【初心者必見】支保工足場の種類・CADデータの完全マニュアル

building 3331438 1280 - 【初心者必見】支保工足場の種類・CADデータの完全マニュアル 仮設工 CADデータ

支保工足場とは、建設現場で型枠や構造物を支えるために設置される仮設の支持構造です。パイプサポートやTSサポートなどの種類があり、用途や施工環境に応じて適切に選定する必要があります。安全管理の徹底が求められ、事故防止には設計図面の精度や作業計画、特別教育の実施などが重要です。CADデータを活用することで、品質と安全の課題解決にもつながります。
このページでは、支保工足場の種類や安全対策・CADデータについて解説しています。

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支保工足場・型枠・パイプサポート・TSサポートのCADデータ
このページでは、支保工足場・型枠・パイプサポート・TSサポートのCADデータが、ダウンロードできるサイトを紹介しています。 規格寸法図、2Dcadデータ、3Dcadデータが数多く揃っています。 種類は、パイプサポート式型枠支保工や、くさび結...

支保工とは

支保工は、コンクリート製の建物や、木造建築の基礎を作る際、コンクリートを流し入れる型枠をガッチリ支えるものです。足場としても使うことができるものもあり、建設現場のまさに要となる部材です。これが少しでもずれると、建物が崩壊する危険性も出てきます。

支保工には、パイプサポートによる組立方式とTSサポートに代表されるくさび結合方式があります。
くさび結合方式は、TSシステムサポートの他に、3SシステムやOKサポート、パワーフレームなどがあり、いろいろな現場で広く使われています。

パイプサポート

パイプサポートとは、スラブ、鉄筋コンクリート製の厚い床板や梁を支える支柱です。
ネジのような刻みがついており、そこで調節を行って設計通りに支えられるようにします。

 TSサポート

足場兼用支保工のことを、TSサポートといいます。
作業足場としての機能を持ち、そのまま強力支保工として使用できます。
組立解体が簡単で、広い作業場を確保できます。
構造形状・機能を活かし、イベント構造物や景観モニュメントにも使用されています。

くさび型の支保工で、作業足場の機能と、支保工の機能をシステムとして兼ね備えているのが利点です。
くさび型足場と同様に、組立と解体が簡単にでき、施工期間を短縮することができます。
パイプほど融通がきかず、高価という点もあるため、状況に応じて選ぶ必要があります。

支保工・パイプサポートに関わる事故と原因

支保工の事故は、型枠や土砂の崩落や破損が原因となって起こります。

残念ながらこのような支保工に関わる事故は意外と多く、支保工の設置をする際は安全度の確認や強度や重量の計算は絶対に欠かせません。

しかし、メーカーの方から支保工の安全性は保証されていたとしても、作業員がその設備についてしっかりと把握していなければ、それは事故を引き起こす原因になります。

特に、TSサポートは足場も兼ねているため、破損は作業員の転落事故にも繋がりかねません。

また、人身事故に直接的には繋がらなくても、支保工の施工ミスは、基礎の傾きなどの重大なトラブルをはらむ場合もあるのです。

足場に求められる安全対策

依然として高い労働災害の墜落・転落の割合

労働災害の中で、墜落や転落の割合は非常に高くなっています。

平成27年には、足場に関する法改正が行われました。
同年7月には施行されているのにも関わらず、平成29年度の被災者は前年を上回っています。

最も高い原因の1つとして、作業員の意識の低さが挙げられます。


そこで、この項では、足場に求められる安全対策と、cadデータの活用法を紹介しましょう。

所轄の労働基準監督署へ届けが必要

労働安全衛生法第88条や、安全衛生規則第86条と第88条の規定により、足場高10m以上、組み立てから解体まで60日以上の場合は、使用する仮設足場類の平面図や詳細図、足部材等明細書が、施工30日前までに所轄の労働基準監督署に申請しなければなりません。

