選定前に確認!ホイールローダーの構造と作業特性を詳しく紹介!

lars portjanow 3Gl36Up 3Ew unsplash scaled - 選定前に確認!ホイールローダーの構造と作業特性を詳しく紹介! 土木機械 CADデータ

ホイールローダーは、土砂の積み込みや運搬、除雪や資材の移動など幅広い作業に対応できる建設機械です。タイヤショベルとも呼ばれ、名称の違いでCADデータの取り扱い方が変わる場合もあります。車体の屈折構造やバケット動作を理解することで、作業効率や安全性の向上につながります。用途に応じた機体選定が重要で、最適な活用方法を知ることで作業がスムーズになります。
このページでは、ホイールローダーの構造と作業特性について解説しています。

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ホイールローダー・タイヤショベルのCADデータ、川崎重工・日立建機の図面
ホイールローダ・タイヤショベルの2Dcadデータ、cad図掲載サイトの紹介です。 ホイールローダーは、土砂の積み込みなどに使われる建設機械です。鉱石や土砂の荷受け作業、農産物のバラ積み、塵芥廃棄物の整理・ホッパー投入作業、フォークを取り付け...

ホイールローダーの特徴

ホイールローダーは、トラクターショベルの分類の内、車輪で走行でき、主に、工事現場で発生する、土砂や砕石等をダンプカーに積み込む建設機械です。

類似機械に、ショベルローダーがあり、バケットは同一形状です。
しかし、ショベルローダーは前輪二輪駆動で、路面を掘り下げる能力はありません。また、ショベルローダーは不整地や軟弱路面、急傾斜地を走行することは困難です。

それに対し、ホイールローダーは四輪駆動であり、路面を掘り下げる能力、不整地や軟弱路面、急傾斜地を走行することも可能です。

主に、工事現場内で、短距離運搬する作業で多く用いられている機械で、油圧ショベルによって、一度に多量の土砂を積み込むことができます。

ホイールローダーは、自動車と同様にゴムタイヤで走行するため、クローラーを装軌したブルドーザーやトラクターショベルと比べて、掘進力は弱いですが、比較的軟質な地質ならば前進掘削する作業も可能です。

一般的には、ショベルローダーは荷役機械、ホイールローダーは建設機械に分類されます。

土砂を運ぶホイールローダーの作業別区分と役割

土や砂をすくって運ぶ建機である「ホイールローダー」は、大きなバケットで土砂などをすくい揚げて運ぶ作業が大きな役割です。タイヤは大型でバケットも大型なので、迫力のある建機の一つだとも言えるでしょう。
ホイールローダーは大きく分けると、建設作業用に設計されたものと農業用のトラクターやフォークリフト用に設計されたものに区分できます。建設用で使用されるホイールローダーは、先の特徴でも記したとおり大型のタイヤが象徴的です。あわせて、全輪駆動のものが一般的となっています。なお、農業用などのホイールローダーは、軽作業に適している機体のため、小型のものがほとんどです。

名称の違いによるホイールローダーとタイヤショベルcadデータの扱い方

車輪となる「ホイール」と荷物を運ぶ部分の「ローダー」で、土砂などをダンプトラックなどに運びます。駆動部はタイヤとなっているので、別名「タイヤショベル」とも呼ばれています。そのため、一部ではタイヤショベルという名称で商品を展開していたり、タイヤショベルというファイル名称でcadデータを提供していたりします。
もちろん、無料やフリーでダウンロードしたcadデータが、「タイヤショベル」という名称のcadであっても、取り扱う建機が一致していれば、取り扱うcadの図面として特段問題はありません。しかしながら、より正しいcad図を使用したいのであれば、タイヤショベルという名前の建機であればタイヤショベルのcadをダウンロードし、ホイールローダーという名前の建機であればホイールローダーのcadをダウンロードして取り扱うようにしていれば、cadデータの間違い少なく、cad図もより正確なものとなるはずです。

ホイールローダーの機体の特徴と能力

ホイールローダーの肝となる部分は、なんといっても「バケット」の部分になるでしょう。バケットは、土砂などをすくって所定の場所まで運ぶ、車体前方部に備わっているシャベル部分です。ホイールローダーの作業は、基本的に土砂の掘削や積み込み、運搬をダンプトラックと組み合わせて行います。一般的には、類似している建機である「ブルドーザー」よりも運搬する能力があると言われており、約200メートルほどの距離を運搬できます。
走行速度の面を見ると、ホイールローダーは、機体の大きさによって異なる特徴があります。時速30km/h程度で一般道を低速ながら走れるようなホイールローダーから、時速40km/hに近い速度で走行できるホイールローダーもあります。
エンジンはバケットの容量に対応していて、バケット1平方メートルあたり70馬力程度となるのが一般的です。そのため、バケット容量として最も多いとされる2平方メートル級の場合、130から150馬力程度のエンジンが備わっています。
タイヤ部分はゴムとなっているため、地面や舗装になめらかに接するのも特徴です。運転方法に関しては、乗用車と同様にハンドル式が採用されています。また、運転席は前方にある場合と後方にある場合がありますが、前方に配置されている方が作業状況が見やすく、作業効率も良いとされています。
動力の伝達方式は、「トルクコンバーター」と「機械式トランスミッション」をマッチングさせた「パワーシフト式」が一般的です。パワーシフト式における速度変更は自動で行われます。一方で、無断変速が可能な「ハイドロスタティック式」も増えてきているようです。

