灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー

toudaitabi01 - 灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー 建設の基礎知識

オフに行きたい「岬めぐりと灯台旅」あの場所を探してみませんか
今年の新しいトレンドとして「岬めぐりと灯台旅」が注目されています。
あなたも灯台旅のガイド本を参考にして、オフに行きたいあの場所を探してみてはいかがですか。
おすすめガイド本: 灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー、藤井和雄著、2023年11月発行、¥2,860
日本最北端流氷のオホーツク宗谷岬灯台から日本最南端サンゴ礁の石垣島御神埼灯台まで、
7年をかけて著者自ら現地を巡り撮影した、全国100カ所の灯台ストーリーは圧巻です。

?me id=1213310&item id=21126087&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400 mall%2Fbook%2Fcabinet%2F6814%2F9784425956814 1 2 - 灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー
灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー 【Amazon】
灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー 【Rakuten 楽天】

半島や岬の突端から大海原遥か彼方にまで光を届ける灯台の姿は、四方を海に囲まれた日本列島ならではのたぐいまれな魅力ある光景だと思います。
灯台を訪ね歩いた巡礼の旅は、灯台の灯りを一身に受けた明るい未来に向き合う旅といえるでしょう。

掲載されている全国灯台100カ所の一覧
北海道
 01 宗谷岬灯台 そうやみさきとうだい 北海道稚内市
 02 稚内灯台 わっかないとうだい 北海道稚内市
 03 紋別灯台 もんべつとうだい 北海道紋別市
 04 能取岬灯台 のとろみさきとうだい 北海道網走市
 05 納沙布岬灯台 のさっぷみさきとうだい 北海道根室市
 06 落石岬灯台 おちいしみさきとうだい 北海道根室市
 07 湯沸岬灯台 とうぶつみさきとうだい 北海道厚岸郡浜中町
 08 花咲灯台 はなさきとうだい 北海道根室市
 09 増毛灯台 ましけとうだい 北海道増毛郡増毛町
 10 襟裳岬灯台 えりもみさきとうだい 北海道えりも町
 11 石狩灯台 いしかりとうだい 北海道石狩市
 12 日和山灯台 ひよりやまとうだい 北海道小樽市
 13 神威岬灯台 かむいみさきとうだい 北海道積丹郡積丹町
 14 チキウ岬灯台 ちきうみさきとうだい 北海道室蘭市
 15 葛登支岬灯台 かっとしみさきとうだい 北海道北斗市
 16 恵山岬灯台 えさんみさきとうだい 北海道函館市
 17 白神岬灯台  しらかみみさきとうだい 北海道松前郡松前町
東北・新潟
 18 尻屋埼灯台 しりやさきとうだい 青森県下北郡東通村
 19 大間埼灯台  おおまさきとうだい 青森県下北郡大間町
 20 龍飛埼灯台 たっぴさきとうだい 青森県東津軽郡外ヶ浜町
 21 鮫角灯台 さめかどとうだい 青森県八戸市
 22 陸中黒埼灯台 りくちゅうくろさきとうだい 岩手県下閉伊郡普代村
 23 魹ヶ埼灯台 とどがさきとうだい 岩手県宮古市
 24 入道埼灯台 にゅうどうさきとうだい 秋田県男鹿市
 25 旧酒田灯台 きゅうさかたとうだい 山形県酒田市
 26 鼠ヶ関灯台 ねずがせきとうだい 山形県鶴岡市
 27 塩屋埼灯台 しおやさきとうだい 福島県いわき市
 28 大須埼灯台 おおすさきとうだい 宮城県石巻市
 29 角田岬灯台 かくだみさきとうだい 新潟県新潟市
 30 姫埼灯台 ひめさきとうだい 新潟県佐渡市
関東・中部
 31 磯埼灯台  いそさきとうだい 茨城県ひたちなか市
 32 日立灯台 ひたちとうだい 茨城県日立市
 33 犬吠埼灯台 いぬぼうさきとうだい 千葉県銚子市
 34 太東埼灯台 たいとうさきとうだい 千葉県いすみ市
