コンクリートミキサー車は、建設現場で生コンクリートを安定した品質で供給するために欠かせない車両です。ドラムの回転で生コンを撹拌しながら運搬するしくみや、ホッパ・シュートなど各部の役割も重要です。ミキサー車の種類や構造、用途に応じた活用法、CADデータの探し方まで、多角的に理解することで現場の効率化にもつながります。
このページでは、コンクリートミキサー車・アジテータ車・生コン車について解説しています。

コンクリートミキサー車(生コン車)とは
コンクリートミキサー車とは、コンクリート工場で作られた生コンを工事現場に運ぶための運搬用の車です。
専門的な呼び名としては、「アジテータトラック」とも呼ばれますが、一般的には「コンクリートミキサー車」、あるいは「生コン車」と呼ばれています。
ドラムにコンクリートを入れて、混ぜながら運搬するため、一般の自動車ではなく、特種用途自動車に該当する車です。
大きさは小型から大型まで様々な種類があり、2tミキサー車(2t生コン車)・4tミキサー車(4t生コン車)・10tミキサー車(10t生コン車)などがあります。
生コン車の製造
生コン車の製造については、自動車メーカー(シャシメーカー)と架装メーカーが分業して製造します。
シャシメーカーは、エンジン・タイヤなど自動車部分を製造し、架装メーカーは、ドラム・ホッパなどミキサーの部分を製造しています。
コンクリートミキサー車の色々な呼び名
コンクリートミキサー車は、「生コン車」や「ミキサー車」などのほかに、「アジテータ車」とも呼ばれることがあります。
しかし、厳密に言うと、「コンクリートミキサー車」と「ミキサー車」、そして「アジテータ車」と「生コン車」とでは少し意味合いが違います。
コンクリートミキサー車とミキサー車は、回転式のドラムにセメントや水といった材料を入れて混ぜ(ミキサー)ながら運ぶ車です。
一方の、アジテータ車と生コン車は、工場などで練り込まれた生コンを撹拌(アジテータ)して運搬する車です。
現在では、品質管理の観点から、生コンクリートを混ぜながら運ぶということはあまりされておらず、工場などで練り上げられた生コンクリートを出荷することが多いです。その事から、コンクリートミキサー車、生コン車、ミキサー車、アジテータ車と呼ばれているものは、正確には生コン車やアジテータ車だと言えるのです。しかし、実際にはミキサー車やコンクリートミキサー車と呼ばれる事も多いようです。
コンクリートミキサー車の車両価格
「コンクリートミキサー車」・「ミキサー車」・「アジテータ車」など生コン車の価格は、いろいろな条件やメーカーとの関係性で変わってきます。大体で表すと、小型のものが500万円程度、大型に分類される10tミキサー車(10t生コン車)などのもので1,500万円程度です。
価格的に購入困難な場合や、利用頻度が少ない場合は「コンクリートミキサー車」・「ミキサー車」・「アジテータ車」など生コン車をレンタル業者から借りて使用する場合もあります。
ただ、生コンクリートの運搬は、「コンクリートミキサー車」・「ミキサー車」・「アジテータ車」などの生コン車を保有している、生コンクリート取り扱いを生業としている業者が現場まで運搬、搬入、流し込みなどを行うのが一般的です。
コンクリートミキサー車の構造
コンクリートミキサー車の構造は主にドラム、ホッパ、シュート、水タンクに分かれていて、その他にも多数の構造部があります。
ドラム
生コンを収容するための格納庫です。円筒状になっていて常に回転しています。回転することによって、水やセメントなどの分離を防止しつつ、生コンを均等な質感に保っています。
らせん状のプレートが内部には備えられていて、生コンクリートを収容するときは正面から見て右回りに、生コンクリートを排出するときは反対回りに回転します。ドラムの内積載可能容量は、0.9立方メートルから5.5立方メートルとなっています。
基本的にはドラム前方部分が駆動輪になっていて、後方部分は2軸4輪です。
ホッパ
生コンクリートを投入する場所です。車両後方の上部に位置しています。投入口にカバーがかけられているものが多く、雨などの水分や異物が入り込むのを防いでいます。
シュート
生コンクリートを使用する場所に流し込むための「とい」です。左右に回転式で動作するだけではなく、上下にも動くことができます。そのため、高い部分に生コンクリートを流し込むときにはシュートを上げることができます。
