれの壁の長さを求めます。ここで求めた枚数と壁の長さを乗じることで存在壁量が求まります。

⑥存在壁量が必要壁量を上回っていることを確認

必要壁量は、各階で梁間方向と桁行方向について、地震力に対する必要壁量と風圧力に対する必要壁量の大きい方の値とします。ここで求めた必要壁量を⑤で求めた存在壁量と比較していきます。
各階で梁間方向、桁行方向で存在壁量が最も大きな必要壁量をすべて上回ることを確認します。各階で梁間方向、桁行方向で存在壁量が必要壁量を上回ることが確認できたら、その建物の耐力壁の壁量は建築基準法で必要な壁量を満足しているということになります。
ここで存在壁量が必要壁量を満足しない場合、耐力壁の長さや壁倍率などを見直して、必要壁量を満足するよう再設計する必要があります。

木造構造計算を耐震等級計算で行うための壁倍率と耐力壁の基本

木造構造計算や耐震等級計算では、積雪荷重などの荷重による軸組計算の他に、木造N値計算、木造壁量計算を行います。木造壁量計算の際は建物のバランスを崩さないよう壁を配置する必要があり、4分割法や偏心率計算により確認します。

耐力壁の量や配置を木造壁量計算・4分割法・偏心率により計算する

耐力壁とは、地震や台風などの力に抵抗をするための壁です。使用する材料は筋かい、石こうボード、構造用合板などがあります。耐力壁には、抵抗をする力の強さに応じて、いろいろな種類があります。また、この抵抗をする力の強さのことを壁倍率といいます。

木造住宅に使用する耐力壁の量や配置は、建築基準法で制限値が決められています。耐力壁の量や配置は木造壁量計算や4分割法や偏心率計算により計算し、制限値を満足していることを確認します。また、耐力壁の幅や高さについては特に制限はありませんが、耐力壁の高さを高くしたり幅を狭くするなど縦に細長い形状とすると、柱脚や柱頭に大きな引抜力が発生することがあるため注意が必要です。
同じ耐力壁でも、筋かいと構造用合板などの面材では、高さと幅の関係が異なります。そのため、(財)日本住宅・木材技術センターの刊行する『木造軸組工法住宅の許容応力度設計』では、筋かいや構造用合板などの面材による耐力壁の必要幅や必要高さが載っています。
具体的な例で言えば、筋かいの幅はその高さの1/3.5以上としています。つまり、高さが4.0mであれば必要な幅は1.2m以上ということになります。また、面材の場合は、幅は高さの1/5以上としています。高さが4.0mであれば必要な幅は0.8m以上ということになります。

ソフトを利用して木造壁量計算をする際の壁倍率の注意点

壁倍率とは、耐力壁の強さを表す数値のことです。壁倍率は、建築基準法に定められたものの他、定められた試験方法によって強度の確認を行い、国土交通大臣が認定したもの等があります。具体的な例として、壁倍率が[1]の場合、長さ1mにつき200kgf(1.96kN)の耐力があるということを表しています。言い換えると、壁倍率[1]とは200kgfの水平力を受けたときに、せん断変形角が1/120rad時のものをいいます。壁倍率[5]の耐力壁の場合、壁倍率[1]の壁の5倍の1,000kgf(9.8kN) の強さということになります。
なお、壁倍率には上限値があり、壁単独でも組合せた場合でも建築基準法施行令46条で壁倍率[5]が上限値です。従って壁倍率[3]の壁を2枚組合せても壁倍率は[5]となります。

