木造の壁量計算・N値計算は、エクセルを使うか、有料ソフトにすべきか

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木造の壁量計算ソフトで最大のパフォーマンスを!

木造建築の設計の中でも、法律や品質に直接かかわってくるのが構造計算です。

ソフトを活用した構造計算は、設計時間や部材の無駄を省くことにつながり、コストカットや省エネにも非常に有効と言えるでしょう。

木造建築の壁量計算ソフトの種類はとても多く、どれを使っていいかわかりにくいです。
情報集めだけでも一苦労、という方も多いのではないでしょうか。

そこで、このページでは、フリーソフト・有料ソフトを含めた、木造のN値計算・壁量計算ソフトを紹介していきます。


また、この記事の後半では、木造の壁量計算ソフト導入前の企業の問題点、壁量計算ソフトを導入したメリットなどについて説明しています。

それでは、木造 N値計算・壁量計算フリーソフトの紹介です。
ダウンロードサイトから、目的のソフトを見つけてください。
木造 N値計算・壁量計算のソフトを活用して、コストカットに繋げましょう。


木造 N値計算 フリーソフト

N値計算 えぬっち for Excel
木造在来工法で、N値計算をします。筋かい・構造用合板などを取り付けた柱頭部・柱脚部について、N値計算法により接合方法を選択します。柱と筋かいを入力するだけで、1階と2階の柱のN値計算ができます。簡易的な軸組図と、詳細な計算式が表示されるのでチェックが容易です。

N値計算
木造建物の金物補強を求める、Excelデータです。建築基準法の改正で、木造建物の金物補強を軽減させる目的で開発されました。このデータのみで、確認申請の添付書類に対応できます。筋交いのパターンを選ぶだけで算定式、金物種類が明記されます。

木造N値計算法
木造のN値計算法エクセルワークシートです。木造軸組み工法の、柱頭柱脚金物を算出するN値計算法を、視覚的に理解できるように作成されています。入力も、分かりやすく容易に行うことができます。3階建てにも対応しています。


木造 壁量の計算 フリーソフト

木造住宅 構造検討シート V34
木造住宅の壁量・壁配置の検討を行う、構造検討支援エクセルシートです。壁量判定結果・金物選定結果は、必要壁量の計算過程、N値計算過程とともに確認できます。業務効率の向上と、壁量計算やN値計算法を覚えようとしている方の参考にもなります。

木造構造計算 system PureWood
木造の構造計算ソフトです。2階建てまでに対応します。壁量、バランス、金物の検討が簡単にできます。申請書等に添付する書類として、印刷機能を備えています。モジュール割れや、不規則な間取もすばやく入力でき、編集機能も豊富です。

壁calcW
木造住宅の壁量計算ソフトです。グラフィカルに軸組の配置を作成できます。間くずれ部分の設定も可能です。筋交いの種類は、4通りが設定可能です。木ずりを含む、面材耐力壁の倍率設定もできます。床面積の1/4ゾーンを対象とした、壁の配置の検討を自動計算します。



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木造の壁量計算ソフト ダウンロードサイト


こちらの記事では、さまざまな壁量計算ソフトのダウンロードサイトを紹介しています。

リンク先ではそれぞれのソフトの特徴が記載されています。
きっとソフト導入の参考になるはずです。
お探しのソフトがきっと見つかりますよ。

HOUSE-ST1(株式会社構造システム)

【特徴】
・老舗メーカーによる初心者向けソフトで、詳しいヘルプ機能やサポート体制もあり
・平屋~2階建木造住宅に強い、シンプルで合理的な作りのソフト
・非常に安価な価格構成で、高価なソフトと比較すると半額ほどの場合もあり

STRDESIGN(株式会社構造ソフト)

【特徴】
・大規模建築にも対応する多機能・高性能なソフト
・数値を入力するとそのまま計算書や図面まで完成する手軽さ

KIZUKURI(システムハウス福知山)

【特徴】
・木造構造計算ソフトの代名詞的存在で、サポートも充実
・直感的な操作が可能で、初心者にも安心
・帳票の見やすさ、チェックのしやすさに定評あり


木造の壁量計算ソフト、導入前と導入後の問題点


では実際に、木造の壁量計算ソフトを使用した企業の導入前の課題、そして使用してみて出てきた問題点についても見ていきましょう。

HOUSE-ST1 : 工務店A

・ソフト導入前の課題
経験の浅いスタッフが多いため、初心者にでもミスなく壁量計算ができる仕組みを作りたい。

・使用して感じたメリット・効果
一番良かったのはマニュアル無しで直感的に操作できたことです。
アイコンにカーソルをかざすだけで説明文が出てきます。
画像付きのヘルプ画面があったりと初心者にも安心の操作感でした。
壁量計算まで指導している余裕はないので、ソフトの活用で業務的にも楽になりました。
品確法の耐震等級にも対応しているので、工務店には重宝するソフトです。

