このページでは、土木工事の積算、単価表・代価表のフリーソフトを紹介しています。
それぞれのソフトの特徴や機能について記載しています。
後半の記事では、機械損料算定表を適用するに当たっての注意点、機械損料の計算ソフトの使い方ついて説明しています。
まずはこのページのダウンロードサイトから、土木工事の積算、単価表・代価表のフリーソフトをチェックしてみましょう。
お探しのソフトが見つかるかもしれません。
土木工事の積算における建設機械損料計算のフリーソフト
井解 SeiKai 積算システム
井解 SeiKai 積算システム
土木積算システムの本体です。本体はフリーソフトです。機械損料の割増にも対応しています。施工パッケージ型積算基準にも対応し、国土交通省公開の施工パッケージ型積算基準のExcelデータを直接読み込めます。
AtYuma (あっとゆうま)
AtYuma (あっとゆうま)
国土交通省対応の、土木設計業務委託積算ソフトです。測量業務、地質調査業務、設計業務のすべてに対応します。地質調査業務は、市場単価の動きに合わせて対応できます。設計業務には水道施設設計、下水道施設設計、事務用品費も集録しています。
RC積算システム by エクセル
RC積算システム by エクセル
エクセルによる、RC積算システムです。土工・コンクリート・型枠・鉄筋等の拾いを行います。手拾いに近い形式で、違和感なく拾い始められます。耐震改修拾い、外構拾いなどにも対応できる、汎用性の高いシステムです。
単価表・代価表のフリーソフト
機械単価表 VBA
機械単価表 VBA
機械の単価表を作成するシステムです。公共工事の積算時に使用できます。機械データは、500件以上登録済みです。追加登録や変更も可能です。機械を選択すると、適用単価表が表示されます。労務費変更により、機械単価が変更可能です。
AZEA積算ソフト
AZEA積算ソフト
予算書・見積表紙・見積明細の3シート構成の帳票へ、別のExcelブックに作成した数万件規模の単価データのセルをダブルクリックすることで簡単に単価入力ができるようにしたソフトです。予算書一枚で材料費・工賃・経費と利益が一望できる優れた帳票設計が可能です。単価入力支援機能、提出用Excelブック出力機能、新規ファイル作成機能、ページ追加機能、見積台帳作成・記録機能が備わっています。
場所打ち杭・全旋回施工単価表
場所打ち杭・全旋回施工単価表
エクセルで簡単に場所打ち杭・全旋回工法の単価表を作成することができます。現場で記入するだけで実行予算が組めます。また、見積もり作成にも使用できます。ダウンロードするとexeファイルが取得できますので、インストールして使用する事が可能です。エクセルが使用できる人であれば、誰でも活用する事ができるので、使い方に疑問を生じる事も少ないソフトだと言えるでしょう。
美つもり書 for Excel
美つもり書 for Excel
シンプルで美しいデザインが特徴の、エクセルで手軽に単価表を作る事ができるソフトです。計算式を意識する事なく自由に小計を入れられ、手書きに近い感覚で見積書(請求書)を作成する事ができるます。特徴として、明細中に簡単に小計を入れられたり、単位が式の場合、単価を表示しないようにできたりします。また、%の計算や明細単位で課税・非課税の選択も可能です。
建設機械損料とは
建設機械損料は土木工事の積算などに使われます。
建設機械損料とは、建設業者が所有する建設機械等の償却費、維持修理費、管理費等を含んだ費用のことを指します。
建設機械のライフサイクルコストを、1時間当たり、又は、1日当たりの金額で表示した経費のことです。
機械損料は、土木工事の積算や施工計画の立案、施工管理等、いろいろな場面において必要になります。
建設機械等損料算定表とは
建設機械等損料算定表は毎年更新されています。
的確な土木工事費を積算するには、建設工事の実態を正確に把握した上での合理的かつ厳正な機械経費の算定が求められます。
そのため、国土交通省では毎年「建設機械等損料算定表」を改訂しています。
全国の建設業に携わる工事業者等を対象に実態調査を行い、機種やサイズの追加、削除を行ったり、数値を変更したりしています。
平成28年度には、次のような改訂がありました。
・建設機械の品質が向上し、機械が故障しにくくなったこと等により、維持修繕費率が減少した。
・機械管理のための人件費の上昇等により、年間管理費率が上昇した。
・東日本大震災における補正率は、調査結果により運転1時間当たり損料の補正率を5%継続とした。
一般的な建設機械を使用する場合に注意すること
工事に使用するのが一般的な建設機械の場合は、機械損料表に示されている値で損料を計算することができます。