筋かい耐力壁の量や配置を木造壁量計算・4分割法・偏心率により計算する

筋かい耐力壁とは鉄筋や木材等の軸材を使用した耐力壁のことです。建築基準法施行令45条では、筋かいの材料は鉄筋または木材を使用することとされています。また、構造耐力上主要な部分に使用する木材の品質は建築基準法施行令41条で、節、腐れ、繊維の傾斜、丸みなどによる耐力上の欠点がないものするよう規定されています。木材は鉄筋と異なり、品質がバラツキがあるため、設けられた規定です。
一口に木材といってもたくさんの種類があります。一般的に筋かいに使用される樹種には、スギ、ベイツガなどがあります。そのほかに、木から切り出された製材よりも品質や性能が安定している工業製品である構造用集成材や構造用単板積層材(LVL)を使用することもあります。
筋かいの壁倍率は、断面寸法によって値が異なります。具体的には、厚さ15mm以上、幅90mm以上の木材を使用した筋かいの壁倍率は[1]ですが、厚さ90mm以上、幅90mm以上の木材を使用した筋かいの壁倍率は[3]となり、壁倍率は3倍となります。つまり、厚さ90mm以上、幅90mm以上の木材を使用した筋かいは、厚さ15mm以上、幅90mm以上の木材を使用した筋かいよりも3倍強いということが言えます。
ただし、筋かいに、どんなに壁倍率の高い大きな断面の木材を使用したとしても、土台や柱と筋かいを釘や接合金物などで確実に固定しないと、本来の強度を発揮する前に接合部が壊れてしまいます。接合金物の接合方法は平成12年建設省告示1460号一号で定められた方法とします。jwwの図面を確認して間違いのないようにしましょう。
また、柱頭、柱脚の接合金物は告示で定められた接合方法の他に、木造N値計算によって接合方法を求めることもできます。

ソフトに面材耐力壁を入力する際の注意点

面材耐力壁とは構造用合板等の面材を使用した耐力壁のことです。面材耐力壁の壁倍率は、使用する面材の種類と仕様によって異なります。具体的には、面材に同じ12mm厚以上の石こうボードを使用した場合でも、真壁の受け材タイプは壁倍率[1.5]、真壁の貫タイプは壁倍率[1]ですが、大壁とした場合は壁倍率[0.9]となり、真壁より小さくなります。同じ面材であっても、壁倍率は大壁や真壁の受け材タイプと貫タイプでは異なるため、よく確認する必要があります。

木造構造計算、耐震等級計算における面材耐力壁の張り方

面材耐力壁の壁倍率の性能を引き出すために、面材の厚さ・品質や使用する釘の種類・間隔は、建築基準法施行令46条および昭和56年建設省告示1100号の規定を守る必要があります。
大壁の面材の張り方は2種類あります。一つは土台から胴差まで1枚の3×9版を縦張りにします。もう一種類は3×6版の面材を縦と横で張りますが、面材の継目には、45×100mm以上の胴つなぎを入れ、釘を2列打ちます。
この他にも、大壁で床勝ちとなる耐力壁もあります。使用する面材は構造用石こうボードA種・B種と石こうボードの3種類です。床下地材の仕様は規定されていませんが、一般的には30×45mm以上の受け材をN75釘で間隔300mm以内に打ち付けます。面材はGNF40またはGNC40釘を間隔150mm以内に打ち付けます。
真壁には、受け材タイプと貫タイプがあります。受け材タイプは、面材を受け材などに釘打ちします。受け材は厚さ30mm以上とし、幅40mm以上の木材を柱・横架材にN75釘を用いて間隔300mm以内に打ち付けます。面材を打ち付けるのに使用する釘の種類は面材によって異なりますが、間隔は釘の種類によらず150mm以内とします。
貫タイプは、柱と柱の間に厚さ15mm以上、幅90mm以上の本材を用いて610mm以内の間隔で5本以上の貫を設け、そこに面材を張ります。釘の間隔は、受け材タイプと同様にいずれの面材も150mm以内であり、釘の種類は面材によって異なります。