・問題点
1. 「見付面積」の入力画面では、自動計算機能はないのでしょうか。
2. 柱接合部の算定計算において、計算結果「柱頭柱脚の接合部」でNGが出て、接合部記号が表示されません。
3. 算定計算と検定計算も違いがわかりません。

KIZUKURI : アトリエ系設計事務所B

・ソフト導入前の課題
複数名で同一物件の壁量計算をすることも多く、他のスタッフとの計算過程の共有方法を模索していました。

・使用して感じたメリット・効果
構造設計事務所に委託するほどでもない木造住宅や小規模店舗の設計に最適の内容です。
操作も非常にわかりやすくスタッフにも好評です。
壁量や部材などの計算過程を画面で確認しながら作業できます。
その場の入力ミス防止やスタッフ間の情報共有に役立てています。
屋根や金物など、複数案件で使う項目については、テンプレート機能を利用して入力の手間がカットできます。

・問題点
斜め壁に対応していないのがネックです。
斜め壁のプランでの壁量計算には、結局無料のエクセルフリーソフトを使ってしまいます。


木造の壁量計算ソフト、問題の解決策


では実際に、それぞれのソフトを実際に使用して浮上した問題点について、解決策を見ていきましょう。

HOUSE-ST1

1. 見付面積の自動計算
見付範囲を入力することで、見付面積の自動計算ができます。
「見付入力」メニューの「X軸方向(Y面)」「Y軸方向(X面)」で投影面の見付面積範囲を指定できます。
そうすると、投影面からの各種面積を自動計算してくれます。
範囲は、基本的に立面図をなぞることで指定が可能です。

2. 柱脚柱頭接合部について
必要引張耐力が30kNを超えている、またはN値による計算では5.6を超えているため、このような現象が起きています。
柱頭柱脚接合部にデータを追加するか、接合部の引き抜き力が小さくなるように、壁の配置を見直す必要があります。

3. 算定計算と検定計算
梁の算定計算では、入力した梁の材や幅、部位をもとに、設計用応力に対しての許容応力以内かつ必要最低限の梁せいを計算しています。
一方で検定計算では、設計用応力に対して許容応力以内におさまります。
さらに「たわみ」が制限値以内となるかをチェックしているのです。
また、柱頭柱脚の接合部計算においては、金物を配置した際にその配置が安全かどうかを検証しています。
金物の配置が無い場合には、入力された金物から必要最低限の金物を選択する算定計算を行う仕組みとなっています。

KIZUKURI

斜め壁プラン時の計算としては、一旦ダミーの柱を立てて、そのダミーにかかる力を実在する柱に振り分けることで可能となります。

例えば、実在する柱が【X3-Y2】【X4-Y1】、
ダミーの柱を【X3-11】【B-Y1】【B-11】
の3つ立てたとします。

ダミーのある状態で一旦計算をして、
計算結果欄、「3.1.2(1) 固定荷重(G)」の数値を確認します。
【X3-11】がx(kN)、【B-Y1】がy(kN)、【B-11】がz(kN)という数値が出たとして、
次はそれらのダミー荷重を使い

ダミー柱にマイナス荷重をかけて荷重ゼロにする
 ↓
ダミーの荷重の平均値を、実在の柱に均等に「追加荷重」として振り分ける

という作業を行います。
計算用の荷重は以下の通り。
(x+y+z)/2(実在の柱の本数)×1000(kNをNにするため)

このように、一度斜め壁を直線壁の組み合わせと見立てて計算しています。
また、途中地点の仮想の柱への荷重を平均して分散させて計算してみましょう。
そうすれば、デフォルトの機能だけでも十分に壁量計算を行うことができますよ。


まとめ/木造の壁量計算ソフトはコストカットにつながる

壁量計算ソフトはコストカットにつながります

機能性の高いソフトであればあるほど初期費用は高くなります。
しかし、それでも壁量計算ソフトはコストカットにつながります。

木造2階建などもシンプルな建物に構造計算を外注するのは勿体無い話ですよね。
だからと言って、その都度手計算をしていたのでは人件費の観点からもナンセンスです。

壁量計算ソフトを使うことで、単純作業に近い形で壁量計算とN値計算を済ませてくれます。
これらの費用縮減に加え、部材のムダなどの物質的なコストカットにもつながります。

無料ソフトがいいか、有料ソフトにすべきか

無料ソフトと有料ソフトのどちらが良いかは、ユーザーのスキルにより異なります。

壁量計算・N値計算・4分割法の手計算に自信のある方は、エクセルを加工して作られたフリーソフトを使ってみてもよいでしょう。
ただしその場合、計算結果に誤差が出るケースも少なくありません。
あくまで補助的なツールとして活用することをお勧めします。

なお、ここで紹介した有料ソフトはユーザー数の多い有名なものばかりです。
出力した帳票を見慣れている人も多いので、出された申請をチェックする側もスムーズに手続きが進められると言われています。

慣れないスタッフがいる場合や数やスピードを重視する方には、有料ソフトの活用がおすすめです。



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