ただし、大型の生コン車の場合などはシュートにも重量がある場合が多く、作業者の負担が大きくなります。そのため、大型車では電動式や油圧式のモーターがシュートに備わっており、装置でシュートを昇降させることができるようになっています。
水タンク
ドラムやホッパ、シュートといった部分を洗うための水を蓄えて置く場所です。小型車が約100リットル、大型車では約200リットルの貯留量が一般的です。
水タンクが備わる程に、生コンクリートは固まりやすくまた、コンクリートミキサー車はコンクリが固まることが致命的だというのを表している部分といえます。
水ポンプ
水タンクから加圧された水を、ホッパや洗浄ホースなどに送り込むためのポンプです。電動モーターが一体となっているポンプが一般的です。
ドラムレバー
生コンクリートが収納されている、ドラム部分の回転速度や回転方向を調整するレバーです。最近ではレバーではなくリモコンを備えている生コン車なども登場しています。
その他
パワーテイクオフ装置や油圧装置群、汚水受け装置、フレーム、無線機などが備えれれています。
コンクリートミキサー車を取り扱う主なメーカー
コンクリートミキサー車は、自動車のメーカーがエンジンやタイヤ、ホイールといった車両部分の枠組みを製造し、ミキサーやドラム、ホッパなどを取り扱う業者が取り付けます。日本においてシェアを持っている業者は、「KYB(カヤバロケット)」、「極東開発工業」、「新明和工業」などです。
ただし、極東開発工業は2006年から自社生産を撤退しています。撤退した極東開発工業はKYBの製品を製造する方針に切り替えています。
そのため極東開発工業が過去に製造したミキサー車などの情報は、公式サイトで取り扱っていません。cadで図面を作成する時には、極東開発工業の公式サイトからcadデータをダウンロードできないため、無料のcadデータなどを取り扱うサイトからフリー素材を無料ダウンロードするしかありません。
また、フリー素材や無料cadデータを取り扱っているサイトであっても、極東開発工業のミキサー車のcadデータを取り扱っていない場合があります。そういった状況の場合は、ダウンロードに頼るのではなく、極東開発工業のサービスセンターや過去の取り扱い図を探し、寸法・サイズ・積載量・規格などを調べ、自作のcadデータを作成してcad図面を完成させるようにしましょう。
コンクリートミキサー車の事故対策
ほかの産業や業種でも当然のことながら、建設業では特に言われるスローガンに「安全第一」という考え方があります。建設業は労働災害が重大な事故に直結しやすいという特性をもっています。何よりも安全に勝るものはありません。そして、生コン車における事故も決して少なくはない状況です。
生コン車における事故を見てみると、清掃中にミキサー内部に落下しミキサーに巻き込まれたり、ミキサー内部に忘れ物をして取り入ったところをミキサーが回転してしまったといった事例があります。さらには、生コン車が規定している最大積載量を超える積載量を運んだために、横転事故を起こした事例もあります。
最初の事例であれば、ミキサー内部のブレードを格納してミキサーを清掃することが大切です。もう一つの事故は、ミキサー内部に人がいることを知らせなかったために起きた事故です。必ず作業中だという注意書きを示す必要があるでしょう。
やむを得ないものもありますが、事故というのは起こしたくて起こしてはいないものの、どこかで不注意が発生している場合がほとんどです。事故を起こすと、生産性の低下につながるばかりでなく、本人、会社そして家族や友人まで不幸にしてしまう場合があります。
作業場の事故などは、現場の設計図や軌跡図を作成することで、事前に対処することが可能です。cadを使用して図面を作成したりして、作業場のヒヤリハットを見つけ出し、安全を維持できる作業場を作り上げるようにしましょう。
生コン業界の課題と生コン車の役割
トラック業界などにも言えるのですが、最近の担い手不足は、生コン車を運転する作業員にまで影響を及ぼしています。状況は深刻で、生コンクリートの出荷量にも影響が出ている状態です。