国土交通省が作成している機械損料表は毎年改定されるので、最新のデータを用いる必要があります。
一般的には、原則として4月1日から9月30日までの間は前年度の機械損料を使用し、10月1日以降は、その年度の機械損料を使用します。
市販の土木工事の積算ソフトなどを利用する場合は、引用データの作成年度にも注意しましょう。
また、機械損料算定表の適用に当たっては、次の内容に注意する必要があります。
・条件に適合した機械欄、損料欄の選択を誤らないこと、
・類似の機械名、規格、金額が羅列されているので注意です。
・時間当たりと日当たりが混載されているので注意しましょう。
適用条件は注記、備考に明示されているので、これらに十分注意して、その内容を理解したうえで適用しましょう。
特殊な建設機械を使用する場合は現場に最適な機械を選択
機械損料表にないような特殊な機械を使用する場合は、類似する機械や工法などから損料を算出する必要があります。
建設機械は、現場条件、施工量などに対応して多種類の機械が供給されいます。
その中から、現場に適応したものを選択する必要があります。
同じ機械でも仕様や規格、形状などは様々なものがあります。
現場状況や作業内容をよく検討して、最適な機械を選択しましょう。
厳しい経営環境の中小建設業やコンサルタントにとって、「土木工事の積算ソフトは 欲しいけれど、価格が導入のネックとなっている」という声をよく耳にします。
積算ソフトが無いため、参加資格があるのに入札をためらったり、指名を辞退したりしていませんか。
また、同業者に積算代行を依頼する度に、気まずい思いや相手の都合に気をもんだりしていませんか。
そんなことを全て払拭し、自分で積算して落札できれば実績も上がります。
まずは、機械損料の計算ソフトを使って、土木工事の積算をご自分の手でしてみませんか。
機械損料の積算が過大となってしまうケース
土木工事の機械損料表のデータを利用する場合、以下のような原因で機械損料の積算が過大となってしまうケースがあります。
(1)運転時間当たり損料を供用日当たり損料と誤認したもの。
(2)運転時間当たり換算損料を運転時間当たり損料と誤認したもの。
(3)運転時間当たり換算損料にさらに供用日当たり損料を計上しているもの。
(4)稼働率の計上間違い。
(5)運転時間を運転日数と取り違えて供用日数を算定したもの。
(6)運転時間の算定基礎である機械の作業能力の算出が間違っているもの。
このように、機械損料の理解不足などによる適用ミスが発生しないような工夫が求められます。
また、積雪地域や、岩石の露出する現場の場合、雪による作業の遅れなど、様々な障害が出てきます。
そのような現場では豪雪地域補正、岩石土木作業補正など、これらの悪条件に対して損料の割増しにより対応します。
豪雪地域では、雪の為作業が出来ない等の理由で機械の不稼働日数が一般の地域より多くなります。
そこで、一般の機械の固定費に対し、定められた率(北海道15%、その他10%)を掛け、不稼働分の補正をします。
機械が動いていなくても掛かる費用が増えるため、固定費で扱います。
機械選定の失敗事例
機械の選定には、現場状況や必要な作業量などを十分検討し、土木工事の積算が過大にならないよう検討する必要があります。
以下に、これまでの機械選定の失敗事例を示します。
・ダム建設工事の積込機械にパワーショベルと補助ブルドーザを採用した。
作業条件に適応した規格で機械損料が低額なトラクタショベルを採用すべきであった。
・鉄骨工事の高力ボルト締付け機の選定に圧縮空気を動力源とする空気式の締付け機を使用するとして、労務員4名にコンプレッサーの機械損料などを加えて算定していた。
しかし、コンプレッサーが不要で、その労務費や機械損料が必要ない電動式の締付け機を採用すべきであった。
・オーバーレイエの路面掘削機に小型路面掘削機を2台1組で施工することとした。
大型路面掘削機1台により施工することとすれば、機械損料は1.75倍と高価となるものの作業能力が2倍に上昇するので経済的となる。
・下水道管敷設工事における埋戻し作業のうち、溝の底面から、管に近い管の天端上30cmまでの部分については、埋戻しの際の土砂の投入による衝撃で、管に亀裂横ずれ等を生じるおそれがあるため人力で土砂を投入することとしている。
しかし、埋戻しに使用するバックホウのバケットを所定の位置に正確に停止させるなどのコンピュータ制御装置の付いた機種にすれば、より経済的となる。
・高速道路の路面清掃作業に使用しているスイーパの運転手の職種区分について、一般道路の路面清掃車(大型特殊自動車)と同じ特殊運転手として積算した。
しかし、このスイーパは普通トラックのシャシにブラシ等を取り付けるなどしたもので、大型自動車に該当する。