 35 勝浦灯台 かつうらとうだい 千葉県勝浦市
 36 野島埼灯台 のじまさきとうだい 千葉県南房総市
 37 洲埼灯台 すのさきとうだい 千葉県館山市
 38 剱埼灯台  つるぎさきとうだい 神奈川県三浦市
 39 城ヶ島灯台 じょうがしまとうだい 神奈川県三浦市
 40 観音埼灯台 かんのんさきとうだい 神奈川県横須賀市
 41 竜王埼灯台 りゅうおうさきとうだい 東京都大島町
 42 門脇埼灯台 かどわきざきとうだい 静岡県伊東市
 43 初島灯台 はつしまとうだい 静岡県熱海市
 44 爪木埼灯台 つめきさきとうだい 静岡県下田市
 45 神子元島灯台 みこもとじまとうだい 静岡県下田市
 46 石廊埼灯台 いろうざきとうだい 静岡県南伊豆町
 47 舞阪灯台  まいさかとうだい 静岡県浜松市
 48 掛塚灯台 かけづかとうだい 静岡県磐田市
 49 御前埼灯台 おまえさきとうだい 静岡県御前崎市
 50 清水灯台 しみずとうだい 静岡県静岡市
北陸・東海
 51 岩崎ノ鼻灯台 いわさきのはなとうだい 富山県高岡市
 52 生地鼻灯台 いくじばなとうだい 富山県黒部市
 53 禄剛埼灯台 ろっこうさきとうだい 石川県珠洲市
 54 旧福浦灯台 きゅうふくらとうだい 石川県羽咋郡志賀町
 55 海士埼灯台 あまさきとうだい 石川県志賀町
 56 大野灯台 おおのとうだい 石川県金沢市
 57 越前岬灯台 えちぜんみさきとうだい 福井県丹生郡越前町
 58 常神岬灯台 つねがみみさきとうだい 福井県三方上中郡若狭町
 59 立石岬灯台 たていしみさきとうだい 福井県敦賀市
 60 伊良湖岬灯台 いらごみさきとうだい 愛知県田原市
 61 野間埼灯台 のまざきとうだい 愛知県知多郡美浜町
 62 菅島灯台 すがしまとうだい 三重県鳥羽市
 63 安乗埼灯台  あのりさきとうだい 三重県志摩市
 64 大王埼灯台 だいおうさきとうだい 三重県志摩市
 65 麦埼灯台 むぎさきとうだい 三重県志摩市
近畿・中国・四国
 66 経ヶ岬灯台 きょうがみさきとうだい 京都府京丹後市
 67 余部埼灯台 あまるべさきとうだい 兵庫県美方郡香美町
 68 江埼灯台 えさきとうだい 兵庫県淡路市
 69 旧堺灯台 きゅうさかいとうだい 大阪府堺市
 70 潮岬灯台 しおのみさきとうだい 和歌山県東牟婁郡串本町
 71 紀伊日ノ御埼灯台 きいひのみさきとうだい 和歌山県日高郡日高町
 72 樫野埼灯台 かしのさきとうだい 和歌山県東牟婁郡串本町
 73 大浜埼灯台 おおはまさきとうだい 広島県尾道市
 74 高根島灯台 こうねしまとうだい 広島県尾道市
 75 六連島灯台 むつれしまとうだい 山口県下関市
 76 角島灯台 つのしまとうだい 山口県下関市
 77 出雲日御碕灯台 いずもひのみさきとうだい 島根県出雲市
 78 美保関灯台 みほのせきとうだい 島根県松江市
 79 男木島灯台 おぎしまとうだい 香川県高松市
 80 鍋島灯台 なべしまとうだい 香川県坂出市
 81 佐田岬灯台 さだみさきとうだい 愛媛県西宇和郡伊方町
 82 足摺岬灯台 あしずりみさきとうだい 高知県土佐清水市
 83 叶埼灯台 かなえさきとうだい 高知県土佐清水市
 84 室戸岬灯台 むろとざきとうだい 高知県室戸市
 85 蒲生田岬灯台 かもだみさきとうだい 徳島県阿南市
九州・沖縄
 86 部埼灯台 へさきとうだい 福岡県北九州市
 87 大碆鼻灯台 おおばえはなとうだい 長崎県平戸市
 88 伊王島灯台 いおうしまとうだい 長崎県長崎市
 89 樺島灯台 かばしまとうだい 長崎県長崎市
 90 関埼灯台 せきさきとうだい 大分県大分市
 91 細島灯台 ほそしまとうだい 宮崎県日向市
 92 鞍埼灯台 くらさきとうだい 宮崎県日南市
 93 都井岬灯台 といみさきとうだい 宮崎県串間市
 94 薩摩長崎鼻灯台 さつまながさきはなとうだい 鹿児島県指宿市
 95 佐多岬灯台 さたみさきとうだい 鹿児島県肝属郡南大隅町
 96 残波岬灯台 ざんぱみさきとうだい 沖縄県中頭郡読谷村
 97 辺戸岬灯台 へどみさきとうだい 沖縄県国頭郡国頭村
 98 喜屋武埼灯台 きゃんさきとうだい 沖縄県糸満市
 99 石垣御神埼灯台 いしがきおがんさきとうだい 沖縄県石垣市
 100 平久保埼灯台 ひらくぼさきとうだい 沖縄県石垣市