特に生コンは、公共工事縮減の煽りを受け、ピーク時から比べると出荷量が半分以下と厳しい状況が続いています。こうした現状に置かれている原因に、労働者不足に伴う出荷量の低下は喫緊の課題の一つだと言われています。
全国生コンクリート工業組合連合会および全国生コンクリート協同組合連合会では、こうした状況を踏まえイメージキャラクターを作成したり、「生コンという仕事」と題した動画を作成したりしています。こうした動きは、生コン業界だけではなく、建設業界全体で大きなうねりとなています。今までと違う建設業が今後、姿を見せてくれることでしょう。そのためにも、より信頼性のある、そして安全性の高い構造物を作り上げていかなければなりません。
日々開発や改良が進むコンクリートミキサー車
生コン車も日々開発や改良が行われています。そのため、過去にダウンロードして使用したcadデータが古い規格だったりする場合があるので注意が必要です。例えば、最近では生コン車後部に取り付けられていた、タンクなどを清掃するために備えられている階段が排除されている車体もあります。階段部分を外部の設備にすることで、より登りやすく安全に作業ができるようになっているのです。
手持ちのcadデータが常に最新か気を使い、正確で信頼性の高いcadを常に心がけましょう。
また、生コンクリート自体も日々開発が進んでいます。今ある生コン車では対応できない画期的な製品が今後生まれてくるとも限りません。特に昨今のICTやAI、IoTなどといった流れは、建設業界を否応なしに変革への道へと促進しています。
機材や建材だけに目を向けず、建設業界全体を見渡して、新しい技術を取り入れながらcadでのプレゼンや新たな発見に取り入れていくようにしましょう。
コンクリートミキサー車の仕組み
大きな丸みを帯びたコンテナは外から見ることができないので、どんな構造になっているのか気になっている人もいると思います。
コンクリートを入れるときは、プラントの下に車を入れる作業が必要になります。できあがった生コンを積んでいきますが、さまざまな種類がありますし、材料も異なります。それぞれにあったもので作っているため、積むミキサー車を間違えると大変なことになります。生コンを積んでいる間に運転手さんは、水タンクにあとで掃除を行うようの水を入れて準備をします。
ミキサー車が運んでいるコンクリートは、砂・水・砂利の混ぜる配分が細かく指定されています。そのため配分が違うと固まらなくなってしまうなどの不具合が起きてしまうこともあります。
また、コンクリートを工事現場にまで運んでいる間、常に均等な状態を維持しなくてはいけません。そのため常に回転し続けていること、練り合わせたあとは90分以内に使わなくてはいけないなどの期間の制限もあります。
偏らないように最新の注意を払っていることもあり、この機能はコンクリートミキサー車でないと実現できません。ミキサー車のエンジンの力を使って筒状の部品を回します。なかに含まれているのは螺旋状の装置になり、回転を反対にしたときにコンクリートが排出する仕組みです。
安全第一を意識しながら所定の場所まで移動させていきます。一言に運ぶといってもこれだけの作業が必要だからこそ、事前の準備が欠かせません。
ミキサー車などのcadデータは効率的かつ提案力のある図形を作るのに欠かせません。dwgやjwwなどの知識や技術も必要ですが、フリーデータを使えば時間と手間をかけずにcadが無料でダウンロードができるので安心です。
2tミキサー車(2t生コン車)・4tミキサー車(4t生コン車)・10tミキサー車(10t生コン車)などの積載量の違いはもちろん、大型、小型、軌跡図なども揃っています。
生コンクリートを入れる丸い入れ物部分をドラムといいます。生コン車のこのドラムを回しているのは「油圧モーター」になります。ドラム自体は生コン車の一番印象的な部分ではないでしょうか。
生コン車の中核的な存在になりさまざまな機能を搭載しています。ミキサー車のドラムのなかには、「ミキシングフレーム」と呼ばれる羽を搭載しています。
ドラムの後ろ側には生コンクリートを出し入れするための「ホッパー」と呼ばれる機能が備わっています。ホッパーの下部はドラム部分から出た生コンクリートを流すために必要な「スクープ」と「シュート」がありすべり台のような構造をしています。コンクリートを入れる際に回転しながら状態のいいものを作っています。生コン車の上部にコンクリートを入れる挿入箇所があり、扉自体は自動で開けしめできる仕組みになります。