使用する足場の種類や形状によって、正確な添付図面が必要となります。

足場作業者にも特別教育を行わなければならない

足場施工に関する法改正に伴い、作業主任者の他に、足場作業者にも特別教育を行わなければなりません。

そのための書類作成には、2Dcadデータや3Dcadデータが重要となります。
資料作成者は、ビケ、ビディ、枠組足場のcadデータを解りやすく丁寧に落とし込んだ、教育資料作成が求められます。

cadデータは、足場の製造販売を行う企業や、建設設備関連のcadデータ提供サイトの他にも、足場材をリース、レンタル企業のHPに提供されていますので、積極的に活用しましょう。

特に、3Dcadデータは視覚的な訴求力があります。
教育書類や申請書類だけでなく、足場のcadデータをプリントし、注意点や危険個所の表示等に積極的に活用し、墜落や転落の防止に努めましょう。

建設現場の状況に応じた足場の選定が必要

足場の種類には、ビケ足場、ビディ足場、枠組み足場、単管足場とありますが、建設現場の状況に応じた足場の選定が必要になります。

特に、公共施設の建設現場においては、共通規定の足場使用が要求されますので、規定に応じた足場cadデータが必要です。
予め、施工管理等の書類を確認し、使用する足場のcadデータを用意しておきましょう。

また、足場の正確なcadデータは、積算にも役立ちます。

建設現場では、毎日の作業状況に応じて、足場材の移動や設置変更も十分にあり得ます。
足場cadデータを活用して、足場作業主任者に、その日の足場設置場所の確認や使用材の確認を行いましょう。

今後の架設予定確認や、必要部材の拾い出しといった事にも、足場cadデータを活用することによって、確かな見積りや経費削減にも役立ちます。

足場cadデータは、建設施工管理、安全管理にとって、必要性の高いデータになります。
間違いのないように、使用する部材の正確な図面作成を心がけましょう。

安全計画書と設計変更

施工不良を起こさない計画書作成

支保工は、建物の基礎部分を作る際に必要になるため、設計・施工それぞれの段階で、少しのミスであっても、後々建物の崩壊にもつながる可能性が高いです。

安全な建物を建てるためには、CADデータを用いた綿密な計画書作成が欠かせません。
計画書作成の際には、どの支保工を使うのが適切なのか、予算や納期との関連も検討した上で作成する必要があります。

また、作成の前段階では、構造・強度計算、ピッチ(サポートの間隔)、熱や振動などによって変化する荷重条件の検討、地面の状態によって捨てコンクリート打設の必要性を検討など、確認すべき事項が多数存在します。

時間がない中で計画書を作成しなければならないケースが多いですが、重大な事故を起こさないことがなにより重要です。

また、計画が変更されることもあります。
変更後の計算・確認不足により、事故につながる可能性もあるので、正しい図面を確認しながら現場を運営できるよう、何度も誤りがないか確認を行いましょう。

現場全体が俯瞰できる図面作成

3DCADを用いた現場全体が俯瞰できる図面を作成しておくことで、安全な運搬のための車両動線確保、作業員の動線、危険度の高い場所・箇所の共有などができます。

作業員自身が、自分の動線を把握して動くだけでも、危険度を大きく下げることが可能になるはずです。

支保工の組立方法や注意点

支保工の組立方法や注意点は、労働安全衛生法「第2編第3章型枠支保工」で規定されています。

支保工に関する事故

型枠支保工では、型枠を設置しコンクリート打設後に、型枠と支保工が破損・脱落し、多くの作業員が怪我を負うという痛ましい事故が起きています。
支保工トラブルの多くは、型枠の破損・崩壊に起因する事故です。
報告によると、支保工事故は、大きく品質面と安全管理面に要因があることが明らかです。

支保工の品質面の問題をあげる

パイプサポートの設置間隔を誤り、荷重を支えるバランスが乱れている型枠へコンクリートを打設したことで、基礎が傾くトラブルが多く発生しています。
TSサポートなどの支保工材料データの誤認による設計の不備が、原因としてあげられます。
さらに、パイプサポートなど支保工の強度計算不足も原因となります。