ホイールローダーの車体は境目で折り曲げることが可能

車体は2つの部分に分かれていて、境目で折り曲げることが可能となっています。こういった構造のため、旋回する時に小回りが効くという特徴があり、停車している状態でも曲がったままでいることができるのです。
積み込みを行う際には機体前方に重心が偏ってしまうため、後方部にエンジンが採用されているのが一般的です。一方で、バケットに荷物がない場合はバランスが大きく失われてしまいます。そのため、車体のバランスを保つように冷却装置となるラジエターも車体後方部に備えられています。加えて、車体の最後部にはバランスを保つためのウエイトを備えており、このウエイトはバンパーの役目も担っています。
屈折角度やエンジン、運転席の配置などは、メーカーのcadデータやcad図のほかに、カタログなどをフリーダウンロードして確認することが可能です。特に、無料cadを扱うフリーサイトなどのcad図の場合、ダウンロードしたcadデータ図面の屈折角度が適切ではない場合もあります。そのため、無料cadデータなどをフリーサイトからダウンロードした際には、正規メーカーサイトなどの図面やcad図を確認して、正確な図面であるか確認するようにしましょう。

ホイールローダーのバケットの動作方式

バケットの動作方式には主に「フロントエンド式」、「サイドダンプ式」、「オーバーヘッド式」があります。
最も多く採用されている方式がフロントエンド式です。ホイールローラーの前方にあるバケット部分を機体全体で前進させて対象物を掘削・すくい上げを行い、バケットを十分な高さまで持ち上げます。そして、バケットを持ち上げたまま移動をし、ダンプトラックなどへ積み込み物を排出する方法です。
サイドダンプ式は、フロントエンド式と同様に機体前方のバケットで対象物を捉えますが、バケットを左右どちらかに傾けることで積み込み物の排出を行います。
オーバーヘッド式は、すくい込みは機体前方のバケットで行いますが、排出を機体の後方に行います。別名、「転動式バケット」とも呼ばれているそうです。
ちなみに、サイドダンプ式およびオーバーヘッド式は、トンネルや坑道を掘削する際に排出される岩石塊や土砂である「トンネルずり」の積み込み作業などで採用される場合が多いため、トンネル仕様車においては搭載されているのが一般的です。これは、土砂を積み込みする目的地となる荷台に対するアプローチのためです。トンネルなどでは、土砂や岩石をトロッコなどの荷台を利用して外部へ運び出します。前方向に積み下ろしをするフロントエンド式では、土砂を積み上げてトロッコなどにおろすためには、建機を旋回させたりする必要性があり、建機の旋回幅に対応したスペースを確保する必要がでてきます。しかしながら、サイドダンプ式やオーバーヘッド式であれば、旋回を必要とせずにトロッコに土砂などを積み込むことができるため、省スペースで作業を効率良く行えるようになるわけです。

アタッチメントを活用して除雪や材木も運べるホイールローダー

ホイールローダーはアタッチメントを活用することで、土砂や砂を運ぶ以外の作業も可能にします。積雪を取り除く「除雪装置」や、材木を運ぶことができる「ログフォーク」など、路面や道路以外にも山や河川など、その作業場所はアタッチメントによりさらに広がります。
アタッチメントは、建機取り扱いメーカーだけではなくレンタルメーカーなども多彩に種類を取り揃えています。作業状況によるアタッチメントの問い合わせや検討は、各メーカーおよびレンタルメーカーが無料で提案してくれるはずです。他の建機を導入してコストを圧迫するよりも、アタッチメントを選択するという方法を取り入れるのも一つの方法だと言えるのです。
トンネルでの作業もそうですが、ホイールローダーは作業によりその役割や方式が変わります。そのため、どの作業現場に採用されているかを把握することが重要です。作業に合わせたアタッチメントのcad図や、積み込み方式が対応している図面を扱う必要があるからです。
しかしながら、フリーダウンロードや無料図面で手に入れることができるcad図だけでは、アタッチメントや方式をカバーすることは難しいのが現状です。こうしたさまざまな作業状況や機種に対応するためにも、無料のcad図面をダウンロードして流用し、メーカーなどが公表しているフリー素材やダウンロードカタログなどの図面を参考にして、信憑性のある安定したcadを作成していく必要があるでしょう。