コンクリートミキサー車の役割
生コンクリートは出荷から輸送、現場の打設工程まで固まることがなく取り扱わなければいけません。しかしながら、生コンクリートは時間とともに状態が変化していく材料です。そのため、生コンクリートを取り扱う時には、その品質管理が非常に大切な意味合いを持っています。
この生コンクリートを硬化させずに出荷から打設まで輸送するのが、生コン車の大きな役割とするところです。生コン車は「コンクリートミキサー車」、「ミキサー車」、「アジテータ車」と呼ばれることもあります。
コンクリートミキサー車は、その名の通りコンクリートをミキサーして運ぶ車です。ミキサー車がコンクリートに特化したものと考えれば分かりやすいはずです。
ミキサー車は、ミキサーをする車両のことで、出来上がった生コンなどをミキサーして運ぶ車です。ミキサーする意味合いは、生コンが固まらないようにするためです。コンクリートミキサー車もミキサー車ですから、同じ工程で輸送を行っています。
アジテータ車というのは、ミキサー車と似てはいますが考え方が違います。アジテータ車は、生コンクリートを作り出す材料をミキサーの中にいれ、それを混ぜて生コンクリートを作り上げるという作業を行います。ミキサー車のように出来上がったコンクリートを輸送するわけではなく、アジテータ車のミキサー内に材料を入れてそこで練り合わせたものを輸送するという見解です。
このように、詳細にはそれぞれ意味合いが違いますが、「コンクリートミキサー車」、「ミキサー車」、「アジテータ車」という名前であっても一般的には「生コン車」と考えて良いでしょう。
また、積載量ごとに2tミキサー車(2t生コン車)・4tミキサー車・(4t生コン車)・10tミキサー車(10t生コン車)などの種類があります。
コンクリートミキサー車の容量
生コン車の容量目安としては、3トン車で生コン1.20m3(水の運搬容量1.25m3)、4トン車が生コン1.60m3(同1.60m3)、5トン車が生コン2.20m3(水の運搬容量2.20m3)、7トン車が生コン3.00m3(水の運搬容量2.80m3)、8トン車が生コン3.50m3(水の運搬容量3.15m3、10トン車が生コン4.35m3(水の運搬容量4.15m3)となっています。
このように、生コン車は生コンの許容量というのは、車輌の積載量によりそれぞれ異なるため、cadデータなどでによる図面作成においても、車両の大きさとミキサーの大きさに反映する部分となります。また、車輌の最大積載量がcad図面などでは判断できない場合においても、生コンの容量などから車両積載量を予測したりも可能です。cadデータはフリーサイトならびに無料cadデータをメーカーなどが公表しています。こうしたcadデータをダウンロードし利用して、2tミキサー車(2t生コン車)・4tミキサー車・(4t生コン車)・10tミキサー車(10t生コン車)などのcad図面を手に入れるようにしましょう。
コンクリートミキサー車の動線確認
ミキサー車を搬入させるためには、まず、道路標識や積載量などの確認が必要なことはご存知かと思います。
その次に必要なのが、寸法の確認です。
ひと昔前は、実際の道路を歩いてみて、普通乗用車2台が余裕ですれ違えるのか、道が湾曲をしていないかなどをひとつひとつ確認していくことが確実な方法でした。
今でも個人宅に大きなものを搬入する場合などは、この方法でも充分かもしれません。
しかし、現代には、CADという便利なソフトが存在します。
寸法確認のときに、使用するタイプのミキサー車のdwgやjwwなどのCADデータがあれば、CAD上でシュミレーションをすることができるため、とても便利で確実な方法といえるのです。
ミキサー車のCADデータには、2tミキサー車(2t生コン車)・4tミキサー車・(4t生コン車)・10tミキサー車(10t生コン車)などさまざまな種類があります。
ミキサー車の動線確認の注意点
事前に検討をしたのに実際は通れなかったという場合、ありがちなミスがあります。
それは、道路幅をしっかりと確認し、ミキサー車の寸法も間違いなかったのに、実際走れる幅はもっと少なかったという場合です。
ようは、歩道や自転車用の幅を考えていなかったということです。