支保工の安全面からの問題

安全面では、支保工全体が崩れて人身事故が発生するなどの問題が起きています。
原因については、次のようなことがあげられます。
TSサポート設置の一部に図面と異なる施工が行われた。
施工図面に誤りがあることに施工者が気づかないまま施工した。
施工要領の徹底不足による作業手順のミスにより、支保工の配置がずれた。

支保工のCADデータで品質・安全課題を解決

パイプサポート方式は、JIS A 8651で規定される腰管・差込管などからなる鋼管を建地として配置し、水平方向と斜め方向をつないで支保工を設置します。

一方、くさび結合方式は、建地としての支柱や水平つなぎ、ジャッキなどの規格品として製作されている部材を組み合わせ、くさびで固定する方式です。
くさび結合方式の代表的なものがTSサポートで、支保工の役割だけでなく、足場の機能も有していることが特徴です。

型枠支保工は、型枠側面にかかるコンクリートの重量と、パイプサポートにかかる垂直・水平の荷重を支えなければなりません。
曲げモーメントやせん断、座屈などに耐えうる強度を維持することが重要です。

支保工の品質不良からの課題の解決

支保工の施工では、図面の確認不足や、新技術の型枠導入時に管理責任者が十分な確認・検討していない、などの問題があります。
型枠支保工は、設置時だけでなく変更時にも強度計算を行う必要があります。
変更時に強度計算を怠ったため、支保工の強度不足による事故が報告されています。
パイプサポートの強度計算では、パイプの仕様確認とともに、最新データで作成された図面かを確認することが大切です。

図面管理を効率的に行うためには、使用するパイプサポートやTSサポートのCADデータを用い、CADで支保工の図面作成をしましょう。
型枠支保工の強度計算ソフトは、フリーのソフトやエクセルの計算ソフトがあります。
有料となりますが、市販の型枠支保工CADソフトは、図面の作成だけでなく、設計計算や支保工の配置換え・材料変更時のシミュレーションを行えます。

支保工の安全面に対する課題の解決

支保工の安全施工に必要なことは、図面を確認して施工させることです。
工事計画書で工事の全貌を把握、施工要領書で作業手順の詳細を理解させることが大切です。
施工前に安全ミーティングを行い、支保工のどこが危険か、各人が考える仕組みを作りましょう。

例えば、パイプサポートの間隔にズレを見つけた時は図面で確認し、疑問があれば設計者に問い合わせることで、事故を防ぐことができます。
支保工を設置しながらコンクリート打設を行う場合、工事全体を把握することで、危険度が高いポイントへ安全監視人を配置することができます。

工事現場全体を俯瞰するには、3DCADデータを利用した俯瞰図作成が有効です。
3D表示に支保工作業員やコンクリートミキサー車のCADデータを加えることで、人や車両の配置と動作が具体的に分かるので、危険箇所の発見が可能です。

また、作業前の安全ミーティングで3Dの作業全体図を用いれば、支保工設置の作業要領に問題がないか、危険ポイントはどこか、などの確認ができます。

支保工・TSサポートのCAD技術を習得する利点

曖昧な支保工の設計は、事故の可能性を高めます。

そのためにも、支保工のCADデータを使用し、計画書に確かな設計図を明示すること、強度の計算をしっかりと行うことが必要になります。

また、CAD技術を習得して、支保工を3DCADで示すことができれば、より分かりやすく施工された状態を説明することができるでしょう。

自分自身がCAD技術者であれば、作業上の支保工の施工不備を指摘することもできます。

支保工のCAD技術を習得することによる就職のチャンス

支保工のCAD技術を習得すれば、建設会社への就職・転職の幅も広がりやすくなるでしょう。

労災が多発する建設現場では、安全な作業に関する知識の高い人は優遇されます。
建設現場では管理者を任せられやすくなるでしょう。
また、TSサポートなどの支保工を提供するメーカーへの就職も可能です。

