コンクリート数量計算の基本から実務での算出方法まで詳しく解説

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コンクリートの数量計算は、土木工事や建築工事における積算業務で欠かせない重要な工程です。
正確な数量を算出するためには、基本的な計算方法を理解し、構造物ごとの特性に応じた算出が求められます。
また、砂防工事のような特殊な工事や、控除対象とならない部分の扱いにも注意が必要です。
実務で活用する際には、図面の読み取りや単位の取り扱いも大切になります。
このページでは、コンクリート数量計算の基本から実務上の注意点まで解説しています。

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コンクリート数量計算のフリーソフト・エクセルテンプレート
エクセルによるコンクリートの数量計算、フリーソフトのダウンロードサイトを紹介しています。コンクリートの数量計算ソフトは、基礎や柱、梁、床などにわけてエクセルで計算できます。コンクリートの打設の流れに沿って拾い出しながら数量計算が行えます。型枠に関しても一緒に結果が出てきます。

コンクリートの数量計算ガイド

適用範囲

このガイドは、一般的な構造物におけるコンクリート打設の数量計算に適用されます。ただし、以下の特殊な種類のコンクリート打設には適用されませんのでご注意ください:
・ダムコンクリート
・トンネル覆工コンクリート
・砂防コンクリート
・コンクリート舗装
・消波根固めブロック工
・コンクリート桁
・軽量コンクリート

さらに、第1編(共通編)の第6章6.4の場所打擁壁工(1)(2)、第7章函渠工(1)(2)、および第3編(道路編)の第7章橋台・橋脚工(1)(2)、第10章共同溝工(1)(2)に関してのコンクリート打設についても本ガイドの適用範囲外です。

数量算出項目

コンクリートの数量計算は、以下の条件のもとに行います:
・コンクリート
・均しコンクリートの数量

これらを各区分ごとに詳細に算出します。

区分の詳細

コンクリート数量計算において重要となる区分は、以下の通りです。

構造物種別
構造物の種類ごとに、適切な数量計算を行います。例えば、高層ビルの基礎、橋の桁、一般住宅の基礎など、各種構造物に応じた計算方法が異なります。

施工条件
作業環境や施工条件によっても使用するコンクリートの量に影響が出ます。風や雨などの天候条件、作業スペースの広さ、アクセス条件などを考慮して計算します。

コンクリート規格
使用するコンクリートの配合や特性も数量計算に影響します。例えば、高強度コンクリートや耐久性重視のコンクリートなど、目的に応じて選定された規格に基づいて計算を行います。

設計日打設量
一日に打設可能なコンクリートの量も考慮に入れます。これは、施工スケジュールや人員配置、機材の能力に影響を与えます。

養生工の種類
コンクリート養生の手法によっても必要なコンクリート量は変わります。適切な養生を行うために必要な追加の材量や手間を計算に含めます。

圧送管延長距離区分
コンクリートを現場に運ぶための圧送管の長さも重要です。長距離にわたる場合は、圧送の効率や損失も計算に加味します。

現場内小運搬の有無
現場内でのコンクリートの小運搬が必要な場合、その時間や労力も考慮に入れて数量を算出します。

打設高さ
打設する高さも数量計算に大きな影響を与えます。高所作業の場合は、特殊な装置や追加の安全対策が必要となるため、これらの要素も含めます。

水平距離
打設する場所までの水平距離も重要です。遠距離の場合は、追加の搬送手段やそのコストを考慮します。

具体的な計算例

例えば、5階建てビルの基礎工事の場合、必要なコンクリート量は以下のように算出されます:

1. 構造物種別 : 高層ビル基礎
2. 施工条件 : 市街地、狭小地
3. コンクリート規格 : 強度30N/mm²
4. 設計日打設量 : 50m³/日
5. 養生工の種類 : 水保養生
6. 圧送管延長距離区分 : 30m
7. 現場内小運搬の有無 : 有
8. 打設高さ : 地上0~12m
9. 水平距離 : 50m