道路幅と走行可能な道路幅が同じとは限らないため、ここはしっかり確認をしましょう。
万一、工事が始まってから通れなかった場合は、2tミキサー車や軽トラなど寸法と積載量が小さい車で対応することになってしまいます。
ミキサー車の働き方
上記のような歩道がある場合や、切り返しのないL字路やカーブなど目視では判り難い道路でも、CADでシュミレーションをすることが可能です。
この動線確認が正確にできなければ、工事は期日通りには終わりません。
逆に言えば、CADでシュミレーションをしっかり行えば、期日通りに終わる可能性が高くなります。
CADを普及させていくことで、効率が良くなり、働き方も変わっていくことでしょう。
コンクリートミキサー車の生コンの品質管理
生コンの品質は時間との勝負
生コンクリートは水とセメントを反応させて作り上げられます。作り上げられてから時間の経過とともに硬化がはじまります。品質確保の観点からJIS規格では、作り上げられてから90分以内に納品することが義務付けられています。
こうしたことから生コン車での輸送時には、交通状況や環境を考慮して現場まで輸送する必要があるのです。
実は国内でのコンクリートの取り扱い方は当初、現場練りが一般的でした。また、生コンクリートを輸送するときも、コンクリートミキサー車やアジテート車といった車両ではなく、ダンプトラックに搭載して輸送していました。
それが、1950年ごろにミキサー車というものが開発され、コンクリートミキサー車として生コンクリートの輸送を担うようになりました。これにより、より品質の良い生コンクリートを搬送できるようになり、高度成長期と合わせて多くの生コンクリートが現場に搬送されるようになりました。
コンクリートの検査、材料の配合や混合
コンクリートはとても繊細なものになります。ちょっとした材料の配分の違いや混ぜ方によっても性能面が変わってしまいます。そのためコンクリートはきちんと作られているのか、都度検査を行います。
ミキサー車に積んだ生コンを少し出して検査用の容器に入れていき、ゆっくりと持ち上げながら出していきます。生コンの仕組みとして横に広がり高さが低くなります。生コンがどの位置まで下がるのかによって柔らかさを示す数字が変わってきます。
スランプを使いながら05m単位で計り確認していきます。とても繊細な作業になりますので、ある程度経験を積んだ人が行います。
ミキサー車で運ぶ生コンは固まりやすい
生コンクリートは生成されてから固まるまでの時間は約90分だと言われています。そのため、コンクリートミキサー車などで運ぶ場合も、迅速な運搬が必要となります。
多くの場合は、工事する現場から近い生コンクリート工場へ出荷を依頼します。生コン工場が各地に点在しているのはこういった理由からです。コンクリートミキサー車、生コン車、ミキサー車およびアジテータ車が、ドラムをクルクルと回しているのも凝固しないようにしているためなのです。
コンクリートミキサー車で運ぶ生コンクリ―トは、固まりやすく剥がれにくいのが特徴です。そのため、コンクリートミキサー車はコンクリートの汚れなどをキレイに清掃しないといけません。
コンクリートが入っているドラム部分は当然のこと、生コンを流し込むホースや生コンを取り扱う道具まで、キレイに清掃する必要があるのです。
また、コンクリートはその配合が重要になります。天候や気温、用途によって配合が変わるため、清掃した際の洗浄剤などが付着しても不良品となってしまいます。清掃をして器具をキレイに保つ一方で、清掃後の付着物にも注意しなければならないのです。
生コンの品質確保は施工計画の作成が重要
生コンは、打設する対象の体積を算出して、数量を導き出します。
その数量と現場状況から、小型か大型かのミキサー車の車種を決定しますが、すべての車両に対し到着時間を指定し、徹底して管理を行う必要があります。
管理に不備があると生コンの品質に影響が及ぶため、事前の施工計画がたいへん重要なカギとなるわけです。
現場状況に適したミキサー車の判定
生コン打設工事は、事前に立案される打設計画に基づいて施工が行われます。
規模の大きな工事では、ポンプ車を使用する方法や、バケットに生コンを入れてクレーン車で吊って移動させる方法などがあります。