IMG 20231221 0002 300x293 - 灯台旅 ー悠久と郷愁のロマンー

  【福井新聞 2023年12月20日朝刊より】

灯台は船舶の航行安全を支える施設です

灯台は船舶が安全に航行するために重要な役割を果たす施設で、岬の先端や港湾内などに設置されています。灯台の主な機能は、その外観や灯火を利用して船舶が進むべき方向を示すことであり、これは光波標識の一種です。

灯台は通常、塔状の構造を持っており、その最上部には強力な光源が設けられています。この光源は遠方からでも視認可能で、夜間には特にその存在感を発揮します。強い光が一定のリズムで点滅することで、船舶の航行者は灯台の位置を正確に把握することができます。大型の灯台では、光源の前にレンズが設置されており、これが回転することで特有の点滅パターンが生まれます。こうした灯台の光のパターンは、それぞれ特徴的であり、船舶の乗組員にとっては陸地の目印や主要な変針点として機能します。

現代の灯台は主にコンクリート構造が一般的ですが、歴史的に見れば木造、石造、煉瓦造、鉄造といった様々な素材が使用されてきました。これらの歴史的建造物のいくつかは敵の自然破壊や災害から生き残り、今なおその姿をとどめています。古い灯台は地域の歴史や文化の象徴ともなっており、多くの観光客や歴史愛好者が訪れるスポットでもあります。

また、灯台は設置場所によって役割が異なります。船舶が陸地や主要な変針点を確認するための目標となる「沿岸灯台」と、港湾の所在地や港口を示す「防波堤灯台」の2種類に大別されます。沿岸灯台は広範囲にわたる海域の航行に対する助けとなり、防波堤灯台は特に港湾内外の航行安全をサポートします。これらの灯台は、船舶の安全を確保するために欠かせない存在です。

多くの国では、灯台は沿岸警備隊や港湾行政当局によって管理されています。沿岸警備隊は灯台の運営やメンテナンス、光源の点検修理を行っており、港湾行政当局は灯台の設置や運用にかかる総合的な監督を担当しています。いかにして船舶が安全に航行できるかという観点から、彼らの仕事は非常に重要であり、灯台の運営は海洋交通の基盤を支える要素となっています。

最後に、灯台は単なる航行目標としての役割だけでなく、地域文化や歴史のシンボルとしても親しまれています。多くの灯台が観光地としても人気を博しており、訪れる人々に海の美しさやその歴史的背景を伝えています。灯台は知られざる海の歴史を物語る存在とも言えるでしょう。

以上のように、灯台は船舶の航行安全を支える施設として、その重要性を失うことなく、進化を続けています。その光は、昼夜を問わず船乗りたちに安全な航路を示す希望の灯として輝き続けるのです。

灯台の分類について

灯台はその設置場所や役割、大きさ、材質などによりさまざまな方法で分類されます。以下に、それぞれの観点から灯台の分類について詳しく説明します。

灯台の分類は、設置場所や役割、大きさ、材質などにより多岐にわたります。それぞれの灯台が果たす役割やその特性について理解することで、海上の安全を守るための重要性を再認識することができます。このように多岐にわたる灯台の分類は、航行の安全性を高めるために常に進化しており、その役割は今後も重要なものとなるでしょう。

灯台の設置場所・役割による分類

灯台は設置場所やその果たす役割に応じていくつかのタイプに分類されます。

沿岸灯台

沿岸灯台は、主に岬や沿岸の目立つ場所に設置され、船舶に対して海岸線の存在を知らせる重要な役割を果たします。これらの灯台は、海上から容易に識別できるような位置に設置されており、安全な航行を支援します。

