鉄骨製作工場では、鉄骨製作工程の材料入荷から製品出荷まで、製作管理と品質管理を行う技術者(技術管理者)が必要で、その技術者が鉄骨製作管理技術者で、その資格を取るための試験が鉄骨製作管理技術者試験です。鉄骨製作管理技術者には1級と2級があり、それぞれ鉄骨製作管理技術者試験によって判定されます。鉄骨製作管理技術者試験の受験資格は、学歴に応じた実務経験年数によって、受験できる資格を得ることができます。
鉄骨製作管理技術者とは
鉄骨製作管理技術者とは、鉄骨製作工場で鉄骨製作工程の材料入荷から製品出荷、製作管理と品質管理を行う技術者(技術管理者)です。
鉄骨製作管理技術者資格の種類
鉄骨製作管理技術者には、1級と2級があります。1級技術者は、高層建築物の鉄骨の品質・性能について構造学的な判断によって、生産・品質管理ができる技術者です。2級技術者は、中・低層建築物の鉄骨の品質・性能を、規準・規格によって判定でき、生産・品質管理ができる技術者です。
資格の登録と更新手続き
鉄骨製作管理技術者の資格は、試験合格後に登録することで得られます。鉄骨製作管理技術者資格の有効期間は5年間です。有効期間満了後は、更新手続きを行うことで資格を継続できます。
1回目・2回目の更新時の手続き
1回目の更新では有効期間満了の前年5月中旬頃に郵送される更新講習と修了考査、2回目の更新では有効期間満了の前年5月中旬頃に郵送される更新講習と論文に合格する必要があります。
更新費用は、受講料16,500円(税込)と登録料5,500円(税込)の計22,000円(税込)です。
3回目以降の更新時の手続き
3回目以降の更新では、更新講習(午前の部のみ)を受講するか、更新書類審査(要鉄骨工事に係る職務経歴)に合格する必要があります。
更新費用は、書類審査料:5,500円(税込)と登録料5,500円(税込)の計11,000円(税込)です。
鉄骨製作管理技術者試験 その1
鉄骨製作工場では、鉄骨製作工程の材料入荷から製品出荷まで、製作管理と品質管理を行う技術者(技術管理者)が必要で、その技術者が鉄骨製作管理技術者で、その資格を取るための試験が鉄骨製作管理技術者試験です。鉄骨製作管理技術者試験はマークシート方式で、1級も2級も2時間で50問出題されます。鉄骨製作管理技術者の資格を得た後には、5年ごとに更新講習があり、講習後の終了考査に合格する必要があります。
鉄骨製作管理技術者試験1級の問題の内容は、鉄骨構造9問・鉄骨加工20問・品質管理15問・安全管理3問・建築法規3問のように出題され、出題される問題数は、年によって異なるようです。2級の問題も同じような出題数ですが、鉄骨構造が4問、鉄骨加工が25問と鉄骨加工に重点が置かれているようです。
受験資格
鉄骨製作管理技術者試験の受験資格は、学歴に応じた実務経験年数によって、受験できる資格を得ることができます。
鉄骨製作管理技術者試験はマークシート方式で、1級も2級も2時間で50問出題されます。試験の合格率は1級も2級も65%近くあり、高い合格率と言うべきでしょう。
この高確率の高さは、試験問題の難易度が低いということではなく、受験者は皆、鉄骨製作工場で働いて経験も豊富で、それなりの高い技術レベルにあると思われます。また、資格取得のための勉強も重ねていて、そのため合格率が高いと思われます。
・必要実務経験年数
1級試験 | 2級試験 | |||
学歴又は資格 | 指定学科 | 指定学科以外 | 指定学科 | 指定学科以外 |
大学・大学院 | 1年以上 | 3年以上 | 1年以上 | 2年以上 |
短大・高専 | 3年以上 | 5年以上 | 1年以上 | 2年以上 |
専修学校の専門課程 (修業年限2年以上) |
3年以上 | – | 1年以上 | – |
高校 | 5年以上 | 7年以上 | 2年以上 | 3年以上 |
鉄骨制作管理技術者2級 | 資格取得後3年以上 | – | ||
上記以外 | 10年以上 | 5年以上 | ||
備考 | 次の資格を有する者は、上記に関係なく受験可 ①一級建築士 ②技術士(建設部門) ③WES8103溶接管理技術者1級以上 |
次の資格を有する者は、上記に関係なく受験可 ①二級建築士以上 ②WES8103溶接管理技術者2級以上 |
試験日程・申し込み方法