壁量計算における4分割法

木造構造計算や耐震等級計算、木造壁量計算では積雪荷重による軸組計算の他に、4分割法による計算を行うことがあります。4分割法とは建物に耐力壁がバランスよく配置されているかどうかチェックする方法です。4分割法の計算法は、平12建告1352号の木造建築物の軸組の設置の基準を定める件で定められています。4分割法の確認は偏心率計算により各階の偏心率を計算し、0.3以下であることを確認できれば不要ですが、やや高度な構造計算が必要となります。4分割法は以下のように計算します。
①建物の平面を梁間・桁行方向に4等分割し、その両端部分(側端部分)の存在壁量と必要壁量を求めます。
②各側端部分について、存在壁量/必要壁量が1を超えることを確認します。ここで、存在壁量/必要壁量を壁量充足率といいます。各階各方向の4カ所を確認します。なお、側端部分の壁量充足率が両方とも0の場合は、次の確認を行います。
③壁量充足率が1以下の場合は、小さい方の壁量充足率/大きい方の壁量充足率が0.5以上となることを確認します。ここで、小さい方の壁量充足率/大きい方の壁量充足率を壁率比といいます。ただし、壁量充足率がいずれも0で、側端部分に耐力壁がないものも壁率比を満足するものとします。ただし、建物として木造壁量計算により存在壁量が必要壁量を満足していることは確認する必要があります。

4分割法の注意点

また、4分割法の注意点は以下の通りです。
①建物形状が不整形のとき
下屋などで1階の側端部分の上に2階がない場合、壁量充足率は平屋として検討を行います。このように不整形な建物形状の場合は、建物全体の階数ではなく、側端部分の階数により必要壁量を求めるので、注意しましょう。
また、凹凸があるような平面が不整形な場合でも、整形な建物と同じように4分割とします。
②小屋裏物置などがあるとき
床面積算定において、物置は、ほかの部屋と同様、床面積に算入します。しかし、内法高さが1.4m以下で面積がその階の1/2未満の場合の小屋裏、天井裏などにある物置は、床面積に参入しません。
ただし、階の床面積の1/8以上の場合、壁量計算の際に、次式で求めたaを床面積に加えます。
a=(h/2.1)×A
h:物置の内法高さの平均値(m)
A:物置の水平投影面積
ただし、同一階に2以上の物置がある場合は、それぞれのhの最大の値を採用します。
なお、複雑な形状の建物の場合には偏心率計算を行うことがおすすめです。
また、4分割線上の耐力壁は壁量充足率の存在壁量に含むことができます。ただし、4分割線上にある壁でも、壁芯が4分割線より外側にある壁は、木造壁量計算と同様に存在壁量として含むことはできません。

4分割法の計算手順

木造構造計算における2階建て建物の4分割法の計算手順を以下に示します。
①各階・各方向の端から1/4部分に線を引きます
側端部分の範囲内にある存在壁量と必要壁量を算定します。4分割線と耐力壁が重なる場合は、壁量として含めます。ただし、木造壁量計算と同様に壁芯が4分割線より内側にあることを確認します。
②各階の桁行方向の側端部分の存在壁量と必要壁量を求めます。
③各階の梁間方向の側端部分の存在壁量と必要壁量を求めます。
④各階・各方向で存在壁量/必要壁量>1となることを確認します。
壁量充足率=存在壁量/必要壁量>1
各階、各方向で壁量充足率が1を超えていれば検討は終了です。1を超えていない場合、次の検討を行います。
⑤各階・各方向で壁率比≧0.5となることを確認します。
壁率比=小さいほうの壁量充足率/大きいほうの壁量充足率≧0.5
各階・各方向の側端部分に配置された耐力壁の壁率比を求めます。壁率比が0.5以上となることを確認し、各階・各方向で壁率比≧0.5となっていれば検討は終了です

木造構造計算、耐震等級計算、木造n値計算による柱脚柱頭金物の選定方法

耐震等級計算では、積雪荷重による軸組計算の他に木造n値計算等により柱の接合金物を選定する必要があります。耐力壁の柱脚・柱頭の接合金物の選定方法は3種類あります。
①告示の表から選定する方法
耐力壁の柱の位置から、告示の表を用いて接合金物を選定します。
②木造N値計算により選定する方法
木造N値計算により壁倍率から簡略的に引抜力を求め、接合金物を選定します。
③構造計算により求める方法
構造計算を行い、柱の軸力を算定し、接合金物を選定します。
①→②→③の順でより詳細な検討となります。従って、計算方法により同じ柱の柱脚・柱頭でも、接合金物の種類が異なります。一般的にはより詳細な検討を行ったほうが、耐力な小さな接合金物を採用することが可能となります。しかし、詳細な検討を行うとその分高度な計算を行う必要があります。そのため、構造計算が不要な2階建て以下かつ延床面積500m2以下の住宅では、①または②の方法により接合金物を選定することが一般的です。