これに基づいて、予想される総コンクリート量と関連コスト、工期の見積もりを算出します。
このように、詳細なカテゴリーと条件を元に、正確なコンクリート数量計算を行うことが可能です。これにより、無駄を最小限に抑え、コスト効率の高い建設プロジェクトを実現します。

コンクリートの数量算出方法

コンクリートの数量を正確に算出するためには、基本的なガイドラインに従うことが必要です。本ガイドラインでは、「第1編(共通編)1章 基本事項」に基づき、より具体的な算出手順を提供します。これにより、プロジェクトのコスト管理と資材の効率的な利用が可能となります。

下記の方法を適用することで、コンクリートの数量算出が効率的かつ正確に行えます。ペーラインの適切な計上と3次元CADソフトの活用は、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。関連する技術と知識を駆使して、合理的で経済的なプロジェクト遂行を目指しましょう。

ペーラインの計上方法

ペーラインとは
コンクリートを打設する際に型枠を設置できない場合、ペーラインが重要な役割を果たします。ペーラインとは、コンクリートの打設中に設置される仮のラインを指し、これによりコンクリートの厚さを一定に保つことができます。

ペーラインコンクリートの厚さ
ペーラインコンクリートの厚さは、地質条件により異なります。具体的には以下のように設定されます:

・岩着(岩盤に接する部分) :10センチメートル
・土着(地面に接する部分) :5センチメートル

例:特定のプロジェクトにおいて、岩盤と地面の交差部分にコンクリートを打設する場合、これらの厚さを考慮する必要があります。

3次元CADソフトの活用

3次元CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアを利用することで、コンクリートの数量算出が効率的かつ正確に行えます。このセクションでは、3D CADソフトの具体的な利用方法に焦点を当てます。

自動計算機能の役割
3次元CADソフトの自動計算機能は、BIM/CIMモデルを活用して、モデルを小さな部分に分割し、各部分の体積を自動的に計算することができます。これにより、手作業による計算ミスを減少させ、作業効率を向上させます。

水平方向の分割による算出方法

1. BIM/CIMモデルの分割
モデルをX-Y平面に沿って、多角錐体に分割します。この分割により、各多角錐体の体積を算出し、それを合計します。

2. 幾何図形の利用
単純な幾何図形に分割した各体積を基に、和や差などの集合演算を行います。これにより、全体の体積を正確に求めることができます。

三角形分割による算出方法

1. モデル表面の三角形分割
BIM/CIMモデルの表面を三角形に分割します。各三角形の面とモデルの最下水平面との間にできる柱体積を計算し、その合計を求めます。この際、面の法線ベクトルのZ成分の符号に基づいて、柱体積を加算または控除します。

2. 三角錐体積の利用
それぞれの三角形に対して、三角形の3点と1点(例えばモデルの原点)を結ぶことで作られる三角錐の体積を合計します。この方法により、モデル全体の体積を高精度に求めることが可能です。

コンクリート構造物の数量計算

コンクリート構造物における数量計算は、精度と詳細にわたる計測が求められます。以下に、各構造物ごとの具体的な数量算出方法について説明します。

コンクリート構造物における数量計算は、複数の要因を考慮した精密なプロセスです。基礎部分と壁部分、外部型枠と内部型枠を明確に区分けすることで、資材の無駄を防ぎ、正確な数量算出が可能となります。これにより、最適な資材調達とコスト管理が実現します。今後の建設プロジェクトでは、これらの点を考慮して計画を進めることが重要です。

コンクリートの数量計算

コンクリートの数量を正確に求めるためには、構造物ごとに区分けして算出する必要があります。例えば、側壁や護岸については、基礎部と壁部を別々に計算します。これは、各部分が異なる条件下で施工されるため、正確な数量を把握するために必須です。基礎部は通常、地下に設置されることが多く、その分、壁部とは異なる環境を前提とした材料量が必要となります。