いずれにしても、現場敷地に適切な配置が可能であること、かつ、複数のミキサー車の入れ替えが連続して行える状態でなければいけません。
小型ミキサー車などの寸法や積載量、構造を確認した上で、配置図に重機のCADデータを挿入することにより、適切な打設が可能であるかを判断することができます。
また、重機とともに、ガードマンやバリケードなどのdwgやjwwなどのCAD図面データを配置することで、安全に配慮した施工計画書の作成が容易となります。
現場状況に則って2t車や4t車など、ミキサー車の車種を決定し、必要となる台数を算出して発注を行い、生コン工場と納入打ち合わせのうえ施工準備を行うという流れです。
進入経路に適した車種の判定
現場までの経路における、所要道路幅から進入の可否を検討します。
所要道路幅とは、ミキサー車が直角に旋回するときに必要となる道路幅のことで、車両のサイズによって異なります。
道路図に、ミキサー車のCADデータを利用し、旋回軌跡を描くことによって判定することができます。
業務の効率化と生産性の向上
品質管理に大きく影響する生コンの打設工事は、事前の施工計画がたいへん重要になります。
dwgやjwwなどのCADデータを活用することで、正確でわかりやすい施工計画書が容易に作成できます。
また、仕事の効率化を図ることによって、生産性を高め、さらに余計な時間やコストを削減するなど、多くのメリットを受け取ることができます。
コンクリートミキサー車のCADデータの探し方
国内サイトだけではなく、海外サイトも含めて検索すると、自分のイメージするCADデータが見つかる可能性があります。
4tミキサー車(4t生コン車)に限らず、小型車・2t生コン車・10tミキサー車(10t生コン車)もあります。
ミキサー車だけではなく、生コン車やアジテータ車、トラックミキサ車、トラックアジテータなどの言葉でも検索してみましょう。
セキュリティの観点から、信用できるサイトからダウンロードすることをおすすめします。
自動車メーカーや架装メーカーの公式サイトに掲載されているCADデータを使うと、正確な寸法や規格、構造、積載量がわかります。
ミキサー車(生コン車)のCADデータは、2t~10tなど重量別や2D(2次元/平面)~3D(3次元/プリンターに利用)があります。例えば、2tミキサー車(2t生コン車)・4tミキサー車(4t生コン車)・10tミキサー車(10t生コン車)などです。また、ミキサー車のファイル形式は、jww(ウィンドウズのJW-CADの形式)・dxf(CADを交換するための形式)・dwg(オートCADのファイル形式)とバラバラです。
検索方法を工夫する
ミキサー車のCADデータは、メーカーのサイトで手に入りません。
例えば、ミキサー車の開発をする「石川生コン株式会社」、コンクリートを作る「内山アドバンス」には、数種類のCADデータがあります。ただし、「極東開発工業(トラック・ダンプのシェアが高い)」のようなダウンロードボタンがありません。CADデータを使うときは、業者の許可を取ってください。
2tミキサー車に限らず、10tミキサー車(10t生コン車)などをサイト上で検索する場合、自分なりのクセというものがあります。
英語表記も含めて、色々な「2tミキサー車」を想定して検索してみるようにしましょう。
ミキサー車は、生コン車・コンクリートミキサー車、アジテータ車ともよばれています。ミキサー車の代わりに生コン車・コンクリートミキサー車・アジテータ車などでも検索してみましょう。
ミキサー車は、シャーシ部を自動車メーカーが、ミキサー部であるシュートやドラム、ホッパーなどを架装メーカー業者が製造・架装(取り付け)を行っています。ミキサー部の製造・架装を担う代表的なメーカーには、KYB、新明和工業、極東開発工業があります。そのため、同じ自動車メーカーが製造したシャーシ部であっても、架装メーカーが異なれば、載積量や寸法、機能などに違いがあります。
ミキサー車のタイプを調べる
ミキサー車には、小型・中型・大型といった種類があります。
CADデータを調べるときは、ミキサー車の大きさを決めましょう。
例えば、小型(3t)のミキサー車は、長さが約5290mmですが、大型になる約7895mmです。
同じミキサー車でも、全長が2,600mmも違いますよね。
また、シュート(生コンを流れる管)もミキサー車によってサイズや構造が変わります。