防波堤灯台

防波堤灯台は、港湾や漁港の防波堤の先端に設置されており、特に港に出入りする際に重要な役割を果たします。日本では、港への進入時に「右側が塗色赤・灯色赤」「左側が塗色白・灯色緑」といった明確な規定があり、これらの基準によって船舶は安全に航行することができます[1][2]。

灯台の大きさによる分類

灯台の大きさは、主に使用されている灯台レンズの等級によって分類されます。以下にそれぞれの分類を説明します。

大型灯台

大型灯台には、第1等・第2等・第3等レンズ、または90 cm・120 cmの回転灯器が使用されます。これにより、遠方まで光を放つことが可能となり、広範囲の船舶に対して信号を送ることができます。大型灯台は主に航路の要所や海難事故が発生しやすい場所に設置されることが多いです。

中型灯台

中型灯台では、第4等・第5等の閃光レンズ、または60 cm・40 cm・30 cmの回転灯器やキセノン灯器が使用されます。これらの灯台は、大型灯台ほどの遠方まで照射する能力はありませんが、中規模の港湾や沿岸部で船舶の誘導を行います。

小型灯台

小型灯台には、第5等不動・第6等不動・閃光レンズ、または37.5 cm以下の無等不動レンズが使用されます。小型灯台は、特に小さな港湾や漁港で使用され、地元の船舶や釣り船に対して安全な航行を促します。

灯台の材質による分類

灯台の材質もその特性や設置場所によって異なり、以下のような種類があります:

煉瓦造灯台

煉瓦造灯台は、歴史的な遺産として現在でも多く存在します。その頑丈さと耐久性から、嵐や悪天候から船舶を守る役割を果たしました。

石造灯台

石造灯台は、非常に堅固で、自然環境に対しても高い耐久性を持っています。これらの灯台は往々にして歴史的な価値があり、多くの観光客を引き寄せています。

木造灯台

木造灯台は、以前の時代に一般的でしたが、現代では耐久性やメンテナンスの問題から減少しています。その独特な外観は、歴史を感じさせるものがあります。

鉄造灯台

鉄造灯台は、頑丈で腐食に対する耐性が高いことから、現在も多く使用されています。鉄の材質は、特に風雨の多い海岸線や防波堤などでその効果を発揮します。

コンクリート造灯台

現代の灯台の多くはコンクリートで作られており、その耐久性とメンテナンスの容易さから広く使用されています。コンクリート造灯台は、特に大型灯台として使用されることが多いです。

灯台の機能と技術

灯台は高度な技術と長い歴史に支えられながら、海上の安全を守り続けています。光達距離やレンズ技術、そして明弧と暗弧の概念など、各要素が組み合わさることで、灯台はその重要な役割を果たしています。

光達距離の多様な表現方法

灯台の光達距離には、一般的に3種類または4種類の表記法が存在します。それぞれの表現方法は異なりますが、共通して灯台の視認可能範囲を示す重要な指標です。光達距離とは、灯台の光がどれだけ遠くまで届くかを示すもので、海上での航行の安全性を確保するために非常に重要です。

灯台の発光間隔と識別方法

灯台はそれぞれ特定の発光間隔が設定されており、この光の明滅のリズムからどの灯台かを識別することができます。例えば、ある灯台が毎秒3秒ごとに光る場合、そのリズムを頼りに船舶の航行者はその灯台の位置を特定できます。これは特に、夜間や悪天候時において非常に有用です。

フレネルレンズの活用による軽量化

灯台のレンズは、光を遠くまで効率よく届けるために、フレネルレンズの原理が活用されています。フレネルレンズは、従来のレンズよりも軽量で、より少ない材料で高効率な光集束を可能にします。この原理により、灯台の構造が軽量かつ堅牢になり、維持管理が容易になります。

大型灯台と小型灯台のレンズ技術

大型の灯台には、特に閃光レンズが使用されています。これにより、レンズ自身が回転し、閃光が360度方向に向かって放射されます。一方、小型の灯台では、固定された不動レンズが採用されることが多いです。この場合、内部の灯器が回転したり、シャッターが回転することで、まるで光が回転しているかのような効果を得ることができます。

明弧と暗弧の概念

灯台が光を発する方向は「明弧」と呼ばれます。光が発せられる水平角度を示し、南を0度として時計回りに測定されます。一部の大きな灯台では、光が陸上部に漏れないように特別な遮蔽装置が設置されています。これにより、陸地に住む人々への光害を防ぎます。この遮蔽部分は「暗弧」と呼ばれ、灯台の光が無駄に陸上に向かうことを防ぎ、光エネルギーを効率的に利用するための工夫です。