この場合、特殊運転手より労務単価の低い一般運転手を計上すれば足りる。
以上の点に注意して、土木工事の機械損料の計算ソフトを使って、ご自分で積算してみましょう。
建設機械等損料の分類
建設機械等損料は、次のものに分類される。
・運転1時間当たり損料
・供用1日当たり損料
・運転1時間当たり換算値損料
・運転1時間当たり換算値損料
・供用1日当たり換算値損料
建設機械等損料の計算の基礎となるのは、次の項目である。
・基礎価格
・標準使用年数
・年間標準運転時間
・年間標準運転日数、
・年間標準供用日数、
・維持管理費率、
・年間管理費率などの諸数値
・建設機械の輸送費の積算の参考となる機械重量と燃料費
・電力料の算出の基礎となる機関出力
建設機械等損料計算の基礎となるもの
建設機械等損料計算の基礎となるものについて、国土交通省の「請負工事機械経費積算要領」を参考に下記にまとめる。
1.償却費は、機械の使用又は経年による価値の減価額をいう。
2.償却費率は、耐用期間中の償却費総額の基礎価格に対する割合をいう。
・償却費は基礎価格のうち、費用として工事原価に転嫁される部分をいう。
・定額法、定率法、比例法その他の方法があるが、機械損料では比率法が用いられる。
・償却費率=1-残存率とされている。
・残存率は機械が耐用年数を終え、廃棄処分される際に残る経済価値の基礎価格に対する割合である。
・税務会計上残存率は一律10%、所定の年数を超えて使用する場合は5%となるまで償却できる。
・機械損料での残存率は、建設機械の機種ごとに異なる。
ブルドーザーで0.16
トラクタショベル/ホイールクレーンで0.12
クローラ/トラッククレーンで0.08
3.維持修理費は機械の効用を持続するために必要な整備及び修理の費用で、運転経費以外のものをいう。
4.維持修理費率は機械の耐用期間中に必要となる維持修理費総額の基礎価格に対する割合をいう。
5.管理費は機械の保有に伴い必要となる公租公課、保険料、格納保管等の経費をいう。
6.年間管理費率は年間に必要な管理費の基礎価格に対する割合をいう。これは1年間に必要な建設機械の管理費で、次のような分類になる。
①保険料(自賠責保険・任意保険・車両保険など)
②税金(自動車税・固定資産税・重量税・取得税など)
③格納保管等経費(機械の格納費用および施設費用・運用管理に伴う事務費・オペレーター経費)
年間管理費率は1年間に必要な建設機械の管理費の基礎価格に対する百分比で、トラックで10%、重機械で7.0%、軽機械で5.0とされている。
7.消耗部品費は作業の目的物と直接接触して損耗する部品のうち、損耗度と操業度との相関が極めて高く、かつ、取替修理に特別な技能を要しない部品の費用をいう。
8.基礎価格は検収後現金一括払いを条件とする標準仕様による機械の標準時価をいい、輸入機械にあっては、当該標準時価を基礎とした到着港価格(税金及び通関手続費を含む。)をいう。これは建築機械の新品取得価格をもとに設定されている損料算定価格で、標準付属品を装備した標準仕様の機械を対象としている。したがって、分割払いの金利や輸送費等は含まない。
9.運転時間は機械が目的の作業を行う時間、作業のための自走による移動時間、作業待ち等によるエンジンの空転時間、その他作業に関連する時間をいう。
10.運転日数は運転時間の多少にかかわらず、機械が運転される日を通算した日数をいう。
11.供用日数は機械が工事現場に供用される日数(機械を工事現場に搬入し、又は工事現場から搬出するために必要な日数を含む。)をいう。しかし、機械の運転日や日曜祝祭日での作業休止日、悪天候で作業ができない日、工事現場における機械修理または消耗部品の交換日、工事現場における機械の組み立て解体日、法定の規定、契約の約定、その他工事施工上の必要または工事注文者の都合による拘束日は加算できない。
12.年間標準運転時間(又は年間標準運転日数)は、機械ごとに実績又は推定により定められる年間の標準的な運転時間数(又は運転日数)をいう。
13.年間標準供用日数は機械ごとに実績又は推定により定められる年間の標準的な供用日数をいう。
14.予備用機械は故障又は事故の発生に備え、法令の規定又は契約の定めにより工事現場に存置する予備の機械をいう。
15.現場修理費は作業、災害等による機械の破損又は故障のうち、工事現場で行う比較的小規模の修理に要する費用、その他機械の運転機能を維持するための整備に要する費用で、運転経費以外のものをいう。
16.低騒音型建設機械は官房長が別に定める低騒音型・低振動型建設機械指定要領に基づき低騒音型建設機械として指定された建設機械をいう。
17.低振動型建設機械は低騒音型・低振動型建設機械指定要領に基づき低振動型建設機械として指定された建設機械をいう。