平12建告1460号では、一号に筋かい端部の接合方法、二号に柱脚・柱頭の接合方法、三号にその他の接合方法が規定されています。
柱脚・柱頭の接合金物は、軸組の種類、柱の位置等の組み合わせにより、告示の表から選定します。表以外にも木造n値計算により求めることも可能です。jwwの図面をよく確認して間違いのないようにしましょう。

木造構造計算、耐震等級計算、軸組計算で求める柱脚柱頭金物

2階建ての建物で壁倍率2.5の構造用合板の面材を用いた耐力壁と、壁倍率2の45×90mmの筋かいをたすき掛けとして壁倍率4とした耐力壁を用いた場合の柱脚・柱頭の接合金物を告示の表により選んでみます。
【A】出隅にある通し柱
①通し柱の柱頭
最上階の出隅にある柱頭に45×90mmの筋かいが取り付く通し柱の接合金物を求めます。告示の表より、短冊金物Sまたは羽子板ボルトSB・Eが採用可能です。短冊金物は外壁側に配置されると下地や仕上材と干渉することがあるため、注意が必要です。
②通し柱の柱脚
2階建ての1階の出隅にある構造用合板耐力壁の取り付く通し柱の柱脚の接合金物を求めます。告示の表より、ホールダウン金物S-HD20が採用可能です。
【B】2階に片筋かい、1階に面材耐力壁とたすき掛け筋かいが取り付く柱
①2階の柱頭
柱の両側に壁倍率2の筋かいが取り付く出隅以外の2階の柱の柱頭の接合金物を求めます。告示の表より、長ホゾ差し込み栓打ちまたはかど金物CP・Lが採用可能です。
②2階の柱脚
①と筋かいの取り付き方以外は同じです。ただし、接合金物を同じ箇所に集中させないためにホールダウン金物S-HD15を採用するとよいでしょう。
③1階の柱頭・柱脚
構造用合板耐力壁とたすき掛け筋かいがとりつきます。構造用合板耐力壁の壁倍率は2.5、たすき掛け筋かいの壁倍率は4.0となります。接合金物は大きい方の壁倍率から選定します。告示の表より、柱頭・柱脚ともホールダウン金物S-HD15が採用可能です。
【C】2階に片筋かい、1階にたすき掛け筋かいが取り付く柱
①2階の柱頭
出隅以外で片筋かいが取り付く2階の柱の柱頭の接合金物を求めます。告示の表より、長ホゾ差し込み栓打ちまたはかど金物CP・Lが採用可能です。
②2階の柱脚
柱頭と同じですが、接合金物を同じ箇所に集中させないためにホールダウン金物S-HD15を採用するとよいでしょう。
③1階の柱頭
出隅以外の1階の柱で壁倍率4のたすき掛け筋かいが取り付きます。告示の表より、ホールダウン金物S-HD15が採用可能です。
④1階の柱脚
告示の表より、2階部分の柱脚金物と同じホールダウン金物S-HD15が採用可能です。
【D】2階と1階で位置が1mずれている柱
①2階の柱
2階と1階の柱の位置のずれが1m以内であれば、2階の柱は1階の柱の直上にあるものとすることができます。告示の表より、かど金物CP・Lが採用可能です。
②1階の柱
2階と同様に直上に柱があるとみなすことができます。告示の表より、柱脚、柱頭ともホールダウン金物S-HD15が採用可能です。
以上に示したような表による選定方法以外にも、木造n値計算により接合金物を選定することができます。金物の選定は手間がかかるため、jwwをよく確認しましょう。