灯台の多機能性とその重要性

灯台は単に光を発するだけの設備ではなく、航行者にとって重要な情報を提供する役割も担っています。例えば、灯台に設けられたラジオビーコンや、自動識別装置(AIS)などの付加機能により、さらに正確でリアルタイムな航行情報が提供されます。これにより、船舶が安全に目的地に到達するための大いなる助けとなっています。

日本の灯台の役割と背景

日本は四方を海に囲まれた島国であるため、海上交通の発展と安全が重要な課題となっています。その中で、灯台は船舶の航行を支える不可欠な設備として現れました。現在、日本全国に約3000基以上の灯台が設置されており、それらは海上保安庁交通部(旧灯台部)の管轄下にあります。各地域の海上保安部が個々の灯台の設置、維持、管理を担当しています。また、公益社団法人燈光会が灯台に関する知識の普及や啓発活動を担い、その重要性を広めています。

灯台の具体的な機能としては、夜間や悪天候時に船舶に位置情報を提供するだけでなく、海図で確認するための基準点としても用いられます。灯台の役割は単なる案内灯にとどまらず、海上の安全保障における重要な存在となっているのです。

日本の灯台は、その長い歴史と技術的な進化を経て、我々の日常生活においても重要な役割を果たしています。海上保安庁や燈光会の努力により、その重要性は今後も変わらず、さらに新たな価値を見出し続けることでしょう。観光資源としても、灯台は日本全国の美しい海岸線のシンボルとして、多くの人々に愛され続けています。

灯台の名称とその由来

日本の灯台は、設置されている地名や岬、堤防の名前を冠することが多いです。特に堤防の先端に建てられた灯台については、その堤防の名称を後に「堤防灯台」や「堤防燈台」といった命名がされます。ただし、重要な港湾灯台に関しては、付近に堤防が存在しない場合も多く、その場合は「堤防」という言葉を冠しません。

また、岬に設置される灯台は「埼」という文字が使われることが一般的です。この用語の背景には、日本語における地理的表現の違いがあります。例えば、「崎」という字は、山が険しく突出した様子を表すのに対し、「埼」は陸地が水域に突出した部分を指します。このため、明治時代から海軍水路部が製作する海図では「埼」が用いられています。一方で、国土地理院の前身である陸軍陸地測量部が使用していた「崎」の字は、現在の地図でもそのまま使用されています。

歴史と進化

日本の灯台の歴史は明治時代に遡ります。当時の技術革新や国際的な航行の需要に応じて、多くの灯台が建設されました。これにより、日本は世界的に見ても先進的な灯台ネットワークを構築しました。その後も技術の進化と共に灯台の機能は進化し、GPSや自動化システムの導入などが行われています。これにより、灯台の運用効率は大幅に向上し、現在の高い安全性を実現しています。

昭和初期の例として、伊豆諸島の式根島では地元の手による私設の灯明台が設けられていた。太平洋戦争中は灯火管制やカモフラージュが行われ、灯台はその本来の役割を果たすことが難しかった。

戦後になると、日本は高度経済成長期を迎え、航路標識の設置が飛躍的に増加した。2004年4月1日時点で、全国の航路標識の総数は5,600基に達し、そのうち灯台は3,348基を占めていた。

しかし、21世紀に入ると技術の進歩により航行の安全性が向上し、レーダーや全地球測位システム(GPS)の導入が普及した。この技術的進化により、一部の灯台はその役割を終え、次々と廃止されていった。2020年度末には、日本国内の灯台数は3,125基まで減少している。これまで日本の海運と航行の安全を支えてきた灯台は、時代の流れとともにその形を変えていくこととなった。

灯台の歴史を振り返ると、その背後には当時の技術的課題や社会の変遷が反映されている。また、現代においても新しい技術が光る一方で、灯台の持つ歴史的価値や伝統的な役割が再評価され、新たな形での保存活動も進みつつある。

観光資源としての灯台

さらに、灯台は観光資源としても注目されるようになりました。一部の灯台は一般公開されており、訪れる観光客にとっては海の美しい景色と歴史を楽しむ場となっています。特に有名な灯台は、その独特の風景と歴史的背景から、写真撮影スポットやデートスポットとして人気があります。