型枠の数量計算

型枠の数量算出も同様に各構造物ごとに区分けして行います。さらに、型枠は外部型枠と内部型枠に分けられます。外部型枠は主にコンクリートの外側を形作る役割を持ち、一方で内部型枠はコンクリートの内側の形状を維持します。これにより、具体的な設計と施工の際に必要な型枠材の量を正確に把握することができます。外部型枠と内部型枠を別々に計算することで、資材の無駄を防ぎ、コストを最適化します。

その他の要素

数量計算には、以下のような要素も考慮する必要があります。

1. 補強材の数量計算
コンクリート構造物には、しばしば鉄筋などの補強材が使用されます。これらの補強材も数量計算の対象となります。コンクリートと一体となって構造物の強度を保つため、これらの材料の数量計算も非常に重要です。

2. 施工時の環境条件
数量計算を行う際には、施工時の環境条件も考慮する必要があります。例えば、湿度や温度がコンクリートの硬化に影響を与えるため、それに応じた数量の調整が行われます。

3. 安全対策
施工現場には様々な安全対策が必要となります。そのため、一部の数量計算には、安全柵や作業員の足場なども含まれることがあります。これらを考慮に入れることで、より現実的で安全な計画が立てられます。

砂防工事のコンクリートの数量計算

砂防工事において、コンクリートの数量を正確に計算することは極めて重要です。以下に示す方法によって、数量計算を行います。

砂防およびコンクリートに関する数量計算は、多角的な視点からアプローチすることが求められます。これにより、効率的で正確な計算が可能となり、施工の成功と品質の確保が実現します。

基本的な数量算出の方法については、「第1編(共通編)1章基本事項」に従います。しかし、特定のケースや詳細な計算が必要な場合には、以下の方法も考慮します。また、コンクリートおよび型枠の数量は、状況に応じて「第1編(共通編)4章コンクリート工」の基準を基として計算します。

コンクリートの数量算出方法

特に堤体コンクリートについては、複数のセクションに分けて計算を行います。この際、一般部と堤冠部の二つのセクションに区分し、それぞれの数量が年度区分で簡単に把握できるようにします。

1. ブロック毎の計算
コンクリートの数量を正確に計算するために、ブロックごとに算出します。これには施工の高さを1メートル単位、または基礎の変化点で区切る方法を用います。さらに、延長部分については止水板の位置を標準とします。

2. 年度区分の対応
施工計画を年度ごとに分割することで、年度別の数量確認が容易になります。この方法により、予算管理や進捗管理が効率的に行えます。

型枠やその他の要因の考慮

コンクリートの数量計算には、型枠の設置も重要な要素となります。型枠の数量は、その材質や設置方法によって異なるため、標準的な設計図や施工図を基に算出します。特に大規模な砂防工事では、これらの詳細な設計と数量の把握が成功への鍵となります。

その他の関連事項

数量計算に関連する他の要素としては、以下の点も考慮に入れることが重要です。

1. 材料の品質管理
コンクリートの品質は、全体の構造の安定性に大きく影響します。使用する材料の品質確認と管理を徹底します。

2. 現場の地形
地形の変化や現場の条件によって、数量計算が複雑になることがあります。そのため、現地調査を十分に行い、正確なデータを基に計算を行うことが推奨されます。

3. 気象条件
気象条件もコンクリート工事に影響を及ぼすため、その影響を最小限に抑えるための対策が必要です。

コンクリート構造物の数量から控除しないもの

コンクリート構造物の数量計算において、その中に含まれる細部や副次的な要素のいくつかは、実際の数量から控除しないことが一般的です。具体的には、鉄筋や水抜き穴などの容積や面積が僅少である場合、これらは計算から除外しなくても問題ありません。このような微小な要素が数量算出に及ぼす影響はごくわずかであり、正確な評価に大きな誤差を生むことはありません。以下、具体的な控除対象外の要素について説明します。

