エクセルのバーチカル計算で、道路景観を意識しつつ縦断曲線を計画する

06 cc01 - エクセルのバーチカル計算で、道路景観を意識しつつ縦断曲線を計画する 道路設計 ソフト

道路縦断曲線の検討にはバーチカル計算が欠かせません。

道路の縦断勾配が変化するポイントでは、見通しの確保などのため、一般に勾配が徐々に変化するような曲線部を設けます。

この曲線を縦断曲線といい、一般的には放物線が用いられます。

この道路の縦断曲線を検討する際には、エクセルによるバーチカル計算が欠かせません。

バーチカル計算による道路縦断勾配の設計方法の手順はこれ。

バーチカル計算を行うため、エクセルで作成した道路の縦断計画高さを計算できるソフトが用意されています。

道路幅員や横断勾配、歩道等の横断構成も考慮できるものもあります。

バーチカル計算ができるソフトを使用して、まずは道路構造令を満たし、さらに、道路を通行する際に安全を確保するための視距を確保した縦断線形を計画する必要があります。

視距には、最大停止距離内に入る前に物体を目視するための制動停止視距、対向車を十分に目視するための追越視距、ヘッドライトで道路を照らすための視距などがあります。

また、設計された速度で曲線を通過する際に、搭乗者が過度の慣性力を感じないような快適性も確保しなければなりません。

そこで、このページでは、バーチカル計算、縦断曲線、道路縦断図のフリーソフトを紹介しています。
まずは、覗いてみて、これはと思うソフトを使ってみてはいかがでしょうか。


後半の記事では、バーチカル計算で縦断線形を決める際の考慮すべき点、エクセルベースのバーチカル計算、道路縦断曲線の計算ソフトを使うメリットついて解説しています。

下記のダウンロードサイトから、使い勝手の良い、バーチカル計算、縦断曲線、道路縦断図作成のフリーソフトを見つけてください。
目的のソフトが見つかるかもしれません。


バーチカル計算、縦断曲線のフリーソフト

縦断曲線内の任意点計算
道路の縦断を計画する時の補助をするエクセルシートです。ちょこっと使いたい時に便利です。縦断曲線の諸元を計算、縦断曲線内の任意点の勾配を計算、縦断曲線内のサグ(クレスト)点を算出、縦断変化点の位置を計算、非対称縦断曲線の計算の5シートが揃っています。

道路縦断 線形計算書
道路の縦断・横断計画高さを計算するエクセルシートです。ちょこっと使いたい時に便利です。道路幅員と横断勾配の他、歩道等の横断構成も考慮できます。車道と同じく路線方向の変化にも対応します。ブレーキ処理が可能です。

EXCEL97による「すーとん路肩表」 PKT15x
道路の路肩高さを計算します。読みたくない使用方法を解消するマクロ機能や、入力異常を確認するマクロ機能があります。緩和曲線と比例配分の拡幅量計算に対応します。10cm刻みで計算表示も可能です。


道路縦断図の作成 フリーソフト

道路縦断図 作成支援
道路縦断図の作成を支援するプログラムです。エクセル+VCコンソールアプリケーションで作成されています。入力のわずらわしさを、エクセルの操作性の良さでカバーしています。文字の高さや縦横比の詳細設定ができます。

縦断図 作成支援
エクセルに、道路縦断図を作るためのデータを入力すると、縦断図をDXFファイルで作成できます。画層名、線色、用紙サイズ、縦横縮尺、必要項目の選択など自由度の高い縦断図が作成できます。曲線、片勾配、拡幅の帯も作成します。

道路縦断計画支援ソフト FMD
道路縦断図を、Auto Cad LTで出力できます。測点、地盤高、コントロールポイントの計画高を入力するだけです。ペーロケ、横断図の作図機能もあります。測点ごとの現況図及び計画図を図上で読み込み、土坪も計算できます。総合的な路線計画支援ソフトとして活用できます。


バーチカル計算で縦断線形を決める際に、考慮すべきポイントは何か

道路の縦断勾配を検討するに当たっては、道路構造令などの基準を満たすだけでなく、安全で快適な縦断線形にしなければなりません。

縦断線形の設計に当たっては、特に以下のような組み合わせは避けなければなりません。
1)同方向に屈曲する縦断曲線の間に短い直線を入れること(ブロークンバックカーブ)は直線部が浮いて見えるので避けること
2)短区間で凹凸を繰り返す縦断線形にすると、走行が困難になるので避けること
3)サグ部(下り勾配から上り勾配に変化する場所)に必要以上に大きな縦断曲線を入れると、渋滞が発生しやすくなるので、避けること

車いすの安全な通行を考慮すると、歩道等の縦断勾配は5%(ただし、沿道の状況等によりやむを得ない場合は8%)を超えないようにすることが望まれます。

急な上り勾配がある程度続くと、荷を積んだトラック等は速度の低下が著しく、後続する自動車の円滑な走行を妨げるので、トラック専用の車線(登坂車線)を設ける場合もあります。