鉄骨製作管理技術者試験は、毎年10月下旬頃に実施されています。申し込み受付期間は、6月上旬~7月下旬頃までです。
試験地
鉄骨製作管理技術者試験は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡で実施されています。
受験料金・支払い方法
鉄骨製作管理技術者試験の受験料は、13,200円(税込)です。
鉄骨製作管理技術者試験 その2
試験内容
1級試験 | 2級試験 | |
試験時間 | 2時間 | |
出題形式 | 択一形式(マークシート) | |
出題分野 | ①鉄骨構造・・・9問 ②鉄骨加工・・・20問 ③品質管理・・・15問 ④安全管理・・・3問 ⑤建築法規・・・3問 |
①鉄骨構造・・・4問 ②鉄骨加工・・・25問 ③品質管理・・・15問 ④安全管理・・・3問 ⑤建築法規・・・3問 |
鉄骨製作管理技術者試験の出題内容(1級)
鉄骨製作管理技術者試験1級の問題の内容は、鉄骨構造9問・鉄骨加工20問・品質管理15問・安全管理3問・建築法規3問のように出題され、出題される問題数は、年によって異なるようです。2級の問題も同じような出題数ですが、鉄骨構造が4問、鉄骨加工が25問と鉄骨加工に重点が置かれているようです。
出題範囲 | 主な内容 | 設問数 |
鉄骨構造 |
|
9問 |
鉄骨加工 |
|
20問 |
品質管理 |
|
15問 |
安全管理 |
|
3問 |
建築法規 |
|
3問 |
鉄骨製作管理技術者試験の出題内容(2級)
鉄骨製作管理技術者試験2級では、鉄骨加工を行う上で、設計図書を受領した後、製作計画の立案から鋼材の加工、組立て、溶接、塗装、発送及び現場における製品引き渡しまでの一貫した管理を行うために必要な専門知識・基礎知識及び対応能力についてが問われます。
出題範囲 | 主な内容 | 設問数 |
鉄骨構造 |
|
4問 |
鉄骨加工 |
|
25問 |
品質管理 |
|
15問 |
安全管理 |
|
3問 |
建築法規 |
|
3問 |
鉄骨製作管理技術者試験 その3
合格基準
・1級試験
普遍化した工法による高層建築物等の鉄骨の品質・性能等について構造学的判断ができ、生産・品質管理が一貫して行うことができる知識及び技術。
・2級試験
普遍化した工法による中・低層建築物等の鉄骨の品質・性能等について、定められた規準・規格等と照合して判定ができ、生産・品質管理が一貫して行うことができる知識及び技術。
合格率・難易度
鉄骨製作管理技術者試験の合格率は、1級も2級も65%程度です。比較的に難易度の低い試験と言うべきでしょう。ただし、試験問題の難易度が低いということではなく、受験者は皆、鉄骨製作工場で働いて経験も豊富で、それなりの高い技術レベルにあると思われます。また、資格取得のための勉強も重ねていて、そのため合格率が高いと納得できます。
鉄骨製作管理技術者試験の勉強法
過去問題集を繰り返し解く
鉄骨製作管理技術者試験の勉強法は、過去問を繰り返して勉強することです。分からないことがあれば、そのたびにテキストで重要な点を調べておきましょう。
ただし、一般的な書店には、過去問題集は販売されていません。さらに、鉄骨製作管理に関する参考書も特殊な分野であることから、探すのが難しいでしょう。
テキスト・問題集については、下記ページで紹介しています。
鉄骨製作管理技術者講習会に参加
鉄骨製作管理技術者講習会に参加することで、鉄骨製作管理技術者教本、建築工事標準仕様書(鉄骨工事)、1・2級鉄骨製作管理技術者試験問題と解説集のテキストが渡されます。
試験問題の解説では、ポイントとなる点の講義も期待でき、全体的に鉄骨製作管理技術者試験のポイントが掴めるのではないでしょうか。
過去問と重要事項の解説/鉄骨製作管理技術者試験
●本解説に使用した参考文献
国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」
国土交通省「建築構造設計基準及び同解説」
国土交通省「建築物の構造関係技術基準解説書」
日本建築学会「鉄骨工事技術指針・工場製作編」
日本建築学会「鉄骨工事技術指針・工事現場施工編」
日本建築学会「鋼構造許容応力度設計規準」
鉄骨技術者教育センター「鉄骨製作管理技術者教本」https://www.seec.or.jp/bookinfo.html