1.コンクリート中の鉄筋・鋼矢板・土留材等
2.コンクリート中の基礎杭頭
3.コンクリート中の支承座面の箱抜
4.床版コンクリート中の主桁上フランジ
5.鋼材中のボルト孔及び隅欠き
6.コンクリート構造物の面取り及び水切
7.コンクリート構造物の伸縮継目の間隔及び止水板
8.コンクリート構造物内の内径30㎝以下の管類、水抜孔等
9.基礎材(均しコン含む)中の径30cm以下の杭及び胴木
10.法沿い堅排水工、地下排水工等の容積及びこれに類似のもの
11.コンクリート構造物中のモルタル注入孔及び埋込金具等の容積
12. 舗装工、床版工中の1箇所1.0 m2
未満の建造物
13. 盛土中で現地盤線以上の断面積が1.0 m2
未満の建造物
14. ガードレール、ガードパイプ等防護柵の支柱の箱抜き
15.その他面積又は体積が前項に示す値以下で全体数量に及ぼす影響が僅少なもの
  ただし、現場打杭及び杭頭部の結合方式方法Aの場合のフーチングコンクリートについては、控除する。
16. 上記1~15に準ずるものと判断されるもの

鉄筋、鋼矢板および土留材
コンクリート内部には鉄筋や鋼矢板、土留材が埋設されることがあります。これらの構成要素はコンクリートの強度や安定性を向上させる重要な役割を果たしますが、その容積や面積が僅少であるときは、数量計算から除外しなくて良いとされています。

基礎杭頭および支承座面の箱抜
基礎部分に配置される杭頭や支承座面の箱抜も同様に数量から控除しない要素とされます。これらは基礎の安定性を確保するための重要な部分ですが、その容積が小さいため、全体の数量に与える影響が限定的です。

床版コンクリート中の主桁上フランジ
床版コンクリートには主桁上フランジが含まれます。これも同様に数量から控除しません。主桁フランジは床版を支える構造要素となり、これを抜き出すことは全体の数量を大きく変動させないためです。

鋼材中のボルト孔および隅欠き
鋼材を使用したコンクリート構造物の中には、ボルト孔や隅欠きが含まれることがあります。これらの要素は基本的に小さな面積しか占めないため、全体の数量から控除しないことが一般的です。

コンクリート構造物の面取りおよび水切り
面取りや水切りも数量から控除しない要素です。これらは構造物の形状や機能性を向上させるための細部的な仕上げとして重要ですが、全体の容積に大きな影響を与えません。

伸縮継目の間隔および止水板
コンクリート構造物には伸縮継目が設けられ、止水板が配置されることがあります。これもまた数量から除外する必要はありません。これらの要素が占める体積が小さいためです。

直径30cm以下の管類および水抜孔
構造物内の直径30㎝以下の管類や水抜孔も控除しない要素とされます。これらの要素もまた、全体の数量に大きな影響を及ぼさないためです。

基礎材中の径30cm以下の杭および胴木
基礎材に含まれる径30㎝以下の杭や胴木も数量から控除しません。これらもまた全体の容積に対する影響が僅少です。

その他の類似の要素
法沿い堅排水工や地下排水工などの容積も数量から控除しない要素です。これと類似のものも同様に扱われます。

モルタル注入孔および埋込金具
コンクリート内部に設置されるモルタル注入孔や埋込金具も数量から控除しません。これらも小さな体積しか占めないため、全体の数量に大きな影響を与えることはほとんどありません。

建造物や附属物
舗装工や床版工中の一箇所1㎡未満の建造物、盛土中で現地盤線以上の断面積が1㎡未満の建造物も数量から除外しません。これらもまた全体の計算に対する影響が小さいためです。

防護柵の支柱の箱抜き
ガードレールやガードパイプなど防護柵の支柱の箱抜きも同様に数量から控除しません。

例外項目
ただし、現場打ち杭や杭頭部の結合方式方法Aの場合のフーチングコンクリートについては、控除対象としています。

評価基準
これに準じるものが他にも存在する場合、それらも同様の評価基準で取り扱います。