近年では安全や搭乗者の快適性だけでなく、道路景観や環境問題への配慮も求められています。
このように検討する項目が多くなればなるほど、縦断計画上のコントロールポイントが増えてきます。
そのような場合には、バーチカル計算ソフトを利用して、ミスなく縦断線形を設計していきましょう。

概略検討や構想検討などの段階では、道路計画用のソフトでなくても、本サイトのエクセルベースのバーチカル計算、道路縦断曲線の計算ソフトで十分対応できます。

打ち合わせの際にタブレットやノートパソコンに入れておけば、提案されたアイデアが線形的に可能かどうかも簡単に判断することもできます。

また、測量範囲の決定などにも、ざっくりとした座標の把握が大変役に立ちます。

引き続き、バーチカル計算、道路縦断曲線の計算ソフトを使って、道路景観や環境問題を考慮する際のポイントについて説明していきます。


バーチカル計算で縦断的な位置を工夫して、印象的な景観をデザインする

特徴のある道路にするため活用すべき地域資源

道路を特徴づける上で活用すべき地域資源としては以下のようなものが挙げられます。
・オリエンテーション(方向感覚)を与えるもの(地域のシンボルとなっている山岳、一定方向への傾斜地形、鎮守の森や大木、塔状構造物等)
・テリトリー感を与えるもの(谷地形、丘地形、繁華街や歴史的街並み等)
・相反する極となるもの(寺社林と繁華街、商店街と住宅地等)
・面的な空間と線的なもの(海浜や湖沼、河川、水路、鉄道等)

道路沿線に保存すべき地域資源のアイデア

こうした考え方に基づいたアイデアとして、以下のような例があります。
・街路の終点や結節点における大木のアイストップ活用
・街割りの尊重
・歴史的な道路の保存および活用
・街のシンボルとなる大通り
・水景を意識した水辺のプロムナード 等
今、設計している道路沿線に、こんな保存すべき地域資源はありませんか。

平面的な位置関係に加え、縦断的な位置関係を考慮する

さらに、市街地であれば、平面的な位置関係に加え、縦断的な位置関係を考慮することで、さらに印象的な都市景観を創出することができます。
・道路を見上げる登り坂の頂上付近にランドマークとなるような建築物等があると、その建築物がより印象的に見えることになります。
・坂道を見下ろす場所では、街並みを前景にして遠くの山や海、川の眺望を楽しむことができます。
・地域資源・街割り・公共施設・公共空間との関係性への配慮も必要になります。
・道路が通ることにより、地域分断やアクセスが困難にならないように工夫を凝らす必要があります。

道路の個性は、沿道に立地する様々な施設や街並み、自然景観等との関係性によって醸成されます。
市街地の道路の線形を考えるにあたっては、こうした地域の個性を特徴づける地域資源を十分に考慮することが重要になります。
縦断線形の特徴の一つとして、上下線を分離する、平面分離、高低分離という手法があります。

平面分離とその効果

・平面分離は、安全かつ円滑な交通を確保するために用いられることが一般的ですが、道路デザインとしても有効な方策です。
・既存の一里塚などの歴史的な資源や地域を表象する樹木を移設、移植することなく、道路景観に取り込んで効果的な景観演出ができます。
・大きな平面分離を図ると上下線が別線となりますが、地域環境の保全に大きな効果をもたらします。
・また、良好な道路景観を創出する有効な手法となります。
・歩道と車道との平面分離も、歩行者の安全性や快適性を高める手法として有効です。

高低分離とその効果

・高低分離は、地形に逆らわない感じとすることで、運転者に道路のおさまりの良さを感じさせ、圧迫感を軽減させます。
・地形改変量を最小化でき、特殊のり面や防護柵などの人工構造物を削減できます。
・中央分離帯に既存林を残したり植樹をしたりすることができます。


まとめ/使い慣れたエクセルソフトで、道路景観や環境問題を意識しながら縦断線形を計画する

ここまでで、景観デザインを意識した道路縦断線形の計画方法について説明してきました。

近年は、道路構造令に従うだけでなく、道路景観や環境問題へも配慮しながら線形をきめていく必要があります。
考慮する項目が多くなればなるほど、縦断計画上のコントロールポイントが増えてきます。

また、いくつかのコントロールポイントを取捨選択しながら、複数の線形を検討するような作業も必要になります。
そのような場合に、バーチカル計算、道路縦断曲線のソフトは大変役に立ちます。

エクセルによるバーチカル計算、道路縦断曲線ソフトを使うメリット

・概略検討や構想検討などの段階では、道路計画用のソフトでなくても、エクセルベースのバーチカル計算、道路縦断曲線の計算ソフトで十分対応できます。
・打ち合わせや現場確認の際にタブレットやノートパソコンで簡単に座標の確認ができます。
・イメージ図や完成予想図など正確な座標が必要ない作業に手軽に利用できます。
・使い慣れたエクセルの操作で作業ができ、特別なソフトを使用しないので、データの受け渡しも容易にできます。

このように、バーチカル計算、道路縦断曲線の計算ソフトにはいろいろなメリットがあります。
まずはお気に入りのソフトを見つけて、便利な道具として会議でも現場でも使ってみて下さい。
きっと、あなたの作業の役に立ってくれるはずです。



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