木造の壁量計算ソフト、導入前と導入後の問題点


では実際に、木造の壁量計算ソフトを使用した企業の導入前の課題、そして使用してみて出てきた問題点についても見ていきましょう。

HOUSE-ST1 : 工務店A

・ソフト導入前の課題
経験の浅いスタッフが多いため、初心者にでもミスなく壁量計算ができる仕組みを作りたい。

・使用して感じたメリット・効果
一番良かったのはマニュアル無しで直感的に操作できたことです。
アイコンにカーソルをかざすだけで説明文が出てきます。
画像付きのヘルプ画面があったりと初心者にも安心の操作感でした。
壁量計算まで指導している余裕はないので、ソフトの活用で業務的にも楽になりました。
品確法の耐震等級にも対応しているので、工務店には重宝するソフトです。

・問題点
1. 「見付面積」の入力画面では、自動計算機能はないのでしょうか。
2. 柱接合部の算定計算において、計算結果「柱頭柱脚の接合部」でNGが出て、接合部記号が表示されません。
3. 算定計算と検定計算も違いがわかりません。

KIZUKURI : アトリエ系設計事務所B

・ソフト導入前の課題
複数名で同一物件の壁量計算をすることも多く、他のスタッフとの計算過程の共有方法を模索していました。

・使用して感じたメリット・効果
構造設計事務所に委託するほどでもない木造住宅や小規模店舗の設計に最適の内容です。
操作も非常にわかりやすくスタッフにも好評です。
壁量や部材などの計算過程を画面で確認しながら作業できます。
その場の入力ミス防止やスタッフ間の情報共有に役立てています。
屋根や金物など、複数案件で使う項目については、テンプレート機能を利用して入力の手間がカットできます。

・問題点
斜め壁に対応していないのがネックです。
斜め壁のプランでの壁量計算には、結局無料のエクセルフリーソフトを使ってしまいます。

 

木造の壁量計算ソフト、問題の解決策


では実際に、それぞれのソフトを実際に使用して浮上した問題点について、解決策を見ていきましょう。

HOUSE-ST1

1. 見付面積の自動計算
見付範囲を入力することで、見付面積の自動計算ができます。
「見付入力」メニューの「X軸方向(Y面)」「Y軸方向(X面)」で投影面の見付面積範囲を指定できます。
そうすると、投影面からの各種面積を自動計算してくれます。
範囲は、基本的に立面図をなぞることで指定が可能です。

2. 柱脚柱頭接合部について
必要引張耐力が30kNを超えている、またはN値による計算では5.6を超えているため、このような現象が起きています。
柱頭柱脚接合部にデータを追加するか、接合部の引き抜き力が小さくなるように、壁の配置を見直す必要があります。

3. 算定計算と検定計算
梁の算定計算では、入力した梁の材や幅、部位をもとに、設計用応力に対しての許容応力以内かつ必要最低限の梁せいを計算しています。
一方で検定計算では、設計用応力に対して許容応力以内におさまります。
さらに「たわみ」が制限値以内となるかをチェックしているのです。
また、柱頭柱脚の接合部計算においては、金物を配置した際にその配置が安全かどうかを検証しています。
金物の配置が無い場合には、入力された金物から必要最低限の金物を選択する算定計算を行う仕組みとなっています。

KIZUKURI

斜め壁プラン時の計算としては、一旦ダミーの柱を立てて、そのダミーにかかる力を実在する柱に振り分けることで可能となります。

例えば、実在する柱が【X3-Y2】【X4-Y1】、
ダミーの柱を【X3-11】【B-Y1】【B-11】
の3つ立てたとします。

ダミーのある状態で一旦計算をして、
計算結果欄、「3.1.2(1) 固定荷重(G)」の数値を確認します。
【X3-11】がx(kN)、【B-Y1】がy(kN)、【B-11】がz(kN)という数値が出たとして、
次はそれらのダミー荷重を使い

ダミー柱にマイナス荷重をかけて荷重ゼロにする

ダミーの荷重の平均値を、実在の柱に均等に「追加荷重」として振り分ける

という作業を行います。
計算用の荷重は以下の通り。
(x+y+z)/2(実在の柱の本数)×1000(kNをNにするため)

このように、一度斜め壁を直線壁の組み合わせと見立てて計算しています。
また、途中地点の仮想の柱への荷重を平均して分散させて計算してみましょう。
そうすれば、デフォルトの機能だけでも十分に壁量計算を行うことができますよ。

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