18.組立解体費は、機械の使用に伴う組立て及び工事の完了に伴う解体に必要な費用で、組立て及び解体に使用する機械器具の損料及び運転経費並びに組立て及び解体作業に従事する労務者の賃金及び雑材料費を積算するものとする。
19.輸送費は、建設機械を工事現場に搬入および工事現場から搬出するために要する費用で、機械が所在する場所から工事現場までの最も経済的な経路およびその運賃、また積み降ろしの費用を積算する。
20.機関出力は建設機械の駆動用エンジンの定格出力である。エンジンの場合はPS、モーターの場合はkWである。メーカーごとで販売台数を考慮した加重平均値で示されるので、カタログを確認するとよい。
21.運転時間は、建設機械が目的作業のために実際に運転される次のような時間をいう。
①機械の実作業時間
②目的作業のための自走時間
③目的作業に伴うエンジンの空転時間
④組み合わせ施工における一時的な作業待ち時間
⑤クレーンやウインチなどで荷物を吊ったままの工程待ち時間などの待ち時間
機械損料の計算ソフトを使って積算を自分でやるメリット
・高価な積算ソフトを購入することなく、入札に参加する機会を増やせる。
・メーカーなどの他社に積算代行を依頼しなくていい。
・積算代行ではなく、自分で作成すれば、急ぎの案件にも対応しやすい。
・ちょっとした修正が自分でできれば気軽に修正ができる。
ただし、ご自分で積算する際には、間違えやすいポイントがいくつかあります。
機械損料を適用するとき間違えやすいポイント
・機械損料は毎年更新されます。常に最新のデータであるか注意しましょう。
・時間当たり、日当たりなどの単位に注意して積算しましょう。
・機械の仕様、規格などに注意して、必要な作業が可能な条件設定にしましょう。
・最も経済的になるように、機械や工法の組み合わせを工夫しましょう。
・必要に応じて、メーカーに問い合わせるなどして、実現可能な積算条件にしましょう。
・機械の選定に、現場状況や必要な作業量などを検討し、積算が過大にならないようにしましょう。
・特定の悪条件により作業遅れが予想される場合には、補正により損料を割増して積算しましょう。
これらの点に注意して、機械損料の計算ソフトを使った積算にチャレンジしてみましょう。
土木工事における積算ソフトの選び方ガイド
土木工事を効率的かつ精確に進めるためには、適切な積算ソフトの選定が非常に重要です。このガイドでは、積算ソフトの選び方に関するポイントや考慮すべき要素について詳しく解説していきます。
まず、土木工事に特化した積算ソフトを選ぶ際に注目すべきは、そのソフトが持つ機能です。積算ソフトは、コスト見積もりや資材管理、工程管理など、土木工事プロジェクトの異なる側面に対応するための多くの機能を提供しています。したがって、それぞれのプロジェクトに必要な機能がしっかりと揃っているかを確認しましょう。たとえば、予算管理機能やリアルタイムでの進捗確認機能があると、プロジェクト全体の管理がスムーズに行えます。
次に重要なのが、ソフトウェアのユーザビリティです。どんなに多機能でも、使いこなすのが難しいソフトでは現場での効率が落ちてしまいます。直感的なユーザーインターフェースを持ち、初心者でも簡単に操作できるかどうかを確認しましょう。多くのソフトが無料のトライアル期間を提供しているので、それを活用して実際に使ってみることをおすすめします。
さらに、サポート体制も考慮すべき重要なポイントです。いくら優れたソフトでも、トラブルが発生した際に迅速かつ丁寧なサポートを受けられないと困ります。サポートデスクの対応時間や、メール・チャットのサポートがどの程度充実しているかも確認しましょう。特に、導入初期や大きなプロジェクトを開始する際には、サポート体制の充実度が成否を分けることがあります。
また、積算ソフトの導入には費用がかかりますが、長期的な視点でコストパフォーマンスを考えることが重要です。初期投資だけでなく、ライセンス費用や更新費用、追加機能の購入費用など、トータルのコストを見積もって導入を検討しましょう。数年後の運用コストを含めてシミュレーションを行うと、どのソフトが最もコストパフォーマンスに優れているかが見えてきます。
最後に、他社のレビューや評価も参考にすると良いでしょう。同業他社がどの積算ソフトを使用しているか、その理由や使用感についてのフィードバックを集めることで、自分たちのニーズに最適なソフトを見つける手助けとなります。インターネット上のレビューサイトや業界誌、専門家の意見も積極的に取り入れてみてください。
これらのポイントを総合的に考慮することで、土木工事の積算ソフトを選ぶ際に失敗を避け、プロジェクトを成功に導くことができます。適切なソフトを選定し、効率的なプロジェクト管理を実現しましょう。