就職の可能性を広げるためにも、パイプサポート、TSサポートなどのCADデータが掲載されているサイトを参照し、CAD技術を習得していきましょう。

支保工をCADで描くための3つのステップ

支保工(TSサポート)は、建物が崩れないためのサポートです。
例えば、洪水から人を守る堤防のような役割があるのではないでしょうか。

トンネルを採掘工事でも使われており、作業員を土砂崩れから守るのです。
さらに、支保工には「スタッフの削減」や「工数の削減」といったコストカットや工事現場を通路を広げるメリットがあります。

また、ライブのステージや銅像などのモニュメントに利用されているため、とび職でなくてもなじみのある部材ではないでしょうか。

 

支保工の図面を実務で作成するステップ

支保工の図面を実務で作るには、支保工の組立の経験を積んで「cadオペレーター」や「施工管理」への転職がおすすめです。

未経験の求人もありますが、専門職でも月20万円前後の収入になります。

ここでは、キャリアアップをしながら、支保工の図面をcadで書くためのステップを解説します。

支保工の組立を経験する

支保工(TSサポート)の図面を実務で書くには、支保工を作る経験をしてください。
cadデータだけならフリーサイトでダウンロードができますが、図面のプロフェッショナルを目指す人は「構造の計算」もしなければいけません。

組み立てるときの図面(組立図)でも、柱やつなぎといった建材の長さ・配置などを書かなければいけないのです。(労働安全衛生規則・第240条の2)

実務での経験があれば、詳細な設計書をcadで作成できるのではないでしょうか。

支保工の主任者を目指す

支保工(TSサポート)の組み立てや解体の経験を3年以上(建築系の高校/高専卒は、2年以上の実務経験)した人は、技術技能講習センターの「支保工の主任者セミナー(2日間/約13時間の講習)」を受けてください。

受講料とテキスト代を合わせても、高額ではないため、条件に当てはまる人は参加してみてはいかがでしょうか。
事故が起きない図面の作成や、とび職のマネージメントができるため、あなたのキャリアアップにもつながります。

支保工(サポート)の設計ができる会社へ転職する

支保工・サポートの組み立てや管理者を経験したら、設計できる会社に転職をしてください。
大手建設会社のように、施工と設計が分かれていれば、部署の移動ができるかもしれません。

中小企業や下請けであれば、cadで図面を作成する部署がないケースもあります。
そのため、支保工の図面が書けるcadオペレーターなどの求人を探してみましょう。

indeedによると、未経験は年収200~300万円と低い給料ですが、実務経験のあれば年収700~1000万円台も夢ではありません。

求人によりますが「溶接管理技術者」や「土木施工管理技士」といった資格がないと、転職が有利にならない場合もあります。

実務経験と資格があれば、支保工の設計に携われるチャンスも増えるでしょう。

支保工にCADデータを使用するメリット

支保工の品質を維持するためには

支保工のパイプサポートは、JIS規格で仕様が、労働安全衛生法で詳細な設置要領が決められています。
型枠支保工は、法律上、所轄官庁である労基署から承認を得なければ工事を開始できないため、正確な図面と強度計算が必要です。

支保工を安全に施工するためには

労働災害を公開しているサイトでは、支保工の事故がたびたび報告されています。
どの事故も、支保工の型枠破損やパイプ崩壊が直接原因ですが、設計不良や施工不良が間接的な要因と指摘されています。
コンクリートを支える型枠支保工は、間隔が少しずれただけで強度が落ち、コンクリートの傾きにつながるため、正確なデータが必要です。

支保工にCADデータを使用するメリットは

支保工の図面作成を含めたデータ管理は、CADデータを使用することで効率化が期待できます。
さらに、型枠支保工の3D表示は、発注者や官庁への説明に有効です。
CAD(3D含む)データを利用した施工計画や施工要領は、変更管理を含む指揮者の管理ツールとして、また、作業員への危険ポイントの共有ツールとして活用できます。
CADデータ使用は、図面作成の時間短縮など、効率化に寄与します。