やみくもにミキサー車のCADデータを探しても、欲しい図面は見つからないのです。
フリーサイトや画像検索を使おう
ミキサー車のCADデータは、無料のサイトでダウンロードしてください。
メーカーサイトでは「ミキサー車のカタログ」が多く、CADデータのないケースもあります。
そのため、「CAD-DATA.com」や「グーグルの画像検索」を使いましょう。
ただし、グーグルについては、ライセンスのないデータも含まれています。
画像検索でCADデータを探すときは、
「ライセンス」 → 「再利用・非営利目的(ビジネスで使わない場合)の許可された画像」
に設定してください。
コンクリートミキサー車のCADデータの問題点
画像が粗すぎて使えない
CADデータの主なファイル形式には、dwg・jwwなどがあります。CAD図面データの画像が粗すぎて使えないという場合は、保存する形式を変更してみましょう。
また、使用するCADデータの形式を指定して検索することで、せっかく見つけたミキサー車のCADデータの画像が粗すぎる、という思いをせずに利用できます。
解像度が高すぎて使いづらい
CADデータの解像度が高すぎることで、思った以上にデータの画像が使えない、プリントアウトするときに時間がかかりすぎてしまうといった問題が起こる可能性が出てきます。
生コン車のCADデータとしての解像度は、
・A3の用紙なら、数百ピクセル程度
・ポスターサイズの用紙なら、3,000ピクセル程度
もあれば十分です。
解像度が大きくなればなるほど、CADデータの容量も増えていくので注意が必要です。
データが重すぎて作業効率が悪い
複数のCAD図面データを使用する場合、ファイルが重くなってしまうことはよくあることです。
そのことにより作業効率が低下してしまうという問題が起こります。
このような場合は、データの形式を見直すことで解消することができます。
基本的には、PNG形式は容量が大きくなる傾向があるため、JPEGなどの形式を使用することで作業効率アップに繋がります。
統一感がなく使いづらい
CAD図面データはダウンロードしたあと、加工を施さなくてもすぐに使えることが理想です。
CADデータの中には、背景がついているものや、画像の加工が必要となる場合があります。
特に、複数サイトから必要なCADデータをダウンロードして使用する場合は、図面そのものの統一感を失ってしまう恐れが出てきてしまいます。
ミキサー車・生コン車のCAD図面データの統一感を出すためには、
・背景のついていないCADデータを使用する。
・トリミングなどの画像加工が必要となる場合は、画像劣化の少ないPNG形式を使用する。
というような配慮をすることで、統一感を出すことが可能になります。
英語で検索すると海外サイトのCADデータも見つかる
ミキサー部の製造・架装を担う代表的なメーカーには、KYB、新明和工業、極東開発工業がありますが、建機は海外メーカーと共同で販売しているケースもあります。
データ検索の際に英語を使うことでCADデータを見つけやすくなります。
例えば、ミキサー車なら「Mixer truck」という具合です。
架装メーカーが異なれば載積量・寸法・構造・規格などが異なる
ミキサー車は、シャーシ部を自動車メーカーが、ミキサー部であるシュートやドラム、ホッパーなどを架装メーカー業者が製造・架装(取り付け)を行っています。
そのため、同じ自動車メーカーが製造したシャーシ部であっても、架装メーカーが異なれば、載積量や寸法、構造、規格、軌跡図、機能などに違いがあります。
その他の問題点
- 自分のイメージする4tミキサー車のCADデータが見つからない。
- 4tミキサー車の正確な寸法や積載量、軌跡図、規格、構造が記載されていない。
- ミキサー車の動線確認やプレゼンテーション資料に利用できそうな画像がない。
- カラーデータではないので、CADデータを利用する際に加工が必要。
- ダウンロードしたデータが開けない、破損している、などのトラブルが起きる。
- 無色のデータのため、プレゼンテーション資料として使用する際に、画像の加工が必要。
- 寸法や積載量、構造、軌跡図が記載されていないため、CADデータが使えない。
- 出力時に、文字化けを起こしてしまう。
- 白黒で出力すると、文字が見えなくなる。